※この作品はR-18です。

ベッドヤクザな遍歴騎士と誘い受けマゾメス騎士姫のハーレム構築ちんチン珍道中   作:HK416

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おっとりサムライガールとの出会い

 

 

 

 

「なんだ、こりゃあ……」

 

 

 雷鳴の閃光と轟音の響いた先には、草原によくある高低差――――丘の連なりがあり、その間には凄惨な光景が広がっていた。

 

 草の上にぶちまけられた死体、死体死体死体。

 

 首や胴、手と脚が泣き別れている死体があった。

 腹を裂かれ、内臓を溢している死体があった。

 全身が火傷に覆われ、一部が炭化した死体があった。

 その逆に身綺麗なまま、外傷の見受けられない死体があった。

 

 緑で覆われた大地に現れた赤と黒で染め上げられた空間は、一同が息を呑むには十分過ぎた。

 いち早く馬上から降りたタキトゥスが、死体の傍らに膝を付いて検分していく。

 

 

「どうやら、全てゴブリンとオークのみたいですね。人の死体はないようです」

「てことは、魔物に襲われて、ってことか……?」

「そのようだ。だが、事なきを得たわけではないようだ」

 

 

 人型であること以外に分からない黒焦げの死体の口から飛び出た特徴的な犬歯はオークのそれ。

 判別可能な死体も、薄緑の肌から明らかに人のものでも亜人のものでもない。

 その事実に、国民を守る立場にあるセレスティナはほんの一時だけ胸を撫で下ろしたが、すぐさま気を取り直して鋭く視線を尖らせる。

 

 状況から察するに、魔物に襲われた何者かが魔法を行使してたものと思われる。

 しかし、まだ全てが済んだわけではない。何者かの姿は存在しておらず、点々と続く死体は道標のように丘の先へと続いていた。

 

 

 ――――その時、一際大きい雷鳴が一帯に響き渡る。

 

 

 何者かが戦い続けている事実に、一同は顔を見合わせ、すぐさま馬を走らせた。 

 

 

「カルラ、匂いで何か分かるか……?」

「くんくん……多分やったのは女、それも一人だ」

「私の騎士団には剣も魔法も扱える者はいるが、ここまで雷の魔法に秀でた者はいなかった。誰かが帰郷している最中だったかもしれんが……」

「そうか、女騎士はセレスティナのところにしかいねぇんだっけ?」

「ああ。だが、先にも言ったが魔法の才ある者が暴走している可能性もある」

「いえ、それはないと思います。魔法だけじゃなく剣技にも秀でている。少なくとも剣には術理がありました。感情的になって暴発しては、ああはならないでしょう」

「と・な・る・とー、オレみたいに他国(よそ)から来たか…………言いたかないけど、もしかしてアレとか?」

「まさか…………いずれにせよ、確認と手助けは必要だ。急ぐぞ!」

 

 

 一体、戦っているのは何者なのか。

 疑問に答えを得られぬまま、三人の駆る馬達が小高い丘を駆け上っていく。

 

 それぞれの頭に浮ぶ無数の可能性。

 そのどれもが起こり得るものであったが、カルラからセレスティナへと伝染した思考は最悪と呼べるものだった。

 過去、その脅威に晒されたセレスティナの顔は蒼褪め、戦場でさえ恍けた表情を続けるタキトゥスですらが眉根を寄せていた。

 

 可能性という名の妄想を頭の中でのみに留めるべく、丘を登りきって見えてきた光景は――――

 

 

「いたぞ! あれは、トロルか!」

「なに食ったらあんなデカくなんだよ……! 地の底からやってくんなら、サイズ感考えろっての……!」

 

 

 遠目に森や山々の威容が重なり、地平線の彼方まで続く平原。

 その中を貫く河の畔で、一人と一匹が対峙していた。

 

 泥で汚れた青白い肌に、獣の皮を何枚も重ねた腰巻のみを身に着けた腹の突き出た巨躯。

 牙の突き出た醜悪な豚面。体積だけで言えば大人十数人分に達し、下手な民家ならば簡単に踏みつぶせてしまいそうな怪物を、人々はトロルと呼ぶ。

 

 

 ――――魔物は地の底からやってくる。

 

 

 地下には暗黒の世界が広がっており、魔物は得物を求めて彷徨い出(い)でる、と広く信じられている。

 でもなければ、トロルほどの巨躯やオークがゴブリンが徒党を組むほどの数が人々に目撃されないのは不自然であろう。

 それが事実であるかは別として、差し迫る脅威には違いない。

 

 オークやゴブリンに比べれば被害数自体は少ないが、一度その存在が確認されれば被害は甚大なものとなる。

 場合によっては領主のお抱え騎士では対応できず、王国騎士団が討伐隊として差し向けられるほど。

 

 しかし、それ以上に目を引いたのは、相対しているのが可憐と言っても差し支えのない少女だった。

 

 

「刀に、着物……あの娘、アズマ人(びと)か? でも、どうしてこんなところに……」

 

 

 長い紫紺の髪を三つ編みにして前に流し、ヴァンハイムではなかなか見られない装束を纏っている。

 陽光を反射させる剣は特徴的な片刃の造りで“刀”と呼ばれているものであり、その製法はヴァンハイムには伝わっていない。

 

 ヴァンハイム王国の東側の海に浮かぶ無数の島。

 小さな島々と神州と呼ばれる大きな島で構成され、独自の文化を築いた島国をアズマ国と呼ぶ。

 先王時代よりも以前から細々と貿易関係にあり、現国王マクシミリアンに代替わりしてからは同盟国となっている。

 

 きっかけは、代替わりと改革が必要なほど弱体化したヴァンハイム王国の領土切り取りを狙ったギルドハイム帝国による大規模侵攻にあった。

 当初は国境に面したアレイ山脈を中心に両国は激戦を繰り広げていたが、ギルドハイム側も地形に寄る不利は元々織り込み済み。

 

 そこで展開したのは、ヴァンハイム王国の東側に広がる長い海岸線へ向け、海を回り込んでの迂回作戦。

 しかし、長い船旅による兵の弱体化や船上での疫病蔓延の可能性を考慮すれば、どうしたところで橋頭保は必要となる。其処で目を付けられてしまったのが、アズマ国であった。

 アズマ側はサムライと呼ばれる戦士を使って抵抗したが、防衛力に乏しい数々の島を数の暴力で、海戦では桁違いの強固さを誇るガレオン船で圧倒され、神州にも攻め込まれる寸前にまで陥る。

 

 この状況をヴァンハイム側が気付けたのは――――

 

 

『ギルドタリアとは仲悪いし、他の四大国とも仲が良いわけじゃない。せめて他の小国と仲良くしたいなぁ』

『陛下、そう簡単な問題では…………ですが考えには賛同します。差し当って、親善の使節団に贈り物でも持たせて送り込みましょう』

 

 

 ――――無能な名君と呼ばれるマクシミリアンの特に深い考えのない豪運采配のお陰であった。

 

 使節団は決死の覚悟でギルドタリアの海上監視網を掻い潜って帰国。

 アズマ国の危機的状況、ひいては自国の安寧が脅かされることを伝えたのである。

 

 これにブチ切れたのはアレイ山脈の砦で来る日も来る日もギルドタリアの侵攻に苦しめられていた若き日の総騎士長ウォルト・マイヤーだった。

 彼とマクシミリアンは即座にアズマ国の救援を決断。前者は軍事的にアズマ国をギルドタリアの橋頭保とされれば、常に二正面作戦を強いられかねず、後者は全く裏表のない善意である。

 宰相クロミアを説得し、国庫を解放させて商人からは数多の船を買い取り、商船を襲っていた海賊達を一時的に騎士として叙し、で十分な海上戦力を確保したのである。

 

 

『奴等の船は船底からマストの先までまるっきり海戦用の船で、側面に大砲をしこたま積んでやがる。対してこっちは商船が殆どで、海賊(オレ等)の船も無理くり砲を乗っけただけ。まともに戦ったら絶対に勝てねえ』

『ならば、どうするつもりだ?』

『決まってらぁ。こっちのもアズマの船も小さくて、小回りが利く。だから――――船に火ぃつけて頭かケツ掘るんだよぉ!!』

『成程な。島の奪還と似ているな。此方は民を助けた後は島も食料も焼き払う。奴等の兵站は現地調達が基本だ。腹が減っては戦は出来ん、はアズマ国の格言でしたかな?』

 

(((((ヴァンハイム王国の連中、頭おかしいんじゃねーの?)))))

 

 

 この戦いにおいて火船戦法で鳴らし、後に海賊騎士と呼ばれる英雄が爆誕。

 総指揮を執っていたヴォルフの腹心と友誼を結ぶことになり、アズマのサムライ達に正気を疑われることになる。

 

 

『うぉぉぉぉ、ギルドタリアの畜生どもを皆殺しにしろぉ――――!』

『生き恥晒すな! 死して誉れと思えい!』

『火矢じゃ! 火矢を放てぃ! ははははは、ギルドタリアめ、火に巻かれて慌てふためき、怯えておるわ! これぞ、奴等が獣である証拠ぞ!』

『火矢が雨の如し! これならば天からの恵みと大差なし! 火達磨になろうとも敵の首級を上げよ――――!!』

 

(((((アズマ国の連中、頭おかしいんじゃねーの?)))))

 

 

 アズマ国の侍は小さな島国で何百年と内戦を続けてきたが故の狂気を全力で解放。

 兵站を与えぬためにとった焦土作戦の中で、自ら燃え盛る敵陣に突撃し、火に焼かれながら敵を討ち取る凄まじさに、ヴァンハイムの騎士達はドン引き。

 

 結果、ギルドタリアは両者からボコボコにされて奪った島々を放棄して撤退し――――

 

 

『ヴァンハイムには恩義がある。あと怖いから敵に回さず仲良くしよう』

『アズマ国のサムライ、イカれてる。怖いから敵に回さず仲良くしよう』

 

 

 ――――となった。

 互いに互いの強さと恐ろしさを知るが故に、友好関係を築く判断に至ったのである。

 

 よって、アズマ国の人間がヴァンハイムに居ること自体はさほど驚きはしない。

 渡航も認められており、ヴァンハイムの東側ではアズマの商人もいれば、武者修行と称してやってくるサムライもいるほど。

 ただ、郷里への愛が深く、元々内向的なお国柄なのだろう。こうしたヴァンハイム王国の南側までやってくる者は殆どいない。

 

 

「何者だ。アズマの装飾には詳しくないが、身形は立派に見えるが……」

 

 

 予期していなかった存在に、困惑を深めるセレスティナであったが、見立ては間違っていなかった。

 

 事実、紫紺の少女の着物は仕立てが良く見える。

 自ら改造でもしたのか、衿が開き気味で豊満な胸元を大胆に晒し、衿先も太腿までと極端に短い。

 赤銅色の帯を締め、長い足袋が膝上まで伸びて、ヒールの高い下駄を履いている。

 

 良くも悪くもヴァンハイムの文化を取り入れたような衣装は流浪の経験の長いタキトゥスでも見慣れぬものだった。

 

 

「つーか、早く助けねーと!」

「いえ、その必要はなさそうですよ……」

 

 

 カルラは義侠心からか、すぐにでもファウストを走らせようとしたものの、タキトゥスによって止められた。

 紫紺の少女の実力を正しく見抜いた故、必要なしと判断したと同時に、手助けに入れば巻き込まれないと理解したから。

 

 少女が片手で握った刀を天へと掲げると、雲のない天空から鋒へと紫電が落ちる。

 紫電が全うな物理法則の内にあるはずもなく、少女を害することのなく刀へと絡みつく。

 その技に配下が何度となく屠られてきたのを見てきたのか、大した理性も知性も存在しないトロルが、圧倒的な死の気配に本能から恐怖を浮かべてたじろいだ。

 

 生まれた決定的な隙を見逃すほど少女は間抜けではなく、隙のあるなしに関わらず結末は変わらない。

 

 

「――――――」

 

 

 怜悧な視線と共に、紫電を纏った刀が袈裟に振り抜かれる。

 間合いも刀身の長さも関係などなかった。刀が振るわれる瞬間に紫電が刃となって伸び、何の抵抗もなくするりとトロルの身体を通り抜ける。

 

 そして、ずると音を立てて、剣閃の軌跡に沿って身体がズレた。

 痛みさえないのか、トロルは一層恐怖に染まった表情でズレを押し留めようと躍起になり、やがては大地へと泣き別れした身体が倒れ伏せる。

 

 

「とんでもねぇ。魔法使いってのは、こんなに強いのか」

「人にもよるが――――自身の魔力を使っていない。これは、“加護”だ……!」

「加護持ちって奴ですか、初めて見たな……雷を操るなら、オイナの加護を持ってるのか……」

「加護って、さっき言ってた秘蹟の上位って奴か」

 

 

 加護とは文字通りに、特定の神から寵愛を受けた者を指す。

 既にこの世界を去った神々ではあるが、あくまでも世界を去ったのみであり、見捨てたわけでも見放したわけでもない。

 その力は世界法則を安定させる役割を終えておらず、より上位の視点から世界を見守っている。

 

 そして、神々にも当然、好悪の感情は存在し、自身と似通った精神性、或いは見込んだ者には加護を与える。

 言わば世界法則を安定させた魔力の一部を譲渡するようなものであり、当人の魔力を使用するまでもなく秘蹟や魔法以上の現実改変すら可能。

 

 加護持ちは疑う余地のない選ばれし者。

 最初の騎士アルトリウス。大賢者ヒース。医の探究者マルク。大鍛冶棟梁ヴィルマ。法の規定者フェムト。

 その存在は一部の例外もなくヴァンハイム王国の歴史へと刻まれ、成した偉業もまた同様。

 ヴァンハイム王国と同じく四大国家に辺り、十神教を信奉する宗教大国バルトメロイにおいては、加護を持った者は聖人・聖女とも呼ばれ、国の頂点たる教皇にさえも意見できるとまで言われている。

 

 そんな加護持ちが、生まれ育ったであろうアズマから遠く離れた異国の地にいるのか。

 そもそもアズマ国の者達は、彼女の存在を認知しているかさえも定かではない。

 加護持ちは英雄たる資質を持つ者。戦いのみならず、神々しか得られない知見すらも獲得できる。そんな者を何の枷もなく野放しにするとは考え難かった。

 

 

「…………――――!」

 

 

 どう対するべきか、とセレスティナは一瞬悩んだ。

 少なくとも、加護持ちの少女は魔物から身を守っただけに過ぎず、幸いにも巻き込まれた民草がいない以上は責められる謂れもない。

 

 しかし、あの絶大な力もある。

 国を治める者として、拘束まではできないにせよ、事情だけでも知っておかねばなるまい、と結論したが、次の瞬間には息を呑んだ。

 

 戦いが終わり、ようやくセレスティナ達の存在に気付いたのだろう。

 少女は丘の上で一部始終を見守っていた彼女等に視線を向けた。

 

 その、悍ましい暗黒で染められた目に、セレスティナは怯えたのであった。

 

 

「まずいぞ、黒目(ブラックアイズ)だ!」

「マジかよ……!」

「加護持ちの黒目とか、厄介な……」

 

 

 何の比喩表現でもない、直接的な表現だ。

 本来、眼球の白と生まれ持った瞳の色のみで満たされているはずの少女の眼窩は、今やインクでも流し込まれたかのように黒一色で染まっている。

 

 それは、この世界の人間ならば、老若男女を問わずに知っている。

 あらゆる生命の尊厳を奪い、過去多くの悲劇と惨劇を生んだ、神々でさえ消し去れなかった真正の災厄。

 

 病とも呪いともされるそれを、人々は恐れと悍ましさ、そして見たままにこう呼んだ。

 

 ――――“黒目(ブラックアイズ)”と。

 

 

 

 

 




加護持ち

文字通りに、神々から加護を与えられた者を指す。
基本的にこの世界における神は十柱のみであり、日本の付喪神とか八百万の神とかは精霊に分類させる。
この十柱の神は割と本気で世界と其処で生きる者を愛しているので、自己犠牲も厭わなかった。そして、世界の行く末を決めるのは今を生きる者達だけ、と認識している。
なので、加護を自らの意思で与える神は十柱の中で一部だけ。

但し、神々の思惑に反して加護を獲得してしまう者もいる。
それは特定の神と精神性が似通っていた。加護もまた世界に組み込まれた法則性の一部なので、神々でさえどうにもできないパターンがある。

因みに、今回出たサムライガールの加護は雷と戦の神オイナのもの。
コイツは気に入った相手にも見守るだけで不干渉であるべき派なので


オイナ「オレそんなつもりないのに……」


と頭抱えている状態!

地の文に擬音はアリ? ナシ?

  • 全然アリ
  • エロだけでならアリ
  • 擬音はアリだけど、今の擬音はちょっとぉ
  • 何が何でもナシ、陳腐すぎ
  • エロだけでもナシ! 萎える!
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