私は人間(倫理観)を捨てるぞ、旅人!! 作:札幌ポテト
エウルア回
バンパー20歳に対して想定19歳
復刻記念だけど、好みが分かれる回です。
可哀想なのがダメな人は辞めておきましょう。
(エウルアがバンパー以外に襲われます)
モンドで酒を飲むのは好きだ。単純に酒が美味いというのもあるが、モンドの酒場の空気感の中で飲むのが好きなんだろう。
私が飲んでても誰も気にしないし、気兼ねなくエールを飲める。私には関係ない事だが重婚も出来るし幼女の爆弾魔だって存在するんだから酒を飲むくらい大丈夫な国だ。
ただ、今回は珍しく1人で飲んでいない。
「この面子で飲むのは久しぶりだな」
「君はいつも帰らないからな」
エウルアにリサさん、後ジンも居る。元々はリサさんの定期回診に来た+エーテルの補充だけのつもりで帰国したのだが、せっかくだしリサさんが2人で飲もうと誘って来くれたので酒場に行くとエウルアとジンがおり、せっかくだからと4人で飲み会が始まったのだ。
ここだけ見るとハーレムだろう。でもこの中で肉体関係あるのリサさんだけだからセーフだろう。他2人に手を出したらモンドにおいて人権は無くなるので手を出す気はないが。
ちなみにエウルアとサシのみした時はベロベロに酔って私の足に足絡めたり、頬擦りして来たりと可愛かったが次の日殴られたんだよな。それ以来か私の前であんまり彼女飲まなくなったのだが、今日も控えめに飲んでる。
そんな会になるのだが、やはりいつも居ない私が話題の中心になってしまう。
「次の行き先は決めたのか? スメールの後だ」
「フォンテーヌの予定。行くの少し楽しみなんだよね」
水の神様の国、正義の国。正義とか私が真反対に居そうだけど、私は己の欲求という名の正義に従って生きてるし気にしないでおこう。ダメな時はある程度女の子楽しんでから逃げる。
レッツ! ワンナイト! その心に従ってます。
「また、暫くは戻らないのか」
「モンドには西風騎士団が居るからな、安心して行ける」
モンドには色々と魔の手が及んでる事は知ってる。何個かは私が吹っ飛ばして来たが、今の騎士団なら安心出来る。後ロサリアとディルックが裏で暗躍しまくってるし、だから気兼ねなく外に行ける。
そう伝えたつもりだったのだが、何故かジンがジトッとした目を向けてくる。
「また、女を引っ掻けて来るのか」
「なんでそんな事言うん?」
やめろよ、私がまるで節操無しの変態みたいな事を言うの。核心を突かれて冷や汗が出ちゃうから。
「バン、こんな美人をはべらして新しい子を探すなんて駄目よ?」
リサさんもほろ酔いの笑顔を浮かべながら私の手に手を重ねてくる。
やばい、私が童貞なら惚れてる色気がある。童貞じゃなきゃ流されてたところだった、まぁその童貞は怒りに流されて捨てたんだけど。
「なら、リサさんが私を満……痛っ!? 誰だ私の足踏んだの!?」
とりあえずギリギリ迄流れに身をまかして誘惑してくるえっちな体したお姉さんの手の感触に意識を集中していると、鋭い痛みが襲って来た。
慌てて下を見るが、ヒールで踏まれたようで靴に少し跡が残っている。
「さぁ、天誅でも降ったんでしょ」
お前かエウルア、私の足を踏み抜いたのは。お前の処女膜も貫いてやろうか!? とか言うと間違いなく冗談でも殺されるので言わないけど、前にローレンス家の家名くれって言った後に理由話したらボコボコにされたんだよな……誠心誠意謝ったら使うの許してくれたけど、彼女の沸点が分からない。
するとなぜだろうか、皆が皆私をジトッとした目を向けてくる。あかんな流れを感じる。
「バン、良い加減モンドで大人しくするんだ。良い年してるんだし、貰い手が無くなるぞ」
ジンのお節介が凄く耳に痛い。結婚する気とか今のところ無いのに、ブーメランじゃない? とか言ったら絶対殺されるから言わないけど。
「そうよ、早く身を固めなさいな。父親になれば責任感も出てくるでしょうし」
リサさんも言ってくる。私が子供できないって知ってる癖に、いや本気で作る努力してるのは知ってるけど……出来たら逆に、私腹を括らないといけないからまだ遊びたいんだけど。
「人の伯父に啖呵切って殴り飛ばしたんだから、さっさと目に見える成果を上げなさい」
エウルア迄攻めて来る。あんたの伯父はだらしなかったからボコボコにしただけだから、改心したかと思えば娘を頼むとか他人任せな事言った時も「まともな相手探せ!」って引っ叩いたし。ローレンス家のヤバい奴は全員しばいて牢獄を一回は経験させてるからな……あれ、何で私消されてないんだ?
ふと思ったけど、人を見る目が無い奴等がエウルアのお見合い相手探してると不安なんだよな……でも孫が見れるかもしれんとか言ってたし、まぁ相手は決まってるんだろう。羨ましい。
ただそれは置いておくとしても、ここまで言われるとは思わなかった。
「なぁ、私ってそんなその……言われないとまずいか?」
私だって色んなところで頑張ってるのだ。それこそ英雄っぽい事もしてる時がある、その対価を貰って楽しむ事が7割なんだし良いじゃんか。私もっと褒められても良いのでは? そう思い3人を見ると。
「不味いわよ」
「不味くないと思ってるの?」
「バン、私は真剣に……」
ダメだった。外の私の事知らないだろ、何でそこまで言うのか。やって来た事は言いたくない、ただそれはそれとしても言われっぱなしなのも嫌なで口が動いてしまう。
「い、良いだろうが別に! 私がどこで幸せに暮らしてても、皆には迷惑かからないんだから!」
私だって確かに人に褒められない事もしてるけど、誰かを不幸に陥れる事迄はしてない筈だ。大抵私の方が面倒ごとに巻き込まれてるし、それを考えてモンドにも長居しないように心がけているのだ。
そんな苦労もあるのに、そこまで言わなくても良いだろって意味で言ってしまった。
「……あ」
その場の空気が死んだ事は、すぐに分かった。私が後悔して気不味い顔してるのは明らかだろう、友人が態々想ってアドバイスしてくれたのに最低だった。
エウルアは冷え切った目をしてるし、リサさんも無言でエールを注いでは飲んでを繰り返し始めた。
「そ、そう……か……」
中でも、ジンの顔色が悪い。歯切れが悪いし、私と目を合わせてない、斜め下を向き片手の肘を握るような格好をすると途端にボソボソと呟き始める。
「そ、そうだよな……バンにとって私は幼馴染ってだけで口煩い代理団長だし、剣しか分からない女に言われても困るんだな……? バンがどこで過ごしたり知らない可愛い女の子と付き合って結婚して幸せな家庭を築いて子供が3人ぐらい居て家族でハイキングに出掛けて星拾いの崖で肩を寄せ合って子供達を見守るのも自由だ、し……妹の大事な人を諦められない浅ましい女なんてお呼びじゃないって事で、し、仕方なっ……仕方ない……んだよな……?」
やばい、何を言ってるかほぼ聞き取れてないけどやばい。
ジンにとって信頼されてる友人だった自覚が薄かった、本気で私の事を考えてくれてたのにデリカシーが無さ過ぎた。
「ちょ、ジンごめん! そんな責めるつもりじゃ……ぐふっ!?」
直ぐにでも謝ろうとしたがお腹に鋭い痛みを感じる。見てみればしっかりと隣に座るエウルアの肘がめり込んでいたのが見えた、手加減無しである。
「次はもっと強く殴るから」
「……ごめんなさい」
痛い、ちゃんと痛い。でも今回は本当に私が悪いので仕方ない、リサさんは飲み過ぎたのか少しうつ伏せになっている。後で介抱して謝らないとだろう、ただそれはそれとしてジンに謝るのが先だろう。
「うっ、ぐすっ……」
だって泣いてるし、そこまで友人として慕って貰えてたとは思わなかった。
「……ジン、私の事をこんなに考えてくれてたのに。ごめん」
こう謝る事しか出来ない。でもどうすべきか、この雰囲気を作った責任は取らないといけないだろう。せっかくの集まりなのに、雰囲気を壊したのだから。
ただ私の言葉が届いたのか、ジンは酒気の帯びた顔を向けてける。
「ぐすっ、いつも適当言う癖に……謝るなら態度で示して」
「態度って、えーと……」
「……ん」
「……ん?」
そして、頬を差し出して来た。何だろう、凄い胸騒ぎがしてくる。
「撫でて、それで許す」
「無茶苦茶酔ってるな??」
絶対覚えてて後で忘れろとか言うのに、甘えた姿を見せれる人が居ないから私にすらこんな事を言ってしまうのだろう。
誰彼構わず言わないと思いたいが、こうなると断れないし私が悪いのもあって拒めはしない。
「はぁー、ほら……こんな感じでいいか?」
なので頬を軽く撫でてやる。きめ細かくて綺麗な肌は弾力があり、触れられている彼女の表情はどこか柔らかい。なのだが────
「んっ……うん、んあっ……ん……」
何で色気をこんなに感じるのか、いけない事してる気持ちになってくる。頭の中でジンとエッチな事したらこんな声出すんだろうなって想像が出来ちゃうのが不味い、これ酒飲ませたら平気でワンナイトいけるやつである。
まぁ幼馴染に手を出したら不味いし、流石に処刑されるからする気はないけど。
「……ふーん、手慣れてるのね」
ただ、エウルアが隣から鋭い目を向けて来てるのでそろそろ辞めておこう。何でこんなツンツンしてるのか、その巨乳ぐらい柔らかくなって欲しい。
確かに酒を飲んで判断力の落ちた代理団長のジンを男が撫でるのなんて側から私が見てたら男を殴らない方があり得ないのだけど、それでも怖い。
ただ、ふとリサさんが先程からずっと静かなのに気付く。彼女もお酒を飲み過ぎたなら、介抱しないと不味いとなけなしの良心が働いたのだろう。
「……狡い」
「リサさん、どうかしたの?」
ただ、何か呟いているが聞き取れない。
「私だって……だったのに……」
「リサ、悪酔いは……」
エウルアも聞き取れてないらしい。うつ伏せで頬も赤いし飲み過ぎたのだろう、そう思って肩を貸しに席を立った時だった。
「私だって、初めてだったのに──!!」
「…………は?」
「え……? あ、え?」
…………。
「よし、今日はみんな飲み過ぎたみたいだし帰ろうか。マスターお勘……ぐふっ!?」
酒場の空気が死んだのを察した、リサさんの絶叫に驚いて振り向く男の顔が多い事多い事。司書をしてる美人なんて有名にもなるし告白する男なんてしょっちゅう居た、ジンほどでは無いが彼女も顔を知られている。
なので全員が私にやべー奴を見る目をして来たのでそのまま席を立って去るつもりだったが、それはエウルアに腹パンされて膝から崩れ落ちた事で叶わない。
もう明日からモンドに住めないよ! 周りの男達大なり小なりリサさんに魅力感じてたせいかお通夜みたいな空気で酒飲んでるよ!
「今日はお開きにしましょう。こいつは私の方で処理しとくわ」
「え? あ、ああ……わ、わかった?」
ジンは初めてって意味を頭で処理出来ないおかげか気付いてない。でもエウルアは違う、明らかに人を見る目をしてない。
てか処理!? あの、消す気なんですか!?
私が何をした、いや何をしたのを知ってる!? ノエルに訓練と称してエロい事した事か、屈んだ時に胸元見て顔を赤くするフィッシュルに「えっち♪」と耳元で囁いた事か?!
いやアンバーの友達のコレイの処女を喰った事とか、モナの事スチームバード社の記者が玄関裏に居るの知っててエロい事して2人の反応を楽しんだ事か?!
ダメだ、心当たりが多過ぎる!
「バン、ちょっと夜通しでお話しましょうか? 大丈夫よ、邪魔は入らないから」
逃げられない、私の年貢がこんな所で納められてしまうのか。そんな絶望を感じながらも、逃げる算段を何とか頭の中で考えるしかないのに妙案は全く浮かばない。
頼むエウルア! 私達の仲じゃないか! 幼馴染じゃん!
あの時!
誰も来なかったら!
処女と童貞交換して結婚してたじゃんか!!
☆
エウルアにとって、バンパーという男はもっとも古い知り合いである。
「下手な剣技ね」
「……え? 初対面でそんな酷い事言う?」
それはまだ10歳にも届かない幼少期、あまりにも不細工な剣技を見せる彼に苦言を呈したのが始まりだった。
茂みの中で木刀を振り回し、適当に木を打っていたのが彼である。ただそれ以上でもそれ以下でもなかった。
「そう言う君は出来るの?」
「出来るわよ?」
年は一つ上だった。ただエウルアが彼を剣技で軽く捻って見せると素直に剣を学び始めたのである。ただ正確には当時の彼は筋力が子供より少しある程度だったので大剣は振り回せず、片手剣で無駄な動きを削いでいく指導を受けていたのだが、彼は不貞腐れずにやり続けた。
年上だとか女だとかの理由も付けずに、黙々とエウルアの指導に従ってそれなりの剣技を身につけたのだ。
それはジンにボコボコにされたから見返したいと言う理由で始めたものであったし、他にやることがなかったのもあるがエウルアはそこは気にして居なかった。ただ、彼が9歳になる頃に事件は起きた。
「ローレンス家の……」
エウルアは恐れられ、忌み嫌われていた。
それは過去に圧政を敷く貴族の末裔であったから、ローレンス家の人間だったから。理由はそれだけであったが、それが重要であった。それだけ昔のモンドで貴族は好き勝手にしていたのである、エウルアは騎士団に名を連ねる迄は買い物すらできなかったほどに。
「おじさん、私とエウルアにりんご一つずつ」
そして、それは彼のような子供を除くほぼ全員にと言って良かった。
「バン、またサボりか? 申し訳ないがローレンス家の人間は売れない、貴族がして来た事は勉強しないと立派な大人になれないぞ」
言外に、エウルアはまともな大人になれない。そんな事を含んだ言葉だったのだろう。彼女自身は何もしていないが、彼女の父親は十分に忌み嫌われる性格をしていた事もありローレンス家とは嫌な性格をした一族とみなされていた。
「(いつもの事だし、我慢すれば……)」
仕方ない、そう諦めるしか幼いながらも世の理不尽に押し潰される彼女には出来なかった。買い物一つ出来ない、同世代の友人とただ並んで出来る普通すら彼女には出来なかったのだから。
「大丈夫でしょ、子供にりんご一つ売れない意地悪にはならないから」
ただ、この時のエウルアは知らなかったのだろう。まだ剣技を教えて年上とも思っていない彼が、その物言いをして来た店主に呆れたような煽りをしていたのだから。
「てめっ、クソガキ! 調子に乗ると……!」
当然、店主はキレた。果物屋の店主が売らないが、別にこの店だけでなく他の店もローレンス家に物を売りたがらない。それだけローレンス家を排他して良いという認識はモンドに浸透している常識と言って良かった。
ただ、これだけならば正しさを信じる子供の戯言として一蹴されていただろう。もしそうなればエウルアも今後は彼との付き合いは出来ないと思っていたので、仕方ないと諦めるつもりだった。
ただ、彼が徐にポケットから何かを取り出すと途端に店主の顔色が青ざめてくる。
「話は変わるけど,私の最近の趣味ってカメラなんだよね。この前撮った写真も良い夜景が……あれ? おじさんが酔って女の子に絡むも珍しい……」
「お客様はバルバドス様だからな!! さぁ、お嬢ちゃんにも特別にタダであげようか!!」
店主は写真をひったくり、2人にりんごを渡してそのまま写真をビリビリに破いていた。
この男、齢9つにして何回りも上の大人を手のひらで転がしたのである。剣技はエウルアが圧倒的に上だったので正直言うと今迄、彼を年上だとか男の子だとか意識した事は無かったのだが。
「まいど、ちなみに原本は奥さんが持ってるよ」
「ふざけんなクソガキ! ロクな大人にならねえぞ!!」
「おっと、こんな所に別の女性に……」
「またの来店をお待ちしてます!!」
その時の彼はクソガキであり、大人だった。この当時の彼の座右の銘は『握れる弱みは握っとけ』とあまりに子供らしからぬものであったのも大人達に災いしていた。
ちなみに当時の彼は子供扱いされるのは仕方ないと思いつつも、人の弱みは握っとけば役に立つと考えて握った相手には存分にクソガキムーヴをして煽っていた。エウルアが知らないだけでかなりの悪童だったので、割と有名でもあった。
ただ彼女は怒りを抑え込んで引きつらせた笑顔を見せる店主も、それに完全勝利して悠々と帰路につく彼の姿も目に入っていない。目に入るのは普段なら帰り道で手に入ることなんて無い、両手に収まる赤い果実だった。
「(え……? りんごが、貰えた?)」
エウルアにとってそれは初めての反応であったのは確かだろう。彼にそうして貰ったのだと思うまで、その現実を認識できていなかった。
当たり前だった、この当たり前は変わらないと分かっていた。少なくとも今のままでは、騎士団でも入らなければ変わる事のない現実だった。
「ったく、ローレンス家だからってエウルア迄悪者扱いしたらグレてそれこそ復讐されるぞ。あんな大人でも結婚出来るんだから、イケメンってずるいよなぁ〜〜」
ただ、彼は容易く子どもでありながら現実を塗り替えている。
正直に言うと、エウルアは意図して彼には隠していた。
彼女にとって初めての友人であり、初めての剣の仲間だったから。その関係がそれで壊れてしまうのが、嫌だったのである。
「(私はローレンス家の子供で、悪い子なのに……バンパーやアンバー以外じゃ、近寄ってすら来ないのに……)」
ただローレンス家だとか貴族だとか、彼はそんな事を気にしていない。しかもあそこまで女の子を庇うような格好をして、色々と見せつけられてしまったのだ。
「あー、結婚してー。可愛い奥さん欲しー、可愛い奥さんと出会いてえー」
ぼーっと、した顔をしながらも彼からその顔を隠すように逸らして彼女は呟いた。
「……こ、この恨みは……覚えておくわ……」
「え……? あれ、そんな顔に執着するタイプの男って嫌われるん?」
エウルア8歳、人に優しくされてしまってから始まったそれは今も途切れていない。剣を教えながらも胸元から覗いてしまう彼のの肌を見るだけで言いようのない気持ちになる。彼以外では感じない心の揺らぎが、自覚するまでもなく出ていたのが分かった。
そして、そんな関係が大きく変わってしまったのは彼女が18歳の時だろう。それまでにも胸を揉まれたり、裸を見られたり同衾をしたりうたた寝をしながら彼にキスをしたりと色々したしされて来たが、それも彼への想いが表面化してしまったからに過ぎない。
彼女は律していた。自分が恋愛などしても、バンパーを幸せには出来ないと。嫌われ者の1人にしてしまうぐらいなら、友人すら辞めた方が良いとまで考えた事もあった。
ただ、変わってしまったのは────
「ほーう、これが噂の波花騎士様ね」
────盗賊からの、辱めを受けてしまったからだった。
☆
エウルアと私が決定的に関係が拗れたのは、間違いなく1年ぐらい前にあった事件だろう。
当時の私は邪眼、それも2つ自分が原因で裏社会に流れてしまった事に責任を感じていた。処女膜破っても責任とか今は感じないけど、昔はそこら辺も割と責任とか感じてたし割とまともだったのだろう。
ちなみにその時で既に1つ回収して壊していた。その時はロサリアが捕まってエロい事される寸前……と言うか胸丸出しにされて揉まれてたから勢い余って下手人を抹殺しちゃったけど、その時に壊しておいたのだ。
ちなみにロサリアの体はその時に上書きしておいた。助けて貰ったらお礼を貰わないとだからね、私のを挟んで飲まされる彼女の顔と「変態……っ!!」と言いつつも成長した胸を弄られて鳴いちゃう彼女は可愛かった。
話を戻すが邪眼について、これは神の目と異なり命を削る事で一般人でも神の目の力のような元素を扱う事が出来る、割とイカれた物だ。これと神の目を使ってくるファデュイの執行官がどれだけヤバいか分かるだろう、そしてそれは基本的にファデュイによって作られている。
逆に言えば、ファデュイ以外への流通は極端に少ないのである。意図して流される時もあるが、その場合の処理まで彼等は行なっている。なので、私が過去に取りこぼしたそれを回収する為に、とある場所へと潜入していた。
「おい新入り、お頭が呼んでたから来い」
「はいはい、今行きますよっと」
それが、モンドに居た盗賊団だ。邪眼により勢力を高めている集団だと事前情報を得ているので、その所在を探る為に潜入していた。本来なら騎士団の仕事であるが私の失態で起きた事件でもあるので、何とか私だけで解決がしたかったのだ。
「あれ、頭領居ませんけど?」
「当たり前だろ、お頭はお楽しみ中だ」
「……お楽しみ、中?」
「まぁ、俺たちも別の意味で今から楽しませてもらうがな?」
ただ、私の潜入などとっくにバレていた。私の周りには10人を超える盗賊がおり、拠点からも何人か偵察して居るのが見える。それまで含めれば50人は超えるだろう、それだけの規模の盗賊なのだ。
「さあ、良く音が出るサンドバッグになれよ!」
ちなみに結果から言えば、5秒ぐらいでここの10人は消した。焚き火の炎を拡散してそのまま切り刻んで火葬したので証拠も残らない、そして奥からそれを見ていた盗賊が大声で叫んでいたのも見えた。
そのまま私は拠点に突っ込む事にした、規模は想定していたよりも大きいがそんな事を気にする余裕はこの時に無かったのだ。正直言ってここまで衝動的に動いたのも珍しいが、嫌な予感がしたのである。奴らの言っていた言葉に対して、焦燥感を感じていたと言って良かった。
そしてそれが当たってしまったと、後に知るのであった。
☆
その日の彼女を一言で表すなら、迂闊だった。
盗賊達は神の目も持たず、また戦闘能力も極めて低い者達だったのだ。この時点で彼等にはそれを纏められる親玉が居ると察する事が出来ていれば、あるいはバンパーからこの手の輩に流れてしまったソレについて知っていれば結果は違ったのだろう。
「くっ……不覚だわ……」
エウルアは、捕まった。手足を椅子に縛られており、腕を動かす事も足を閉じることも出来ないほどであり、尚且つ目隠しまでされていた。口には何もされていないが、叫んでもどうにもならない状況なのは起きて直ぐに察し始めている。
「(ここはどこ? 部屋の中だとは思うけど、外の音が殆ど聞こえないし風の通る音も……厄介ね)」
エウルアは野外で単独行動中、盗賊と戦闘になったが情報を聞き出そうと手加減をしていた時に奇襲を受けた。それにより気絶していたのだが、奴らの目的を思いつく事は出来ないでいた。
「(モンドを落とすには規模が小さい。でも、明らかにおかしい。最近の商人が襲われる事件や行方不明者について絶対、こいつらが何かを……)」
ただ、調査目的の事件には絡んでいると確信はあったのだ。騎士団も動いている、自分が消息を絶てば必ず動きも大きくなる。時間との勝負だろう、それまでに何か出来ればとも思う彼女であったが。
「ほーう、嫌われ者でも顔と体は悪くないな」
下卑た、男の声が聞こえて来た。気のせいでなければエウルアを昏倒させた男の声だった。神の目かそれに並ぶ何かの力で襲われたのだ、エウルアは思考を一度やめてその存在へと意識を向ける。
「解きなさい、こんな事をしても無駄なのは分かるでしょ。私以外にも騎士団が動く、投降するなら今のうちよ」
「ねぇよ、馬鹿か」
「騎士団は優秀よ? 捕虜にされた私が音を上げる前に、貴方の喉元に刃が向いているわ」
エウルアは形上の計画を行う。気配の数は一つ、見張り役とは思えないが男の反応次第では目的やこの場所も何かしら察せるかもしれない。そう思っての問いであったが。
「あん? 聞くことなんざねぇよ、ほら剥がすぞ」
「は? 何を言っ……!?」
男はもう、彼女の体にしか興味を持っていなかった。
☆
そこは、石で囲まれた部屋だった。その中に松明ではない何かの光でぼんやりと照らされただけの、外からの音は殆ど無く代わりに部屋の中の音が良く反響するような部屋だった。
そこには、2人の影があり、中央でエウルアは座らされている。そしてもう1人は────
「っ! ん、くぅ……っ!!」
「うーん、柔らかいねえー? 誰かに揉ませた事あるのか?」
エウルアの後ろから、はだけさせた胸を両手で揉みしだいて楽しんでいた。男の手も体格が良い事もあり大きいが、彼女の胸はそれに揉まれても溢れる程に豊満であったので男は「おぉ!」などと感嘆の声をあげながら一層、彼女の胸を揉みしだいていく。
「ふ、ふざけ……あっ!?」
そして、そんな事を10分ほど続けられている彼女も嫌悪感しか無かった行為の中に、人として……というよりは、女としての本能的なものが無理矢理引き出されて来たようで、顔を真っ赤にしながら上擦った声が増えて来ていた。
「初物の癖によく耐えるな?」
「この、外道が……あっ!?」
ただ耐えていた彼女が興奮して来たのを見計らい、両胸の頂を摘みそのままコリコリと弄り始めた。途端に一際甲高い声と共に彼女の体が大きく揺れるが、拘束をされている影響で抵抗は出来ない。
そして最初はゆっくりと、徐々に早めながら男はそこを重点的に弄り始めた。
「っ!! っ、ぐぅ……っ!! っ────!!!!」
「ピンク色のここ硬くしやがって、ほら指で弄られてどうだ? 知らない男に触られて感じてる変態騎士様はどんな気持ちなんだい?」
エウルアは耐える。しかし逃げられない快楽を、恥ずかしさと気持ち悪さと体の熱が頭を酩酊させてくる。何とか口だけ閉じるのが彼女の出来る抵抗だった、心までは屈しないと歯を食いしばっていた。
ただ、そんな事は男もわかっているので一方的に有利な我慢比べは続けられていく。
「んっ……んん──!! ひっ……あ!?」
逃げられずに胸は弄られる。更には先端を指で弄りながら乳房を揉み始めたので余計に感覚の波は激しくなっていく。
「強めに摘むぞ。おお、コリコリしてんねぇ」
「(嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ! そこばっか弄られて変に……!! ひっ、声が出ちゃ……!!)」
そして、当然であるか。我慢比べの結果は、惨敗だった。
「ああっ!? あ、だめ! あ、あ、あっ……ああ!?」
先端を擦り、こねていた動きは継続しつつ、引っ張って彼女の頭を混濁させていたのである。逃げようと身じろぎをしようとも、主張したそれは逃げられるわけもない。
汗で妖艶に灯りに照らされたその姿は、十分に男を楽しませる体になってしまっていた。
「ほうほうほう? 引っ張られて声が大きくなったなぁ。それ、振り回してみようか」
「ひっ!? 何して……っ!? 痛っ……! あ、んぐっ……んん!!」
今度は、指先で摘んだそれを振り回した。音が聞こえて来そうな程に彼女のたわわな物が揺らされると、今までとは違った感覚に彼女は耐えようと紡いでいる筈の口から声が漏れ出て来てしまう。
「あーあ、もう触って欲しそうにおっ勃ててるよ。まだ10分しか触ってないんだぞ? とりあえずもう一巡しようか」
「嫌っ! 嫌! もうそこばっかり、嫌ぁ!!」
しかし、その地獄は続いていく。
☆
何度、男に胸を楽しまれたのか。ひたすら胸に指を食い込ませては何度も揉まれ、主張させられた先端は彼女にとって一番声が出る力加減を見つけられている。
そして、そんな時間が30分も続いている。
「はぁー、はぁー……ひぐっ……う、う……」
エウルアは、限界だった。
「情け無えなぁ、3回も乳首だけでイキやがって。誰にも触らせてないなんざこの爆乳が勿体無いぜ?」
下乳から持ち上げるように男が触られるが、エウルアにはもう抵抗出来る力は残っていない。出したくない声なんて何度も出してしまったし、もう頭の中では快楽が侵食している。生娘であった彼女は、居なくなっている。
「はぁー、はぁー……んん──!?」
ただ、男の手は止まらなかった。
「嫌、吸わないで……! そんな事、バンにも……!」
男の頭が胸元にある。そして自分のそれにしゃぶり付き、舌で弄びながら吸い付いている。吸い付かれていない方も指先で弄られているせいで感覚のにげばはなく、ただ耐える事も出来ない彼女は縋るように漏れ出していく。
「バン、助け……助け……! ゔっ、うああ!? ああああああ────!?」
ただ、そんな助けなど来るはずもなく彼女の頭は白く瞬かせられてしまった。いつもどこに居るのか分からないのに、都合の良い時だけ求めてしまうのは彼にいつも助けられて来たからだろう。子供の頃から、彼の自覚は無くとも。
ただ、淡すぎる願望だった。
「あん? なんだ意中の男は居たのか? ローレンス家に近寄るなんざ、どうせ体目的の屑なんだろうが」
男に反論したい気持ちもある。ただもう、本当の限界なのだ。自分の頭が壊される、そんな限界へ届く所まで来ているのだ。そうなった時の自分がどうなるのか、考えたくもない。
「さて、そろそろ最後の楽しみさせて貰おうか?」
そして、男は股に手を入れて来た。
「ひっ……!?」
途端に、彼女の体が強張る。下着の上からバンにすら触られた事も、触らせた事もない場所を撫でられて悲鳴が出て来る。
「きゃっ!? 嫌、そこだけは……そこだけは嫌!!」
本当の意味で、最後の防波堤だった。これだけは愛し合った、それこそ幼心が残っていた頃から想い続けていた人にとも思っていた場所だ。
ただ彼に彼女がそれを捧げるのはローレンスの十字架を背負わせる事であり、それが出来ずに彼女が今の今迄誰にも許さなかった場所だ。
もう、その防波堤にヒビが入っている。
「パンツの上からでも濡らしてる癖によぉ、欲しいんだろ? すぐに発散してやる」
自分の来ていた騎士の服が剥がされていくのが分かる、下着を残してそれ以外が切り剥がされていく。そしてそれが、仕上げとして下着にまで伸びて来ているのも分かる。
見られたくない、触られたくない。でも、もう彼女には何も出来ない。
「さぁ、拝ませてもらおうか」
そして、下着を引っ張り彼女の体のその間にナイフが入り込んで来た時だった。
突然、自分の嬌声が反響するだけの部屋だったそこに物音が聞こえてきた。かなり重い、それこそ岩を退けるような音だった。同時に、外からは悲鳴や罵声、それが原因であろう戦闘音が聞こえてきている。
「お頭!! 大変です!!」
「ああん? こっちは日々のストレス発散してんだよ、しょうもない報告なら殺すぞ」
騎士団が見つけてくれたのか、目隠しの下では涙と汗で光を失った彼女の瞳に光が一瞬戻ってきている。しかし、にしては外から聞こえるのが無機質にも感じる。騎士団のような集団での戦い方ではもう少し、色々と声が聞こえてくるはずなのだが。
「殺す予定だった新入りが暴れてる! お頭しか止めれない! もう半分は……!!」
「何だ、仲間でも潜んでやがったか? ありゃ1人で動くタイプの馬鹿だと思ったんだがな……」
誰かが潜伏していたらしいが、エウルアにはその情報はない。西風騎士団ではなく他の組織からか、だとしても彼女は安堵した。これだけ暴れているなら騎士団も駆け付けてくれると、ようやくこの地獄から解放されると。
「はぁ──、仕方ねえ。この体は後で楽しむか」
途端に、体に力が戻って来た。男が体から手を離し、ナイフも投げ捨てて去って行く。外からはまだ戦闘音が響いているし、長引いているのも分かる。火を放てやら撃ち落とせやら、相当な手だれが複数を相手に大立ち回りを演じているのだろう。
ここまで出来る存在は限られているだろう。もしやディルックでも来ているのかもしれない、そんな考えをしている時だった。
「はぁー、はぁー……ひゃあああああ!?」
彼女の股に、指が入り込んでいた。散々胸を弄られたせいで女としての体の準備が出来ていたのもあり、すんなりとその侵入を許してしまう。
「ひっ!? なんで、な、あ!? ひゃだ、ひゃ……ああ!?」
何の前触れもなく、肺から空気が吐き出されても声が止まらない。股の中を、初めての感覚に頭が瞬き体が震える事しか出来ない。そして、それをしているのが誰なのかは明らかだった。
「お嬢ちゃんさ、終わったと思ったろ? 甘いねえ、その時が一番美味しいんだろうが」
男は意図して、エウルアの緊張が途切れるのを待っていた。彼女がずっと、心のどこかで安心してしまうのをわかっていて待っていた。だらしなく涎を垂らし、喉から張り裂けそうな悲鳴をあげて鳴く女を見て、愉悦の笑みを浮かべる。エウルアにとってマシなのは、その下卑た顔を見なくて済む事だけだった。
「あ、あ、あ、ああ!? 嫌、そこ嫌ぁ!! ひゃ、なのに……んあっ!? ひゃあ!?」
エウルアは一度としてそこを許した事はないし、自分でするにしてもそこはあまり弄らない。ただ相手はそこそこの規模にまで成長した盗賊の頭領だ、女を漁る経験は幾らでもあった。
だからこそ、エウルアは容易く弄ばれている。
「あっ!? ひゃめ、ああ!?」
「ローレンス家のお嬢様騎士も、ただのメスだなぁ? ぐちょぐちょにしやがって、ほらほら……ここなんだろ?」
「嫌だ、あ、嫌っ! 嫌あ!」
外ではまだ戦闘が続いているのか、どうなのかも分からない。それを気にする余裕もないし、自分の声を抑える余裕もない。ただぶつけられる快楽の波を、それに合わせて鳴き叫ぶしか出来ない。
そして、一瞬彼女の体が拘束された中で椅子ごと浮かぶ様に硬直する。
「あ、あ、あ、ああああああ────!!??」
その後は、彼女は力が入らない体をビクビクと痙攣させている。余韻があるのか、彼女は嗚咽に混じらせて嬌声が残っている。
そして男はというと、指を引き抜いているが彼女の足先から頭までじっくりと眺めて笑っている。
ただ、十分に楽しんだ筈の男は何かを取り出してくる。
「ふー、女を壊すの楽しいわ。でもまだ壊れんなよ? また濡らすのも面倒だし、とりあえずコレ入れとくからな」
「何……ん、何……っ!?」
それが、股の中に入っていく。ボールのようなものか、ただそれが彼女の股に入れられると振動し始める。
「気持ちいいんだろ? 掘り出しもんでも悪くないな。じゃあ、そのまま待ってろ。後でぐちゃぐちゃにその大事そうな初めても含めて、楽しませてやるからな」
今度こそ、部屋から男が去っていく。重厚な音と共に扉が閉まった、部屋にはエウルアが1人残るだけであった。
「いやぁ……こんなの、知らな……あっ……!!」
ただ、彼女の体はまだまだいじめられ続けるのであった。
☆
エウルアを一頻り、一応最後までするつもりだったが途中から部下の断末魔を最後に音や声が途切れていたので、仕方なく外に出た。ただエウルアの体は良かったのだろう、後で楽しんでやるかとゲスな考えが顔に出ている。
「ほーう、急いで楽しんだがこんな事になってるとはな」
ただ、もはやどんな状況にあったのかは想像に難くなかった。
邪眼を片手に頭領が出て行く、そこには先程まで自分の育てて来た盗賊団とその拠点の面影はカケラも残っていなかった。
まず、誰も生きていない。人を殺す事に躊躇もせず、むしろ嬉々として人を襲える者を集めて来たがそれが1人も居ない。短時間の間に神隠しにあうわけも無いが、そこには代わりに少年がいる。それも、血を滴らせる剣を片手にして。
拠点は嵐にでもあったかのように吹き飛ばされ、壁には血の跡がべったりとついている。更には肉片らしきものまであるが、その彼等だった殆どは黒焦げた何かに変わっているのだろう。
「まぁ、これがあるなら幾らでも作れる。部下もモラも女も、好きなだけな」
そう言うと、邪眼から紫電が漏れ始める。並の神の目から出てくるものよりも遥かに多く、歪で力強い光を発している。見たところ少年には神の目が無い、だが同じ邪眼使いか隠しているのだろう、でなければここまでの事は出来ない。
「ここにいた50人全員殺ったか、まぁその程度これを使えばこっちも出来るがな」
元々スパイと考えて泳がせていたが、騎士団どころではなく相当な組織の大物なのかもしれない。男は生理的な嫌悪を覚えさせるような笑みを浮かべながら、彼の目を見る。
「一つだけ、聞かせて貰うけど」
ただ、少年の目は年不相応に暗かった。明らかに何かしらの一線を越える、そんな意識を持った目だった。この質問がそれを越えるかどうかのものであるのは明らかだろう。
彼はゆっくりと、頭領の出て来た岩で囲まれた部屋を指差す。
「そこの部屋に、誰がいる?」
頭領は、すぐに察した。ああ、騎士団の回し者では無いと。しかしこれがその騎士団の為に動くような者であり、それは騎士団に属する者すら守る為に戦えるものであると。
だからこそ、答えてやった。
「良い声で鳴く雌豚だよ。モンドじゃ嫌われ者のな」
お前は、守れなかったと。
「お前がバンって奴か? 可哀想になぁ、男が弱いと割を食うのは女の方だ。だから俺みたいな奴に横から喰われるんだぜ?」
この後に少年を殺した後は痛ぶっても良いが、その前に楽しんでから拠点ごと燃やしてやろうとすら既に考えている。熟れた体をそのままにしてここに来ているのだ、さっさと終わらせるという意思でもあるのか頭領は最初から全力の紫電を彼の周りに配置する。
「……わかった」
「…………は?」
ただ、彼は動かない。そして襲いかかって来たそれは、片手で薙いだ。
「クソ雑魚相手に、切り札以外の本気出すわ」
それがバンパーという、どこにも属さない者の中では最も敵にしてはならない者であったと知らなかったから。
☆
どれだけ時間が経ったのか、エウルアには分からない。ただ分かっていることは、この股に入れられた機械でもう3回もイッテしまった事だけである。
いつまで続くのか、もう辱めを受けてただでさえ擦り切れそうな心はもうボロボロであり、更なる侵食を受け続けている。
「ひぐっ、ぅ……んっ! ん、くぅ……嫌ぁ……」
もうダメだ、壊れてしまう。本当ならば昔から想いを伝える事もなくそれが幸せな事だと考えていた彼女は、基本的に縋らない。ただ今の瞬間、追い詰められた彼女は口から彼の名を溢していた。
「助けて、助けてよバン……バン……!」
バンパーは、いつも助けてくれた。エウルアは騎士であるが、エウルアにとっての騎士は彼と師であるアンバーの祖父が最初なのだ。そんな幻想の想い人に縋らないと、彼女は正気を保つことすら出来ないでいたのだ。
そして、いつまでも続く快楽の地獄の中で。
「ひっ!?」
扉が、開いた。外からやって来た来訪者は喋らない、音が聞こえなかったのもあり彼女には騎士団が駆けつけて来たとは思えない。そしてそうなれば、彼女はその後がどうなるか想像も容易かった。
「嫌、もう嫌! 来ないで!」
胸をはだけさせられ、抵抗する力もない劣情を煽る格好をしている自覚はある。人よりも胸はあるしスタイルも良いだろう、だからもう汚れたく無かった。
そうなれば、もう彼とは本当に会えないと感じて。
そして、身構えていた彼女は近寄ってくる人の気配を感じていると。
「ひゃっ、んあっ……!」
股に、指を入れられた。淫猥な水音が鳴らされ、敏感にされている彼女はその指の動きに合わせて情け無い嬌声を吐き続けている。自分の体の自由なんか効かない、もう限界だった。
「はぁー、はぁー……バン、ごめ……私、もう……」
股から振動する何かは抜かれた。指も合わせて抜かれた、彼女はもう自分の心を殺して耐えるしかないと悟り、体から力を抜いた。
そして、脱力した彼女は突然違和感を感じる。
「……ふえ?」
腕が、力無く垂れ下がったのだ。椅子の後ろで組まされ結ばれていたそれが、何故か解かれていた。それも気づけば腕だけではない、腰や足も外され最後には目隠しも外される。
「あ、ああ……?」
終わりだ、最後に下衆の顔を見ながら腰を振られるのかと。エウルアは光の無い目で虚空を眺めた、もはや希望も何もなかった。
腕にも足にも、自由になっても力が入らなかった。
「遅れて、その……ごめん」
その言葉が、耳に入るまでは。
「バン……? バン……!」
バンパーが居た、自分の見てる幻想なのでは無いかと思う程に追い詰められていた彼女はそのまま彼に抱きつく。
匂いも、体の感触も、声音も何もかもが彼だった。強く、強く彼女は彼に抱きついていた。
「エウルア、もう安……んぐっ!?」
そして勢いをそのままに、彼の顔に自分の顔を近づけてそのまま抱きしめて逃さなかった。
「ん、んむ……ん、ん、ん」
躊躇いもなく、彼の口の中に舌を入れる深いキスをする。彼が戸惑っていようと関係なく、今日の出来事の全てを上書きしようと貪りつく。
「バン、バン……はむっ……んん……」
そのまま、彼には暫く抱きついていた。
☆
盗賊の親玉は、邪眼の力を強制的に吐き出させ続けてから殺した。あれは命を削る代わりに絶大な力を得る道具だ、それを連続で使えば体の負担はかなり大きい。
最初はただ叫びながらやめろと叫び続けていたけど、頭に白髪が混じり始めると泣いて懇願し始めた。ちなみに岩元素で腕力を無茶苦茶に高めて手足の全てを握り潰し、そのまま持ち上げていたので抵抗は出来ていなかった。
癪に触る悲鳴を続かせて老人にしたらそいつを投げ飛ばして、邪眼で吸い取った力をそのまま固めた一撃で葬っておいた。エウルアに手を出していたという事実が私をそこまでイラつかせたのだろう、しかしそれ以外にも相応の悪事をしていたのは知っていたので、私は躊躇いなく手にかけれた。
苦しませるのに時間がかかったが、もう気配はエウルアらしき者を除いて拠点にはなかったこで時間をかけた。そして部屋に入ってみたら絶句した、胸をはだけさせられて嗚咽を漏らしながら怯える彼女が居たのだから。それも、私が過去に女の子へ何度か売った気持ち良くなる機械を使われていた。
とりあえずは股に雷元素で動く玩具(闇市に流れ出た物:バンパー作)を引き抜き、拘束も外した。ただそのままエウルアに抱きつかれて凄い濃厚なキスをずっとされた、準備していたわけではなかったので舌も思いっきり絡められて何度もされた。
「……落ち着いた?」
ただ、こんな状況だったので彼女にされるがままにされておいた。エウルアの事は嫌いじゃないし、正直言ってこんな美少女にキスされるとかむしろこちらから土下座してお願いしたいものだった。
まぁエウルアにはラッキースケベを何度かしたしされて来たからキスもした事はあるけど、ここまで激しくはなかった。それだけ、彼女が追い詰められていたと知るとその気にもなれなくなってくるのだが。
「……ねぇバン、一つ聞きたいんだけど」
ふと、キスをしまくってようやく落ち着いてきたのか。エウルアが私を押し倒しながら言う、何だろう。このまま最後までとか誘われたら断れない。
だって普通に童貞だから興味しかなかったし避妊具も無いこの世界じゃ誘われて受け入れた=結婚だったから、ちょっと心臓がかなりうるさくなった。
エウルアと結婚とか、まだ19歳なのに考えられなかったのだ。私に親としての責任が持てるのかとか、子供をちゃんと育てられるのかとか、稼ぎは今以上にあった方が良いかなど、考えなきゃいけない事ばかり頭の中に溢れ出てくる。
そして、エウルアは。
「何で指入れたの?」
急に冷えた目で、私の目を見ていた。
そうだった、私玩具を取り出した後に少しだけそのまま指で彼女の内側を撫でてたんだった。とんでもない事をしていた、でも理由がないわけじゃない。
これは知っておいた方が良いと、後々のアフターケアも考えたら彼女の口から聞き出すわけにもいかなかったので取り出すついでにしたのだ。
ただここで理由を隠したり嘘をついたら死ぬ、そんな目をしているので仕方なく話す。
「その、処女膜あるかなって……ぐふっ!?」
ただ予想通りというか、残念ながら回答は私の腹に減り込む拳であった。
「とんだ変態ね、私もどうかしてたわ!」
胸を隠す事もなくキスして来た君が言うか、押し当てて来た上で足まで絡めて股を太腿に押し当てて来た君が言うのか。
何だろう、凄い理不尽な気がする。私は傷心中だからと気を回してあげたのに、殴られるし罵倒されるし、私が助けなきゃもっと酷い目に絶対あってるのに、何かイライラしてきた。
ブラを付け直そうと、彼女は私に背を向けている。分からせるには今しかないだろう、というか絶対そうすると決めたので後ろから抱きついて胸に手をやった。
「ちょ、ちょっと! 何触って……んあっ!?」
「私じゃ何も感じないんでしょ? ほら、上書きしてあげるから力抜いて」
ゆっくりと揉みほぐす。両手いっぱいに幸せが溢れ出ているし、時折するコリコリとした感触も凄い良い。ただこのままだと殴り飛ばされるので、耳元で彼女を戸惑わせる。
「私の事、好きな癖に」
「っ──、何を根拠に……!?」
根拠なんてさっきキスして来たからだけである。ぶっちゃけると私に恋心を抱いているとは欠片も思っていない、たださっき唇を何度も重ねて来た彼女が私を少なからず異性として認識している事は分かっている。
「い、いつから……というか、私ってずっとバレ……!?」
だからそれが、恋心と錯覚させて戸惑わせることにしたのだ。彼女はかなり焦っているが今頭を回させる余裕は作らせない。そのまま戸惑って流されて謝るまで許さない、そんなつもりで彼女を押し倒す。
「今からエウルアの全部貰うから。怒ったから、もうこれからの人生全部エウルアに責任取らせるから」
「せ、責任って……ま、待って……んむっ!?」
そう宣言し、とりあえず無理矢理キスから始める事にした。
☆
あれから、エウルアとは激しい戦いが続いた。気持ち良い波が来る瞬間のみ口付けをし、それ以外の時は直ぐに彼女の弱点を攻め続けた。彼女も「さっきと、ぜんぜん……!?」と口から漏らしながら気持ちよくなっていた。
ちなみに5分くらいで舌を自分から絡めて来るような状態に堕ちてくれたので、そこからは何度も何度も楽しませて貰った。胸は吸ったし股も舌で弄ってあげたし、そのまま何度もキスをしながら弄った。彼女も嫌がるでもなく、ただ気持ち良さそうに喉を鳴らしていた。
正直言って多少反省させる為の行為であったが、興が乗り過ぎたかもしれない。と言うか自分のブレーキが明確に壊れていたのだろう、もうやっても仕方ないというかお互いにやるんだろうなという雰囲気があった。
その証拠に体は準備が万端であり、彼女も顔が蕩けて私だけを見ている。
「はぁー、はぁー、エウルア……良いよな?」
そして、私の方も準備ができていた。
「バ、バン……私、そんな……」
エウルアも口先だけは素振りとして抵抗している。だが足を開いても全く力がこもってないし、一番恥ずかしい場所が丸見えにされても口元を片手で隠して受け入れてる感じなのだ。もう片方の手も力無く胸を隠す事もなく地面から動いていない。
もう、我慢の限界だった。今迄エロい体をずっと晒して偶にエロい事しちゃっても何やかんや許してくるし、更にはこんなイケメンでも何でもない私に対して少なからず異性としての意識を抱いているのも分かっていた。
だからか、その時は口から勝手に色々と飛び出ていた。
「もうエウルアの全部私のもんにするからな?! 私は嫌われ者だから覚悟しろよ! 何人子供が出来ても養うけど! 子育ては全部手伝わせるからな!!」
その時、何を言っていたかは覚えていない。ただエウルアに対して無理矢理、無茶苦茶な事を言って困惑させていたような記憶はある。目を見開いて涙目の彼女の体が少し強張っていたが、もうここまで来て止まれなかった。
「言っとくが私の好みは顔も体もエウルアで、酒飲んで普段隠してるのが出ちゃう甘えたがる猫みたいなお前だからな!! 結婚したいと思うの、誰でも良いわけじゃないからな!!」
もうエウルアも私の彼女に入る寸前のそれを見てるし、抵抗もしてない。ただ私が『今から無茶苦茶◯っクスするからな!』と宣言したのにも関わらず、彼女の答えは。
「か、勝手に……すれば良いじゃない……!」
投げやりみたいな、覚悟を決めたみたいな、流れに流されて出てきたのだろう。彼女はただ、全身から力を抜いて目を閉じた。少しだけなけなしの良心が痛んだが、ここまで来たのでそれは押し殺した。
「わ、私も初めてだから期待はすんなよ!」
ただ言質は取った。もう私の童貞は彼女で捨てると、覚悟すら決まってた。処女相手にどこまで加減したら良いのか、そもそもこういった行為は人によっては気持ち良くないとも聞いていたので不安もあった。それに女性は最初は痛いだけとも聞いていたので、それも不安だった。
でも、すると決めていた。これは気持ちよくなりたいとかよりも先に、体が彼女の体を求めていた。
「やるからな!? やったら、エウルアは私のものだからな!!」
私はようやく、そこら辺の覚悟の踏ん切りがつき彼女の腰を両手で固定して腰を近づけた。彼女も目を瞑り、その時が────
「何を、してるんだ??」
────来る前に、思い出すことがあった。
あー、結構デカい花火あげてたなと。それに気付いてジンが滅茶苦茶良いタイミングでやって来たのも、有り得なくはないなと。
過去一ジンにボコボコにされて投獄された。更にあの件はエウルアから全く触れる事は無く、何ごともなかったかのように過ごしていた。
ただその日を境にだろう。何故か私にテーブルマナーやら社交辞令の使い方など別方面の指導が始まった。理由はわからなかった。
☆
酒場の一件から夜が明けて、朝になった。私はあのままエウルアに連れられて、彼女の家まで行った。一人暮らしの彼女から私は夜通し説教がされるのだろうと、クレーが反省室を怖がる理由を痛い程理解するのだろうと思っていた。
「はい、はい、はい……」
ちなみに、説教は無かった。
代わりに、私が押し倒されてずっと腰を振らされていた。彼女の処女を貰ったし、何度も何度もしたし中に出したのも気にせずそのまま私の上で腰を振っていた。
何でだ、どうしでだ? 私は言われるがままに彼女が用意していたという書類にサインと母印を押していく。
よく見てみれば『子供ができた時は認知する』やら『ローレンスの性を名乗る許可』だとか『エウルア・ローレンスが死ぬ迄続く』とか色々書いてある、でも断れないので全部書いていく。読む勇気もない。
「……これでいいわ。はぁ、まったく他所でもヤリまくってるとか幻滅するどころか呆れるわよ」
ちなみにエウルアとした後はずっと詰問された。煙緋とか彼女の知り合いも手を出した事があると言わされたけど、殴られる事はなく『別に、私が先だっただけね』と何か呆れていた。
その後に刻晴と結ばされた子供が出来たら奴隷になる契約を話したら凄いやばい顔をされた。何なら舌打ちまでされた、すいませんでした。
「いいこと、今後誰にも手を出すなとは言わないけど、モンドに帰って来たら私の所に最初に来るのよ。一晩は帰さないから」
「はい……」
「それと、私以外にもモンドで引っ掛けてるんだから。何かしらケジメ付けるのよ、その軽い頭を下げて本気になった子は全員養うぐらいの気概を見せるのね」
「はい……はい……」
ただその他もろもろ、私がやって来たそれを聞いてから書類を何か直していたが、もう気にしないでおこう。単純に私は彼女の奴隷になったのだろう、でも美少女の奴隷って金払ってでもなりたいよな。
「子供が出来たら式を挙げるから、逃げるんじゃないわよ」
「はい……」
でもちょっとその、何で私に惚れてるみたいな雰囲気があるのか分からない。
何でか分からないけど公的にもローレンスを自由に名乗れるようになったよ!やったね♪