ベッドヤクザな遍歴騎士と誘い受けマゾメス騎士姫のハーレム構築ちんチン珍道中 作:HK416
「さあ、行くぞ!」
「アッハイ」
どうしてこんなことになったのだろう。
見渡す限り続く草原、その中に何処までも伸びていくかのような街道の上で、青年は心の中で呟いた。
そんな彼の様子などお構いなしに、先に馬を走らせた女性はどんどん街道を進んで行く。
黒く輝くような馬に跨り、後頭部で括った癖のある金髪を靡かせて。
切れ長の蒼い瞳には好奇の光を煌めかせ、厚く瑞々しい唇は美しい弧を描く。
白い軽鎧程度では隠し切れぬ豊満な肉体を馬と共に躍動させる様は、一枚の絵のような美しさがある。
対して、青年は平々凡々。
目立った顔立ちでもなければ、これといった特徴も見受けられない黒い目に、黒い短髪。
何か言及するものがあるとすれば、人よりも僅かに大きい体格だが、大男と言うほどでもない。
彼は嘆息交じりに跨った愛馬に助けを求めるように見た。
しかし、肝心の愛馬は彼の心持ちを気にした様子もなく道端の草を食べている。
長く連れ添った相棒のつれない態度に、また一つ溜め息が零れた。
「参っちゃうよなぁ…………まあ、そういう人だからしょうがない。ほら、道草喰ってないで行こうかアッシュ」
「ぶも、ぶるる」
「後でたっぷり食べて眠っていいからさ」
「ヒヒ~~~~~~ン」
自身の言葉に大きく嘶いて駆け出した芦毛の愛馬に、青年は苦笑を漏らす。
多くの国において、芦毛の馬は忌避されがちだ。その理由は良くも悪くも目立つことにある。
戦場で騎馬を務めるにせよ、輸送で馬車馬を務めるにせよ、灰色の毛は兎に角目立つ。
夜闇に紛れても、星や月の光を跳ね返す毛並みは敵軍や野盗の目を引きかねない。
戦いを生業とする者であろうと、単純に馬力を求める者であろうと、安全のために避けたがる。
その利用のされ方は、どれほど速さや聞き分けの良さを持とうとも、基本的に農民の労働力である場合が殆ど。
しかし、青年は僅かばかりに老いた芦毛を気に入っていた。
反応からも分かる通り、人の言葉を理解するほどの賢さを持ち、落ち着きと人への信頼を身に着け、何よりも勇気がある。
彼の考える名馬の条件を全て満たしており、何よりも既に何度となく共に修羅場を潜り抜けた仲なのだ。
尤も、普段は食べることと眠ることしか考えていないかのようで、どの馬小屋番にも牛みたいだ、と言われる始末であった。
青年の心の内まで察したわけではなかろうが、アッシュは立ち上がらんばかりの勢いで後ろ足を蹴り出した。
瞬く間に加速体勢に入り、速度は増していく。
風を切る音と地面を叩く蹄の音が耳朶を刺激し、草原の青草の匂いすら置き去りしているかのよう。
視界の下あたりで鬣が揺れ、それ以外は変わり映えのしない風景は続いていくが、後方に流れていくさまは心地よくも美しい。
人馬ともに走ることそのものを楽しんでいれば、先を行く女性に追いつくにはそう時間は掛からなかった。
「ほう、もう追い付いてきたか! それでこそタキトゥス! それでこそアッシュだ!」
「どうも。ですがセレナ様、そんな飛ばしたらそっちのルドウィークが次の街まで持ちませんよ」
「なんの! 如何にアッシュと言えどもルドウィークが劣るものか!」
女性――セレナは横に並んできた一人と一頭に、掛け値もなければ世辞もない、心からの称賛を送る。
青年――タキトゥスは、口調や見た目よりもずっと幼い反応を見るだけで振り回される煩わしさを許してしまっている自分に苦笑を漏らす。
思えば奇妙な二人組である。
片や絵の中から現れたかのような絶世の美女。
片や朴訥と純朴を絵で描いたかのような青年。
釣り合いからして取れていないが、女主人と従者と見れば不思議ではないか。
しかし、何者であるのかは判然としない。
一見、傭兵のような軽装ではある。
セレナの白銀の胸当てと両の籠手。
タキトゥスの漆黒の胸当てと肩から左腕全体を覆う手甲。
いずれも意匠といい、機能性といい、相応の職人に作られているのが伺える。
腰には長剣、背には盾。馬の荷鞍には野営用の道具や食料ばかりではなく弓矢など武具も見て取れた。
傭兵と呼ぶには立派過ぎ、騎士と呼ぶには軽装が過ぎ、旅人と呼ぶには聊か物々しい。
「さて、次の街まで――――むっ」
「あれは、行商人の馬車のようですね」
この草原は完全な平地ではなく、起伏に富んだ地形をしている。
小高い丘を連なるところもあり、地平線はどうしても一直線には結ばれない。
街道の通った丘の上。
其処に差し掛かったセレナとタキトゥスは奇妙な光景に馬の手綱を引いて速度を緩める。
二人が見れば、草原の彼方には二頭立ての馬車が立往生していた。
この草原に通った街道は一本のみで、誰であれそうそう街道を外れはしない。
足首までの高さの草とは言え、人も馬にそれなりの消耗を強いられ、隠れたぬかるみで転倒する恐れもある。
何より、丘と丘の合間は旅人にとって死角になりやすい。
邪な者達が獲物を待ち構えるにはうってつけとあっては、街道から離れること自体が危険行為となる。
「オークに襲われているではないか……!」
セレナの言葉通り、行商人の馬車は人型ではあるが人ではない魔物に襲われていた。
猪のような牙に、豚をより凶暴に歪めたかのような面構え。
人よりも一回り大きい体躯は、何処も彼処も丸太のように太い。
ある程度の訓練や実践を経た者ならば、危険ではあるが容易に対処できる種族である。
けれど、此度は様子が違っていた。
護衛として雇われたであろう傭兵らしき三人の男が必死に馬車を守っている。
しかし、襲いかかるオークの数はざっと見ただけでも、その五倍。
正に多勢に無勢。寧ろ、たった三人の守りで持ちこたえていることが奇跡的でさえあった。
「助けに向かうぞ、異論はないなっ!」
義憤か、使命感か。
セレナの瞳に好奇とはまた別の光が宿り、腰から剣が抜き放たれる。
跨ったルドウィークも主人の気勢を察したのか、目付きが鋭く尖り臨戦態勢に入っていた。
「其処に対して異論はありませんけど、セレナ様は剣も得意ですけど、弓の方がもっと得意なんですから素直にそっち使ってください。怪我でもしたら大変だ」
「ぐっ、そうではあるがっ。あと、様も止せ。今はただの同僚だ」
「無理あるんだよなぁ…………馬車の裏手にも敵がいるかもしれませんので、僕はそちらに回ります。セレ、ナは弓で護衛の援護を」
「承知した」
タキトゥスの諫言は嫌味ではなく事実であったのか。
セレナは勇ましく抜き放ったはずの剣をそそくさと鞘に納め、代わりに弓を握る。
横目でそれを見たタキトゥスは呆れとも気合とも取れる息を吐き出すと、アッシュの脇腹を蹴った。
再度の駆け出しは、先程よりも更に速い。
馬は本来、加速しきるまで時間のかかる生き物であるが、彼の愛馬にはその道理は通用しないらしい。
柔軟な筋肉をバネとして利用するかのような加速。
地を這うようでいながら、同時に飛んでいるかのような疾駆。
その背に跨りながら、タキトゥスは容易く腰の剣を抜き放つ。
(棍棒4、斧5、剣6。警戒薄く、鎧なし、盾なし、弓なし、伏兵もなし――――問題ないな。まずは馬車を逃がそう)
恐るべき速度と勢いで間を詰める一人と一頭にオークはまだ気付いていない。
馬車馬は事故を起こさぬように前に何かがいれば必ず立ち止まるように訓練される。
立ち塞がった二匹のオークにそのような知恵があったのか定かではないが、功は奏していた。
惜しむらくは、襲撃に意識を向け過ぎて、己が逆に襲われるなど考えてもいないことか。
二匹のオークがタキトゥスとアッシュの存在に気付いた時には、全てが手遅れ。
馬上で振るったとは思えぬ二度の剣戟は、オークの首を捉えて容易く断ち切る。
「げっ、折れた」
ゴトリと後方で首が落ちる音を聞きながら、奇襲の代償を見て呟いた。
手入れ不足か、粗悪品でも掴まされたのか。
いずれにせよ、焦りの一つも見せればいいだろうに、彼は冷静そのもの。
そのまま勢いを殺すことなく馬車の前方から右側面へと回り込む。
(やっぱりまだ居たか)
タキトゥス達からの死角には、狼の毛皮を被ったオークが一匹。
肩に大剣を担ぎ、身に纏う毛皮の量も多く、体格も他に比べて一回り大きい。明らかに群れの長である。
今し方、馬車の幌を破って引き摺り下ろしたであろう、抱き合う母親と娘と思しき二人組を見下ろしていた。
殺すつもりか、攫って慰み者にでもするつもりか。
顔に刻まれた笑みは下卑たとしか表現できず、母娘の暗い未来を暗示しているかのようだ。
「させるか、間抜け」
状況に不づり合いな穏やかでさえある声に、ようやく気付いたオークが出来たのは視線を向けることのみ。
次の瞬間にはタキトゥスの投擲した折れた剣の柄が眼窩を貫通し、脳漿を掻き回していた。
「御婦人、お怪我は……?」
「あ、ありがとうございます。ありがとうございます……!」
どうと倒れ伏す巨体を尻目に、アッシュを止めて背から降りたタキトゥスは母娘へと駆け寄った。
見た所、どちらも怪我はしていない。
その点に関しては不幸中の幸いであったが、礼を繰り返すばかり。
未だ窮地を脱していない以上、口にするにはまだ早い。
「兎に角、中へ…………傭兵殿! いらぬ世話かもしれませんが、手を貸します! よろしいか?!」
「くっ、オラァ……! 誰かは知らねぇが助かるぜ! 旦那ァ! 奥さんと嬢ちゃんは無事だ! 今は逃げろ! 絶対に止まるなよ!!」
「し、しかし、君達が……」
「前金受け取っちまってるからよぉ! 行先は分かってる、生きてりゃ残りも受け取りに行くさ!」
「わ、分かった。死ぬなよ……!」
オークと鍔迫り合いをしていた髭面の傭兵の一人が、相手の腹を蹴り飛ばして距離を取る。
彼は護衛の要を担っていたらしく、馬車の荷台を乱暴に叩いてこの場からの離脱を促す。
意を受け取った行商人と思しき男は、僅かに迷いながらも馬車を走らせた。
されど、折角の獲物を逃すオーク達ではない。
駆け出し始めを捕らえるべく、我先にと馬車へ殺到する。
頭を失った烏合の衆だが、未だ多勢。
そもそも引き時すら知らない以上、この行動に不思議はない。
オーク達の動きをある程度は予測していたのだろう。
髭面の男は声を荒げて仲間達へとすぐさま檄を飛ばした。
「チッ、おいお前ら、まだ生きてるか!? 死んでも止めろぉ――!」
「おうさ! ……うぉっ!? なんだぁ……!?」
「御心配なく。馬車の守りは既に此方が」
行商人が荒くれで知られる傭兵を絆していたか。
はたまた、この傭兵達が極めて律儀かつ依頼に対して忠実であったのか。
檄に応えた禿頭の傭兵は駆けだそうとしたものの、無為に終わる。
馬上からセレナの放った矢が、追撃を始めたオークを射抜いたからだ。
放たれる矢の凄まじさよ。
ただ急所に突き刺さるだけでは飽き足らず、酷い時には矢そのものが肉体を貫通。首すら断ってしまうほど。
自らの知る現実とは余りにも乖離した光景に、傭兵達は身の守りすら忘れていた。
されど、タキトゥスにとっては見慣れたものなのか。
然したる興味も抱かず、無事にセレナが馬車へと追いついたことだけを確認すると、視線を切った。
そうして折れた剣の代わりに、オークの長が持っていた大剣を拾い上げる。
「あんたら、一体……」
「ヴァンハイム王国の遍歴騎士、タキトゥス」
「へん……? そんな役柄の騎士、聞いたことねえぞ?」
「ですよね。実は、できたばっかりの役でして」
大剣の握りと重心を確認しながらの名乗り上げ。
けれど、傭兵の反応は至極当然で、同時に聊か寂しいものだった。
◆ ◆ ◆
「結局、出戻ってきちゃったなぁ」
月と星が輝きと酒場の活気が増し始めた頃。
朝出たばかりの宿場街。
その中で最も高級な宿屋の一室で、タキトゥスは寝具に身体を投げ出していた。
寝具も値段相応なのだろうが、余りにも柔らかすぎてどうにも落ち着かない。
若くして様々な戦いの場に赴いた身故、固い地面で眠ることに慣れきってしまっていたからだ。
「まあ、いいか。人助けも悪くないや」
結局、昼の襲撃介入自体はいとも簡単に片付いた。
傭兵と協力してオークを全てを退治。
その後はセレナの守る馬車に追いついて合流。
本来、話は其処で終わりの筈であったが、セレナが街までの護衛を申し出た。
傍目から見れば、余計なお世話。
傭兵にしてみれば、仕事を横に奪われるようなものであった。
それでも諍いに発展しなかったのは、行商人が傭兵への護衛依頼を破棄しなかったからだ。
元々取り決め通りの報酬を支払うことを確約。
その上で疲弊した傭兵を休ませるために、申し出を受け入れた。
所詮、口約束でしかなかったものの、両者の信頼関係は固く、事なきを得た。
そうして行商人と傭兵は目的通りに街へ。タキトゥスとセレナはとんぼ返りとなったわけである。
「やることやったし、もう寝よう」
まだ夜は始まったばかり。
彼くらいの年頃であれば酒場にでも繰り出せばいいものを、もう眠るつもりらしい。
欠伸を漏らしながら部屋の灯りを消す。
魔法石のランプはコックを捻ると音も匂いもなく消えた。
月明りだけが差し込む部屋の中、大きく伸びをしてからタキトゥスは毛布に包まった。
寝具の柔らかさは慣れないが、温かさは悪くない。
そんなことを考えていると眠りの世界はすぐ其処。
慣れない状況でも眠ることが出来る。それは間違いなく彼の長所だった。
――――それから暫く経って。
「すぅ……すぅ……んがっ……!」
心地良い眠りの世界に沈んでいた意識が、突然浮上させられる。
パチリと目を開けたタキトゥスが感じ取ったのは妙な気配。
そして、毛布の中に入り込んでくる冷気ともぞもぞと勝手に動いている毛布。
明らかな異常事態であったが、タキトゥスは片手で顔を覆い、盛大に溜息を吐く。
まるで途方もない頭痛でも覚えているかのような仏頂面だった。
彼が毛布を握り、一息に剥ぎ取ると――――
「あっ♥ お目覚めですか、タキトゥス様♥」
「なに、やってんですか……」
「本日の、夜伽に参りました♥」
――――彼の股の間に潜り込み、セレナが股間に頬擦りをしていた。
まるで昼間とは別人のようだ。
但し二重人格などではなく、どちらかと言えば此方の方が彼女の素に近い。
無論、性格も違っていれば、身に纏っている衣服も異なる。
固い印象を与える鎧はなく、余りにも薄すぎる黒い
月明りで肌が透けて見え、背中が大胆に開き、スリットは腰の横まで開いている。
下着は紐と言って差し支えなく、乳輪も秘所もはみ出していて役割を果たしていない。
両手は二の腕まで、両脚は太腿まで、
花の香りのする香水を纏い、薄い口紅を引き、指先もきっちりと黒い爪化粧まで施してある。
何よりも、その蕩け切った表情。
ともすれば厳しい印象さえ与える凛々しかった顔は、今はどうしようもないほど女だと認めて媚びているかのようだ。
並の男なら目にしただけで
それは明らかに呆れと疲れによるものではなく、彼女に魅力を感じているからこそ芽生える思いを吐き出していた。
「セレスティナ様、何をやっているか理解できておいでですか?」
「はい、勿論♥ 夫の猛りを解消するのが妻たる私の役目♥ どうぞ、思うまま私をハメ潰してください♥」
「だめだこの人、何もわかってない」
セレナは彼女本来の名ではない。
タキトゥスの遍歴の旅に同行するため得た、偽りの名であり、偽りの身分。
彼女の本当の名はセレスティナ=フォン=ヴァンハイム。
女だてらに騎士の称号を得て、若くして多くの偉業を為したヴァンハイム王国の第三王女である。
地の文に擬音はアリ? ナシ?
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全然アリ
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エロだけでならアリ
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擬音はアリだけど、今の擬音はちょっとぉ
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何が何でもナシ、陳腐すぎ
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エロだけでもナシ! 萎える!