「だからね、私のところで一緒に住んでみないかしら」
日曜日の昼。家族連れやカップルなど、様々な人たちで賑わうファミレスで、テーブルの向かいに座っている女性はそう言った。
思わず、隣に座っているさつきと顔を見合わせる。
「え……っと、叔母さん。それは、どういう」
「あはは、ごめんなさいね。突然こんなこと言われても驚くわよね」
さつきと冬香が襲われた一件から数日後、突然叔母から「大事な話がある」という連絡があった。待ち合わせのファミレスで世間話もそこそこに、突然さっきの話を切り出されたところだった。
「うーんと、まずね、あなたたち今二人だけで暮らしているんでしょう?」
はい、とさつきと頷く。
「いくらさつきちゃんが家事が得意とは言っても、ほら、高校生なんだし勉強とか部活とかもあるでしょう? 大事な高校生活なのに、家のことに時間をとられちゃうなんてなんだか気の毒だと思って」
彼女は俺たちの母さんの姉だ。母さんが亡くなった時からとても良くしてもらっている、優しい人だった。
「いえ、でも悪いですよ。そんな」
「いいのよ! 主人に先立たれて寂しいし、あなたたちが来てくれたら私とってもうれしいわ」
やわらかい微笑みを俺たちに向けて叔母さんは言った。
その気持ちは純粋に嬉しい。ただそんなに簡単にお願いしますと言えるわけでもない。
叔母さんは県を二つまたいだ場所へ住んでいる。住むとなれば当然転校することになる。
「あっ、でもそうよね。こっちのお友達とかもいるんだものね」
当然叔母さんもそれはわかっているようだった。ただ、正直今の学校の友達は、俺もさつきも父さんの一件で皆無になっている。
ただ一人を除いて。
「少し考えさせてもらってもいいですか?」
「もちろん! 返事はいつでもいいからゆっくり考えてちょうだいね」
快く叔母さんは頷いてくれた。すぐに答えが出せることではないことは彼女もちゃんと理解してくれている。ならばじっくり考えるとしよう。
「へぇ、いいんじゃないですか?」
最近はさつきも顔を出すようになった放課後の文芸部室で、冬香はぺらぺらと文庫本のページをめくりながらそう答えた。
「え、いや、いいのか?」
正直もっと驚くだろうと思っていた。俺たちが突然引っ越すかもしれないということに。
「いいも何も、先輩とさつきの問題じゃないですか。あたしに許可とる必要あります?」
気だるそうに頬杖をついて冬香は言った。今は俺の話よりも読んでいる本のほうに興味を引かれているようだった。
「冬香。いいの? 私たちが引っ越したら一人になっちゃうかもしれないんだよ」
俺の隣の椅子に座っているさつきが、やや語気を強くして言った。その言葉には思うところがあったのか、冬香はやっと視線を本から外した。
「へーきだよ。さつきも薄々わかってるでしょ? 最近、あたしはあんまり陰口とか言われてなくなってきてるってこと」
「え、そうなのか?」
思わず聞き返す。
「そうですよ。ほら、この前のアレ……あったじゃないですか。それでちょっと同情されてるんですよ、あたし。……まあ、さつきのほうはそうでもないんですけど」
さすがにあの事件のことを思い出すのは辛いようで、彼女の表情が陰る。
あの夜、彼女は本当に怯え切ってしまっていて、立ち直れるのか心配だった。だが、次の日には以前のような生意気な黒木冬香へ戻っていた。
「そう、か。……でも、前みたいに戻ったわけじゃないだろ? なのに、お前を残して俺たちだけ勝手にどっか行くってのは──」
「先輩」
ぱたん、と本を閉じて冬香は俺の声を遮った。
「あたし、そんなに弱い人間に見えますか?」
鋭いまなざしを俺に向けて冬香は言った。その言葉にはわずかな怒りも込められているような気がした。
「いや、そういうわけじゃない。ただ、冬香を今の状況にしちまったのは俺だ。だったら、責任ってのがあるんじゃないのか」
「何回言わせるんですか。あたし後悔なんてしてませんし、そもそも先輩たちを匿ったのは私の意志だったじゃないですか。忘れちゃいました?」
「確かにそうだけどさ……」
毅然とした態度で言い放つ冬香に言葉が詰まる。
冬香はああいうが、この前のような事件が起こることまでを彼女は見越していただろうか。答えはノーだ。やはり多少なりとも俺には責任があると思うのだ。
「わかった」
俺がまだぐるぐると頭の中で思案していると、さつきがきっぱりと言い放った。
「え、さつき。お前いいのか」
「冬香がそこまで言うなら私は何も言えないよ。冬香の言う通り、これは私たちの問題なんだしさ」
さつきはそこまで言うと、「でも」と区切って冬香を見た。
「寂しく、ならない? 私は冬香と離れるのは寂しいよ」
冬香はさつきの言葉に、一瞬だけあっけにとられたように固まった。だがすぐに視線を手に持った本に落として答えた。
「別に、平気」
一度閉じた本をまた開きながら言葉を続ける。
「天国に行っちゃうわけじゃないんだしさ。連絡ならいつでもとれるし、会いに行こうと思えば行けるんだし、あたしは大丈夫だよ」
平然と、なんでもないことのように冬香は答える。だが心なしか、俺には感情を抑えているようにも思えた。
「でも、寂しいって言ってくれるのはうれしいよ、さつき。ありがと」
目線は本に向けたまま、だけど少しだけ表情をほころばせて冬香は言った。
さつきはその言葉に、ううん、と短く答えた。僅かに微笑みながら。
「……で、先輩は?」
「え、俺?」
いきなり俺に振られて間抜けな声をあげてしまった。
「先輩はどうなんです? あたしと離れるの、先輩は寂しいって思ってくれないんですか?」
いつもの意地悪そうな笑みを浮かべながらそう聞いてきた。
「それは……その、寂しいよ。二人だけだったけどお前と部活するのも結構楽しかったしさ、それができなくなるのは惜しいって思う」
やや恥ずかしかったが、正直な気持ちを告白する。
冬香は俺の言葉に一瞬だけこちらを見た。
「……へぇ。そうなんですか」
ただ一言、冬香は口にした。囃し立てるわけでもなく、さつきの時のように礼を言うわけでもない。
冷たいとも思える反応だが、彼女も何か思うところがあるのかもしれない。そう考え、俺もそれ以上何も言わないことにした。
それでその日の話は終わった。あとは全員で黙々と読書をして下校の時間になった。
「先輩。この後、ちょっといいですか」
三人で下校中、俺の家と冬香の家への分かれ道で唐突に冬香が言った。
「え、どうしたんだ?」
「二人で話したいことがあるんです。ちょっとあたしの家来てください」
「まあ、別に構わないけど……」
少し迷い、さつきに視線を送る。
「いいよ。ご飯はどうする?」
「それならあたしが用意するから大丈夫」
「ん、了解」
二人が軽く言葉を交わしてあっという間に話が決まる。さつきはじゃあね、と言ってすたすたと帰って行ってしまった。
「じゃああたしたちも行きますか」
その後ろ姿を見送りながら冬香が口にする。俺もそれに軽い返事を返して、冬香の家への道を歩き始めた。
「それで、話ってのはなんなんだ? そろそろ話してくれよ」
冬香の家のリビングで、二人並んでソファに腰かけてテレビを見ている。ここに来るまで冬香はあまり口を開かず、帰ってきてからも適当な雑談をするばかりだった。
いい加減気になってしまって、俺は冬香にそう聞いた。すると彼女は、テレビを見つめたまま考え込むように口を閉ざした。
「そうですね」
だがやがて、一つの息を吐くとともにそう口にした。
「結局、先輩は引っ越すってことで気持ちは固まってるんですよね?」
「固まってるって程じゃないけど……まださつきとも十分に話し合えてないしさ」
「でも先輩の本音はとしては、ここから離れるほうがいいって思ってるんじゃないんですか」
俺の考えを見透かしたように彼女は言った。
「……ああ。正直なところ、お前の言う通り引っ越したいと思ってる。こっちじゃさつきにもいい影響はあんまりないしさ。それに、叔母さんにはすごく世話になってるし、せっかくの厚意を無礙にはしたくない」
冬香への当たりはマシになったとはいうが、俺とさつきのほうはあまり変わらない。俺が人殺しと呼ばれるのは相変わらずだし、さつきと父さんの関係まで色々と言われている。
離れられるのならばそうするべきだ。ちょうど冬休みも近い。いい機会だろう。
「ま、そうですよね」
冷めたコーヒーを一口飲んで冬香は言った。
「何か言いたいことでもあるのか?」
「いいえ、別に。あたしも先輩には同意見です。今の学校は先輩とさつきに冷たすぎですよ」
愛想を尽かしたような口調で冬香は答えた。
彼女は幾分か俯瞰的な立場でここ最近の状況を見ていた。だからこその意見だろう。
「そうか。……なら、やっぱり叔母さんの話を受けようと思う。お前には悪い気がするけど」
「だから、いいんですってば。気にしなくて」
呆れたように笑って冬香は言う。
俺にはその微笑が、彼女の強がりに見えた。冬香にとってさつきは、今や唯一といっていい友人だ。離れることに何も思っていないわけではないだろう。
「──まあ、悪いって思ってくれるんなら、最後に一つお願い聞いてくださいよ」
「お願い?」
「そうです。先輩なら、後輩の頼みくらい聞いてくれますよね?」
そう言って彼女はやっと俺を見た。そこには僅かな微笑みがある。だがそれはいつも俺をからかう時のものとは違っていた。
「いいよ、聞かせてくれ」
俺がそう問うと、冬香は俺に身を寄せて寄りかかってきた。そして、耳に息が当たるくらい近い距離で囁いた。
「最後に思い出作らせてください。先輩のこと、忘れないように」
「ふゆ──」
俺が冬香へ顔を向けると、待ち構えていたように彼女の唇がそこにあった。
「ん──」
重なる二つの唇。彼女のほうから強く押し付けられ、溶けるように密着する。その感覚で、一瞬で理性が溶け出し始める。
そのまま冬香は俺に体重をかけて、なだれ込むようにソファに倒れた。彼女は俺に完全に体を任せて、その熱い体温と女の感触が伝わってくる。
「ん、ぁは……ん、先輩──」
軽い接吻を二度三度と交わした後、冬香はゆっくりと唇を離した。ぴたりとくっついていたものが別れてしまったのが少しだけ寂しかった。
「思い出、って……これでいいのか?」
「これが、いいんですよ。相変わらず先輩は女心がわからないんですから」
くす、と可愛らしい笑みを見せて冬香は言った。その台詞と表情に思わず見入ってしまう。
それをごまかす様に彼女から目をそらす。
「じゃあ、ベッド行かないか。ここじゃ落ち着かないだろ」
「いいんです、ここで。──ほら、覚えてますよね? あたしと初めてシたときのこと。あの時もこうやってソファの上でしたじゃないですか」
瞬時に思い起こされる、彼女の処女を奪った夜のこと。俺とさつきを匿ってもらった夜に、彼女は俺に「慰めてあげます」と迫ってきた。そして俺はそれに流されるまま冬香を抱いたのだ。
あの時の激しい性交の記憶で、勝手に股間に血液が集まってしまう。密着している冬香にはそれがすぐに伝わる。彼女はくい、と腰を軽く捻りながら口を開いた。
「ん……もう反応してる。先輩のえっち」
「……お前には言われたくない」
冬香は、そうですか、と軽く返事を返して自らの上体を起こした。
興奮しているのか、呼吸で豊満な胸が上下に揺れている。下から見上げるそれはやけに扇情的だった。
彼女はそのまま制服のボタンを外し始めた。期待に満ちた目をしている俺を見ながら、一つずつゆっくりと。
「先輩……ほら、見てください──あたしのカラダ」
ぱさり、と肩まではだけさせて彼女は言った。
汚れ一つない白い身体と、女たる特徴の膨らみを守る桃色の下着。それをこれでもかと俺に見せつけながら、冬香はさらに誘惑してくる。
「このおっぱいも、全部先輩のモノなんですよ……だから、好きに触ってください──」
はあ、とむせかえるほどの色香を含んだ吐息とともに彼女はそう口にした。
ぶちん、と頭の中の糸が切れる音がする。気が付くと俺は両手でその双丘を鷲掴みにしていた。
「あんっ!」
ふわ、と彼女の体が揺れる。当然、俺の両手に包まれているものも同時に。
下着の上からであろうともわかるその柔らかさ。少しの力を入れると、沈み込むと同時に弾力もしっかりと返ってくる。
直接揉みしだいたらどれほど気持ちがいいだろうか。そんな俺の欲望を見透かしたように冬香は言った。
「ぁ、んっ……ブラ、外しますよ。……ん」
背中に手を回して、自らの下着のホックを外す。そして肩の紐を下して、下着の拘束を緩ませた。
たゆん、と重力に引っ張られて乳房が揺れる。緩んだブラの隙間から桃色がわずかに顔を覗かせている。だが、絶妙に引っかかっていて完全には外れない。
それはわざとやっているのだろうか。彼女の顔を見ると、あとはどうぞ、とでも言いたげな笑みを浮かべている。
その誘惑に従うまま、下着に手をかける。そして、はやる気持ちを押さえながら、するりとそれを抜き取った。
「綺麗、だな……冬香」
露わになった彼女の上半身を目の前にして、自然とそんな言葉が口からこぼれていた。少ししてそのことに気づいて、思わず冬香の表情を見る。
「え……そ、そんな、こと……ないですよ……」
真っ赤になった顔でそっぽを向いて、そんな可愛いことを言っていた。俺は彼女のその様子に、一気に燃え上ってしまった。
「ひゃっ! ちょ、せんぱ、あっ、ぁんっ、は、ぁっ……いきなり、あっ、だめっ……!」
俺も体を起こしてその乳房にしゃぶりつく。大きな膨らみを贅沢に掴んだまま、その先端を口に含む。
そして、桃色の突起を口の中で舐め回す。舌先でくりくりと焦らすようにしたり、ぺろ、と舌全体で擦ってみたり。
触れ方を変えるたびに、冬香は違った反応を見せてくれる。それが嬉しくて、ますますその行為に夢中になってしまう。
「んっ、あっ、や、先輩……っ、そんな、あっ、舐めたら、あたし……っ!」
びくびくと身体を震わせながら冬香は淫らな声をあげてくれる。もう余裕がないのか、焦点の定まらない瞳を俺に向けている。
それでも愛撫はやめない。舐めているのとは逆の乳首も指でつまんで、より激しい快楽を彼女に与える。
「んっ、ぁンっ、だめっ、あっ……ちく、び……っ、あた、し、あっ、かんじ、すぎ、てぇ……!」
だんだんと熱を帯びていく彼女の嬌声。それに合わせるように刺激を強くする。
指ではぎゅう、と乳首をつまみ、口に入れているほうは、かり、と甘噛みしてみたりする。もう感度が普段以上に高まっているようで、どんな刺激でも快感に変換されてしまうようだった。
身体の痙攣も激しくなってきて、絶頂も近くなっていることが感じ取れた。
「んっ、あっ、アっ、せん、先輩っ……あたし、もう、あ、ァ、は、イっちゃう……っ、乳首で、いっちゃいますっ……!」
その言葉に答えるように、今一度強くしゃぶりつく。唇ではむ、と挟み込んで、思い切り吸い上げる。
それがとどめだったのか。冬香はびくん、と大きく体を跳ねさせて絶頂した。
「あっ、ぁ、あ……ん、は、あっ……せん、ぱい……あっ、あた、し……イっちゃい、ました……」
はあ、はあ、と荒い吐息を繰り返しながら、惚けた様子で虚空を見上げている。そこには陶酔の色がある。
その様子に、彼女を絶頂させたことの達成感がぞく、と湧き上がってくる。
「せん、ぱい……」
気づくと、まだ波がおさまっていないままの冬香が俺を見つめていた。
「先輩、も……あたしで気持ちよくなってください──」
彼女は吐息交じりの声でそう言うと、震える脚で腰を浮かせた。そしてスカートの中に手を入れて下着を抜き取り、片足にひっかけた。
そうして、俺に見えるようにそのスカートをたくし上げた。つう、と内ももを銀色の雫がつたっている。
「ここ……あたしのまんこで先輩のちんぽ、イかせてあげますから……」
どくん、と一段階心臓の鼓動が速くなる感覚。酔ったような妖しい冬香の瞳と、淫靡なその言葉。
俺はほぼ無意識に制服のベルトを外す。そして、限界まで固くなった生殖器をずる、と露出させた。
「挿れ、ますよ……」
俺のものがさらされてすぐ、冬香は待ちきれないとばかりにそう呟いた。そして勃起したものをつかんで上に向けると、自らの濡れた場所と触れ合わせた。
「ん、ぁ……っ、ちんぽ、あっつい……」
発情したような吐息を漏らしながら、彼女はそのまま腰を落とし始めた。
ずぶ、と肉と肉とかきわける感触。一瞬で性器に走るぬめった割れ目の感触に、のけぞりそうになる。
「ん、んっ……ア、んっ……は、も、っと……おく、まで……っ」
よほど興奮しているのか、彼女が腰を落とすスピードは速い。奥から溢れてくる愛液もそれを助けている。
そうして一分も立たずに、俺の生殖器は根元まで彼女に飲み込まれてしまった。
「あっ……ァ、は、あは……すご、あたしの、子宮、先輩のちんぽで、ん、おされちゃって、ます……っ」
今まで見たことがないほど昂っている冬香。いやらしい言葉遣いと彼女の熱が俺の興奮まで引き上げてくるようだ。
その彼女の気持ちを代弁するかのように、きゅぽ、と子宮口に亀頭が吸いつかれる。入れたばかりだというのに、もう精液をねだられているよう。
「じゃあ……動き、ます……っん、あっ!」
俺が何か言う間もなく、彼女は腰を動かし始めた。
カリのくびれまで引き抜かれ、一気に体重とともに腰を落とされる。一往復ごとに気が狂いそうなほどの快感を与えられ、陰嚢で精液が作られていくのがわかった。
彼女は彼女でもう快楽に夢中になっているようで、俺の首に腕を回して熱心に腰を振っている。どちゅん、と奥まで入るたびに押しあがってくるような喘ぎ声をあげていた。
「あっ、ア、ん、お……っ! すごっ、いっ……あっ、ぁんっ、ア、はぁ、おっ、先輩の、おくっ、あっ、犯され、てっ……あんっ、あっ、きもち、いい──っ!!」
彼女の獣のような声に、ぱんぱんと乾いた音が絡まる。その音でさえ、いやらしい行為をしているという事実を教えてきて、おかしいくらいに興奮してしまう。
高まる情欲に流されるまま、再び彼女の乳房を鷲掴みにする。腰振りで激しく上下に揺れるそれは、ただ揉む以上の感触が伝わってきて気持ちがいい。
「んっ、ひゃっ! んっ、アんっ、あっ、おっぱいっ、あっ、きもちいっ! ぁうっ、んっ、お、せんぱいっ、あっ、もっと、さわって、くださいっ……!!」
そうやって胸を触られるのが彼女も気持ちいいようで、体の震えとともに応えてくれる。俺で気持ちよくなってくれるという実感が、さらに興奮を加速させる。
さらに、また絶頂がのぼってきたのか、生殖器を包んでいる膣肉の圧が強くなってきた。奥に入れるたびに逃がすまいと絡まってきて、陰嚢の奥に溜まったものを引きずり出されるみたいだ。
それに抗うように、俺も下から突き上げる。ぱん、と彼女の子宮を犯すように、加減なんかしないで。
「んおっ……! あっ、は、ふぁっ……すごっ……あっ、アんっ、ちんぽ、あっ、おくぅ、んっ、んあぁっ、突きあがって、あっ……! 先輩、ん、あ、ぁ、おっ、あたし、また、あっ、イく、イっちゃうっ……!!」
無我夢中なのか、ぎゅう、と俺の体を抱きしめてきた。燃えるような熱を孕んだ彼女の体。
そこへ溺れるように突き上げる。それは彼女の腰の動きと合わさって、一気に精液を搾り取ってくる。
「ん、あっ、イクっ、先輩っ、あたし、もう、だめっ!! 先輩、も、イってくださいっ……!! あたしの、あっ、あんっ、まんこで、精液、出してくださいっ!!!」
「ああ……っ! でる、だすぞ、冬香っ──!!」
懇願するようなその声と同時に、ぎゅう、と思い切り締め付けられる。それに合わせて、一番奥へ限界ギリギリの生殖器を叩きつけた。
それで二人とも果てた。びくん、と心臓が弾けそうなほど体を震わせて、その瞬間を迎えた。
「あっ、あ……おっ……ア……すご、い……せーし、どくどく、でて、ます……」
びくびくと壊れたように痙攣させながら、陶酔した声を漏らす冬香。その腰をがっしりと掴みながら、精液を吐き出す。
びゅる、びゅる、と煮えたぎった白濁を子宮へ叩きつけるような射精。頭の中は真っ白で、気持ちいいことしか考えられない。
「ん……先輩、あっ、あ……もっと、ん、せんぱい……あたし、に……っ」
無意識なのか、ぼうっとしたまま冬香が口にする。それと同時にぎち、と膣肉が締め付けられる。
それに搾り取られて、否応なしに奥からまた精液が昇ってくる。俺はそれをただ吐き出す。どぷ、どぷ、と生殖器が脈動するまま。
そうして長い絶頂に二人で浸る。抱き合う体は心地よくて、いつまでもこうしていたい。
俺たちは時間も忘れて、そうやって気持ちいい時を共有していた。
「で、どうです?」
ソファの上、隣に座った冬香が期待に目を輝かせて聞いてくる。それはいつかと同じ、彼女が作ってくれた肉じゃがの感想だった。
「うん。おいしい、すごく」
「えー、なんですかそれ、前と同じじゃないですかぁー」
正直な感想を口にした俺に、冬香は不機嫌そうに返した。
「もっと語彙力を働かせてくださいよぉ」
「ええ……俺そういうの苦手なんだよ」
「じゃあせめて前と比べてどうかくらいは言ってください」
はあ、とため息をついて冬香は言った。
「そりゃ、前よりもおいしくなってるよ。多分、肉じゃがだったらさつきよりも美味いと思う」
「ホントですか!?」
さっきまでの態度が嘘のように、ぱあ、と表情を明るくさせた。
そうとう努力したのだろう。そういう喜び方だ。
というか、この短期間でここまで腕をあげたのは素直に尊敬に値する。
「……よかったですよ、本当に。最後に先輩にそう言わせることができて」
少しだけ声のトーンを落として冬香は呟いた。
その言葉に、思わず彼女の顔を見た。こちらを見る冬香の視線とぶつかる。
「先輩」
そのまま、視線を外さずに彼女は続けた。
「今日のことは秘密です。さつきにも。今夜あったことは全部、あたしと先輩だけの秘密の思い出にしてください」
わずかに微笑みながら、だけど真剣な口調。
わかった、と頷くと、冬香は徐に小指を差し出してきた。
「約束、ですよ」
にこ、と嬉しそうな表情を見せる冬香。
「ああ。約束するよ」
俺たちはそっと、小指を絡ませた。