ここはクティル王国にある小学校。
本日も平和なクティル王国で教師をしている者がいました。
「本日はここまで」
「「「ありがとうございました〜」」」
生徒たちが帰っていく姿をため息を吐きながら見送る幼女がいた。
遠くから見ると周りの小学生達と殆ど変わらないくらいの身長だ。
彼女の服装は黒を基調としたゴスロリと呼ばれるタイプの物を着ていて髪は白髪の長い髪が腰のあたりまで伸ばしている。
彼女が瞳を開くと澄み渡った海が出現したかのように思えた。
(何で私がこんなことしないといけないのよ...)
もう一度大きくため息を吐く彼女は誰もいなくなった教室に鍵をかけて職員室に向かう。
ここに来て早半年、妹に頼まれ妹の娘の魔法教師になる事になったのだが、まさか学校の教師をやらされることになるとは思わなかった。
職員室の前に立つと扉を開ける気がなくなる。
(ここの職員は妙に私に対して子供扱いしてくるのよね...、ハァ...あんたらよりも私の方がよっぽど年上だって言っても聞かないし困ったわね...)
確かに嫌われるよりはマシではあるが、まるで生徒と同格のように扱われるのは癪である。
(今日はいいわ...、書類整理はまた今度にしましょう...)
私は職員室によることなく帰ろうとしていると...。
「プラム先生!」
「カリンさん?、私に何かようですか?」
今目の前で息を切らしている彼女の名前はカリン。
妹と同じで茶髪に緑の瞳を持っている。
まあ、私の妹はかなり天然が入っているのだが、その娘のカリンにはそこまで天然の気は無いようで安心したのは今ではいい思い出だ。
...、話は変わるが彼女には魔法の才覚があると私は考えている。
初級とはいえこの歳で全属性と回復魔法を扱え、精霊さえも使役するのはやはり『賢聖』と謳われた者の娘であると言えるでしょう。
そんな賢聖の娘...もとい私の姪が何の用でしょうか?。
「先生!今日は魔法の指南をしてくれるって言ってたよね!」
...、そうでした、最近仕事の量が増えてあまり構ってあげられなくなっていたのをすっかり忘れていました。
「ああ、確かそうだったわね、いいわよ付き合ってあげる」
私が答えを返すと、無邪気に喜ぶ彼女の姿は小学生っぽくてちょっといいですね。
「やった!、もうちょっとで両手から違う属性の魔法を同時に放てるようになりそうだから楽しみなんだ〜」
「本当にあなたって魔法が好きね」
「はいっ!、魔法を覚えられるなんて考えもしませんでしたから!」
「?、あなたはあの“賢聖エルカ“の娘でしょ、魔法の才覚がないわけないじゃない」
「...、あっとえっと...、そうそう!“あの”って強調されても私のお母さんだしあんまり凄みを感じないというか...、ずっと一緒にいたらやっぱり当たり前になっちゃいますよ」
なんだか答えを出す前に謎の時間がありましたけど、今ではこういう子なのだと分かっている為なんとも思わなくなりました。
「まあいいわ...、それよりも早く魔法の練習を行いましょう、時間は有限...、無駄にするのはもったいない」
「はいっ!よろしくお願いします!」
私は外履きに履き替え、魔法の指導を行う。
彼女の魔法適性値は非常に高く、見ていて伸び代が大きいので見ていて飽きません。
いつのまにか嫌々やっていた個人特訓も一種の楽しみにはなっているのでした。
「さあ!今日もビシバシやるわよ!」
「はいっ!よろしくお願いします!」
元気の良い返事と共に、私の鬼特訓が始まるのですが...、これはまた別の話。