「じゃあ脱がしていくわよ...」
「うん...」
ゆっくりと私の衣服に手をつけて、ゆっくりと上に上げていきます。
その速度の遅さに正直イライラしてしまいました。
(早く脱がしなさいよ! 手が疲れてきちゃうじゃない!)
そう心で思っても言えません。
今のいつになく真剣な表情浮かべている彼女にそんな無粋な事は言えないのでした。
「プラムちゃんそのままね...」
「うん...」(2回目)
(いいから早く!!)
ようやくゆっくりと服を脱がしてくれましたが、その途中で帽子が邪魔になりなかなか脱がしてくれません。
(早くしなさいよ!!)
そう思ってもやはりなかなか早くならないのが彼女なのです。
なぜ彼女が服を脱がすのに時間がかかっているのか分からず、私はついに自分で脱いでしまいました。
「ちょっと! リュイラ!! 流石の私も怒るわよ!!」
指をさして怒った表情を見せた瞬間。
「ご馳走様です♡」
「はっ?」
私は思わず自分の体を見つめてしまいました。
彼女の言う意味がよく分からなかったのですが、考えてみると簡単な事でした。
今の私は泥だらけんな上に裸で下着一枚の無防備な姿を晒しならがら今のような発言をしたのです。
つまり彼女からしたら、くっ殺状態でも強気に指をさして自分の主張を通そうとする私を見て『ご馳走様です♡』と言ったことを理解するのにそう時間はかかりませんでした。
「リュ・イ・ラァ〜...!」
私が怒りの矛先を彼女に向けていたのですが、彼女はなんて事のない様子で服を全部脱いで行きます。
「さ〜てプラムちゃんも早く全部脱ぎ脱ぎしましょうね〜♡」
彼女にそう言われてハッとした。
私が脱ぐべき物は後一枚しかないと言うことに。
つまりは
そう思うといきなり恥ずかしくなり、両手で下着を抑えたのだが、彼女は「私が脱がすわ!」の一点張り。
どうにか自分で脱ぎたい私と、脱がしたい彼女との間で、この上なくどうでもいい戦いが幕を開けるのでした。
□◾️□◾️□◾️
「その手を退けなさい!! 私が脱がしてあげるから!!」
グッ、グッ!っと力を入れて私を無理やり脱がそうとしてきますが、好きにさせる訳には行きません。
「冗談じゃないのよ!!! 自分で脱ぐから放っておいて!!」
私と彼女のどうでもいいバトルを周りの人たちは笑いながら見ているのがとっても恥ずかしい...///
(ああ!! もう!! クソほどどうでもう良い戦いを周りの人達に見られてるのよ!!///)
そう思うと嫌でも体が熱くなってくる。
(早くなんとかしないと!)
私が抵抗を試みると、彼女は更に力を入れて無理やり脱がしてきた。
「早く脱ぎなさい!!」
「嫌よ!!」
なぜかこのやり取りをしていると周りからクスクスと笑い声が聞こえてきます。
なんでだろうと考えながら周りの人達の話し声を聞いてようやく理解する事が出来ました。
「や〜ね...、あの子まだ服を脱げないのよきっと」
「ああいう子を持つと親は苦労するのよね〜、お母さんファイト!」
(はぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!!????)
私は思わず心の中で叫んでしまいました。
(なんで私が服を脱げないと思っているのよ!!! 大体私の方が多分あんた達よりも年上だし、ちょっと子供産んでるからって偉そうにしないで欲しいのよ!!!)
そう思っていても、もちろん彼女達に心の叫びが届く事はありません。
側から見ればリュイラが子供のわがままに付き合わされる母親のように受け取られているのでしょうけど、それが許せません。
(こんなやつが親な訳ないでしょうが!!)
少しばかし頭にきた私はいい事を思いつきました。
「おっ! ようやく抵抗が弱くなってきましたね♡ 早く脱ぎましょうね!」
脱がされた瞬間に異次元に飛び込み、別の扉から再出現してやったのです。
「はいはい脱がされましたよっと」
明らかに別の所から出てきた私を見てお母さん方と彼女は唖然としていました。
当然です。
異次元に入る魔法を扱える者なんてそうはいないのですから...。
ふふんと得意げな表情を浮かべる私と、少し悔しそうな表情を浮かべる彼女の間には結構な差があると言えるでしょう。
勝利の余韻浸っていた私ですが、とある失敗をしていました。
それは...。
「あれっ? でもプラムちゃん、なんで全裸で得意げに腕組んでドヤ顏してるの?」
私はそう言われてハッとしました。
異次元に入る魔法は強力な代わりに着ているものが全部弾け飛んでしまうというデメリットが存在するのです。
ドヤ顔で縦スジと乳首を晒しながら、腕を組んで勝利の余韻に浸るなど、おマヌケすぎて恥ずかしくなってしまう私なのでした。