TS勇者は取り戻したい 〜 TSFのFはふたなりのF! 〜 作:亜星
エルリックに教えられた道順をたどり森の中を抜けていくと、しばらくして急に開けた場所に出た。目の前には広々とした水面が広がっていて開放感も手伝って実に爽快な景色だった。生命感にあふれる雑多な匂いに満ち溢れていた森の空気とは一味違う爽やかな風の香り。オレは
「うわぁ、はははっ!水つめたっ! 冷たいぞ、これっ! ひんやりしてきもちいい♪ キレイな水をひとりじめできるなんて、最高じゃないか♪」
「得物は手の届くとこに置いといて、脱いだものはしまう、っと。ああでも汚れ物は洗っときたいな。あと、髪も結構傷んでるし、もうこれは全身本格的にやるかな。
飲み水ですら苦労する事も珍しくないのだから、旅の途中の入浴事情は正直最悪だ。だからこんなキレイな水を気兼ねなく使って体を洗えるのは贅沢そのもの。次いつこんな機会があるかわからない事だし、ちょっと念入りに手入れしようと決めたオレは、
「うぁ、やっぱ流石に急につかるときついな。これ全身浸かるとなるとちゃんと慣らさないと。うぅっ、腰冷えるのつらっ…」
着ていたものを脱いで
「ぷはっ!はぁっ、ふぅ〜っ… は〜っ、さっぱりするなっ♪ 水も冷たすぎないし、身が引き締まる感じが気持ちいい♪ う〜ん、水浴び最高♪」
無秩序にまとわりつく長い髪をぶんぶんと頭を振って始末をつける。オレを中心にキレイな円状に飛び散った水滴で、水の華が乱れ咲いた。水に濡れた肌が風に触れて、ぞわりと背筋に寒気が走る。ぶるりと一際大きく体を震わせて、オレはしゃがみ込むと水の中に逃げ込んだ。
「水に濡れると水の中のほうがあったかいんだよな。さて時間ももったいないし、さっさと体洗っちゃおう。」
さて、どこから洗おうかと一応考えるふりをしてみたものの、とにかく洗いたいと思っている箇所が一つあった。きつく
(テントで
きつく
「まずはここだよな… さっき綺麗にできなかったし、絶対汚れてるもんなぁ…」
水の中でしゃがみ込んだまま大きく股を開いて腰の後ろに手を伸ばす。
「ふぅ〜っ、ずっと締め付けられてたから開放されると気持ちいいな。この開放感が癖になりそうで怖い…」
蹲踞した股の間で隠されるものもなく顕になってる
「うくっ、やっぱり中までドロドロだ… こんなになってるなんて、どんだけ感じてたんだろ、オレ。なんか、前よりも感じやすくなってる気がするんだけど、大丈夫かこれ」
ぷっくりとした
「んっく、感じてない。そ〜っと、ちょっと体の中の方を洗ってるだけですよ〜 はふっ♡ ここまずっ♡ きもちいっ♡ いくない! いくないぞっ!」
ともすると気持ちよさを求めて指が余計なところを擦ろうとする。それを実行に移さないように苦労しながら
「
乾いた布で濡れた
「まああの
縁を結んでしまった女神の度し難さを改めて再確認して、オレは口の中で軽く不幸を願う言葉を紡いだ。そうしながら股の間の湿り気も取ったあと、いつものようにお尻の谷間を通して
「ふぅ、やっと人心地ついたかな。 気になってるところは片付けたし、ここからは本格的に全身キレイに洗い上げちゃうぞ〜♪」
気分を切り替えるために大きな声で宣言して、オレは本格的に体を洗い始める。ついでに替えの少ない衣服も洗って岩場で干してゆく。半刻も過ぎた頃にはすっかり垢やこびり付いた汚れ落としきり、オレの肌は本来の輝きを取り戻していた。眠り続けていた間も仲間たちが身体を清めてくれていたには違いないのだが、それでも取り切れない汚れがあちこちにあった。それを丁寧に擦りおろし全身を磨き上げるうちにすっかりオレは調子を取り戻していた。
「う〜♪ き〜も〜ち〜い〜い〜 ♪」
空を見上げながらゆったりと水に浮かぶ。日差しですこし温まった水が程よく身体を冷やしてくれる。水中で感じる浮遊感に身をまかせて水面を漂っていると、このまま湖に魂まで溶け出しそうに思えてくる。ぱしゃりと水を蹴って水の中を進む。身体を撫でて通り過ぎる水を感じることで、自らの形を確かめることができた。長い蜂蜜色の髪が水流に弄ばれて肩や背中をくすぐるのがちょっとこそばゆい。
(旅暮らししてると髪が長いのは面倒なんだよな。手入れしないとすぐに扱いづらくなるし。かといって、短くすると街に帰ってから泣かれるんだよなぁ。)
聖刻教会から俺の身の回りの世話を名目に派遣されて来る
雲が流れて日差しが急に目に差し込んでくる。眩しさから手をかざすと、薄い手のひらを透かして明るさが感じられる。肌に弾かれた水の玉が肘をつたって二の腕を転げ落ちてゆく。
(ほんと、細くて華奢な腕だよな、今のオレ。こんなのでよくもまあ今まで戦い抜けたもんだ。)
もともとオレは体格に恵まれず、なかなか筋肉がつかない体質だった。今のオレの腕はその頃に比べても華奢だ。すらりと伸びた腕の少女らしい柔らかな肉の下には幾分鍛えられた筋肉があるけれど、それで魔物の力に立ち向かうなど到底敵わない。
(男の頃の闘い方がそのまま、この身体の闘い方にぴったりだったってのはなんか皮肉だったな。)
華奢な体格のくせに戦士を目指してしまったオレは、不利を補うために
(魔力の扱いだけは徹底的に訓練してもらったおかげで、昔とは比べ物にならないくらい強くなれたのは確かだけど。)
魔力を巡らすとおへその下あたりにほんのりと温かみを感じる。そこにある真臓を鍛えた日々が懐かしい。全身に血を巡らせて体を動かすのが心臓であれば、全身の魔力経路に魔力を巡らすのが真臓だ。今まで
(なんか色々あったなぁ。それもこれももう少しで一区切り)
つんと空に向かって膨らむ双丘に掬った水を掛け、染み一つない肌の上を水の玉が転がり落ちるさまを目で追う。ようやく結末に辿り着いた魔王討伐も、その後の
「うう、ちょっと風出てきたな。ちょっと鳥肌立ってるや。風に当たると流石に身体冷やしすぎて良くないな。そろそろ水から上がるか。」
ひゅぅと吹いた風が小島のように水面から顔を出す