「全てを凍て付かせる氷の精霊よ...、今こそ理を紐解きその力を体現したまえ...」
私の詠唱が終わると、辺り一面が氷のフィールドに変化します。
慌てるリュイラを氷の城の上から眺めました。
「私の結界の中でいつまで持つかしら?」
私が手を振り下ろすと、全方向から雪玉が一斉に彼女を襲います。
雪玉なら別に痛くないんじゃ? と思う方もいると思いますが、これだけの量を一気にくらえば凍傷になる程度では済まないでしょう。
それにこの結界内の気温はかなり低く、息をすれば白い息がでてきた瞬間に凍るほどです。
「謝るなら今のうちよ? リュイラ」
私はそう呟きましたが、彼女はニヤリと笑いすぐさま杖を抜きました。
「プラムちゃんと魔法合戦できるなんて機会はそうはないわ! どこまで通じるか試させて貰いましょうか!」
さっきまでの変態的な表情は消え、良い顔になっている彼女。
この状態の彼女であれば嫌いではありません。
「良いわよ、胸を貸してあげる...」
上から彼女を見下ろしていると、下から灼熱の魔人らしき精霊を召喚する彼女。
私の放った雪玉が彼女の届く前に全て蒸発していくのが見えた。
「グァァァァァ!!!!」
魔人は雄叫びをあげ、私をギロリと睨みつけてきた。
「おー怖い怖い...、だったら...」
パチっと手を合わせ、私は巨大な氷のハンマーを彼女達の頭上に降らした。
「させない!!」
彼女の命令と共に炎の魔人がハンマー打ち砕いたのだが、そいつがそれに触れた瞬間!、水となって注がれたのである!
雪水とは言え、水をもろにかぶっそいつは一気に弱々しくなっていくのがわかった。
「グルルル...」
「そろそろ終わりね...、楽しかったわ...」
スッと魔人に手を向けて氷達に命令しました。
「我が眷属達よ、今こそ意思を持ち、汝の主人たる我を守れ...」
私がそう呟くと、周りにある雪達が動物の形を成して魔人に襲いかかっていく。
「グァァァァァ...」
魔人は力ない声を上げて消えていく...。
「さようなら...」
私は消えていく魔人に手を振りバイバイという仕草をした。
「くっ...、まだいける!」
彼女は再び魔法陣を展開し、今度は自らに炎を纏いバリアーの様にしている。
「また炎? 私が氷だからって正攻法が通用すると思いかしら?」
「やってみないとわからないでしょ?」
お互いの間に異様な緊迫感が生まれる。
魔術師同士の戦いは一瞬の油断が負けに直結するのだ。
お互いが一撃必殺クラスの魔法を覚えているとなれば尚更である。
お互いの間合いが詰まらないまま、戦いは第2局面へと移行するのであった。