TS勇者は取り戻したい 〜 TSFのFはふたなりのF! 〜 作:亜星
(ちゅぴ♪ ちゅんちゅん♪ ちゅぴちゅっちゅ♪ )
鳥のさえずりがゆっくりとオレの意識を覚醒させた。身体中をずっしりと鉛の重しで押さえつけるような感覚、この疲労感は現実の身体に戻ってきた証らしい。視界に入るのは見慣れた天幕の骨組み。どれくらい眠っていたのか知らないが、天幕から透けてくる日差しが少し眩しい。寝汗でぐっしょりと濡れた着衣が張り付いていて良い寝起きではなかったが、鳥のさえずりで迎えられるのは悪い気分ではなかった。
(いい寝覚めでなかったといえば、夢の中のこととはいえ、散々な目にあったな…)
意識を失って倒れている間に、
(しかしまあ、これでオレも晴れて元の体に戻れるし、クソ女神とも縁が切れる。やっと開放されるんだ!)
よっしゃぁ!と喜声とともに、勢いよく身体を起こす。
介抱された時に魔王との戦いで身に着けていた
「って、もう男に戻ったんだから短くしちゃえばいいかっ」
勢いをつけて身を起こすとぐっと伸びをする。おそらくそこそこ長く寝ていたせいだろう、あちこち固まっている身体の筋が伸びるのが気持ちいい。ぐうっと胸を張って背を伸ばして、くうぅ〜っと気の抜けた声を漏らすオレ。
(ふよん)
続いて、ぐりんぐりんと両腕を大きく回して、バキバキに固まってる肩甲骨の周りの筋肉を解す。前に後ろにと何度も腕を回してほぐしていく痛気持ちよさに気だるさも少しずつ抜けていくみたいだ。
(ふよん、ふよん、ふよん、ふよん、ふよん)
おかしい、なんだかおかしい。
男に戻ったはずなのに、なぜか身体の前面に違和感がある。
なんというか、柔らかい脂肪の塊が二つばかり付いてるような感覚。
(いやー、まさかそんなはずないよな?まさか、まだおっぱいがついたまんまとか、そんなバカな、ハハハ)
天幕の天井を仰いで乾いた笑いを浮かべるオレ。ちょっとした現実逃避というか、心の準備ってやつだ。おそるおそる、胸元に手を持っていく
(ふにゅん)
柔らかな膨らみがオレの手にすっぽり収まった。大きさは慎ましやかだけど、形は良くて、多分てっぺんには桜色の蕾が乗ってる。感度は困ったことに割といい。つまり、勇者にされて以来の付き合いのオレの
(あれぇっ? 男に戻ってなくないか?! あんだけ、精神世界で恥を忍んで駄女神のおもちゃにされたってのに、オレの身体、もとのままじゃね?!)
意を決して視線を落とす。
目に飛び込んできたのは、
「うぉい!ちくしょー!また騙しやがったな、あのクソ女神!
今度は夢オチとか前よりひどいじゃねーか!」
オレは怒りに任せて地面を力任せに殴りつけた。薄い敷布の下の地面を殴りつけた痛みで少し後悔するが、そんなことで冷静になれるわけがない。
「勇者になれば女の子にモテモテとかいうから引き受けたのに、オレを女にして女の子と仲良くできたでしょ?とか、そんなんばっかじゃねーか、あいつ!」
そもそもの出会いからして気に食わなかったのだ。イライラが募りまくって腹の底がムカムカする。
(むくり)
あの
(むくり)
ひとしきり悪態をついたあと、下半身になにやら異変を感じて改めて視線を自分の下腹部に向ける。
「んっ? なんで、ここ膨らんでるんだ?」
オレの股間のど真ん中あたり、そのあたりから何者かが
「まさかなー、ここだけ戻ってるなんてことは…」
乾いた笑いを浮かべること、本日二度目。誰もが振り返るような日向のような笑みこそ似合っている
「なんで、
ていうか、なんだこれ、怒りマラか?朝立ちか?
立派じゃねーか、
なるほど、事態は把握した。
そう結論づけたオレは、早速女神を呼び出すことにした。
常に身につけている
今回もいつものように、
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「えーと、クリスちゃんが泣いて頼んできたお願い聞いてあげたのに、なんであんな事言われなきゃいけないの?!」
「それは言うだろうが! オレは男に戻りたいってずっと言ってて、お前、それを叶えるって言ったよな?なんで、こんな
両手を広げて全身をアピールするオレ。
「こんな
「どこがだよ?!オレは男に戻りたかったんだよ、こんな
「え?クリスちゃん、おちんちんが望みだって言ってたわよね?」
「えっ?!」
すれ違いに気づいて黙り込む
「クリスちゃん、よく思い出してみて。」
「お、おぅ…」
「私とどんな約束したか、思い出してみて?」
えーと、たしか…
「返して!ちんこ!すぐに返して!」
ってオレが泣いて頼んで…
「はいはい、わかったわよ。じゃあクリスのご褒美は、『おちんちんを返してあげること』 それでいいわね?」
って
ん? 『おちんちんを返してあげること』 だって?
今の自分の身体をしげしげと見る。
相変わらずの
「そんなところだけ真面目か!」
オレはしゃがみ込んで頭を抱えた。
確かにあの時、オレは「ちんこ返せ」としか言っていなかった気がする。ていうか、わかるはずだろ?ろくな説明もされず
「えーと、クリスちゃんを女の子にしちゃったときのこと、私も少しは悪いと思ってたのよ?だから今回は行き違いにならないように、確認したよね?」
「うん、されたよ。されたけどさ、分かれよ、そういうことじゃないって。」
「前回もクリスちゃん、おんなじこと言ってたわね。『女の子と仲良くできると、女の子にモテるはちがう!』とか。勘違いしたのはクリスちゃんなのに…」
「うぅ、すみません。」
がっくりと項垂れるオレに、せっかくチンコは返ってきたんだからそれを活用して愉しめば?などと適当な慰めをする
「えーと、フレイサイス様。できたら、試練の代価、別のものに変えてもらいたいんですが…」
「むりですー 試練があって、代価が在るんですー クリスちゃんは試練の代価を受け取ったのでもうむりですー」
「そこをなんとかっ! だってオレ、災厄とか倒したんですよ?ちょっとくらい大目に見てくれても…」
ひざまずいて足にすがりつくようにして頼み込む。プライドなんて知ったことか。
「やっぱり、試練もなしに対価は支払えないわね。でも、果たした試練に対して対価がささやかな気がしてたのも事実だし。ここは新たな試練を果たすというのはどうかしら?」
「いや、それってまた災厄倒すレベルの苦労しろってことだろ?」
オレは心底嫌な顔をする。ほんと、あの魔王を倒すのどんだけ苦労したと思ってるんだ。最終決戦だけ見て済ましてたんじゃないだろうな、
「そんなに嫌な顔しないの。前の分があるからごく簡単な、ゲームみたいなものにしようと思うのよ。要は試練を果たしたという形式だけあればいい訳だし。」
「なるほど、お前がいい加減な女神でこれほど嬉しいと思ったことはないぜ、素晴らしい」
「ちゃんと
軽く睨まれた後、今回の試練について説明を受けるオレ。
女神が語るには今度の試練の内容はこういうものだった。
1. 試練のために身体に聖刻印を刻むこと
2. 男の子として女の子をイかされたら、聖刻印に魔力が貯まる
3. 女の子としてイかされたら、
4.
5. 元の体に戻るには聖刻印に魔力がたまりきった状態で王都の大神殿を訪れること
「という感じなのだけど。どうかしら?」
「いや、なんでこんなエロネタなんだよ?」
「こうでもしないと
「余計なお世話だよ!」
もうちょっとマシな試練はないのかと食い下がってみたものの、試練を眺める方も面白いほうがいいと駄々をこねる
「それで、受けるの受けないの?」
「わーったよ、受けるよ!受ければいいんだろ!オレの
(ちくしょう、このフザけたゲームに勝って、男として完全に復活してやるからな!)
オレは新たな使命を前に決意を新たにした。
一旦、1章までを一気に公開しました。
以降は1話ずつ更新していく予定です。
他のサイトでも公開しているお話なので、
書き溜め(?)がある分までは毎日更新できると思います。
お付き合いくださいませ