※この作品はR-18です。

私は人間(倫理観)を捨てるぞ、旅人!!   作:札幌ポテト

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雲菫回

完凸してないから、むしゃくしゃしてやった。


有名役者を雨が止むまで楽しんだ場合に起きる事☆

 

 璃月で七星に手を出した。正直私だけにこの姿を見せてるのかと思うと背徳感も凄かったが、その上で他にも手を出してしまった。

 その1人が煙緋だ、あの人わざと挑発的な角度で胸元屈んで見せて来たりしてたのでこっちもわざと着替えを見せたり薄着で足を組み直して襲ってくるのを待っていたのだが、あの子私を諦めようとしていた。

 

 常識があるが故に私を襲わなかったのだ、私の事エロい目で見てるのに。

 

 なら仕方ない、あの美乳を楽しみたかったし刻晴と私の関係はバレてるしそのまま押し倒した。男を易々と家に入れて薄着でいるし更に泊まって良いとか言ったのだ、襲われても仕方ないだろう。

 てか私の事をそういう事が出来る対象であるのは目線とかから分かってたので後は技術でゴリ押した、わりと序盤の方から自分で腰を振る変態さんになってたね。

 

 でまぁ、そんな七星やら法律家やらと数ヶ月ほど肉体関係を続けていたら凝光さんから群玉閣に呼ばれた。そこには何故か刻晴や煙緋もいた。そして私は、そんな3人の間に無理矢理座らされている。

 

「それでバン、2人とはどういう関係なのかしら」

 

「私とは将来を決めた仲よ」

 

「奴隷契約の事?」

 

 バレてた、全部バレてた。いや隠してなかったけど、全員が凄い目で私と他の2人を見ている。

 

「私としては、煙緋。貴方────私のモノって分かってて抱かれたのよね?」

 

「あぁ、私も最初は抵抗したんだが無理矢理されてしまってな……それなら仕方ない。あとアレは子供が出来たらの話だ、先に私が作っても構わない筈だよ」

 

「へぇー、無理矢理された人の言い方がそれね?」

 

 煙緋と刻晴がバチバチと火花を散らしているのが見える。あと私は刻晴のものじゃないし、夜はなんなら刻晴は私のモノにされてるし。というか何でこんな喧嘩してるんだ? 私達ってセフレ()じゃないの? 

 

「刻晴、彼は私のものと言ったはずよ。とんだ盗人に成り果てたのね」

 

「私に手を出したのよ、責任を取らせないと。それに私の方が先に手を出されたみたいだけれども……嫉妬は見苦しいわよ」

 

 七星がバチバチの睨み合いをしてる。怖いって、凄く怖いって。エロい事した時とは全然違う、この互いの牽制どうなってるの? 

 この状況で聞くのは申し訳ないというか認識を確認したいというか、私はとりあえず全員の顔色を伺いながら手を上げる。

 

「あの、一つ聞いていい?」

 

 全員が私を向く、互いの言い合いは止まったのでとりあえず発言は許されているようだ。なので私はまさかだとは思うが最悪の可能性として全員に問う。

 

「皆、私の事好きなの?」

 

 まさか全員、ほぼレイプ紛いの事されたのに私を取り合ってるわけじゃないよね? 無理矢理女の子って事を分からせたのも業腹の筈だし、仕方ないし気持ち良いから私とやってるだけで、別に子供が出来ないから気軽にやってるだけだよね。

 

 そう思いながら全員の顔を見てみると。

 

「その、面と向かって言うのは恥ずかしいと言うか……あの日から君のことを忘れられないというか……」

 

 何か、赤面してる。あの、全員が大なり小なり照れてる。煙緋はまだその、分からなくはない。正直付き合いもあるし、外見16歳を合法的にエロい事出来るとか考えてそうなる可能性はある。

 この前戸惑ってたのは私なんかと刻晴が関係を持っていたことによる驚きだと思ってたけど、そうじゃないのかもしれない。

 

 でも、他の2人は違うだろ。外見どころか実際16歳を好き放題やろうと思えばやれるような人達の筈だ。

 

「私がいつ好きと言ったかしら、責任を取ってもらうと言っただけよ。勘違いしないで!」

 

 刻晴は一番無理矢理したのに、口先と態度が全然違う。強気だけどベッドだと弱々になる感じを知ってるので、有り得ないし信じられないがまさかの脈アリである。押し倒された初日でお尻も開発したのに、そうはならんやろ。

 

「私に手を出して男も教えておいて、逃すと思ってるの?」

 

 そして凝光さん。あの人私にし返すために襲って来たと思ったし、気持ちいい事を出来る手軽な男だから夜這いして来たと思ったのだが、何で私に執着してるん? あの、全員最低な事をしたのになんでそんな態度なの? 

 

 あ、もしかして私が他の人とするのが嫌って事? それなら分かる、けど独り占めしたいのは分からない! 

 

「私って全員(逃げ場を無くしてから)無理矢理したよね!? 同意ありきでも取り合うのは有り得ないだろ!?」

 

「同意……? あれ、同意なのか?」

 

「貴方、他に自分がして来た事分かってるの?」

 

「分かるわけない!」

 

 いや有り得ないの。私は多少オセルを倒したりしてカッコ良さそうな事はしてるが、別にアレは私じゃなくても旅人がなんかしてたかもしれないし、なんとかなってたかもしれん。

 なんかこの世界の主人公って感じがするんだよな、だから私が出しゃばったのは個人的にはマイナス評価だ。

 

 ただ、それがあったとしても普通の反応は人間を見るものにならない。バケモノだ、好きとか嫌いとか以前の問題だ。

 

 それに私はこの世界において顔は標準程度。肉体は多少立派で合法的な外見16歳の無防備(を演じる)清純派な男だとしても、この世界においてでも滅茶苦茶美人の3人に惚れられる筈がないのだ。

 というか私がモテるわけない! 私が私を見たらどう考えても惚れる要素が余裕で打ち消されるクズ野郎だから! 『自覚』がある!! 

 

「昔、人から好かれた時の気持ちを知りたいとか言っておいてとんだ鈍感野郎ね。私達以外にも被害者が居そうだわ」

 

 凝光さんが無茶苦茶呆れてる。他の2人も似たような反応だ、口々に「なんでこんな男に……」みたいなこと言ってる。

 私も同意見だから解放して無かったことにならない? 一夜の夢みたいな感じで、失った処女は戻らないけどそこは初めてを気持ち良くさせたから相殺してもらいたい。

 

 そう思っていると、凝光さんの言った『被害者』という部分に刻晴が反応する。なんかその、途轍もなく嫌な予感がする。とりあえずしらばっくれよう、多少の鋭い言葉では私の嘘は剥がれない。

 

「ねぇバン、まさかだとは思うのだけれども……私達に手を出してから、他に手を出してないわよね?」

 

「そんな…………事は、無いよ?」

 

 咄嗟に嘘をついて乗り切ろうとしたがダメだった。動揺しちゃった、命懸けの騙し合いとか交渉とかだと割とポーカーフェイスは得意なのだが、こんなタイプの練習してない。しておけば良かった、だって全員の目が一気に氷点下まで冷え切ってるものに変わったんだもん。

 

「ふーん、私にはあんなに『髪も瞳も全部綺麗で好き』とか『子供が出来たら可愛いくなるね』とか言っておいて、そうなのか」

 

「それ、私も言われたわね」

 

 おっと、プレイボーイスキルがまだ浅いせいで全員におんなじような事を言うクズ野郎になってしまった。先程までの私への多少の情けが、消え去っている。

 

「まぁ、お仕置きは後にして。とりあえず聞き出しましょうか。

 

 ────誰に手を出したのか、白状なさい」

 

 私は次の日の朝日を拝めるのか、そんな絶望を感じながら私はとりあえず傷が浅そうな人の話を始めた。

 

 この状況をどうにか逃れる為の妙案が浮かぶ事を、祈りながら。

 

 ☆

 

 その日はそう、私が刻晴に手を出して璃月を飛び回り刻晴さんに逆レされて群玉閣を再建して魔神の妻を撃退して、このまま地上に居たらやばいのではないかと考えて層岩巨淵へ久しぶりに行って…………忙しすぎない? 

 そんな喧騒と離れたくて璃月を回っている頃にあった。山岳地帯の璃月は天気が変わりやすいのもあり長時間の移動は向かないし、私も暇だったので秘境巡り(探し)をして過ごしていた。

 

 その日も暇だったので刻晴と凝光さんに手を出した事を有耶無耶にする為の詫びの品を何か探そうと思い、探索してる時だった。朝日が昇って数時間も経ってない早朝に、何故か野原のど真ん中に少女がいた。

 

「は? こんな所で何し……!!」

 

 そして、そこがスライムに囲まれている。冒険者だとしても並の者なら窒息死する事もある、私は地球の裏側で他人が死ぬ分には気にしないが目の前で死なれたら目覚めが悪いので急いで剣を取り出すが。

 

「あれ、スライムが……」

 

 少女の槍によって、薙ぎ払われた。私が手を出すまでもなく、小粒とはいえスライム10匹程度が蹴散らされている。

 相応の使い手だったらしい、要らない世話を焼いたと剣を虚空にしまうと少女は振り向く。

 

「御心配には及びません。ですが勘違いをさせてしまい申し訳……おや? 貴方は」

 

 黒髪の少女だ、璃月の人だろう。そして見覚えがある、ちょうど凝光さんの件で顔を合わせた事がある。

 

「バンパー様ではありませんか! この前は色々とありがとうございます」

 

 凄い好意的な印象を受けてるみたいだが、そこまで関わりはなかった。強いて言えば探し物の手伝いしてる時に旅人と一緒に顔を合わせただけで申鶴同様そこまで話した記憶がないのだが。

 

「えっと、雲菫だったよな。こんな所で何してるの?」

 

 雲菫、璃月で役者をしてる少女だ。しかしそこまでしか知らない、有名人なのは耳にした事があるし、講演のチケットを取る倍率が凄い時は50倍とか行く時があるのは知ってるがそれぐらいの有名人って事以上は知らない。

 そんな人が何故人里離れたこんな場所にいるのか。

 

「役作りです、役に入り込むにはやはり環境(かたち)から入ると良いですから」

 

 理由は分かった、ただ成程とはならないけど。役作りにそこまでやる人はいない気もするというか、そこまで役者魂燃やしてる人知らない。武芸に覚えがあってもここは山岳地帯、日帰りでも危険な場所だ。

 

 まぁ私は伊達に10年も冒険者してないので大丈夫だ。そんな場所だからこそ人が居ないから適当に過ごせるからね。偶にファデュイやらアビスやらと遭遇するのは考えない事にしたいけど!! 

 

 とりあえず、こんな場所は一介の役者には危ないのでさっさと帰れと言っておきたい。いやこの子行方不明者になったら普通に耳に入るし寝覚めが悪くなる。

 

「そうだ、実はバンパー様に頼みたい事がございまして。お付き合い願えませんか?」

 

「いや、私は用事があるので。てか早く帰った方が良いですよ」

 

 ただ雲菫は帰る気はないどころか私を巻き込もうとしてくる。普段の私なら女の子からの誘いというのだから喜んで受けるのだが、彼女の場合は難しくなる。

 確かに彼女は著名な役者で顔も良い、たた手を出すと間違いなく終わる。襲って犯すと色々とやばいのは目に見えている、七星に手を出すよりもある意味やばい。

 

 モンドでバーバラに手を出すみたいなものだ、ちなみに酒飲んでおっぱいと唇を楽しんだのがバレたらモンド国民全員を敵に回す。あんな事をしても許されてる違和感が凄い、女の子だって事を教え込んじゃったのはダメだろ。

 その癖して胸が当たってるのに気づかないで手を組んだりしてくるバーバラが無垢すぎて罪悪感も凄い。

 

 なので、私としては雲菫もそんなトラウマを思い出したくないのもあり手を出したくない、というか関わらない方が良いと思うのだが。

 

「こちら、講演のチケットです。2枚差し上げます! こう見えて手に入りづらいんですよ?」

 

「先に、何頼まれるか聞いても?」

 

 人助けというのは大切だ。これは決して楽して詫びの品を渡す為ではない、そう言い聞かせる事にした。

 

 ☆

 

 雲菫は役者だ、役作りに困った時はその周りを整えたりその役について考察し実際の物語の生まれた場所に赴くなど、かなりリアリティを追求しつつ観客にその臨場感を味合わせる事に重きを置いた役者だ。

 

 そんな彼女がバンパーという冒険者を見つけて、そのまま別れるのは勿体ないと感じるのも仕方ないだろう。

 

「バンパー様はやはり噂に聞く大冒険者だったのですね……璃月にはここまで未開の地があるとは知りませんでした」

 

「ねぇ、その噂知らないんだけど」

 

「10歳という若さで冒険者となり、その半生を冒険に捧げているのは貴方だけですよ?」

 

「マジな大冒険者やってるアリスさん知ってる身としては、流石に足りてないと思うんだよなぁ……」

 

 バンパーという冒険者について知る事は少ない。精々調べても一般人が分かる情報はその冒険者として身を捧げた年月程度であり、その他の情報は分からない。何をして来たかも、分からない。

 ただ群玉閣の浮かび上がった後に魔神オセルの妻を撃退する瞬間を目の当たりにし、更に噂を耳にすれば魔神オセルそのものを撃破した冒険者と言われている(本人は否定している)のだから驚きだ。

 最近ではモンドで魔龍を撃退した旅人が話題であるし、魔神オセルを倒したというのは彼であると言う話が主流だ、彼の名前は基本的に出て来ない。なので色々と混同しているが、雲菫の中で大冒険者と呼べるのは彼ぐらいであると思っている。

 

「やはりバンパー様に頼んで良かったです。

 餅は餅屋と言いますが『大冒険者の役』はやはり様になります!」

 

 だからこそ、ただ探索をするだけのバンパーの姿を見てイメージを作る。淡々と周囲を警戒しつつ体を動かし、常にその場に身を置いて来た者の動きが見えてくる。こういった自然についた動きこそ雲菫が求めるものがあるのだ。

 

「まぁ、役立ってるならいいけど。物語はどんな感じなの」

 

「しがない農村の娘が大冒険者に恋をする話です、苦楽を共にし最後は結ばれる。心の暖かくなる話です、だからこそその深みを読み取りたい」

 

 そこまで話は珍しいものではない。この手の話はよく作られるし、そういったありきたりなストーリーはわかりやすくウケてくれる。だからこそそこで観客にどう印象を与えるかが役者の腕の見せ所であり、こういった経験の積み重ねが役に出る。

 

 それは、実際に常に周りに気を配っている彼だからこそ体験も出来る。

 

「おっと、危ないぞ。足元、がたついてるんだから」

 

 舗装されてない道を当たり前に歩く彼は疲れていない、雲菫も体力が無いわけではないのだが慣れてない故に少し足を挫きかける。今回はバンパーが庇ってくれたので躓いただけで済んだが、こう言ったところからも冒険者としての経験が見えてくる。

 

「あ、ありがとうございます……その、やはり見た目じゃがっしりしてるのは分からないものなんですね」

 

「見た目が弱そうで悪かったね」

 

「そ、そうは言ってませんからね!?」

 

 その上で周りを見る余裕もあるのだ。見た目が若い事もあり一見して普通の冒険者にしか見えないが、それも彼を彼たらしめているのがしれない。そう呼ばれる存在の、根拠として。

『不可視の大冒険者』何処にいるかも分からず、いつの間にか事件を解決し名前も広がらず、出会っても風格を感じられないような存在。

 そんな物語も実は雲菫は持っているので、都市伝説とも呼ばれるそれと彼が同一人物であれば、どこかでそれについても聞きたいところである。

 

 ただそんな時だった、変わりやすい山岳地帯の気候が曇天が覆い始める。

 

「雨か、ここら辺凌げる場所……とりあえずその場凌ぎだけど」

 

 そう言うとバンパーは彼女を風元素で覆い、彼自身も覆われていく。ただ雲菫は自分がその力に覆われた事よりも、別のことに驚く。

 

「少し歩いた所に洞窟がある、そこに行こう」

 

 神の目の光が、どこからも見えなかったのだから。

 

 ☆

 

 2人は洞窟に入り、暖を取っている。途中から本降りになり始めた事で風の元素も避けきれなくなり2人の服はびしょびしょに濡れてしまったのも仕方ない。

 

「その、服まで頂いて申し訳ありません」

 

「流石にずぶ濡れのまま放置はできませんからね」

 

 ただそこで服を乾かす為にもバンパーの服を雲菫は借りている。下着は流石に脱げなかったのでタオルを巻き、シャツとハーフパンツという軽い服装で焚き火の近くに座っている。

 なおバンパーも服を着替えており格好は同様であるが、着替え終わった勝手に思い込んで半裸の彼を目に焼き付けてしまうトラブルもあったが、今は彼女も落ち着いている。となれば、彼について深掘りをする時間になるわけだが。

 

「バンパー様はいつもこのような冒険を?」

 

「まぁ、いつもはもう少し厄介ごとに絡まれるけど」

 

 当たり障りのないところから探ってみる。本当に都市伝説通りの冒険者ならば『魔神オセルを倒したのが彼』という弱い噂が確実となってもおかしくない。

 それは人が魔神を倒した実例となり、英雄譚となる。その英雄の生涯を後世に伝えるのが雲菫達や吟遊詩人である。その一つが生まれるかもしれないと考えて、彼女の役者魂が惹きつけられないわけがない。

 

「何故、10歳という若さで冒険者になったのですか?」

 

「見た事ない世界を見たかった、他にも2つ理由があるけど……これは秘密かな」

 

 10歳というのは若過ぎる、まだ世界について分別のつかない時期だ。魔物が怖いものである事を分かっていない子も居る、恐らく隠れている理由が彼を冒険者へと突き動かしたのだろう。相応の覚悟が伺えるのだが、これを聞くのはまだ難しそうだ。

 

 なので、当たり障りの無い話をする。

 

 あくまでも、彼女の視点で。

 

「所で、バンパー様の神の目は」

 

 どこにあるのですか? そう聞こうとするとバンパーの動きが固まった、聞いてはまずい事だったのかと思い彼女は一瞬言葉に詰まるが。

 

「伏せろ!」

 

 その言葉に、彼女は突然背後から襲う冷気を感じながら焚き火から飛び退いて身を屈める。その先には剣を構える彼と、杖を構える明確な殺意を向ける敵がいた。

 

「っ、アビス!? どうしてこんなところに!?」

 

「こちらの台詞だ、まさかまた邪魔をしに……!! 我が同胞の恨みはここで晴らさせてもらう!!」

 

 恐らく不幸な事故だ、鉢合わせてしまったのだろう。しかし向こうからすれば自分達の思惑を何度も邪魔してくる存在が目の前に現れたのだ、また邪魔をしにやって来たと考えても仕方ない。

 むしろ、そう考えるのが自然であり、やられる前にやるという考えも当然だろう。

 

「うっ、氷が……!!」

 

 瞬間、洞窟内が冷気で満ちて行く。焚き火のある地面以外が凍結していき、薄着でまだ体も温まりきっていない雲菫の体も蝕み始める。それはバンパーも同じだろう、アビスは一定の距離を取り2人に冷気を襲わせ続ける。

 それを庇うように、雲菫の前にバンパーは立ち少しでも冷気を抑える。

 

 雲菫の神の目は岩、それも岩元素を多く使う事を得意としていない。アビスに貼られた氷の障壁を破るのは難しいだろう、そしてバンパーの元素は風である。

 いくら風元素で拡散しようとも時間はかかるし、それを吹っ飛ばす程の威力で使えば雲菫は巻き込まれる。そして、そんな事が出来ないような存在である事を雲菫は分かってしまっている。

 

「わ、私に構わず……うっ……!!」

 

 自分が足を引っ張り、窮地に陥っている。言うだけ無駄かもしれないと思いながらも雲菫は力を振り絞って言うものの、弱々しい。冷気で体力を大きく奪われているのだから仕方ない。

 

「よりによって、氷かよ」

 

 バンパーは吐き捨てるように耐え続ける、そして雲菫を横目にし彼女も長く耐えれないと察する。

 

「なら、仕方ないか」

 

 瞬間、雲菫が意識を落とそうとした時と同時に焚き火を踏み抜き、奪い取り、アビスを業火で焼き尽くしていた。

 

 ☆

 

 気付けば、何か包まれている。じんわりと、焚き火に当たるような火であるが故に全身が暖まればどこか鋭さのあるそれも、全身から感じる。幼き日に母に抱かれていた記憶に残っていない日々が思い出されるような優しさがある。

 そしてゆっくりと目を開けてみれば、目の前に先程自分を庇い戦っていた彼がいる。

 

「あれ、バンパー様……」

 

 抱かれているのだ、正面から。先ほど冷えた体を温めてくれているのだろう、ただぼやけた雲菫の頭では優しく微笑む彼の姿しか写っていない。アビスはどうなっただとか、どうして抱き合っているかなど分からないし、夢を見ているような気分で分かるはずもない。

 

「あた、たかい……ん……」

 

 そしてその暖かさに身を寄せていく。心地良いそれに、抱き合うという行為はそもそもストレスの発散などの効果もあるので、尚更離れ難い魔力が宿っている。

 

 そして、そんな魔力に当てられた彼女の顔が彼に寄って行った。

 

「んっ……んん……ん!? あ、ごめんなさい!!」

 

 そして、その距離がゼロになった事で漸く今の状況と自分のしている事を自覚したのだろう。

 バンパーから口を離し、顔も離してはしたない女であると思われたくない彼女は言い訳を考えるも、特に思いつかなかったので取り敢えずそこから離れようと体を浮かし始める。

 

「その、体調は良くなりました! ありがとうございます! 私、薪を探しに……」

 

 彼がこうやって体を温めてくれたという事はアビスは撃退したのだろう。その上で火はつき直されているが、凍傷の恐れのあった彼女を暖めるには人肌が良いと考えたのかもしれない。

 

 勝手に数秒とは言え口付けをする事や、色々と気を回してしまい申し訳ない気持ちで一杯の彼女は、何とか名誉を挽回しようと動こうとするのは当然だ。

 恥ずかしさで顔を落ち着くまで合わせたくないというのもあるだろう。

 

「ひゃっ、あ、え!?」

 

 しかし、それは強く抱きしめられる事で叶わない。

 

「私、これでも我慢はしてたんだけど。そっちは何も分かってなかったみたい」

 

 そして彼女の耳元で、こそばゆい声が響いてくる。よくよく状況を見てみれば彼は半裸であり、彼女も凍った服を取られて下着しか付けていない。

 あれほど暖かさを感じていたのも直に肌が触れ合っていたからなのだろう。

 

「あ、え、その……へ!?」

 

 そして、今の状況になって自分の股に彼の股にある何かが当たっていることに気づいてしまう。

 

「雲菫が悪いんだからね」

 

 その言葉で始まると、彼女は貪られ始めた。

 

 ☆

 

 炎元素の副作用だが、実は少しぐらいなら耐えれるものなのだ。ちょっと体温が上がる程度で、丁度良いし凍傷になってたら危ないと思い雲菫を半裸に剥いて抱きついたのだ。

 治療行為なので合法、言い訳はいくらでもできるし、今日色々あったご褒美として彼女の柔らかい体を全身で感じさせてもらった。

 

 ただその後、彼女からキスして来たので襲わせてもらった。合意という事だ、というか彼女からして来たのだから私がいくらしても大丈夫だろう。なので、今は美味しく食べさせてもらってる。

 

「ひゃ、あ、やっ!?♡ 奥、だめっ!♡ いっちゃ、あ、あ、あ!!♡♡」

 

 もう処女を失い、片足を上に持ち上げて突いてあげている。ちなみに片足をあげてるのは彼女の股を無防備にする為なのと、足首に下着が引っかかっているので『今の自分は守る物が無い』ってわからせる為です、実際下着を目にして感度上がってるし、可愛いね♪ 

 

「あ、あ、あ、あっ────!!!」

 

 すると本日3回目の絶頂(連続)を迎え、肩で息をしながら全身を色っぽくしている雲菫が横たわる。地面は草元素で草生やして即席のベットにしてるけど、抱あげてあげる。

 もちろん、繋がったままだし、私まだ発散出来てないからね。

 

 ただ、彼女は休憩できずにまだ続くと分かったみたいなので力無くぶら下がっていた手足に力がこもり始める。

 

「はぁ、はぁ……今、動い……動い、たらダメです……!」

 

 成る程、入れっぱなしにしておけば奥を叩かれたりしなくて休めると考えたのだろう。手足で強く抱きつかれているので、上下運動は確かに難しいし効果は殆どないだろう。

 

 なので、私も彼女の腰を両手でしっかり押さえてあげる。そして最初はゆっくりと、腰を円を描くように動かして奥に押し当てていく。

 

「ひゃ、なんで!? 奥、当た……だめだめだめ!!♡♡」

 

 別に上下に動くだけが気持ち良いのではない、奥をさっきとは違う形で楽しまれて彼女は耳元で凄い蕩けた声で鳴いている。連続で弾けてて感度も凄いことになってるのだ、そして私もそろそろ限界だ。

 

 足が緩んできたので、そのタイミングで上下に動かす。奥のどの辺りを突かれてたら喜ぶのかはもう分かっている、そこを激しく突いてあげると途轍もなく良い声を出してくれる。

 役者という事もあり声の良さと鍛えられ引き締まった体に、私のものが注がれてしまうのも仕方ないだろう。

 

「あ、あ、ああああ!? ふわあああああああああああ!!??」

 

 ビクビクと、彼女の体が震えている。足先とか見てみればピンと張っており、相当な感覚に耐えきれていないのが伺えるね。4連続絶頂直後にお腹にいっぱい出したらそうなるのも普通か。ただ彼女の全身から力が抜けて倒れそうになるのでそれはしっかり抱き抱えてあげる。

 

 至る所を朱色に染めて、私に初めてを貪られてしまった彼女は蕩けた顔を下に向けて胸板に頭と体を預けている。俯いている辺りまだ余韻があるのだろう、何ならまだ繋がってるし。

 

「出来ちゃう……奥にこんな事されたら、出来ちゃってるよぉ……♡」

 

 何か小声で言ってるが、もう終わった気にでもなっているのだろうか。そんな甘い考えをしてもらっては困るので軽く上下に動かしてみる、すると彼女は思っても見なかったという反応をしてくれる。

 

「ふわぁっ!?♡♡ ま、まだするんですか!?♡♡)

 

「するよ、雲菫みたいな綺麗な子にキスされて足りるわけないでしょ?」

 

 彼女の顔が恥じらいとか色々こもってて可愛い、普通なら赤ちゃん出来ちゃうかもしれないけど私の場合は出来ないから好きなだけ中に出してあげれる。それに外は寒いから、ちゃんと温まらないと風邪ひいちゃうもんね。だから寒くないようにしてあげる。

 

「大丈夫、雨が止むまで温めてあげるからさ」

 

 内側と外側からね! 

 

 ☆

 

「とまぁ、その……しちゃいました」

 

 あの日、雨が止むまで彼女とした。何回出したか分かんないけど、最後に『もう寒くないね♪』って言った時の彼女の反応も可愛かったよ、何か言い返したそうな顔してたけど言い返せないのが可愛かった。

 ちゃんと璃月に送ってあげたし、腰が砕けて動けなかったみたいだから道中は肩を貸してあげたからね。まあ途中でさりげなく何度かお腹をさすってあげた時の反応も楽しませてもらったよ、それから会ってないけど。

 あ、一応アビスをどうしたのかって聞かれたけど焚き火の炎で戦ったと教えておいた。まぁ嘘は言ってないし、彼女も納得してた。

 

 ただそれを聞いて、3人の反応は想像と違う。この変態って罵られて殴られるかと思いきや、何か思い当たる事でもあるようで思案している。

 

「ふーん、彼女の重大発表ってこれの事だったのね」

 

「子供が出来てるかもしれないから秘密って事か、随分と手が早いんだな」

 

 そう言えば雲菫には私が出来難い体質って言わなかったな。後で伝えに行っとかないと、でも重大発表って何? 行きずりでエロい事されて出来た子供は「出来ちゃいました!」って報告しないもんじゃない? 隠すもんだよね?

 

「でも復帰した辺り、生理が来て子供が出来てないと察したようね」

 

「生々しい話は辞めません?」

 

「辞めないわよ、変態」

 

「ここにいる全員、襲われたのに自分から腰振る変態じゃん」

 

「どの口が言うのよ!!」

 

 分からない、それにこの3人が私に惚れてるっぽいのも分からない。私が他の人と関係を持ってても、別に減るもんじゃないし良いのでは? 

 それに私じゃ子供出来ないから、他の人と恋愛した方が良いと思うのだが。そう思って3人を見るが、だんだん雰囲気が剣呑としてくる。

 

「この男、削ぎ落とした方が良いのかしら」

 

「それはまだ困るわ」

 

「そうだ、私もまだ困る」

 

「まだって事は後で落とすつもりなんですか!?」

 

 やばい、怖い。私の息子が美少女に囲まれているのに縮こまっている、死を感じている。全員この息子と楽しんだのに、そんなの息子が可哀想ではないか。私が可哀想かどうかは判断を委ねるけど。

 

「それで、雲菫とはどうなの?」

 

「あー、それっきりだよ? 後で会いに行こうかなって」

 

「2回目をする気ね」

 

「刻晴みたいに襲われなきゃしないよ?」

 

 流石にそろそろ逃げた方が良いだろう。というかこの3人と数ヶ月も不定期とは言え何度も肉体関係結んでたのがおかしいのだ、身の丈にあったセクハライフに戻ろう。

 そう考えていると、凝光さんは何か書類を開きながら私を見る。

 

「それで、他は?」

 

 そして、全てわかっているかのように彼女は問う。

 

「…………へ?」

 

「貴方、私が知らないと思ってるの?」

 

 思えば、これはブラフだったのだろう。私が他の者達と肉体関係を結んでいるなど調べられようと根拠が無いものになるし、本人の自供しか証拠にならない。

 そもそもこれは刻晴が気付いてバレた事だ、この時点でバレていればここに呼び出されているはずだろう。

 

 ただ、この時の私はそんなことに思い至れる余裕はなかった。

 

「…………香菱と、志璇と夜蘭」

 

 瞬間、私はここから逃げた。煙幕やら閃光玉やら諸々使って全力で逃げた、だって本気の殺意を私の息子へ一心に受けたのだから。あそこにいれば間違いなく搾り取られた後に亡き別れしていただろう。

 

 しばらく、本当にしばらく璃月から離れようと覚悟を決めたのであった。




 
『冒険者になった理由』
1.どうせだし自由にこの世界を楽しみたいから
2.面倒方(ファデュイや騎士団)から離れたかった
3.女の子を好き放題したいから

 
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