〜銭湯〜
そこはどこにでもあるような銭湯です。
お湯の匂いが出入り口付近まで香り、ヨボヨボの婆さんがお金の勘定をしているなんて事のない銭湯。
リュイラが切符を買いに行くと、急にこんな事を言いました。
「大人1人に子供1人」
「あいよ...」
「はっ!? ちょっと! 私は大人よ!」
私が銭湯の婆さんに言いましたが、こう返されてしまいました。
「ホッホッホッ...、元気の良い娘さんだこと...、お母さんは元気な子を持って幸せですな...」
「お母さんだなんてそんな...♡」
少し照れている彼女がとても気持ち悪く思えてしまう私。
「何言ってんの?あんた...」
「私はプラムちゃんのお母さんですからね〜♡」
(正直...キモいな...)
私はゴミを見るような目で彼女を見つめていると、なぜか両手を自分の肩に回して悶える彼女。
「ああ...♡ 娘が思春期に♡」
(私はあんたの娘じゃないし、思春期なんて等の昔に過ぎてるのよね...、何言ってるのかしら...)
マジレスすると辛口な表現しか出来ない事に気がつき、これではいけないと思い敢えて口調を変える。
「そうだね♡ お母さん♡」
いきなり良い子ちゃんぶりっ子してあげると、彼女は声にならない声で感動していました。
「お母さん!? はぁぁっぁあっぁぁあっぁぁぁっぁぁ!?!?!???!!!!??!!@@-)(/)-616)」
(喜んでいるのは分かるけど...、途中から何言ってるのかさっぱりわからないわねw)
内心バカにしたような声で笑いながら、彼女と一緒に脱衣所に入って行きました。
〜脱衣所〜
流石に夜という事もあり、結構な人数の人がいました。
(今思えば公共の銭湯を使うなんて久しぶりね...、まだ私がガキだった頃に入ったのが最後だったかしら?)
今となってはなんとなくしか覚えていませんが、今更昔の事なんてどうでも良いなと思い服を脱ごうとすると...。
「ストップ!!」
急に彼女からストップが入りました。
「な...何よ急に!!」
「私が脱がせるからじっとしてて!」
「そんな子供みたいな...」
「プラムちゃんは子供でしょ!」
迫真の演技でそう言ってくる彼女の表情は本気でした。
流石の私もこれには圧倒されてしまい、思わず首を縦に振ってしまいます。
それを見た彼女は口を動かして私にこう呟いてきました。
「プラムちゃん、じゃあまずは両手を上に上げてバンザイして」
「こう?」
「そうそうそのままじっとしててよ...」
いつになく本気の表情のまま私の服に手をかける彼女に対し、私はなんとも言えない奇妙な気分を味わうのでした。