TS勇者は取り戻したい 〜 TSFのFはふたなりのF! 〜 作:亜星
「ところでクリス、結局のところ新しい使命とは一体どんなものなのですか?」
「おお、まだ詳しく伺っておりませんな。これからの我々の行動もそれによって決まりましょうから、吾輩にもお聞かせ願いたい」
食事が終わって一段落した時、エルリックが話題を振ってきた。こういう気遣いをしてくれるときのエルリックは本当に頼もしい。お腹も満たされて会話も楽しんだ後ならブライアンも多少はくだけた話ものってくれるだろうし。水浴びしながら考えた段取りを頭の中で再確認しながら立ち上がる。
「まずはコレをちょっと見てほしいんだけど」
「クリス殿?! 一体何を?!
「いや、これ見てもらわないと始まらないから。ブライちゃんと見てよ!」
「いやいや、見るわけには参りませぬ!早く服を直してくだされ!」
見るわけにはも何も、時々ブライアンとも
「クリスのお腹に何やら刻印が刻まれていますね。あと、何故か男性器のようなものが生えてます。これは一体どういうことですか?」
「なんですと?! クリス殿に何故そんなものが?! 一体どうして?!」
「それを今からクリスが話してくれるのでしょう。まずは現状を皆で確認しないといけません」
「確認してくれたらすぐしまうから、見るだけ見てよ。これでも恥ずかしくないわけじゃないんだぞ」
恥ずかしいから早くして、と念押しすると観念したようでブライも渋々目を開けてくれた。よほど驚いたのか、今度は逆に食い入るようにじっくりと見てくる。ブライ、やることが極端だよ。鼻息かかるくらいまで近づかれるのは流石にちょっと。
「とまあ今のオレの身体、こんな感じになっちゃってるんだよ」
「刻印は
しかし、その、股間のアレは一体ーー」
ズボンを上げて着衣を直すと、みんな焚き火の回りに腰を落ち着けなおす。二人がオレに注目するのを待って話し始めた。魔王の呪いを受けてしまったこと。
「その呪いを解くために、力ある乙女とつまり、その、交わる必要がある、と」
「ブライからすると、女の子同士なんて許しがたい背徳行為かもしれないけど……」
「
「そうそう、魔王の呪いを解いて災厄の残滓を完全に消滅させないといけないんだよ。だからブライ、コレは仕方ないことなんだよ」
「
卑怯なり魔王め!と憤るブライアンにそっと胸をなでおろす。どうやら「魔王のせいで背徳行為に手を染めないといけない可哀想なオレ」という図式ができあがったみたいだ。魔王にはせいぜい恨まれてもらうとしよう。
「しかしそうなると、これからどうしましょうか? 魔王討伐の報は早く王都に伝えるべきでしょう」
「最終的には王都に行くんだしそのあたりは適当でいいんじゃないの?」
「報告は出来るだけ早く行いたいですな。クリス殿が災厄を討ち果たしたという報を皆が首を長くして待っております。それに魔軍が弱体化している今だからこそ出来ることもあるはず」
「確かに報告は必要ですね。
エルリックが広げた地図をブライアンと二人で左右から覗き込む。エルリックが指差したのは、オレの身の回りの世話をしてくれる
「マリアンに頼らなくても良くないか? そこなら王国軍も詰めてるだろうし直接報告すればいいだろ?」
「それはやめたほうがいいでしょうね」
「残念ながら、吾輩もそれは避けたほうが良いと感じますぞ」
「うわ、わかってないのオレだけ?」
「クリス、魔軍が弱ってるとなれば王国軍は攻勢に出ますが、手伝ってくれと言われたらあなた断れないでしょう?」
「あ…‥ 確かに…‥ 」
うっかりしてた。災厄と闘うことに専念できるように、王国からはいろんな支援を受けている。助力を受けている立場では助太刀を求められたら断るのは難しいし、何よりオレ自身力になってあげたくなってしまう。だけど、魔軍との戦いに駆り出されてしまうのは困るのだ。女の子と
(この身体、感度良すぎて困るんだよな……
ちんこ入れられたらもう抵抗できなくなっちゃうし……)
「では魔王討伐の報は姉上にお願いして教会から王都にという手はずで。よろしいかな?」
「報告はそれでいいとして、力ある乙女、だったかな? それの目星はついているのかい、クリス?」
「なんだよその目は。そうだよ、目星なんてついてないよ。どうしたらいいのかさっぱりだよ」
「うーむ、魔力の高い女性となると教会か学院を当たるのが筋でしょうな」
「聖女様にお相手いただくのは流石に難しいのでは? 学院の方を当てにするのが良いでしょうね」
学院というのは魔道士の養成を行っている組織で、正式な名前はもっと別にあるらしい。ただ、魔道士たちも普段はただ「学院」としか呼ばないし、ただ「学院」といえばこの組織だと通じる。自分もそれなりに顔が利くので都合が良い、みたいなことを呟きながらエルリックは学院が活動している街を地図で印をつけていく。
「だいたいこんな感じですかね。まずは
「使命のことがあるから王国軍との接触を避けて王都を目指す。途中で学院のある街を回って呪いの解呪を頑張る、という感じかな?」
「その方針で良いかと存じます。しかし、これでは王都に帰り着くのはいつになることやら。寄り道するというだけでもかなりの時間がかかりましょうなぁ」
「全くですね。その上目当ての女性が見つかるかどうかもわからないし、見つかっても首尾よく事が運ぶかわからないじゃないですか」
「そこはふたりとも色々協力してくれよ」
オレたちは互いに顔を見合わせる。口でいうほどその顔は途方に暮れてはいなかった。むしろ晴れ晴れとしているくらいだった。まあその理由はわからなくもない。オレ自身の胸の中にあるもの、二人もきっと同じものを胸に抱えているに違いなかった。
(これでしばらく、この3人で旅を続けられる)
そう思えば
オレは
書き溜めが尽きたので、しばらく更新はお休みします。
最新はノクターンの方で読めますが、
ハーメルンに投稿する時にリライト入れています。
こっちの流れで読んでいる人は少し待っていただけると助かります。
ノクターンの方は現在3章がそろそろ終わりそうな感じなので、
それほどお待たせせずに再開できるんじゃないかと思っています。