※この作品はR-18です。

白玉楼での出来事   作:回忌

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今回は主に雷煌の過去回です
過去を書くだけで5000文字は辛いよぴえん


記憶

走る。ともかく走る。

中学校や小学校で走ってはいけない(戒め)とあった張り紙を無視して急いで走るように。

あの時は怒られて終わりだったが今の状況だと首チョンパされる。

いや、ifの展開を思い出した感じでは四肢の欠損がない状態で

連れてこいと言われていて…逆に言えば四肢があればどんな手段でも使っていいと思っているのだろう。

その証拠にずーっと楼観剣を手に持っている

拳や手刀で気絶させようという気持ちはまったくない

というか妖夢の雰囲気が怖い。先程から眉一つ動かさないし

動きがどこかしら彼女らしくない動き方だ。

殺気とか憤怒とかの感情も感じられない。

自分は主の一言で動くかのように何も無い

ただ命令されて動く機械のようだ。

…まさか今の妖夢は幽々子に操られているとでも?

 

「そんな事あるわけないでしょう。私は私。貴方は貴方。」

 

首を傾けて私の疑問に答える妖夢

じゃあ君はこれを望んでやっていると?

その問いに妖夢はとびきりの笑顔で言う。狂った様に

 

「ええそうですよ!これが私!幽々子様が幸せになるならこの身を捧げる事だって厭わない!

 …だから主の幸せのために戻ってきてくださいよ雷煌さん。」

 

楼観剣をこちらに向けて問う妖夢

勿論の事このまま死ぬ訳にはいかないだから私は

背を向けてもう一度走る。

後ろから呆れたようなもしくは可哀想な物にかけるような声をこちらにかけてきたのだ。

 

「仕方がありませんね、雷煌さん。」

 

「へ?」

 

いつの間にか振り向かされて首根っこを掴まれていた

そしてゆっくりと持ち上げられる。

目の前の同年代と思われる少女が男の私を持ち上げている

その青白い細腕から何をしたらそんな怪力を出せるのだろう

本当にガッと掴まれていてこれ以上強く握られると

(首の骨が折れる音)が出てしまう。白い文字で。

足で妖夢の膝をゲシゲシと蹴っているが絞める力が

緩まれるどころかどんどんと力が強くなっていく

 

ここいらであることを思い出した。

絞殺とは首を絞められて死ぬのでは無い。

酸素が脳に供給されなくなって酸欠で死ぬのだ

つまり夢も見られずに苦しんで死んでしまう。

ギチギチと音を立てて絞められる首

 

ポキン

 

何故か首が赤ちゃんのように傾いた。

自分で戻そうとしても動かない…全身が

先程ゲシゲシと蹴っていた足に妖夢の腕を剥がそうと

していた私の手どちらともがプラーンとぶら下がっていた

それから先程から聞こえる音が全て曇っているかのように

聞こえるのだ。こう耳に膜があるみたいな

そしてどんどんと小さくなる声。だが、これだけは聞こえた

 

 

 

 

 

 

「あら、やりすぎちゃいました。」

 

 

 

 

 

 

 

そして今現在その未来と変わらずに首を絞められている

なにもヘマをした訳では無い。

戻れたと思ったらこの状態だったからだ…不幸。

兎にも角にもこのまま黄色の仮面の様になる訳には

いかないので首を折られる前にどうにかしよう

 

「このまま…いっ…たら首が…折れ…る!」

 

途絶え途絶えだったがそれは何とか通じたらしい

少し困ったような顔をして言う

 

 

 

 

「それは困りますね…じゃ、死んでください。」

 

途端に強くなる握力。

気のせいだろうか、先程よりも強い…!

 

「ぐ…が…!」

 

「苦しいですか?そんな目で見るって事は苦しいんですね?」

 

そうだよと私は言いたかったが、首を絞められているから

変に喋ったら酸素を消費するだけでなく首を折られる

呼吸は絶え絶えであまり出来ないけど完全に出来ない訳では

ないので何とか息を繋ぐ。

どうして、という意味を込めた目で見つめていると

こちらの目をハイライトの無く感情も無い目で

どこか納得したような声で。

 

「ああ、成程。もしかしてどうしてと言いたいんですか?

 ハッキリ言ってどうもこうも無いでしょう。」

 

「何が…ど…うもこ…うも無い…んだ…!」

 

 

「私が貴方の能力を知らないとでも?」

 

 

私の息が止まった。

何故?どうして妖夢が私の能力を知っている?

もしかして私よりも能力の事をよく知っている?

ありえない…!私はここで暮らしたことなんて…

 

「あ…」

 

「理解しましたか?それじゃ眠ってください。」

 

私が理解したと同時にギチギチと骨が悲鳴を上げる

眠ってください?それは永遠にか?ifと同じように

死んでしまうのか?嫌だ、それだけは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポキン

 

 

 

 

 

 

 

嫌…だ

 

 

 

 

 

 

あれから何回首の骨を折られただろうか

10を超えたあたりから数えるのを辞めた。

もはや抵抗するのも辞めてしまう程だった

最初の頃は走馬灯も見えていたがもう何も見えない。

ハッキリ言ってポキンという音が景気の良い音に

聞こえて来てしまっている

そうやってぼーっとしていると不意に力が弱まる

いきなりの行動に脳が活性化した

 

「もしかして、この後の展開が分かっているようですね」

 

いきなりそんなことを言ってきた

 

「普通の人間なら助けて!とか止めて!とか言うのに

 雷煌さんはまるで死ぬのが分かっているかのように(、、、、、、、、、、)振る舞うのですから」

 

確かにそうだ。

常人なら泣き叫ぶ様な事をされているのに

抵抗はおろか声も出さないのだ。

そりゃ怪しむだろうな。うん

しかし変わらない事はひとつある。

 

「だがら、今回は気絶させて幽々子様に渡します」

 

どちみちにしろ逃げられないのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○

「んぐぅ…」

 

私は目覚めた。

どうやら和室で寝かされているらしい。

ちゃんと布団上で…何故か毛布がないんだけれど

だが、視界の中にあるものが写っている

無論の事西行寺幽々子だ。今私は膝枕されている

頭に太ももの感覚が直で伝わってくる。

それから先程から頭をまるで犬の毛を綺麗にするように

撫でてくるのだ。ものすごく優しい手つきで癒される

私はもう抵抗しなかった。

 

「あら、諦めたのかしら」

 

「そうですね…もう意味が無い」

 

「そんな事無いかも無いかもしれないじゃない」

 

「それだからですよ…幽々子さん」

 

あらあら〜とクスクス笑いながらこちらを見る幽々子

その瞳は獲物を捕らえたという満足した目だった

そんな目だから逃げようとしたら捕まってしまうだろう

実のところ妖夢のお陰で心が折れてしまったので

そろそろ楽にならないかなーくらいに思っていた

 

「それじゃあ…」

 

そういうと幽々子は立ち上がった。

そして私の足元にくるとこちらに倒れる

 

「んん!?」

 

「ん…」

 

咄嗟に避けようとして両手を突き出した(?)が

それを掴んでこちらを押し倒したかと思うと

唇を塞がれてしまった。私の初めてが…

クチュクチュと音を立てながらキスされていく。

舌どうしが合わさりあって…

 

そこから一分程したくらいで、唇が離れる

 

「う…はぁ!」

 

「このくらいで息切れしちゃ後が持たないわよ〜?」

 

私の唇から大体2cm位、ものすごく近い。

 

また、唇が触れ合う

 

今度は短くて、10秒くらいで解放された。

そうすると幽々子は目の前で目をつぶって

何かを数秒考えると「そうだ」と言って

 

「貴方にはあの楽しい生活を思い出してもらうわ」

 

「どういう…!?」

 

言い切る前にまた唇を塞がれる

今度は強い。何もかもが強烈だ。

舌で押し返そうとしても逆に絡みつかれてしまう

そして口内をなぞるように弄んでいくのだ

ピクピクと痙攣する私をよそに幽々子は吸い付いてくる

そして今度は何かが口内に入ってくる感覚があった。

それは幽々子の唾液だった。

 

それが私の唾液と混ざる

 

グルグルと回り、ぐちゃぐちゃとかき混ぜられる

 

その中で、記憶が浮かび上がる

 

 

 

 

 

 

 

 

○

「こら雷煌。離れないの」

 

「やーだ!冒険してくるもん!」

 

「早めに帰ってこいよ」

 

ダダダーッと親から走って行く

体がとても軽い、そしてとても若々しい。

今日は両親と共に山へハイキングをしに来たのだ

周りには木がたくさんあって何があるかわからない。

でもそれがいいのだ。冒険のしがいがある。

それに夏だからかとても動きたい気分なのだ

もしかしたら失われた遺跡とか誰も見つけられていない財宝があるかもだ。

幼い頃は皆そうやって想像するが大人になって叶わない夢だと理解する

勿論中にはその夢を追い求めて本当に成功したのかもしれない

だが、ごく僅かだ。

 

僕は、その僅かに入ってしまった

 

 

 

 

 

「?ここはどこ?」

 

気づけば古い屋敷の敷地にいた。

そこには池があってそこに太鼓橋がかけられている。

目の前には日本庭園といえばと言う感じの屋敷が建てられている

本能のままに走っていたら本当に見つけてしまったらしい

見たところ、地図にもなかったし

僕はワクワク感に身に浸かれながら屋敷の探索をした

 

これといって何も無かった。

入ってきた門には後ろに『博麗神符』と書かれたお札が貼ってあった

それを剥がしてみたけれど特に変わったことは無かった

がっくりと肩を落として門を開いて出ようとした時だった

 

いつの間にか階段は下ではなく上に伸びている

 

「え?」

 

素っ頓狂な僕の幼い声が出た

当たり前だ、青々とした空があるはずなのにいつの間にか夜になっている

真っ暗なはずなのに石造の階段と両端の桜はそれだけが明るい。

闇の中にそれだけが浮かび上がっているような…

でもその時の僕は本当に興味をくすぐられたのだろう。

軽快な足取りで階段のてっぺんを目指して行った。

 

僕にとってその長く続いた階段はそれほど苦痛じゃなかった

一番上までたどり着いたその時だった

 

「止まれにんげ…子供おぉぉぉぉおおお!?」

 

何かを言ったかと思えば叫び出した

子供である僕でも不審者にしか見えない。

くるりと踵を返して階段を降りようとした

が、その不審者に止められてしまう

 

「ちょっと!君は話があるから逃げちゃだめだよ!」

 

逃げているんじゃない、帰ろうとしているだけだ

そんなこと言われても僕にはここにとどまる意味がなー

 

「お菓子食べる?」

 

「ありがとうおねーちゃん!」

 

「おねー…!?」

 

僕はおねーちゃんにそのまま連れて行かれた

 

 

 

 

 

 

 

「こんにちは僕?私は西行寺幽々子。僕の名前は?」

 

「僕ーー雷煌!」

 

「雷煌…じゃあライ君ね。私はゆゆちゃんって呼んでね」

 

「幽々子様…」

 

「わかったゆゆちゃん!」

 

「雷煌様…」

 

僕がお屋敷の主…西行寺さんに向けてゆゆちゃんと言うと

途端にパァと顔に笑顔が広まっていく

しかしその従者とやらの魂魄妖夢の顔には呆れが見える

最初は妖夢みたいな人がいるからそれの主となれば

厳粛なイメージだったけど会ってみると違う

つかみどころのないふわふわとしているのでとても接しやすい

ゆゆちゃんも誰もが縮こまっていたから僕みたいなのは新鮮らしい

“ようかい“という種族の友人がいるらしいけど完全な人間と話をするのは初めてらしい。

余談だがここは冥界という所らしい

ゆゆちゃんが言うには死んだ人の魂が集まるらしい

僕は死んだのかと気を失いかけたがどうやら

普通に迷い込んだ…普通なのかさておき

 

「結界が緩んでいるかもしれませんね」

 

「そうかもねぇ…じゃ1晩泊まっていきなさいよライ君。」

 

「え…ぇぇええええ!?」

 

何故か顔をとても赤くして手をブンブンと振るおねーちゃん

 

「あら、もしかして恥ずかしいの〜?」

 

「いや…そんな…でも…幼いとはいえ殿方と…」

 

「じゃ、決定ねぇ」

 

急にギューって抱きしめてきた。

不思議と危機感はなくて、逆に心地よかった

肌は冷たいのに、暖かい

 

文句を言うならば喚いている妖夢くらいか。

でもそれを気にする程でも無いくらいだった

なんなら親のハグよりも良い

 

「あ…あわあだがだがあたたたたた…!?」

 

「妖夢。慌てすぎよ」

 

人語を喋れなくなるまで動揺していたのでゆゆちゃんは

流石に僕を離してくれた…もっとしてほしてかったな。

わーぎゃー言っているおねーちゃんとゆゆちゃんを見ていると親子に見えてきた。

そしてそうやっていたからかそれとも天の遊びなのか

全員のお腹からくぅーと抜けた音が響く

するとゆゆちゃんがパンと手を叩いて言う

 

「そろそろお昼にしましょうか。」

 

「分かりました、幽々子様。」

妖夢は一礼すると立ち上がって台所に行った

あんな所があっても従者としてはしっかりしている

そういえば僕はどうすればいいのだろうか

このままゆゆちゃんとお話をすればいいのかな?

 

「何でもいいわ。兎も角暇を潰したいもの」

 

「それじゃあ…ここに来るまでのお話!」

 

「良いわね、それじゃあ話して?」

 

「うん!」

 

自分では見えていないけど。

とびっきりの笑顔で言ったと思う。

でも、何故か分からないけど頬が暑かった。

そうやって自分が自慢するようにここに来るまでに

何があったかを説明した。

 

家族で山にハイキングに行ったこと。

 

その山で冒険していたら日本庭園の屋敷を見つけたこと。

 

そして門の御札を剥がして出たら此処に繋がっていたこと。

 

それらを包み隠さずにゆゆちゃんに伝えた。

 

 

「そうなの…大変だったでしょう?」

 

「うん!でもおねーちゃんやゆゆちゃんがいたからもう大丈夫!」

 

「あら、嬉しい事を言うわねー」

 

そうやって話していると障子が開いた。

おねーちゃんがエプロンを畳んで持っていた

 

「御夕飯が出来ました」

 

「それじゃあ頂きましょうか」

 

「やったー!」

 

長い卓の上に刺身やら焼き鳥やらの豪華な食事があった

僕はいつも普通の食事だったからこういうのは初めてだった

こんなにも美味しそうに光る米なんて見たことが無い。

先程鳴ったお腹がまた鳴り出した。

 

『いただきます』

 

この時の食べ物はとてもおいしかった。

 

 

 

 

 

 

「もう寝ましょうか。妖夢、お疲れ様」

 

「ありがとうございます幽々子様。それでは」

 

そういうとおねーちゃんは何処かにいってしまった

多分自分の寝床に行って夢でもみるんだろうな

…僕はどこで寝ればいいんだろう

 

「ほら、こっちよ」

 

いつの間にか布団を用意してこちらに手招きしている

僕は火に誘われる蛾のように滑りこむ

 

ゆゆちゃんの体温は無いに等しいが、暖かいのだ

 

「ゆゆちゃん暖かい…」

 

「これなら安心して寝られるでしょう」

 

僕は暖かい布団の中で抱きしめられた。

死んだ人に抱きしめられるっていうのは少し変だったけどすぐに楽になった

だって、お父さんやお母さんみたいに体温は高くないけれど

その冷たさが夏の夜には心地よいものだった

撫でられながら僕の意識は沈んでいった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ…本当に可愛い…殺して魂を取り込みたくなるくらいに…」

 

 

 

 

 

 

それから一週間くらいこの屋敷…白玉楼で過ごした

いつもいつも人が食べきれないような量をぺろりと平げて

まだ食べたいとねだるゆゆちゃん。

それに「もう食材がないですよッ!」と抗議するおねーちゃん

この生活が好きだった。

親元を初めて離れたいと思ったのもこの時だった

でも…ある時言われたのだ

 

生者がここに長いしてはいけないと

 

僕と同じくらいの身長の緑髪の女の子とゆゆちゃんと同じような

雰囲気を醸し出した…どちらかというと信用できない雰囲気の。

金髪の大人が現れてゆゆちゃんと僕に言ってきたのだ

ゆゆちゃんは少し残念そうな顔をしていたけれど

仕方ないと言って今晩だけは居させることを半ば強引に決定させた

「幽々子の能力はきついのよ」と言っていたがどう言うことだろう

今日の夜、僕が寝ている時に記憶を消して元の場所に戻すらしい

この時の夕飯は本当にご馳走だった

僕が生きている限りもうみることはないような食事

そういえばゆゆちゃんの友人…紫が言うには僕は“よもつへぐい“とか言うのをしたおかげで丑三つ時までここに居られるらしい

だからこうして…僕は体を絡められている

身を重ね、僕の小さな肉棒は自分より大きいゆゆちゃんの中に簡単に入っていった

すごく僕とゆゆちゃんは幸せだったけどゆゆちゃんは何処か寂しげだった

これまでにない快感に理性が流されていって行く…

 

気づけば、彼女の秘部から白濁としたドロドロの液が溢れていた

何度射精したかも分からない

 

意識を失うような激しい行為

 

――でもそれももうじき忘れてしまう

 

「そろそろね…」

 

「僕は…帰りたくない…ずっと一緒に居たい」

 

「…本当に?」

 

「うん!だってゆゆちゃん好きだもん!大好き!」

 

「今からすることをしたらまた私とライ君は出会える…」

 

「早くぅ…」

 

「いい子ね」

 

言葉は

 

本人が忘れていようとも

 

約束は忘れられないー

 

途端に僕はキツく抱きしめられた。

そして唇と唇が重なった。

優しくて それでも逃したくなかった後悔があるみたいな…

それの数十秒後に何かがゆゆちゃんの口からこちらに送り出されて来たのだ。

感覚としては実態があるようでないような掴みどころの無い感覚。

僕は閉じていた目を見開いたけどすぐに閉じた

喉を通り、胃に向かっていく

それは僕が抵抗しなかったのもあるけど、胃のなかに入ってすぐに溶けた。

何か変な感覚が体を巡っていく

 

「これは何…?」

 

僕の質問にゆゆちゃんは目を細めた笑顔で言う

 

「簡単に言えば私の魂の一部よ。

 これはライ君が家に帰ろうとするように私を探し求めるの

 

 だから、ね?

 

 ライ君が成人したら“ライ君の方“から

 “自然に“こちらに来るの。」

 

「よくわからなかったけど…つまりここにまた来れるんだね!」

 

「ええ…でも心配だから妖夢の半霊もつけておきましょう…

 気付かない間に他の女にライ君を取られるのも嫌だわ」

 

 

 

ゆゆちゃんは耳に口を近づけて。

 

 

 

「これは私たちだけの秘密よ?…おやすみ。そしてまたね。ライ君。」

 

僕は安心して寝た、寝てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気づいたら僕は両親に抱きつかれていた

なんでも古い神社の前で倒れていたらしい

その後我が家に帰ったけど何かが欠けている気がした

大事な何か。

 

 

 

 

 

 

それにしても

 

 

 

 

 

 

いつもは嬉しいハグが

 

 

 

 

 

 

嬉しくなかった。

 

 

 

 

 

 

それからというもの大きな人魂がいつもついてくるようになった

触りごごちが良かったし何より姉のような安心感があったから。

後幽霊やらの人外も見えてしまったが、御了承だろう

 

 

 

○

「あ…あぁ…」

 

ようやく離れた唇からそんな声が漏れ出る

その様子を見て幽々子は笑顔になった

 

「思い出したかしら?自分はどうしてここに来たか」

 

私は頷いた。

あの記憶の中であった事

すなわち私の魂に幽々子の魂の一部があること

それが合って、しかも高校の寮が白玉楼に近かったから。

私はここに誘われてしまった。

どちみちにしろ避けられなかっただろうけども。

幽々子は顔を近づけると艶のある声で囁く。

 

 

 

 

 

 

「それじゃぁ…早く同じ存在になりましょう?大好きだったんでしょう?」

 

 

 

 

 

 

 

「い…いやだ…まだ…死にたくない…」

 

そんな拒絶の言葉を出したはずなのに。

 

幽々子の笑みが深まった。

 

まるでそれが狙いだったかのように。

 

「んぶ!?」

 

「ずずず…くちゅ…じゅるる…」

 

唇を唇で塞がれる

今度は容赦なんて無かった

最初から手加減されていたのだ

私からまるで“魂を吸い出すように“キスをする。

口内の唾液がカラカラになる

舌がずっと引っ張られている

やめて…くれ…やめ…

引き剥がそうと両手で抱き締めている腕を剥がそうとするが

逆に絡め取られて身動きがされにできなくなる。

 

さらに、緊張し固くなっていた筋肉がどんどん緩んでいく

 

意識が遠くなって行く中で私はあることを思い出した

 

…亡霊というものは生前の強い未練によって生まれるという

ならば、今の状況はまるで生きたいという未練を抱かせるような…

もっとももう声も出せないくらいになってしまった

 

「ぷは…うふふ…気づいた顔ね」

 

私と幽々子の間にはいくつもの銀の橋があった

僕の胸から喉を通って何かが出てくる感覚があった

口から出て来たのは光る紫色の蝶だった

それはヒラヒラと舞うと幽々子の口の中に入っていった

 

「帰ってきた…あぁ…ライ君の心が…」

 

それと同時に何故か体が軽くなった気がした

 

「もうこれでいいかしら。」

 

また、“僕“の意識は沈んでいった

 

 

 

 

 

○

「よく似合っていますよ、雷煌様」

 

「僕の名前は雷煌でいいよ。妖夢」

 

「いえ、今から幽々子様の旦那となる方ですので」

 

今僕は白玉楼のある和室で黒い和服を妖夢に着させてもらっている

あれから数日後、幽々子から結婚を申し込まれたので僕はそれに応じた

そしてその準備で2日ほどかかって今日式が上がるところだ

ちなみに今日は幽々子の友人の紫と妖夢の他に…

 

ああ、そうだ…博麗の巫女という人がいるらしい。

最初紫と会った時はギョッとされたが今では普通に仲がいい。

と言っても幽々子のような言葉遊びではなくて世間話だけれども…

ふうとため息をついて自分の体を改めて見る

病人のように青白い肌にまるで体重がないかのように体が軽い

そんな感じで自分を眺めていたら着替えが終わったらしい

それと同時に半霊が妖夢の隣に来る

 

「式の準備ができました。どうぞこちらへ」

 

妖夢もいつもの青緑の服ではなくて魂魄家当主が着るような

人魂の家紋がある大名が着るような和服だ。

頭の装飾も今日は無い

 

 

妖夢に案内された場所に来ると既に紫が居た

…ともう1人巫女服の誰かが居た。

彼女が今代の博麗の巫女だろうか

部屋は長方形の部屋だ。屏風には蝶の絵柄がある

そしてその奥に二つの座布団がある

片方には僕のお嫁さんが居た

妖夢は一礼すると紫に対面するように座る

僕も少しぎこちない動きで座布団に正座する

この場の全員が座ると今度は巫女が立ち上がる

そして真ん中で華麗な踊りを始めた。

日本固有のゆっくりとした…時に早くなる踊り

その踊りを僕は幽々子とともに見ていた

それが一通り終わると巫女は僕と幽々子の前に置かれていた

大きなお皿にヤカンの急須みたいなもので透明なものを注いだ。

それを幽々子は両手で持つと半分程飲む。

私に差し出して来たのでそれを受け取る

これを飲み干せば僕は、私は幽々子の正式に幽々子の夫になる

それを口につける

 

口内に広がる日本酒の味。

 

これで式は終わったので巫女は紫のスキマから帰って行った

そして紫は帰る前にこちらを向くと扇子で口を隠してこう言う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方の名前は今日から西行寺雷煌よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなの、言われなくてもわかっている」




こっちは息抜き程度(換気的な)にやっています
受験で本当に忙しいので投稿頻度減るかも

雷煌が霊とか見えていたのは自分の魂に幽々子の一部が混じっていたからです
後博麗の巫女は先代さんです。名前は知らない
結婚の様式はほぼ想像です


これで本編は終了。
後はぽつぽつと書いていきます
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