ある程度唇を重ねたリンは、思い立ったかのように体を起こしました。
「だめぇ...♡ もっとキスが欲しいのぉ...♡」
恥ずかしいおねだりを媚び媚びの声で求めてしまいます♡
自分から彼女を求めるように、両手を広げながらゆっくりと起き上がりました。
「プラムちゃん...♡」
感極まったような表情を浮かべる彼女を見ていると、なんだか私も...。
「「んちゅ...♡」」
互いの体を求め合うように舌を重ねる私とリン姉ちゃん♡
(リン姉ちゃんの体...、甘い香りがする...♡)
いつの間にか彼女のことをこんなにも気に入っている自分がいる事に驚きますが、それ以上に彼女から与えられる『愛』が尊く感じてしまいます♡
(ああ...♡、本当にリン姉ちゃんは私のことが好きなんだな...♡)
姉ちゃんの愛の深みにはまり、もう抜け出せないところまで来てしまったような感覚が全身を突き抜けた瞬間、保健室のベッド上で達してしまいました。
「んっ♡」
(学校のベッドの上でイっちゃうなんて...)
自分でも信じられない状況に、思考回路がぐちゃぐちゃになって行きます。
口を絡め合っているだけでこんなにも幸せを感じさせてくれる人...。
私はもしかしたら...、心の奥底から彼女の事が好きなのかもしれません。
「もうプラムちゃんは何も考えなくて良い、何もしなくていい、ただ私の為に存在してくれさえすればいいの...、大丈夫、ずっと私がそばにいて管理してあげるから...♡」
こんなにも私の事を考えてくれる人は他にいないでしょう...。
もう考える事さえだるく感じ始めた私は、彼女に身を委ねるように目を閉じるのでした...。
□◾️□◾️□◾️
私とプラムちゃんが学校内で愛を確かめ合っていると...。
「そこまでよ!」
という声がいきなり響き渡りました。
焦った私は一瞬で服を着なおし、声のする方向を見据えます。
「リン...、ぎゅっとして...♡」
こんな非常時にさえ可愛いおねだりをしてくる彼女を見ていると、絶対に手放したくないという独占欲が出てしまいます。
「ちょっと待っててね、邪魔者を片付けてくるから...」
彼女に睡眠の魔法をかけた私は保健室のカーテンをめくり、声の主に会いました。
「...、やっぱり貴女が最後の障壁になるのね...」
「姉さんはちゃんと返して貰うわ、そして貴女は魔法騎士団に引き渡します」
私の前に現れたのは最強の魔法使い『賢聖エルカ』。
それを見た私は、思わず笑い声をあげました。
それを不快に思ったのか、彼女は不機嫌そうな表情で私を見てきます。
「何が可笑しいの?」
「ううん...、可笑しいんじゃない...、嬉しいの♡」
「嬉しい?」
「あんな凄く上等な物を手に入れれるのだから、簡単だとつまらないじゃない...♡」
「...、貴女...狂っているのね...、でも大丈夫、この王国に救われない人なんて一人もいないのだから」
そう言いながら、私に杖を向けてくる彼女。
魔法使い同士が魔法での撃ち合いをする前の礼儀としてお互いの杖を見せ合うというものがあるのですが、恐らくそれでしょう。
私も自分の杖を持ち出し彼女に見せました。
この行為をした自分に少し笑うと、すぐさま魔法合戦が始まりました。
一応私も魔導教師になれるくらいの素質はありましたが、催眠魔法が効かない聖人相手には分が悪いのは明白であり現実。
私の催眠魔法はその全てが打ち消され、一つ足りとも通用しませんでした。
「ハハッ...、やっぱり聖人って凄いんですね...、敵わないなぁ...」
私は乾いた笑い声をあげながら、聖人の姿をしっかりと見据えます。
「魔導教師リン、今ここで貴女を捕らえますが、その罪を自身の口で告白なさい、自分が何を犯したのか分かっていますね?」
優しい口調で私の罪を自身で語れと呟く彼女でしたが...。
私が思ったのは別のことでした。
(罪...?、欲しいものを手に入れたいと思うことが罪なの?、そんなんだったら私は...)
魔法の使いすぎで疲弊した自身の体を立ち上がらせ、彼女にこう呟きました。
「私は...、ただプラムちゃんを愛していただけです♡」
「それが貴女の答えですか?」
これを答えてしまえば、恐らく私は...。
そう思うと恐ろしかったが、自分の思いに嘘はつきたくなかった。
「...はい...」
重たい口を上下に動かし、彼女の質問に答える私。
「悔い改めなさい...」
彼女はその答えにため息を吐きながら、その強大な魔力から放たれる魔法を私にぶち込んできたのです。
もちろん、一介の魔法使いである私はひとたまりもありませんが、自分は間違ったことをしていません。
ただ、彼女を愛していただけなのです。
(世の中って...、なんでこうなんだろう...、私はただ...、好きな人と一緒に居たかっただけ...)
解き放たれた閃光が私を包み込んだ瞬間、全てが終わったと思いました...。
「プラムちゃん...、ごめんね、お姉ちゃんあなたと一緒にいられないみたい...」
ぎゅっと目を瞑り、自身の体が消し飛んでいくような感覚を味わいながらも私はこう思うのでした...。
(私が消えた後、プラムちゃんはどうやって生きていくのだろう...)
もう彼女から知性を殆ど奪い去っている為、一人で生きていけるか心配になってしまいます。
私はベッドに横たわる彼女の方を見据え、手を伸ばしました。
「プラムちゃ...」
そこで私の記憶は消し飛んでいます。