TS勇者は取り戻したい 〜 TSFのFはふたなりのF! 〜 作:亜星
「
(もきゅ、もきゅ)
「そうですね。けれども今晩の分が取れたくらいでちょうどよかったのでは? それだけの数の
「うむ、そうであるな。今晩の豊かな夕食を神に感謝せねば。とはいえ、クリス殿が魔王を討ち取ったのだ。今の魔軍は組織だった行動はとれぬであろうし、今しばらくは楽ができそうではあるな。」
「でしょうね。今は四天王の間で腹のさぐりあいといったところでしょう。各自の軍団を引き締め直して、魔王の後継者となるべく他の四天王との対決に備える」
「そのようなところであろう。ここ数日の追撃の弱さにやっと得心がゆき申した」
(もきゅ、もきゅ、もきゅ)
ブライと魔軍の動向についてあれこれと話し込むエルリックもいつになく食欲旺盛だ。焚き火で炙られた
(もきゅ、もきゅ、もきゅ、もきゅ)
オレはというと真面目な話を放り出してひたすら串に手を伸ばしてはかぶりついていた。表皮がパリッといい感じに焼き上がっている。香ばしくていい香りだ。お腹がきゅるると小さくなって、もっとよこせと催促している。今日はいくらでも食べられそうな気がする。
「クリス殿、今日はいつにもまして食欲旺盛ですな」
「うん、今日のオレおなかすいてるから。
「それはよろしく有りませんな。どれ、吾輩の分も遠慮なく持っていってくだされ」
「ありがとブライ。でもどうせもらうならエリクのやつにする。ブライはちゃんと食べてくれよ。見回りでおなかすいてるだろうからさ。」
「ああこら、なんで持っていくんですか。今日は私も食べたい気分なのですから、素直にブライから分けてもらってくださいよ」
エリクが手を伸ばした串を奪うようにして目の前でかっさらう。エルリックが恨みがましくオレを睨んでくるが気にしない。見せつけるようにして目の前でかぶりついてやる。口の中に広がる旨味の洪水。人から奪ったものかと思うと更にうまい。
「まったく、食い意地の張った勇者様ですね。しばらく放っておけばよかった」
「エリク。貴殿はもう少しクリス殿を労ってはどうか。先程気を失って戻ってきたのも、聞けば無茶な鍛錬の結果だと言うではないか」
「そーだそーだ!
「いや鍛錬と言ってもですね…」
オレがけしかけると説教モードに入るブライアン。エルリックがたじたじと押されるのを見ていると少しは胸のつかえが取れてくる。実のところ憂鬱な気分でいっぱいなのだ。
(確かにあの時点で魔力を分けてもらったのはありがたいけどさ。
でもあれはやりすぎだろ。)
ブライアンに説教されてるエリクを肴に串焼きをもきゅもきゅと食べるオレ。
(魔力漏らさない訓練とか補習とか
今日やらなくても良かったんじゃないのか?
あれだけひどい目にあった後の女の子に普通あそこまでするか?)
エルリックが何度も
そうだ
しょんぼりとエルリックに借りたズボンの股間に目を落とす。自然と深い溜め息をついてしまった。
(本当に
正直一番忘れてしまいたい事実だった。エルリックに散々犯し抜かれて気絶してしまった後、また天幕で目が覚めたのだけれど、その時気がついたのだ。
(オレの
目の前が真っ白になるくらいの衝撃だった。もともと体格に恵まれなかったオレだけど、
女の子としてイかされたら、
使命にあたって
(うかつだったよなぁ。というか、まじで縮むなんて思ってなかったし。)
(今回の使命を果たして男に戻るまでは襲われないように気をつけないと。
魔軍との戦いを考えると
(まあ、魔軍が今は動き鈍いし今は大丈夫かな。とりあえず2〜3日は今日仕込まれちゃった分で乗り切れるし。これからのことは街に帰ってからゆっくり考えよう)
「クリス殿、もう食事はよろしいのですか?」
食事の手が止まっていたオレをブライアンが気遣わしげに見ていた。エルリックも薬缶から注いだ熱いお茶をカップに入れて手渡してくる。ちょっと考え込みすぎて心配をかけてしまったらしい。暗い気持ちは心の片隅に追いやって、にっこりと笑顔で返す。
「まだまだ食べるよ! まだ全然食べたりないんだから!」
「ははは、ではしっかりと食べるのが良いでしょう。クリス殿はもう少し肉を付けられても良いはずです。」
「ブライそれはどうですかね? クリスの歳ではもう貧相な体つきは確定してるように思えます。あまり肉をつけても太るだけかも知れません」
「いやいや、女性の魅力は豊満さだけではないはず。吾輩はクリス殿のように細身の女性も魅力的だと思いますぞ」
「ブライ、それ慰めになってないからな。あと、オレは使命を果たして男に戻るんだからつけるなら筋肉つけたいよ」
「クリス殿…‥ 災厄はもう斃れたのですから、もう本来の貴女に戻って良いのですぞ?」
「ブライは優しいね。とにかくオレはブライを目標に鍛錬するつもりだから、街に戻ったら付き合ってよね」
いつものように噛み合わない会話が今はとても楽しかった。オレたちは