ボイスロイド(の皮をかぶったサキュバス)との繁殖記録 作:放出系能力者
「これは軽い精気失調やな。昼に掃除の魔法を使いすぎたんやろ。マキマキは積極的に男を狩りに行くタイプやないから、たまにこうなるんや」
夕飯の片付けを茜ちゃんに任せ、マキさんを先に休ませることになった。
「というわけで、今日のハメパコはマキマキに譲ったるわ。可愛がってもらうんやで」
「しませんよ!?」
「なに言うてんねん。夢魔にとってはセックスが一番の薬やねん。ただの治療行為や」
「いや、でも」
「まあ、マスターの体のこともあるから無理強いはせんけどな。せめて添い寝してあげてくれへんか。それだけでだいぶ楽になるはずや。やましい目的はないんやから、それくらいええやろ?」
茜ちゃんにいつものふざけた調子はなく、純粋にマキさんを心配しているようだった。俺は曖昧に返事をした。ふらつくマキさんの体を支えて部屋へと運ぶ。自力では着替えることもできそうになかったので、衣装のままベッドに寝かせた。
そして意を決し、自分も同じベッドに横たわる。昨晩、俺が気絶してこの部屋に寝かせられていた時、マキさんはリビングのソファで寝ていたようだ。今日は俺がソファで眠るつもりだったのに。
マキさんが使っているベッドは、ほのかに良い香りがして清潔感がある。寝汗が染みこんだ俺の部屋のベッドとは大違いだ。言われた通り添い寝をすることにしたが、マキさんと正面から向き合う度胸はなく、背中を向ける姿勢を取る。
すると、マキさんがぴったりと身を寄せてきた。息遣いがすぐそばで感じ取れる。最初は苦しげだった吐息が、だんだんと和らいでいるようだった。だが、俺の方は逆に冷静さを失いつつあった。
まさかこの生殺し状態が朝まで続くのではないか。あと何時間、我慢すればいいのか。眠気も全く起きない。あわよくばという期待で股間が膨らんでいる。
俺はマキさんとの昼間のやり取りを思い出していた。一緒に掃除をしたり、料理をした。そういう普通の交流だって十分に楽しかった。セックスをしなければ幸せを感じられないわけではない。
我慢と考えるからダメなんだ。マキさんに元気になってもらうため添い寝する。もうそれで十分、身に余る光栄だろう。マキさんは体の関係を持つことを苦手に思っているようだし、弱っているところにつけこんで一方的な欲望をぶつけることはできない。
「んっ……」
奉仕の精神を自分に言い聞かせていた時のことだった。マキさんが小さな声を漏らす。体を寄せ合っているので、わずかな囁きもしっかりと聞こえてしまう。寝苦しそうな声とはまた違う、ほのかに色づくような嬌声だった。
しばらく、その押し殺すような声が途切れ途切れに続く。そして、次に水音がし始めた。くちゅくちゅと湿った音が聞こえてくる。マキさんの口からではなく、もっと下の方から聞こえる。
オナニーしてる!
音しか聞いていないが、そうとしか思えない。これまでの生きてきた中で、この時ほど耳を澄ましたことはなかった。マキさんの声も、水音も、だんだん激しくなっていく。ぴちゃぴちゃと掻き混ぜるような音が静まり返った部屋に響く。
「ぁっ、んぅ……!」
芸能人の浮気スキャンダルをテレビでしばしば目にするが、俺はいつも馬鹿にしていた。美人の奥さんがいて子供もいるのに、他の女を作る意味がわからない。記者会見で涙ながらに謝罪する男を見て、そんなに後悔するくらいなら始めからやらなきゃいいのにと思っていた。
もう俺はこれから先、彼らを馬鹿にすることはできないだろう。頭の中でどんなにゆかりさんとの約束を思い出そうと、体は目の前にいる異性を求めていた。
身体の向きを反転し、抑え込むように上に乗る。マキさんはスカートの中に自分の手を突っ込み、もう片方の手で口元を押さえている。目が合う。マキさんは何も言わない。ただ、俺の目を見てコクコクと何度もうなずく。
俺を受け入れようとしている。その同意を示す動作を見て、最後のタガが外れた。もどかしく一物を取り出す。ミニスカートをまくり上げた。水玉模様のパンツはすっかり濡れている。湿って色が変わったクロッチを横にずらした。
そこからはマキさんのイメージとはかけ離れた匂いがした。シャンプーや制汗剤のような作られた芳香ではない、雄を誘う動物的な性臭がむわりと漂う。指でほぐされた女性器は入口を緩めていた。ぴゅっと小さく液をこぼす。
たまらず一物を近づけた。ペニスに愛液をまぶすように擦りつける。本当は一発で挿入するつもりだったのだが、焦りから狙いが定まらず、ぬるぬると滑ってしまった。自分から挿入するのはこれが初めてのことだったので勝手がわからない。
「はぁっ、く、くそ……」
もどかしい、早く入りたい。数度の挑戦の末、ようやくコツをつかんだ。どうやら穴の入口は割れ目の下寄りにある。最初はぐにぐにと押し返されるように抵抗されるが、正確な位置に先っぽを当てて押し込み続けていると中に入れた。
「あうぅ……」
「おおお……!」
先っぽが入れば後は簡単だった。屈したようにペニスを奥へと受け入れていく。正常位からの挿入。凸と凹が噛み合う。一人では決して得られない快感に満たされていく。だが、満足はできない。さらに深いつながりを求める。
覚えたてのピストンを開始した。マキさんのまんこは締まりが一番きつかった。だが愛液が奥まで満ちているので、なめらかにペニスを動かせる。俺の形を覚え込ませるように、何度も膣内を押し広げる。
そこまでは順調だったのだが、すぐに限界が来た。射精感がこみ上げてくる。まだ1分も経ってないと思う。言い逃れができないレベルの早漏だ。まだ出したくないので、ひとまず腰振りを止める。
つながった状態のまま、別の箇所を愛撫することにした。豊満な胸に手を伸ばす。フルーツの皮を剥くように、その特殊な構造の服をめくる。中に薄いシリコン製のパッドが入っていた。これが肌に吸い付くように密着することで胸部を支えていたようだ。ヌーブラというやつだろう。
こぼれ落ちた双丘は両手に収まり切らないサイズだった。汗をかいてしっとりと濡れている。揺らせば震えるような柔らかさだが、二つの先端だけは固くなっていた。夢中になって感触を楽しむ。
「あっ……マスターくんっ……じらさないで……もう、わたし……」
マキさんが懇願するような声をあげた。両手を俺の背中に回し、脚を俺の腰に絡めるようにして抱き着いてくる。イキそうになっているのだとわかった。
「なかに……だしてっ……」
狂ったように息を荒げて腰を振った。セックスを長引かせる余裕は消えた。後先考えない、射精するためだけのピストン。早漏チンポがその扱きに堪えられるわけがなかった。できるだけ奥へと種を発射する。無責任にまき散らかされる精子でマキさんの膣内を汚していく。
「あっ!? おなか、じんじんして……あっ、あっ……!」
マキさんの体がぶるぶると震えた。抱き着いてくる力が強まる。同じく、膣内もきゅうきゅう締まった。精子が搾り取られる。精気が奪われ、体から力が抜けていく。
結合部から溢れる温もりを感じた。その液体の量からして、おしっこか。あるいは潮吹きというやつだろうか。シーツが大変なことになっていく。
マキさんは絶頂を迎えたようだ。途中までオナニーしていたので、俺の拙いセックスでもいかせることができたのかもしれない。疲れに襲われながらも、達成感や征服感を実感できた。
「えっ、あれっ……!?」
だが、事態はそこで急変した。中出しも終わり、いったん挿入を解こうとしたところで異変に気づく。抜けないのだ。強烈な締め付けによってペニスが捕捉されていた。問題はこの現象、マキさんが意図していないことにある。
わざと抜けないようにしているわけではなかった。俺もマキさんも戸惑っている。無理に抜こうとすると膣内の襞まで一緒に引っ張られて、マキさんが痛みを訴えた。結合した状態のまま一歩も動けない。
これは膣痙攣という症状ではないだろうか。性交中に心理的な要因などから女性器が不随意に収縮し、男性器を取り出せなくなることがあるという。こうなると病院に行かないと外せないという話を聞いたことがあった。
都市伝説のような信憑性のない噂だが、相手が夢魔であるだけにありえないとは言い切れない。現に、交尾したまま動けなくなった間抜けな犬みたいな状況になってしまっている。
茜ちゃんに頼るという手もあるが、それは最後の手段にしたい。ひとまず射精し終えたペニスが小さくなって通常のサイズに戻れば、案外すんなり取り出せるのではないだろうか。
「ごめんなさいっ! わたし、こんなの初めてで、どうしたらいいか……!」
とうとうマキさんが泣き出してしまった。最低なことにその反応を見て、ペニスががちがちに勃起していく。これでは余計に抜き取りにくくなってしまった。
二人で話し合い、もう一回射精して勃起を鎮めることにした。だが、今回はピストンができない。がっちり膣内に捕まった状態で何とか射精までもっていく必要がある。
苦肉の策として、小刻みにグラインドしてみた。ペニスの先っぽを膣奥に擦りつける感覚だ。亀頭は特に感じやすい部分なのでこれでもイケるかもしれない。
「んんっ!? あっ、待って! もう少し、ゆっくり……!」
良いところでマキさんがストップをかけてきた。先ほどよりも女性器の感度が上がっているので、もっと刺激を抑えてほしいと言われる。
夢魔にとってのセックスは精気という栄養を得るために必要な行為だ。人間がおいしいものを食べれば味覚を刺激されて幸福を感じるように、夢魔は膣内に精液を注がれることで快感を得るのだという。
精気を多く持つ人間の精液ほど、中出しされると感じやすくなる。また、マキさんは膣内射精された経験があまりないらしく、そのためかなり敏感になっているようだ。
「ふーっ……ふーっ……♡」
亀のような遅さで腰を動かすとマキさんは気持ちよさそうな甘い吐息を漏らした。マキさんにとってはこのくらいの動きがちょうどいいようだが、俺はじれったかった。ただでさえ小さな可動域の中で頑張っているのに、こんなにまったりとした低刺激ではいつまで経ってもイケそうにない。
腰がカクつく。奥に亀頭を押し付け、腰を痙攣させるように震わせ、擦りつける。バイブの真似事でもしているかのようだ。ほとんど体勢の変化はないのに凄まじい運動量で、シャツは汗で肌に張り付いていた。
「それっ、だめっ……!」
マキさんが抗議するように強く抱き着いてくる。だが、俺の体は止まらなかった。俺の中にいる、もう一人の俺と主導権が入れ替わっていく。こんな言い方をすると中二病っぽくて嫌になるが、現実に体の自由は効かなくなっていた。
射精したいがままならない。その欲求不満をガソリンのように燃やして小刻みに動く。亀頭の感覚に意識を集中し、ポルチオを味わい尽くす。子宮口だけを贅沢に使ったセックス。その小さな穴を探り当てるように鈴口でキスを繰り返す。
「そこばっかりだめえぇっ!?」
マキさんがさらに強く抱き着く。両脚で挟み込むようにがっちりとしがみついてくる。俺の動きを止めようとしているのだろうが逆効果だった。まるで男を求めるようなホールドに興奮し、さらに竿は硬くなる。
「おっぱいらめぇ!?」
空いている手で胸を揉みしだく。全身の感度も上がっているのか、過剰な反応を見せた。結合部から汁があふれる。絶頂したらしい。構わず愛撫を続ける。
「うぅ……おねがい……やさしく、して……」
息も絶え絶えになったマキさんが泣きじゃくる。獣に成り下がった俺の動きは、その懇願を完全に無視していた。マキさんは擬態する余裕もなくなったのか、角と尻尾が出てしまっていた。茜ちゃんの時と同じだ。
その角は小さい。茜ちゃんのは20センチくらい長さがあったが、マキさんのそれは5センチほどの突起だった。前髪に隠れてほとんど見えない。俺は身をかがめてそこに口をつける。
「つのはりゃめえええええええええええええ♡♡」
マキさんがびくびくと跳ねた。膣内がうごめき、断続的に汁を噴き出す。俺はマキさんのポルチオを突きながら胸を揉み、角をしゃぶった。まだ成熟していないその突起は硬めのゴムのような質感だった。舌を這わせ、甘噛みする。
「――――♡♡ ――オッ――――♡♡」
絶頂を繰り返すマキさんの中で、ようやく俺も限界に達した。一度目の射精でどろどろになっている膣内に、追加の精子と精気を送りつける。こねまわした子宮口めがけて放精する。
そのとき俺の脳裏には、昔見たドキュメンタリー番組の映像が想起されていた。野生動物の生態を観察する番組の一幕で、鮭の産卵について紹介された。
産卵期の鮭は海から激流の川を遡上する。命を使い潰すような厳しい道のりを経て、上流へとたどり着いた鮭のオスとメスだけが子孫を残すことができる。そして事が終われば長くは生きられない。
メスが川底に卵を産み、そこへオスが精子をふりかける。今の俺はまさにその心境だった。口を開きながら壊れたように腰を震わせていた。務めを果たすように精子を振り絞る。同じような表情でマキさんがそれを受け止める。
俺たちは鮭になった。そして事切れるように失神した。