ほんとに「にゃはは」とか言うんだろうか。
気がつくと、見知らぬ道路を歩いていた。自分の体を見ると、赤色の制服を着ている。女神様の言っていた通りだと、今日が高校の入学式で、学校に向かっている最中なのだろう。
「・・・うっ!・・頭がっ!」
突如、強烈な頭痛に襲われ、その場にしゃがみ込んでしまう。頭痛とともに、これまでの人生が記憶として流れ込んでくる。
頭痛は2、3分ほど続いた。全ての記憶がインプットされると同時に、この世界での自分の壮絶な人生に恐怖を覚えた。
この世界の俺は、幼い頃からストーカー被害にあっており、誘拐されかけたこともあったようだ。幼稚園の先生や、小学校の友達の保護者など、かなり事件性の高いものもあったようだ。
中学生の頃の記憶では、度々シャーペンや上履きが新品と入れ替わるなど、これまででは到底考えられないものだった。
「・・・たしかにこんなイケメン、俺が女でもほっとかないなぁ。」
ふと、スマホを取り出し,画面に映る自分を見つめた。そこには見慣れぬ、いや、見慣れた自分の顔があった。少し癖のある黒髪に、韓流アイドルグループのメインボーカルを思わせるような顔立ちだ。自分であって自分でないような、不思議な感覚だ。
「・・・そうだ。バスに間に合わなくなる。」
そういえば今は高校に行くために、バス停に向かっている最中だった。少し急ごうと、早歩きになっていった。
それから数分歩き、もう少しでバス停に着く、と言うところの曲がり角で人とぶつかってしまった。ぶつかった相手は走っていたようで、その衝撃で尻餅をついたようだ。
「きゃっ!!・・・いったたぁー。」
「すいません!大丈夫ですか!?」
俺はしゃがみこんで相手を覗き込んだ。赤色のブレザーに白色のスカート。どうやら俺と同じ高校の一年生らしい。
「いえいえ!こちらこそ、すい・・・ま・・せん・・・。」
顔をあげてこちらを認識した彼女は、驚いた表情になり、言葉を失っていた。その場に座り込んだままの彼女は、数秒固まったまま動かなかった。
「・・・あのー、本当に大丈夫?多分、同じ学校の新入生だよね?」
「・・・はっ!?そ、そうです!私、一之瀬 帆波って言います!」
「俺は神田 幸也って言うんだ。よろしくね、一之瀬さん!」
座り込んだまま自己紹介をする一ノ瀬さんに、自己紹介を返した。とびっきりのイケメンスマイルを添えて。
というかこの子、めちゃくちゃ可愛いぞ。もしかしていきなりヒロインと出会ってしまったのか!?と、テンションが上がってしまった。
すると、突如脳内に声が響いた。
ヒロイン:一之瀬 帆波の好感度が上昇しました!
(0 → 30)
なるほど、好感度上限が100だとするなら30は友人という感じだろうか。0からのスタートだから上がり幅が大きいのか?それと、やっぱり一之瀬さんはヒロインで確定か。
そんなことを思っていると、続けて脳内に声が響く。
スキル:超イケメンの効果により好感度ボーナス!
(30 → 45)
スキル:ヒロインキラーの効果により好感度ボーナス!
(45 → 75)
・・・ちょっ!ちょっとまって!!!いきなり上がりすぎじゃないか!?どんだけチョロインなんだよ!!!
出会っていきなり好感度75ってもはや一目惚れのレベルなのでは・・・?やばいぞ、このままだとストーカーまっしぐらだ!
「・・・こんな漫画みたいな出会いってあるんだね!なんかドキドキしちゃった!にゃはは!」
そう言って無邪気に笑うストーカー予備軍。めちゃくちゃ可愛いな。でも1つ注意しなくてはいけないことがある。
「・・・その、すごく言いづらいんだけどさ。・・・座ったままだと・・、見えちゃってるんだよね。」
「へ・・・?・・・きゃっ!?か、神田くんのエッチ!!!」
そう、彼女は尻餅をついて座り込んだままだった。軽いM字開脚のようになってしまったそのスカートからは、水色の下着が丸見えだった。一之瀬さんの顔は茹でダコのように真っ赤に染まっていった。
「ご、ごめん!その・・・、つい見惚れちゃって!」
「も、もう!怒ってないから神田くんも忘れて!」
そう言って一之瀬さんは立ち上がった。ふぅ、好感度の上がり幅には驚いたけど、何とか乗り切れそうだ。
これ以上一緒に行動するのは危険だ。さっさと逃げよう!
「そ、それじゃあ、また学校で!」
「あっ!待って!」
退散しようと歩き始めた俺だったが、すぐに呼び止められ、右手を掴まれてしまった。
「その・・・、良かったら学校まで一緒に行かない?・・・ほら!こうして会えたのも何かの縁だと思うから!せっかくだし!ね?」
こんな美少女に上目遣いで頼まれて断れる男がいるだろうか?ちょっと不安そうなかおがまたたまらないな。
って、・・・それよりもなんだ!このお化けおっぱいは!?何カップあるんだ!やっぱりエロゲーの世界だろ、これ!
「ま、まぁそうだね。せっかくだから一緒に行こうか。」
「ありがとう、神田くん!それじゃあいこっか!」
先程とは一点、笑顔になった一之瀬さんは歩き出した。
やれやれ、なんて思っていると、再び脳内に声が響いた。
ヒロイン:一之瀬 帆波の好感度が上昇しました!
(75 → 105)
スキル:超イケメンの効果により好感度ボーナス!
(105 → 120)
スキル:ヒロインキラーの効果により好感度ボーナス!
(120 → 150)
ヒロイン:一之瀬 帆波の好感度が上限に達しました!
・・・は?なんでこの子はパンツ見られて好感度上がってんの?
というより150ってことは・・・?
ヒロイン:一之瀬 帆波がストーカーになりました!
・・・終わった。楽しい高校生活だったなぁ。というか、このスキルって常時発動なのか?神様!助けてください!
スキル:ヒロインキラーをOFFにしますか?
→はい いいえ
で,できた!やったぞ!教えといてよ、女神様!
「神田くーん!ほら、バス来ちゃうよ!」
「あ、ああ。すぐ行くよ。」
発生してしまったストーカーは仕方がない。何とかしてこの子を引き離す方法を考えなければ。そう思い、俺はバス停に向かった。
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バスに乗って数分、そして徒歩で数分かけ、ようやく学校に着いた。
この間、一之瀬さんから誕生日や趣味、家族構成まで、根掘り葉掘り聞かれた。いい加減解放されたい。
「クラス分けどうなってるのかなー?私たち、同じクラスだったりしてね!」
「ははは、いやー、どうだろうねー。」
それだけはやめてくれ。お願いだから。よし、神様に祈ろう!
そうこうしてる間に、クラス分けの張り紙がしてある場所までたどり着いた。
「俺はDクラスみたいだね。一之瀬さんは?」
「私はBクラスだねー。・・・離れ離れかぁ。」
ありがとう、神様。俺は心の中でガッツポーズをした。
「まぁ、また来年があるよ!」
「・・・うん。仕方ないよね・・・。」
落ち込んでいる彼女を見るのは心苦しいが、早いところ退散しよう。
「それじゃあ、俺はこっちだから!またね!」
「あ、うん。神田くん、またね!」
一之瀬さんと別れ、俺はDクラスの教室に向かった。
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教室に入ると、すでに半数ほどの生徒が登校していた。自分の席を探して座り、近くの席に座っている男子に話しかけた。
「俺は神田って言うんだ。よろしく!」
「綾小路だ。よろしく。」
綾小路っていうのか。なんかやる気のなさそうなやつだな。
・・・え?綾小路・・・?まさか女神様の言ってた主人公?そんな風に見えないけどなー。
「お前は自己紹介しなくていいのか?」
綾小路は近くにいた黒髪ロングの女子に話しかけた。いかにもクールって感じの子だな。
「・・・堀北よ。」
え?終わり?無愛想にも程があるでしょ。
「あ、ああ。俺は神田って言うんだ。よろしく、堀北さん。そういえば2人は知り合いなの?」
「そんな訳ないでしょ。話しかけられたから応えてただけよ。」
「俺もこの学校に知り合いはいないな。」
「そうか。みんなそんなもんなんだな。」
そうこう話しているうちに、他の生徒も登校してきたようだ。数分もしないうちに、担任の教師がやってきた。そろそろホームルームが始まるようだ。
すると、脳内に声が響いた。
ヒロイン:堀北 鈴音の好感度が上昇しました!
(0 → 5)
スキル:超イケメンの効果により好感度ボーナス!
(5 → 7)
うん、やっぱり一之瀬さんがおかしかったんだな。出会い方がまずかったのか?というか堀北さんヒロインなのか。確かに可愛いけど。もしかして主人公の綾小路と最初にくっつくヒロインなのかもしれないな。
いろいろと考えることが多い。一之瀬さんの対応も考えなければ。
こうして俺の新しい人生が始まった。
思いつきで書いているので更新遅い時もあると思います。
序盤はあんまりR-18要素は薄いかもしれません。