※この作品はR-18です。

私は人間(倫理観)を捨てるぞ、旅人!!   作:札幌ポテト

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今月の更新

八重神子&雷電影回

元は雷電将軍伝説任務2、良い話です。


稲妻でまた指名手配された経緯☆

 

 1.八重神子

 

 稲妻には、鳴神大社という一言で言えば神事関係の統率をする総本山がある。そこには島全体に伸びる桜の木があったりするのだが、この桜の木……というか島全体に汚染が広がるという事件が人知れず起きていた。

 

 結界が完全で無かった上で後世にその対処が伝わっていなかったり、そもそもこの問題を把握出来るのが過去に死んでしまった狐斎宮さんぐらいしか居なかったので大事件の起こる寸前であったと言える。

 

 そこで何か私に目をつけた狐斎宮の残存思念が『私が貴方を見つけたのは運命でしょう、どうかこの地の穢れを……』とか言っていたので色々ありはしたが穢れを祓った。

 ついでに成仏しようとしてたけどお礼は受け取ってなかったので受肉させて人のいない廃れた神社で御馳走させて貰った。厳密には蘇生をした訳ではなく、思念を閉じ込めてある感じなので普段は子供で大人になれるのは1日のうち8時間も無いし力も無い。一応、100年もしたらずっと大人の姿のままで過ごせるだろう。最初の8時間は私のものにさせて貰ったけど、意外に初心で楽しかった。

 

 最後は「将軍様や、皆に会わせる顔が……!!」とか言って身悶えしてた。やっぱ祭事とかするのに処女って重要なのかね、特に気にしてないけど私は縮んだ彼女を抱きかかえて……パイモンみたいな感じで八重神子の所まで連れて行った。

 

 どうやら彼女のお師匠様らしく、いつもはこちらを見下したり面白いオモチャみたいに扱う宮司様であったが、久しぶりの再開に感涙してた。

 狐斎宮曰く誰にも看取られずに戦争で死んだらしいし、この再会は本来ならあり得ないままに悲劇であったのだろう。

 

 そこからは狐斎宮は充電する為に寝て、宮司様とはお礼として酌して貰った。十分にお師匠様の方で欲は満たされてたし、美人に酌されて気持ち良く寝ようかな程度の思いで酒を飲んだ。

 

 その結果────

 

「け、けだもの! 酒の勢いであんな事までするのか!? 性欲と辞書を引けばお主の名前が載っておるぞ……!!」

 

「私って経験あるから上手だしね、気持ち良かったでしょ?」

 

「褒めておらんぞ助平め!!」

 

 最後までやった。2日連続でケモ耳の美女を抱けるとは思わなかったし、すっごく楽しかった。太ももとか柔らかかったし、胸やソレに挟んで出すのは気持ち良かったし、飲んでもらったのも背徳感が良かったです。撫でながら突くと良い声出してくれたしね♪

 ちなみに先にふざけて押し倒してきたのは向こうであり、私を揶揄って泣き顔見られた事とかで出来た弱味を塗り替えようとしていたらしい。最終的には彼女が私の色に染め上げられちゃったみたいだけど、500年モノのお姉さま処女は敏感なんだなって。甘雨さんも似た感じだったし、まだ処女みたいだけど今度のマッサージで食べ……いや七星に見つかって死ぬかな。どっかの茂みで押し倒す機会を待つしかない。

 

「斎宮様の恩人と油断しておった……妾が子をこさえたらどうするつもりじゃ……」

 

「斎宮さんも言ってたけど、人の子でも自分の子供ってのは可愛いものだよ?」

 

「は、はあっ!? 斎宮様とも夜伽に耽ったのか!? ふ、不埒者! お主の子など孕んでなるものか!!」

 

 とりあえず八重様は怒ってるけど師匠を限定的とは言え生き返らせて、しかも稲妻のピンチを代わりに解決した私を無碍に出来ずにいる。

 お腹を押さえて顔を真っ赤にして睨んでくるあたり、私との子供が出来ちゃうって顔してて楽しい。まだ出来ないって話はしてないもんね♪ 

 

 最初は押し倒して来たのにキスしたら腰引けて逆転されちゃって、そこから全身を揉んだり撫でたり、あと吸ったり舐めたりしながら服を剥がしていってびしょ濡れで準備万端の体に子種を10回くらい注がせて貰ったし、気持ちいい事に振り回されて負けちゃったのは悔しいもんね♪ 

 

 お師匠様とある意味姉妹になっちゃった感想とか聞くと流石に死にそうだけど、ギリギリのラインを攻めてみたいな。

 

 とりあえず手が出ない程度のセクハラしてから赤ちゃんが出来ない事を明かしてあげようか。そんな事を思ってると。

 

「宮司様、失礼し……っ!?」

 

「ん?」

 

「な!?」

 

 外の襖が開いた。どうやら中々起きてこない宮司を起こしに来たらしいのだが、やって来た可愛らしい巫女は顔を真っ赤にして私と八重神子を交互に見ている。

 

 ちなみに私達の状況だが、鳴神大社にある畳のある部屋で布団一つに2人で対面しながら座っている。そして格好は私が下着に寝巻きの上着を羽織ってるだけの状態で、八重様は上下の下着を床に散らかしながら谷間の見える浴衣が着崩れしてる色っぽい状態だ。

 

 そして、私に子供が作らされちゃったと思って顔も声も反応しちゃってる所だった。

 

「私は、何も見ておりません。ですが宮司様、あまり、その……ここに連れ込むのは……」

 

「あ、まて! これは……!!」

 

 そして、そのまま巫女ちゃんは去っていく。匂いとか服の乱れようとか首や胸元のキスマークとか隠して無かったし、彼女の視点では男を連れ込んでは酒を入れて貪り喰らう狐のお姉さん……なるほど、今日からとんでもない変態として扱われてしまうだろう。

 

 恐らく噂としては────

 

「地位を悪用し夜な夜な男を大社に連れ込み貪る淫乱宮司……か」

 

「お主はぶっ殺されたいのか!?」

 

 淫乱宮司様は熟れた体を朱色に染め……とか思ってたら殴られた。官能小説って八重堂で対応してるのだろうか、後日今日の出来事を纏めた原稿を何部か送ったら想像通りの噂が鳴神大社の巫女さんどころか町民にも流れていた。

 

 それで私を殺そうと八重様が八重堂使って懸賞金をかけてくるのは更に後の話である。

 

 ☆

 

 私が噂の浸透を感じると同時に、うっかり子供が出来ない事を伝え忘れてたので、そろそろ八重様から殺されるんじゃねえかなと考えていた頃だ。

 巫女さん達がひそひそと『宮司様が年端も行かない少年を……』とか『一晩に何人も、それも無理矢理なんて……』とかやばくなるタイプの勘違いが広まってたけど、楽しいからOKだなと思っていたら八重様が割とマジな顔して突撃してきた。

 あんなに突かれて気持ちいい事に振り回された泣き顔を見せてくれたのに、その面影の無い壁ドンをしながら現れていた。

 

 流石の私も『いや、合意の筈だしセーフなんじゃ……?』と思いつつも冷や汗を流していたが。

 

『今は人が足りぬ。不本意じゃが、誠に不本意じゃが! 手伝えば半殺しで許してやってもよいぞ小僧!!』と脅されて、単独でとある重要区画の防衛(夜通し)が任されたのである。断ってたら殺されていただろう。

 隙を見て『その小僧に振り回されるお姉さん、可愛かったですよ』と囁きながらお腹を優しく撫でた。そしたら変な声を出して腰を抜かしてへたり込むと思い出して放心してしまったらしい。その後は顔真っ赤にして雷撃が飛んで来たので、ちゃんと殺されていたに間違いない。

 

 それでも殺されなかったのは、こんな私でも本当に人手が欲しい事態だったからだ。

 

 そして実際に派遣された場所には、不定期に大量の、それこそ幕府軍が至る所で総出になるような事態であった。

 

「ふー、これで……70? 何で根っこ狙ってんだ?」

 

 獣域ハウンドという奴らが現れた。私はこれを知ってるし、モンドでも冒険者になって経験の浅い時に遭遇した事がある。奔狼領で狼の力が無ければ撃退は出来なかっただろう。

 まあアビス由来の奴等みたいだし、今ならそこまで苦労せずに倒せるが昔の苦労を思い出す敵だ。

 

 それが何故か、桜の木の根っこを狙っている。傷付いてるので治してはおくが、ただの木では無いらしいので何かしら理由があるのだろう。

 

 そんな感じで、犬狩りをしていた。冒険者協会にも依頼はされてるらしいが、暫くはここは動けないかもしれない。そんな事を考えていた時に────

 

「おや、久しいですね」

 

 聞き覚えのある声が、休んでいた時に耳に入る。私がこの声を聞いた覚えは二度しか無いのだが、相手が相手だったので忘れる事はないだろう。何なら柔らかい二つの膨らみを両手で持ち上げて指を食い込ませた記憶もあるけど、色んな意味で忘れられない……魔神の声だった。

 

「は……? ら、ららら!? 雷電将軍……!? え、なんで!?」

 

 眷属に子種を注いだ事で殺しに来たのかと、私は本気で全神経を尖らせるのも仕方ないだろう。

 

 ☆

 

 2.雷電将軍

 

 雷神バアルゼブル、魔神の一柱にして稲妻を守る武神とも呼ばれる存在────それが雷電影である。

 

 雷電影は本来の雷神ではない、というよりは片割れでしか無いものの未だに国を守り続ける絶対的な存在である。表舞台に立っていた彼女の姉、雷電眞の代わりに戦争などに際して前に立ったのが妹である彼女であった。

 

 しかし、それが永遠に続く事は叶わなかった。

 

 カーンルイアの一件で姉が死に、彼女はその災禍を稲妻に降らせてはならないと表も裏も雷電将軍として生きる為に考え、少し前までは永遠に国を守る為鎖国をし、変わらない事で永遠に存続する国を作り上げようとしていたのである。

 

 永遠に変わらなければ、永遠に平穏な日々が送れる。だからこそ停滞した世界を望み、それを歪ませる例外を排して来た。摩耗への対処に雷電将軍という自身の神の体を改造した自律人形、後付けの人格も作り上げた。永遠の為の努力を、彼女は最大限に尽くしていたのかもしれない。

 

 そして、そんな日々を終わらせる運命でも背負って現れたのが────神の目を持たずに元素を操る、2人の例外である。

 

「そう警戒せずとも。バンパーさん、私はもう貴方を殺す必要はありません」

 

「あ、影の方? 胸揉んだの許してくれた感じ?」

 

「許すわけ無いでしょう、殺しますよ?」

 

 その1人が目の前にいるバンパーという男だ。以前見た時よりも魔神に近付いているようだが、彼と旅人によって稲妻は変わったし雷電影は変えられた。

 新しいモノを得る為に前を歩き続ける、雷神との敵対という明確な死を前にしても刃を向けられる、そんな人の力を彼等からは感じた。それに敗北したのだから、彼女にとっての永遠はまた考える必要があるのかもしれない。

 少し砕けた対応になってしまうのは触る必要も無い拘束で胸を揉みしだいて来たり、更には永遠の在り方など少しばかり話し合ったからかもしれない。それはそれとして色々言動や触る必要の無い胸を拘束した際揉みしだいできたのは許さないが、閉じこもった彼女にとって最初に認識をした人間でもあるので能力も含めて殺し辛い存在でもある。

 

「ちょうど良いです、ついてきてください」

 

「……私を殺しにきてないなら、何でここに居るんです?」

 

「それも踏まえて来てください」

 

「理由ぐらい知りたいんですが」

 

 ただ、ちょうど良かった。彼女にとって今は急務が立て込んでいる、獣域ハウンドの件もそうだが、他に優先する事がある。そしてその優先する事には、彼という存在は必要になるかもしれない。

 

「普段は御三家に任せているのですが、私は今回の獣域ハウンドを重く受け止め、直々に対処へ参った次第です。アレの神櫻への執着は見るに耐えませんから」

 

「気持ちは分かりますけど、あいつら何なんですかね」

 

「それを相手に大樹を守り切る貴方も、大概ですがね」

 

 それはそれとしても、獣域ハウンドの被害は大きかった。神櫻は稲妻の穢れを根から吸い取り浄化する力があるので、傷付いた大樹からは稲妻の大地に染み込んだ歴史を含む穢れが樹液として溢れているような状態であった。

 

 ただバンパーの守っていた区画は大樹に傷一つない。一際大きな根が張り巡らされている地域であるが故に、相応の襲撃も予感していたが彼の評価は見直す所があるかもしれない。などと考えていると。

 

「いや、守り切れてないですよ。数が数だったんで、いくつかすり抜けられましたし」

 

「……? 大樹に目立った傷は見当たりませんでしたが」

 

「治しましたからね、根本から切られても壊死してなきゃ大丈夫じゃないですか?」

 

 やはり、評価はしなおした方が良かった。戦闘の跡を見るに昨晩中はずっと戦い続けていたはずであるが、疲労の色は見えない。その上で大樹の治療まで行っているとは思わなかったので、やはり例外というのは想像を超えてくるらしい。

 

「貴方は自分の力に対しての自覚が薄いのですか?」

 

「頑張って雷電将軍に切り捨てられる程度のもんでしょ」

 

 無想の一太刀を本気では無いとは言え受け止めたことのある人間が何を言うのか。過去にオロバシへ放ったものと比べれば遥かに威力は小さくとも、一撃で消し炭に出来なかった数少ない1人だというのに。

 魔神として考えればまだまだ弱い部類、しかし人間として考えれば上澄みであるのは間違い無い。いや、まだ手札を見ていないだけで格上の足元を掬う秘策は持っているのかもしれないのだが。

 

「魔獣同様、貴方も読めませんね」

 

 話が通じる事ぐらいしか違いがないのではないか、ちなみにコレを八重神子が言うと別の意味が大いに含まれるが蛇足なので割愛する。

 ただ、流石の彼も魔獣と呼ばれ少し戸惑いが見える。

 

「魔獣扱いはちょっと違うんじゃ……? 行動原理は知らないですけど、魔獣が現れたのは今に始まった事じゃ無いですし、櫻が特別だしで分からない事が多いのは仕方ないんじゃないです?」

 

 心情が読めないからって理由だけでの化け物扱いは彼としても困惑しているようだが、最初の雷電将軍は人の形で産まれた魔獣の亜種なんて認識をしていた。そうするのに仕方ない力を持ってるのだから、同列に語れる部分はあるだろう。

 

 しかし、彼女はバンパーの魔獣扱いにした点は触れずに、首を傾げた。その話し方で感じた別の所に興味が移ったのだろう。

 

「この大樹が何かご存知なのですか?」

 

「え? 魔神の依代みたいなのですよね? 意識は無さそうですけど、治す時そんな感じしましたし」

 

「魔神の、依代?」

 

「え、はい?」

 

 2人は首を傾げた。バンパーはこの神櫻がどんなものかわかっていると思っていたが故に、雷電影はこの神櫻そのものに対しての認識の違和感を感じたが故に。

 彼が彼女は知っているものと考えても仕方ないだろう、2000年前の魔神戦争を経験しているのが彼女だ。稲妻を最も知る者なのだから、彼女が知らないとなれば誰も分かるわけがない。

 

「神櫻は、かつてカーンルイアの崩壊から私が帰還した時に突如として現れたモノです。ただ私だけが認識していた、皆昔からあるものと思っていたようですが」

 

「え、大丈夫ですがソレ。認識操られてません? 知らない魔神に内側から侵略されたりしてません?」

 

「気になるところではありますが、それはまた今度に貴方を頼りましょう。それとは別で貴方には頼みがありますから、行きましょう」

 

 そう言うと、彼は露骨に嫌な顔をする。神櫻の件で厄介そうな仕事が任されそうな事を感じたのもあるが、それを押してでも別の厄介ごとにこれから連れて行かれそうになっているからだろう。

 小声で『絶対今の話はやばいよな? それよりやばい別件って逃げないとやばいよな?』と自問自答している所であったが、逃げれそうに無い雰囲気はもう感じていたので、現実から逃避したかったのだろう。

 

「どうしましたか、時間はありませんよ」

 

「え、あの、実は私忙しかったり……」

 

「神子には私から言っておきましょう。以前より力を付けたと言えど休み無く魔獣を警戒し続ける事は不可能ですから」

 

 着実に退路を断っていく。むしろ休み無く魔獣狩る方が無事に済みそうなので許してくださいと言う懇願が聞こえて来そうだが、当然黙殺される。

 

「いや、面倒方はやりたくないって話で……」

 

「私の永遠を曲げた者の1人ですから、責任は取って貰えますよね」

 

「は、え? それ、別に私に限らないんじゃ……?」

 

 ただ彼も引き下がらない。ここで引き下がる事は結果として過去に勝てなかった絶対的な存在、雷神が1人では対処に困る面倒方を押し付けられる事を意味している。そんな人生に高波を求めていない彼にとっては、厄介極まりない事態である。

 

 徹底抗戦も辞さないべきかトンズラこくべきか、そんな考えをまとめ始めているのだろうが。

 

「断ったら稲妻で責任を取らない男と吹聴します」

 

「雷神様、お供させていただきます」

 

 二つ返事で彼女の足元に礼を捧げていた。

 彼は弱い男である。

 

 ☆

 

 今、雷電将軍から責任を取らない男とか言われたら殺される。私は背中に冷や汗をダラダラと流しながら思案し、彼女に着いて行き山を登ってる。

 

 今頃、仕事場に男を連れ込むとんでもない変態扱いの噂と、股から溢れる程に子種を植え付けられてお腹に新しい命が宿ると思って頭を悩ませてる宮司様が私への殺意を抱いているだろう。酒の勢いとは言え『やれるもんならやってみろ』みたいな事言ってたから合意なのに、本当に半殺しで済んでくれるのだろうか。

 

 そんな中で責任を取らないなんて話が出て来たら死ぬ、八重様に殺される。確実に死ぬ未来が見えたので、雷神の方の『もしかしたら何事も無く生きて帰れる未来』があるかもしれない依頼を受けた方が良いと思い、私は逃げの選択をしたのである。

 

 これ問題を後回しにしてるだけなので、さっさと八重様に子供出来ないって話をしないとやばい気がする。

 

「貴方と旅人には、様々な事を学ばせて貰いました。いえ貴方達だけでなく……この前旅人と町を散策した時、人の進歩と可能性を目にしました。そして、そのどれもが私の想像を超えていました」

 

 そんな私の心情なんて知るわけもないので、雷電将軍……いや本体の雷電影は話を振ってくれるが全然頭に入ってこない。

 この神様が現れた時、最初は眷属(八重神子)に手を出した断罪をすると思ってマジもんの警戒しちゃったのだが、そうでなかったのが唯一の救いである。そうじゃなかったら塵も残らないだろう。

 

「貴方の言っていた『失ってでも前に進み、手に入れる』という言葉は、今思うに人の可能性を示し私に生き様見せる為だったのですね。その願いの強さは、神に刃すら向けられるのですから」

 

「いやー、まぁ……あはは……」

 

 その願いの強さ、人間の欲望に直結してるから私としては笑って誤魔化すことしか出来ない。いやあの時断ったら反乱軍の士気が駄々下がりするのは目に見えてたし、いくら私でも雷降ってる海を筏とかで渡るの嫌だったし、流石に泳ぐのも怠い距離だった。

 だから相応の対価を用意してそれに向けて頑張っただけだから。彼女の言う人間の強さとは違うから参考にならないし、赤裸々に語って人間に失望されるだけで済まず、また鎖国されたら大変な事になる。

 

「ところで、貴方の望んでいた私を倒した後の願いは叶ったのですか? 後学の為にも聞いておきたいのですが」

 

「あー、その……もう少しお互いを知ってからという事で……」

 

 流石に珊瑚宮さん抱いて処女奪う以外の事は大概したなんて言えるわけがないんです。お互いの唾液の味を覚えちゃうぐらい舌を絡ませたし、胸はずっとコリコリして楽しんだし、咥えてる際に頭を撫でたり股に挟んでお腹にかけてる写真もある。何度もオカズにしてるけど流石に私以外に見せるわけない。

 でも気持ち良い事に振り回されて余裕が無く、仰向けで恥ずかしい所丸見えの彼女の秘部を片手のピースで隠した写真は『無くしちゃダメだよ?』ってあげたけど、誰かに見られたりしたかな? 見られたらキスマークとかお腹にかかってる白いのとかで処女が非処女みたいに思われちゃうの可哀想で可愛いな。ちゃんと可哀想じゃないように次は処女を食べてあげないと……巫女とか処女って大切かもしれないけど、もう子供が出来ると思って恐れていた私はいないから無問題である。

 

「秘密という事ですか、仕方ありませんね。では私の事はもう少し知ってもらいましょう」

 

 出来れば生涯秘密であって欲しいけど、流してくれたようで良かった。しかし、なぜ私の評価がボロ負けしたのに高いのだろうか。今後頼まれない為にも少しは落ちて欲しいのだが。

 

「私の持つ『夢想の一心』は姉である雷電眞から受け継いだものです。貴方が言うように、失ってでも前に進んだ彼女の意思を写していると言っても良いでしょう」

 

「あの、他の話とかしません? 無理して話さなくても……」

 

「彼女がカーンルイアで亡くなった事は伝えた通りです。戦事において矢面に立っていた私には何も伝えず、駆けつけた時には事切れ慟哭する事しか出来なかった。眞は、自分を通して生涯を終えました」

 

 黙殺された。なんか「私への心配は要りませんよ」みたいな顔してるけど、単純に重たい話は苦手なんです。故人の話とかしたくないし、この後色々と触れ辛くなるから。

 

 ただ、その雷神の在り方は理解出来る側ではあるので納得はする。かつてのカーンルイアで何が起きたかは知らないが、仮に同じ事が故郷であるモンドで起ころうものなら……考えたくないが、私も死ぬとわかってても向かうだろう。

 

「貴方はこれからも、彼女のように前に進み続ける。そしてまた、理不尽を相手にしても立ち向かう。後ろに戻る事が無い貴方を、今の私は好ましく思うと同時に、その足が止まる時が命運が尽きる時ではないかと懸念を感じています」

 

 彼女とはまだ、三度しか顔を合わせていない。なのに私の在り方に姉と同じものを見てるのか、言い当てられてる部分が多い。

 いつか、私は人よりも少ない寿命を迎えて死ぬか理不尽に襲われて殺される。そのどちらかが運命とは分かっている。

 だから生きてる間は好き勝手にすると決めたし、結婚とかも責任を取るって形以外じゃしないだろうなと思っている。

 

 ただ、そんな私の最期は姉と重なるのが嫌なようで。彼女は虚空から稲光と共に何かを取り出す。

 

「故に、これを授けましょう」

 

 雷電将軍の使う刀、と似てるが異なる片手剣が出て来る。紫色の刀身と禍々しい雰囲気、更には元素を纏う力が強く引き出されているようにも感じる。

 

 一眼見て、更に私は気付く。

 

「霧切の廻光、かつて私が麾下に賜わせたモノを打ち直した銘刀です」

 

 これ、売ったら城が買えるタイプの奴だ。

 

「え、これやば……なんで? やばい無茶振りされるんですか?」

 

 この手の城が買えそうな剣で盤岩結録というものは持っているが、アレと同等の代物である。それを手渡されるが、手に待たされて改めてヤバい力を感じる。これ剣を持った時の防御力とか耐久性は盤岩結録に軍配上がるけど、攻撃力とか元素力の上昇はソレの比じゃ無いと思う。

 

 何でこのタイミングで渡されたのか、なんかこれからコレ使わないとやばい仕事頼まれるんじゃないかと動悸がすごい事になっている。

 

 ただそんな私を察してか、彼女は微笑みながら私と剣を見る。

 

「モラクスだけが貴方に剣を贈るのは見る目がないと、バルバトスに言われそうで癪ですから」

 

「あの酒カスが私にくれたのなんて名前と空の酒瓶ぐらいなんですが?」

 

 そう言えば、あいつ神様だったな。逆に何でモンドの神様からは酒をたかられるんだ? バルバドスって最古の神様の1人だよね? バーバラの方が信仰心集められるのでは? 

 

 今度会った時にそれとなくボロクソに言ってやる事にしよう、男に容赦はしない。でも、こいつが女の子だったら間違い無く襲えていた気がした。残念である。

 

 ☆

 

 ここ影向山は稲妻の中央にある一際大きな山であり、それを登る為の山道は整備はされているものの崩れている場所もある程の険しい道もある。巫女達がここを登り降りしようものなら、半日はゆうにかかるのがこの山である。

 ただここを登るのは魔神と魔神に最も近しい人間だ、2時間もすれば山の中腹を超えているし、その気になれば10分もかからず登り切れているだろう。

 

 そしてそこまでして山を登る彼女、雷電影の目的地は頂上にある鳴神大社と神櫻────では、ない。

 

「くっ、貴方と会った途端に……」

 

「ちょ、もしかして体調やばいのに山登ってたんですか!?」

 

 途端に、目的地に近付くまでは軽快であった足が重くなり始める。いや、コレがあったからこそ態々時間をかけて登ったのだ。彼女が足をよろけさせるのを彼が支えるが、別に自律した人形となっている体に不調は易々と起こらない。

 

「構いません、ここが目的の場所です。ここには私がカーンルイアから持ち帰った崩れ消える雷電眞の意識空間……それを、封じてあります」

 

 そして、彼女は支えられながら片手で何かを解くように指を薙いだ。途端に現れたのは、鳥居とそこを境とした何かの入り口。

 

「は? いや……この雰囲気どこかで?」

 

 彼とてここに何が隠されているとは連れて来られた瞬間に察しただろう、そう言う解析を行う事に関しては他と一線を画す能力だ。しかし、その違和感の答えまでは導き出せそうには無い。

 

「どうやら『彼女』は、もう私に体を使わせる気は無いようです。申し訳ありませんが、私をあそこまで連れて行ってください」

 

「……これ、私必要です?」

 

「彼女から理解を得るには、貴方以上の人選はありませんから」

 

 ただならぬ雰囲気を、その異界からは感じる。バンパーという冒険者として修羅場を掻い潜り続けた彼には、ここを通らず逃げるに十分な説得力を能力から得ている。

 仮にここで立ち去ったとしても、雷電影は彼を咎めないだろう。その先に誰がいるのかを察しているのに気づいているのだから。

 

「絶対に、期待しないでくださいよ」

 

 だが、それでも前に進んでしまう。それがバンパーという存在が憎めない男となってしまう、本人の自覚がある欠点だ。

 

 ☆

 

 絶対やばい。ここを通る時に引き返せば地獄を体験しなくて済むなんて警告も脳内に響いていたが、私という人間はここで逃げれない臆病者なので、仕方なく雷電影を連れて異界へ入っていく。

 

 恐らくは精神空間、時間的な動きがほぼ無い世界。そしてこの空間に近いものを、私は目狩令で彼女に挑む際に経験している。

 

「もう、大丈夫です。ここからは彼女に邪魔もされません」

 

 この空間に居るのは、3人。1人は雷電影でありもう1人は私、そしてもう1人が私達と対面している。

 

「また会いましたね、バンパー・グンヒルド」

 

「グンヒルドじゃないです」

 

 雷電将軍、雷電影が作り上げた自律人形の別人格だ。

 

「何で本体と喧嘩してるわけ、巻き込まれたんだから理由ぐらい聞かせてもらえますよね?」

 

「この身は内なる者の協力者であり、規則の守護者。故に内なる者が規則を逸脱するというのなら……この身は、修羅と化しましょう」

 

 ……修羅になる、で嫌な予感がした。流石にこれからの流れで私には向かないと思うけど、持ってる薙刀を見るだけでボロ負けした事を思い出す。

 

「私の体で俗世を回り、永遠の真諦を掴んだようですが。それが過去の決心よりも上回るものとなり得ますか? それは新たな考えを得たからか、抗い難い摩耗を受けたからか」

 

「その答えを、私は示しに来たのです」

 

 影が答える、将軍を納得させる為に。

 

「変わらぬ規則こそが永遠です」

 

「人の願いを守ってこそ、永遠が紡がれる」

 

 詰まるところ、雷電将軍は過去の決心した永遠を守る為に、雷電影は新しい稲妻を永遠に導く為に、それぞれの信念をぶつけて、お互いに稲妻を守ろうとしているわけで。

 

「私達は武人、ここから先は剣で語り合いましょう」

 

 どっちが正しいのか、私には分からない。

 ただ本当に思う、私ここに必要だったかなぁと。

 居なくても変わらなさそうなんだけど。

 

 そんな私を察してか、もしくはここに連れて来た事に何か思うところがあったのか、2人は私を見る。

 

「その男を連れて来たのは、私を強制的に排す為ですか」

 

 将軍は言う、確かに精神世界を弄れる私なら将軍の心を封じるというか別の所に隔離するぐらいは出来るかもしれない。過去に雷電将軍と戦う時にそれをした印象は彼女達には強いだろう。

 

「いいえ、将軍。私は彼の存在こそが永遠を見せてくれた最初の1人だからです」

 

 信頼と羨望の眼差しが、かつて唯一完全な敗北をした雷神から向けられる。私がどうやっても正面から挑んで勝てないと思わされた存在から、心を預けられているのを実感する。

 

 ただ言いたい、私はそこまでのモノを背負わされて急に胃痛がしてくると。後先考えず適当に生きてる人間なのに、どこから永遠を感じたのか本当に分からない。だからここでどんな立場で立ってたらいいか分からない、帰りたい。

 

「バンパーさん、私は人の願いを見せた貴方に私の覚悟を見届けて貰いたいのです。ご迷惑をおかけしますが、将軍にも貴方の意思は伝わる筈です」

 

「え、いや、その……」

 

「皆まで言わずとも、貴方がここまで来てくれただけで私は満足しています」

 

 私がしたのなんて胸揉んで摩耗を与えたぐらいなのでは? と絶対に言えないが冷や汗が止まらない。あと何故か私の話だけ『そんな事言わずとも分かってます』みたいな雰囲気出すのは姉と同じ高潔な魂持ってると思ってるからですかね。私の魂は黄金じゃなくて桃色だと思うのですが。

 

「ただ、私の意思を示そうとも彼女が容易く揺らぐ事はありません。ですが永遠に続こうとも、私はこの決心を揺らがせませんから。民には、申し訳ありませんが……」

 

 今さらっと『見届けて欲しい』でも『むっちゃ時間かかる』って話してますね。いやあの、出てって良いですかね? 決着ついた後の話しは聞いても良いんですけど、乗り掛かった船なので。

 でもその船、手漕ぎで海を渡るとは思わないんです。何ならゴールが分からない分、稲妻と璃月の間より長いでしょ。その船降ろして欲しい。

 

 そう思いながら、2人がぶつかり合うのを見届けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 決闘は、中々に終わりが見えない。

 

 ちなみに私は精神世界なので私だけ世界から隔離して2人が超倍速……体感で2000〜8000倍? ぐらいで延々に殴り合う2人を眺めては止まった瞬間とかで解除して終わったかどうかチラ見しては終わってないので閉じこもってを繰り返している。めちゃくちゃ集中してるのか空間越しに見るだけじゃ気付かれては居ないらしい。

 

 この世界だと睡眠や食事は不要なのは察したが、変わり映えしない世界に飽きは来る。なので自分の空間にクッソある戦利品(エッチな写真)を整理したり、この空間を時間のある限り読み込んだり、精神世界で私の能力はどこまで適用されるのかを調べたりしてた。

 

 そんな時間が、体感1ヶ月ぐらい続く。それ考えると軽く500年を超えて2人が戦い続けてる事になるんだけど、体力無制限だとしてもやばいのでは。もう十分覚悟示しただろ、私はそう思って精神世界の隔離を解く。

 

 すると流石の2人も気づいたようで、剣撃を止めて私を見る。

 

「バンパーさん!? 何故、姿が……!?」

 

 何か雷電影の方が戸惑ってるみたいだけど、私が出て来たのは流石にそろそろ帰りますねって話をしに来ただけで、喧嘩中に割り込むつもりはなかったんです。だから巻き込まれる位置まで来たのは助太刀に来たからとかではない。

 

 ただ、雷電将軍の方は私の方をじっと見てくる。

 

「……分かりました、貴方の永遠は揺らがないと」

 

 すると本体の方へ目を向けて、何かしら最初見た時とは違う眼差しを感じさせる。数百年単位で喧嘩して認めるって、永遠に比べたら短いけど意思強過ぎない? これ私出てこなかったら1000年は平気で殴り合ってたのでは? 

 

 そう言う『こいつらやべえ』って目で将軍を見ていると、何故か私の方に視線が戻る。つまり目が合うわけだが、そうした瞬間全身に鳥肌が立つような笑みを向けられた。

 

「ですが、貴方の信じる人間の永遠とは斯様なものでしょうか」

 

 ……嫌な予感がする。私は早くも律儀に挨拶してから帰るとか思わずコッソリ帰っておけば良かったと思い始める。修羅になるとか言ってた存在が、私に向けてくる予感がビンビンする! 

 

「私達を見届けた貴方もまた、この場に立つ資格程度は有しているでしょう。ですが摩耗にどう耐えるのか、人の器で見せる願望の強さを、永遠の意思を確かめる必要があります」

 

 ありませんが? 永遠の意思とかそもそもありませんが?? 

 

 無いですよね? と、確認の意味も込めて本体の方に目を向けると。

 

「一理ありますね」

 

 どこに? 

 

 全然話が通じそうになかった。何なら発言権すら無さそうな雰囲気で、そのまま話が進んでいく。

 

「最後です。コレが弱いならば、強くした方が正しい」

 

 その理論はおかしい、と言うよりも早く雷電将軍が斬りかかって来た。

 

 ☆

 

 将軍との戦いに、終わりは見えなかった。臣民に夢を与えし存在として、揺るぎ無い意思は永遠であると示す為の戦いに終わりなんてそもそも存在しなかったのかもしれない。

 

 雷電将軍とは永遠を守る為に作った存在、それが高々数千年程度で変わらないと覚悟もしていた。そして意思を示すのにこの戦いが永遠に続き、稲妻から神が居なくなる事すら雷電影は覚悟していた。

 

「喧嘩の調子はどうですか」

 

 なのに、彼はさもこの戦いの当事者であるかのように現れた。いや、確かに彼には見届けて欲しいとは言ったものの、あれは稲妻の臣民に夢を与え続ける覚悟を見せて、稲妻には戻らないかもしれないと伝えてもらう為だ。

 

「バンパーさん!? 何故、姿が……!?」

 

 なのに、何故かここにいる。それも姿に変化が無い、この戦いをして800年は経っているというのに。それにこの空間に入って来た感覚は無かった、つまり彼は当事者かのように言うのは……この戦いを、終わりの無い戦いを何百年も見届けていたからに他ならない。

 

 ここまで頼むつもりなどなかった。雷電影は、少なからずバンパーという男を認めていた。しかし、それでは足りなかったと思わされていた。姉と重ねていた部分はあれど、人として見ていたのだから。

 

 そして、その見届け人の存在には流石の雷電将軍も目を見開いて驚いている。このような人間が存在する事など考えずに造ったのが雷電将軍なのだから、それを揺るがすには十分過ぎる衝撃があったのだ。

 

 彼の力は大した事はないが、その願いの力は他を圧倒しているだろう。もしかすればこの戦いに終わりが来ないと、そう察して態々姿を隠して要らぬ心労をかけぬように見届けてくれたのかもしれない。そして雷電影に、稲妻の神として──臣民の夢の護り手として存在する為に、この人にとっては長い時間を待ったのだろう。

 

「……分かりました、貴方の永遠は揺らがないと」

 

 これには、雷電将軍も納得する。雷電影が変わったのも仕方ないと、それに理解が及ぶ存在が目の前に居るのだから。

 

 ただ、雷電将軍はまだ足りていないという顔をする。確かに存在を認識はした、それが永遠とは何かを再考させるに足る存在とも。これが摩耗によって起きた気の迷いではないと、何百年も戦い続けた影の意志に迷いも曇りも無ければ、ただの一度も将軍に負けていないのだから。

 

「ですが、貴方の信じる人間の永遠とは斯様なものでしょうか」

 

 だが、それがどこまでの者かは推し量れていない。

 

「私達を見届けた貴方もまた、この場に立つ資格程度は有しているでしょう。ですが摩耗にどう耐えるのか、人の器で見せる願望の強さを、永遠の意思を確かめる必要があります」

 

「一理ありますね」

 

 将軍は最後の足掻き、と言うよりは納得を得る為に彼に刃を向ける。もう彼女は影の規則を妨げるような事はなく、協力者としてあり続けるだろう。

 ただ最後に、純粋な興味から彼を見ている。永遠を繋ぐ為の意思を、今度は人の身である彼から覗きたいのだろう。そしてそれが不足しているならば、継ぎ足してやりたいと。そしてそれを大きくした方が、永遠への解答に近いとも言える。

 

 当の本人も望む所といったところか、顔を背けて体を震わせている。高揚している体を押さえつけているのだろう、今直ぐにでも意思を見せてやると言う気概を感じる。

 

「最後です。コレが弱いならば、強くした方が正しい」

 

 将軍と影は、2人がかりで彼の意思を確かめに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どれだけの時間が経ったのか。ただ一つだけはっきりしている事はある、2人は向かい合って永遠にも感じられた語り合いにより、和解した。

 

「認めましょう。この身は、これからもあなたの協力者です」

 

 将軍はそう言うと、途端に世界にあった威圧感が収まっていく。ここに身を縛っておく必要が無くなったからだろう、そして最後に地面に横たわって息をするだけの存在に一瞥する。辛うじて目に光はあるが立ち上がる気力は無いらしい。

 

「もう、変えることの出来ない規則は作りません。あなたは過去の私を表す存在でした。しかし、今日からは────あなたが私です」

 

 そんな彼を尻目に、2人は語り合う。彼の永遠を確かめる為に語り合い、そのおかげで影の新たに芽生えた永遠への理解も進み、より一層互いに協力者としての関係を構築できた。

 

「眞は私を道具の様に扱う事はありませんでした。私も、あなたをそうは扱いません」

 

 だからこそ、彼女は将軍をもう1人の自分と認めている。

 

「……ふふっ、本当に変わったようですね。どうやらこれが人間の言う『成長』と言うやつなのでしょうか」

 

 将軍は、そう言うと影に背を向ける。気恥ずかしさなどがあるわけではないものの、長い時を過ごして来た半身としての揺らぎがあったのかもしれない。ただそれを改めるように、彼女は言う。

 

「分かりました。私があなたの影となります、かつてのあなたと眞のように」

 

「ええ、頼みましたよ」

 

 今迄の責務とは変わらない、変わるのは永遠への捉え方だけ。そうして2人がこの空間を1000年近く過ごした事で、新しい稲妻が始まる。

 

「同様に、貴方も認めてあげましょう。精進して下さい」

 

 そして最後に、新しい稲妻の礎を築いた者へ将軍は目を向けずに呟く。

 

「……これ以上精進させて即身仏にでもする気ですか? 悟りでも開きましょうか?」

 

「その口振りなら、まだまだ余裕がありそうですね」

 

「勘弁して下さい」

 

 バンパーは「何で私がこんな……やって良いよな? 本気でやって良いやつだよな? もう溜まるもん溜まったやらなきゃダメなやつなんだが?」とぶつぶつ話しているが、そんな事は気にも止めずに将軍はただ腕を組んで話す事は話したとでも言いたげである。

 彼女にとっては武者として相応に楽しめたようなので、心無しか普段の無表情よりも若干満足げな顔をしている。

 それに雷電将軍は納得して協力者に戻ったのだから、本体である影には丸く収まったと言える。

 

 しかし、まだ先ほどまでの高揚感が拭えないのか。雷電影は手に待つ刀をしまう素振りはない。

 

「ここまで刀の力を使ったのは初めてでした。まるで眞と共に戦っているような、そんな夢の時間でした」

 

「その夢を見せられた人の気持ちがわかりますか?」

 

「まだ夢の続きを見たいのですか?」

 

「結構です、許してください」

 

 その対戦相手にとっては終わらない悪夢であったのだが、無理もないだろう。相手は魔神、それもかなりの上澄み。武芸に秀でた彼女の攻撃は能力がある彼と言えど、どれも必殺の一撃になる。

 そしてそれと延々に扱かれる時間が、数百年過ぎた。精神世界だから時間の概念が存在しない、などとバンパーが口を滑らしたおかげで手心は無くなり、傷付いても精神であるが故に死にはしないという悲しみの都合の良さにより彼は扱かれ続けた。満身創痍で廃人になっていないだけ、十分だろう。

 これは彼女が彼を魔神として扱い、人とは違う時間感覚を押し付けたからでもあるのだが、良くも悪くも彼はそれに耐え切れる器であったらしい。

 

 だからこそ彼女も思う存分に、それこそオロバシを仕留めた時と同等の力を発揮して戦えていたので高揚感が表れても仕方ないだろう。

 

「あら?」

 

 ただ、そんな時だった。

 刀から光が漏れる、それが徐に3人の間に芽吹き始めていた。

 

 ☆

 

 雷電眞は、雷電影の持つ刀に意思を遺していた。カーンルイアで起こることを察し、自ら赴き息絶えた事で稲妻を影1人に任せてしまう事を、悔やんでいたからこそ、その刀に遺していた。

 

 彼女はこれから先に妹である影に困難が立ち塞がり、稲妻を遅い続けてしまう事や、そこに自分がいない事で助けられない事に対して、死に切れない想いがあったのだろう。

 

 それがあの桜の大樹である神櫻になる。魔神の雰囲気があったのは雷電眞が元になって植えられたからだったのだ。

 穢れを吸い取り浄化する神櫻が無ければ、稲妻は瘴気に包まれた禁足地にもなっていたかもしれない。カーンルイアの魔獣は稲妻を大きく穢していたと聞く、妹への最後の手向……というよりは姉としての最後の導きなのだろう。

 

 確かな事は、2人の雷神によって今も稲妻は続いている事だ。これからも永遠に向けて歩き続ける、そんな想いを第三者である私ですら感じていた。

 

「眞の願い、今回は貴方にも助けられてしまいましたね」

 

 ただ、凄い申し訳ない事を言うと感情に浸れるメンタルの余裕はなかった。というかそんなの消し飛ぶに決まっている。雷電影は微笑んでいるが、私は微笑みを返す余裕は当然無い。

 

 もう、戦いたくない。

 

 そんな気持ちにさせてくれやがった地獄の修練は、私の実力がこれ以上上がらなさそうという理由で終幕した。無双の一太刀を何十何百と受けたし、首を切られた感触とか生々しくてヤバかった。

 

 私が人生において勝てるわけがないと真面目に考えた化け物が雷電将軍なのだ、それが2人がかりとか勝つとか以前に逃げられるわけもない。理不尽だった、私は何度意識を手放しそうになったか分からない。途中から精神に対する強化とか言う能力の応用が出来なきゃ廃人になってる自信がある。

 

 ただ私が生き残れたのには、恐らく死んでたまるかと言うか……絶対に生き延びてやるという覚悟があったからだろう。というか何百年も戦ったのだ、溜まるものがある。

 

「やはり自分の精神と長い間ぶつかり合っていた影響が……今日はダメそうですね」

 

 そして当然、それをぶつける権利ぐらいあるだろう。というか今ここでぶつけなければ、私は手当たり次第に誰かに手を出す自信がある。

 

「付き合わせてしまいましたが、貴方には感謝しています。やはり人の願いこそが、民を────稲妻を守る事に繋がると」

 

 なんか良い雰囲気で話してる雷電影は、長きに渡る精神世界での戦いにまだ回復が追いついていない。そもそも体の方は将軍が抵抗していたのもあり、その回復も残っているだろう。

 対して私は、もう体は万全にしてある。いや、この瞬間を待つ為に何百年もシミュレーションをしてある。今の彼女より、私の方が強い。

 

「夜もふけて来ましたし、私も城へ……え?」

 

 私はそのまま彼女の手を引き、洞窟の中に押し倒す。草元素で即席のベッドを作り、少し乱暴であったが彼女は尻餅をつく。

 彼女も突然の事であったのと体が万全でない事かが災いし、状況をわかっていないらしい。

 

「影さんさ、人の願いを大切にするとか言って私に随分と無茶な事したのわかってる?」

 

「え、えっと……バンパーさん?」

 

 そう話しかけると、ようやく彼女も私の様子がおかしいことに気付いたようだ。当たり前だろう、おかしくしたのは目の前にいる彼女なのだから。

 ただ、その目に彼女は慣れていないのか分かって居ないらしい。そんな目を向けられるよりも、畏怖の目を向けられるからだろうか。

 

「そ、それでしたら……あ、城下町で団子牛乳という素晴らしい甘味がありましたから。今度届けさせて……んむっ!?」

 

 そして、何かしら言い訳をしようとしていたので両手首を掴んで口を塞いであげた。途端に甘く柔らかい匂いがしてるくるし、何も分かってない彼女の舌は絡め取られてビクビクと震えている。

 

 残念ながら彼女の体は機械みたいなものだから、呼吸はしてないので息苦しさなんかは感じられないみたいだ。そういう所も含めてこの行為には満足感があるのだが。

 

「ん、んんっ……ぷはっ……な、何をして……んむっ!?」

 

 言葉をしゃべる為の呼吸はしてるけど、肺呼吸はしてないのかな。なら肺を普通に動かしてあげれば……お、色々出来そうだな♪ 途端に顔色が少し苦しそうになっちゃったけど、直に慣れてくれるだろう。

 

「ぷはっ、はぁ、はぁ……。んあっ……そんな、どうして……?」

 

 どうして、か。

 

 それは体が反応してしまう事か、私が突然押し倒した事か、どっちもなのか。ただ私としてはまだ、そんな心持ちでいるのに少し苛立ちがある。

 

「私を好き勝手したんだから、影さんも好き勝手されるのがおかしいと思う? だとしたら、身勝手な神様だよ」

 

 私が何年も禁欲を強制されたと? 何年も理不尽な暴力を受けたと? なら私だって、理不尽になっても仕方ないよね? 

 

「今から影さんに人間の欲深さを教えてあげるから、寝れると思わないでよ?」

 

 私はそのまま、彼女の口をまた塞いだ。私の色欲は雷神との口付け程度では止まれなかった。

 

 ☆

 

 雷電将軍とは、自立した人形である。それは雷電影が摩耗に対抗する為、自分自身を改造したものであり、彼女の体は本来の体ではない。余談にはなるがこれの試作段階で神の心を核として作る過程で出来たのがスカラマシュであったりする。

 

 話を戻すが、彼女は摩耗に抗う為に体を改造してある。永遠に不要な機能、並びに邪魔な機能は無くしている。

 

 当然であるが、摩耗の起こり得る快楽なぞ遮断されるものの一つだろう。

 

「だ、だめです……バン、今なら引き返……ひゃん!」

 

「おっ、でか……柔らかっ」

 

「んあっ!?」

 

 ただ、何故か快感が頭を襲う。彼女の和服は両肩から下ろされるようにはだけさせられ、露わになった胸元を彼は断りもなく背後から揉みしだいている。力が回復していないだけでなく、元素は全て取り込まれてしまうので抵抗は出来ず、もじもじと内股になりながら足を擦り合わせて少しでも頭から感触を分散させようとしているが。彼はそれを楽しそうに眺めると、揉みしだくのを一度辞める。

 

「あうう……や、やぁ……!」

 

 そして今度はあえて触れていなかった先端部、その周りを円を描く様に指でなぞっていく。彼女の胸にある輪っかの部分をいじらしく、それだけで彼女の興奮させられたのか徐々に主張を始めると。

 

「ほいっと」

 

「んあっ!! あああっ!?」

 

 それを収穫するように親指と人差し指で摘み取り、掴み上げる。体を仰け反り快楽から影は逃げようとするが、その反応は彼を高揚させるだけでむしろ反応の良い弄り方を続けていく。

 そして更には先端を指先で扱きながら掌と余った指を使い、胸全体を揉み上げていく。

 

「ハリがある感じで八重様とは違う感じか、ここまでのは中々揉めた事ないかも。あっちはあっちでフワフワした感じで好きですけど」

 

「あ、あ、あ!? な、なんで神子の名……や、あああ!?」

 

「一度楽しんだ女の子の事は全部覚えてますからね、柔らかさは勿論。情事中の顔とか声も、全部♪」

 

 指と指の間から包み切れない感触が溢れている、涙目になる影は彼の毒牙にかかった眷属の事など考える余裕はない。それに相手は経験値が違うのだ、幼馴染や敵国のスパイ、更にただ人では関われないような国のトップすら手篭めにした経験のある男がバンパーである。あの精神世界での力量差は完全に逆転している。

 

「随分と出来上がってきたね、もしかしてそういうのが好きなの?」

 

「変な事を、言わな……ああ!?」

 

 そして顔や節々を赤く染め、執拗に胸をいじられてきた影も限界が近かった。この様な感覚を男から、ましてや一方的に与え続けられる事など無かったのだから。

 

「とりあえず、1回目いくよ」

 

 そして、彼が摘んでいた先端部を逃さない様に強めに掴みながら引っ張る。

 

「ひっ!? だ、だめです! い、や……ふわっ、あああ!?」

 

 そして彼女の静止も虚しく、そのままコリコリとこねられ始める。痛みはなく、ただそこをいじられる感覚だけが響くようにリズミカルに楽しまれている。

 普段ならこんな腕は一瞬で剥がせるのに、頭も体もフワフワしていて力が入りそうにない。そして頭の中には、徐々に溜まっていたものが溜まりきろうとしている。

 

「や、あ、あああああああああああ!!??」

 

 そして遂には情け無い声を上げながら、体が少し硬直すると電池が切れた玩具のように跳ねて、力無く浅い息を吐くだけの体を震わせている。

 そのまま彼は首筋に吸い付きつつ、彼女の意識が戻ってくるまで優しく胸を揉みこむ。気持ち良くなって直ぐは敏感なので揉まれる度に身じろぎをしていたが、逃げられない彼女は正気に戻るには5分ほどかかる。その間には、彼女の下を脱がせて着物だけにしていく。勿論下着もであり、脱がせたそれはまた履かれないように投げ捨てている。

 

 ただ着物は腰回りを隠す以外は機能しておらず、もはや衣服としての機能は失われている。胸も股もさらけ出されている。

 

 ただ、彼女はそんな事には頭回せないし回させない。

 

「わ、わたし、下……涼し……?」

 

 そして戻ってきたらしいので、耳元に顔を寄せる。

 彼はこういう行為に対しての嗜虐的な部分が、顔に出ている。

 

「胸だけでイカされて、恥ずかしい?」

 

「ひゃあっ!? また……んあっ!?」

 

 囁いたその瞬間に、優しく触ってた胸の先端をキュッと強めに掴んだ。痛いのと気持ちいい事の間にある1番快感が響く強さなので、もはやそこは彼女の弱点となっているだろう。

 そのまま弱点を逃さず、恥ずかしい思いを継続して行う。彼女の尊敬が、ジワジワと搾り取れていく事に彼の目からは今迄の鬱憤が目に見えている。

 

「もっと恥ずかしい事するけどね」

 

「な、なにを……んっ!!」

 

 そして、ずっと背後から抱きついて弄っていた彼女の事を仰向けに押し倒す。隠す余裕の無い影はそのまま両手首を片手で押さえられ、更に能力によるものか雷の縄で縛り抑える。そして、両手で頬と腰を触りながらじっくりと胸とその恥じらった顔を見ている。

 

「影さんなら、安産型で安心だね♪」

 

 彼はもう、止まる気配が無い。

 

「あ、あなたという人は……!!」

 

 言葉で何とか抵抗の意思を示すが、その顔を見て収まる気配は感じられない。このままでは千年以上生きてきた彼女の心と体、その尊敬を食べ尽くされてしまうだろう。最後まで抵抗をするつもりだが、力の差が顕著に現れているせいでそれが彼の嗜虐心をそそっているとも気付かずに。

 

「(私を慰み者にする気でしょうが、両手を封じて油断してる。その甘さがあなたの命取りです……!!)」

 

 ただ、影はここから彼を撃退する気なのは変わらない。彼女は体を最後の一線まで無茶苦茶にされかけているが、その一線は超えられ無いと分かっているからだ。

 

 何故ならば、彼女に生殖機能────受胎する機能など無い。詰まるところ気も良くなる機能など過去に捨てているからである。

 

「(大丈夫です、私から真っ先に受胎する機能は失くしました。快楽を感じるのも、何かの故障だとしても治しました。これでもう、好き勝手は……!)」

 

 挿れられたとしても、体にも心にも磨耗は起きない。ならば彼が漫画した後に思いのままに殴り飛ばせる。今はまだ体力が戻り切ってないが、そうでなくても意識ぐらいは飛ばせるだろう。

 

「我慢出来ないし、挿れちゃうね──♪」

 

 だからこそ、彼女は耐える姿勢を見せている。

 

「ひゃあ! あわ、んあっ♡♡」

 

 それが過ちと気付くのは、彼のものが当てられた瞬間だった。そしてそのまま、彼女の腰を逃さぬように掴みながらゆっくりと彼女の体に近づいて行くと、耳に何故か聞こえてくる水音と入り込んでくる異物感を下腹部から感じてしまう。

 先端が入った事で変な声が出てしまったが、その瞬間に影の顔が青ざめていく。

 

「だ、だめ! バン、抜い……ひぃ!? ああん!!」

 

 ただ、彼女の懇願も虚しく彼の先端が彼女の奥を叩いていた。気持ち良くなるはずがないのに、お腹の感触は胸をいじられるもの以上のものである。

 何故こうなってしまったのか、それは影の体を彼が改造……もとい、過去のものに巻き戻していたからだろう。それにより彼女の存在だけしていた子宮が、浜辺で呼吸を思い出した魚のように動き出したのである。

 

「な、なぜですか!? や、ああ!? だめ、そんなに当てちゃ……!!」

 

 ただ、そんな事が分からない影は奥に押し当てられる感覚に背中を反らせるものの、快感を分散しきって耐えれるようにはならないらしい。

 

「影さんは奥の入り口が好きなんだね……どう? 私の、体格差あるけどこっちはそんな事無さそうだね」

 

「ま、待って♡動いたら、だめ……きゃあっ♡」

 

 そして、そのまま彼は腰を前後に動かし始める。お腹の奥を揺さぶられ、影は必死に口を噤んでいるものの息を吐く度に『う、くぅ……はぅ♡』と艶かしい声をあげてしまう。

 

 この不利な耐久戦がどうなるのか、答えは見るまでもなく。

 

「や、ああ……んんっ、んんんんんんんん♡♡♡」

 

 口を噤んでいた彼女の喉から抑え切れない程の、声にならない声は響く。目を強く閉じていたようだが、一度彼の物が抜かれると脱力したようで目元に涙を浮かべながらも薄目で無茶苦茶にされた股の所を見ている。

 

「あ、んあっ……はぁ、はぁ、あう……♡」

 

「うん、久しぶりに出して少しスッキリした。でも影さんのお腹、久しぶりに動いたし……いっぱい飲ませて驚かせちゃったかな?」

 

 そこからはゆっくりと注がれた物がこぼれ落ちてきており、彼に子種を植え付けられている事を示している。魔神と人の間に子供ができる事は稀であるが、彼ならその可能性は高くなっていてもおかしくはない。魔神よりの存在である彼から産み付けられた事に、回転の遅い頭が徐々に理解をしていくが。

 

「でも、この程度じゃ終わらないよ? 私の子供、孕む覚悟ぐらいはしてね?」

 

 まだまだ満足していない彼は、彼女の背後から足を開かせる。途端に彼女の思考が、その行為に対して反射的な防衛反応を取らせる。

 

「や、今入れちゃ……ふわぁ!?」

 

 ただ、無駄な抵抗である。彼にとって彼女はもう、餌でしかないのだから。

 

 ☆

 

 八重神子は、頭を悩ませていた。

 何故か気配の揺らいでいる雷電影の事について。別件でも現在進行形で心痛がひたはしっているが、それは置いておく。

 

 彼女が神櫻の問題に対して自身が動いている事はそれとなく耳に入って来ている。その理由などは知り得ぬが何かしら理由があるのだろうと、そして動くなら将軍ではなく影の方でもあろうと。

 

 そして、その影の気配を眷属であるが故に人よりも感じやすい彼女は鳴神大社にて地面を────正確には、その更に下を見ている。

 

「(影の気配が弱っておるのか? 魔獣に遅れを取るなどあり得ぬが、休んでいるにしては様子が……)」

 

 分からない、ただ分かるのは雷神が万全の状態では無く徐々に弱っていることだけ。それが数時間も前から、急激に起きている。

 

「神子、どうかしたのですか」

 

 そんな心配事を抱える彼女の前に、蘇ったばかりの恩師が現れる。

 

「斎宮様、まだ寝ていてもよろしいのですよ」

 

 斎宮はパイモンのような見た目にはなっているが、力を失っただけでそれ以外は変わらない。それにこの見た目では威厳など無い可愛らしさが溢れているので早くも巫女達から猫のように可愛がられていたりもする。

 ただ、今はその姿を昔のそれに戻している。

 

「構いませんよ、貴方の憂いも私は感じています」

 

 しかし、それが八重と同じであるのを見透かしていた。

 

「私が将軍様に仕えてから数百年、死しても仕える事は変わりません。主人の危機には、力が無くとも馳せ参じるのは恥ではありませんよ」

 

 八重は迷っているのだ、自身の神である雷神の様子を見に行くべきかを。行ったところで変わらないのではないかと、行く理由が心配であれば尚更他に適役がいると。旅人など良い例だ、彼ならば力もあるので助けになる。

 しかし、八重は静観するか迷っていた。雷電影にとって失う痛みが最も苦痛であると知っており、駆け付け足手纏いになり自身もかつての狐斎宮達のように消え、彼女を1人にする恐れを思考していたからだ。

 

 ただ、ここにいても迷いは消えない。静観するという決断に、後悔を覚える予感があった。

 ただそれでも、狐斎宮は行くと言ったのである。かつての眷属であり、久方ぶりに顔を合わせる機会がここであろうとも、八重どころか男にすら力が及ばない姿に変わってしまっても。それが、自分への正しさであると。

 

「やはり、斎宮様には敵いません」

 

 ならば、八重も同じだ。

 

「影が弱っています、こんなのは初めてで……急ぎましょう」

 

 普段なら出て来ない言葉遣いもあるが、最低限の準備をして下の洞穴に向かうことした。万全の準備をするよりも時間が惜しかったのだ、万が一に備えて戻らなければ『あの男』を呼べとも巫女達に伝えてある。

 自分の初めてを貪り、あまつさえ辱めた男だが力はある。保険も用意し、覚悟は出来ただろう。

 

「この奥、ですね」

 

 2人は洞穴の前に立つ。

 しかし外から見て分かるはずなのに、認識出来ない。何かしらの結界が貼られているのだろう、音や匂いも含めて五感から情報は得られそうにない。分かるのはこの先に、雷電影がいることだけだ。

 

「入りましょう」

 

 狐斎宮が言うと、その領域に入っていく。途端に中からは感じ取れなかった湿気に異臭、更には音まで響いている。中の様子は地面に草元素てま生やされたような緑が広がり、そして目の前には眷属として通じている雷電の力を感じる。

 

「影……! 何が、あっ……ん?」

 

「……え、へぇっ!?」

 

 そこには、2人の影がある。どちらも見知った顔であり1人は雷電影であるのだが、その格好が可笑しい。

 まず、服が大事な所を隠していない。前から乳房や股がはだけており、それを直そうともしていない。顔を見てみれば紅潮しており、首や胸元には大量の赤い痕が付いている。

 

 そして、そんな彼女の後ろに座られている男が2人のよく知るバンパーであった。体は繋がっており、更には胸を欲望の赴く限りに手で弄んでいるようで彼女は腰が動かされたり揉まれたりすることで艶かしい声が漏れてしまっている。

 

 途端に、思考の止まった2人のうち八重の右腕に稲妻が迸る。

 

「斎宮様だけで飽きたらず! お主は、妾の神を穢しおったな……!!」

 

 流石にそこまで怒髪天を突いた声が響けば、気付いたのか彼の目が彼女達と合う。そして座らせていた影を横に倒すと、慌てるでもなく八重の行末を見守っている。

 無論、八重とてそれの能力は知っている。なのでこれは脅しでもあるのだが、普通に首を絞めて殺す気である。自分に手を出したのはまだ許せた、恩師を助けた見返りで抱いたのも情状酌量の余地はあった、しかし弱った雷神を抱いたとあれば赦す気など起きるはずもない。

 

 だが、八重神子は一つの勘違いをしている。

 

「殺し……きゃあっ!?」

 

 途端に、彼女が振り上げた拳が虚空を通る。殴りかかろうと走ったつつもりだったのだが、何故か座っているのだ。そもそも、視界の中には拳を向かわせていた彼が居ない。代わりに狐斎宮の驚愕した表情が写り込むのだが、彼を探そうと顔を回していると。

 

「ちょうどよかった、影さんだけじゃ足りなくてさ」

 

「ひゃああ!?」

 

 途端に、背後から胸と股に手を突っ込まれた。

 

「お師匠様が見てるのに、濡れちゃってる。この前が初めてなのに……また欲しがってて嬉しいな」

 

「や、やめっ……♡」

 

 何をされたのか分からない、胸に沈み込む指の感触と中を撫でてくる指の感触が嫌でも感じられてしまう。あれほどの怒気と殺気が、一瞬にして塗り潰されていく。

 この前されたことで自分の体が作り替えられたのだろう、全身から力が抜けて声をあげることしか出来ない。

 

「あああ♡あ、あ♡い、ああああああああ♡♡♡」

 

 そして、簡単に意識が弾けさせられた。ぼんやりとした視界には彼が引き抜いた指と彼女が興奮した証を見せつけているのだが、更には顔を赤くした白い狐の姿も見える。ただ、そこで思考を回せるまで酸素を取り込めていない。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……み、神子が……」

 

 ゆっくりと後退りしていく狐斎宮、この場から逃げなければ何をされてしまうのか……廃れた神社で過ごした一晩を思い出しているのか、腰が抜けてその場にへたり込んでしまう。

 

「どこ行くの、斎宮さん」

 

「ひゃっ!? ま、待って……はむっ!?」

 

 そんな彼女を、当然彼は逃さない。どんな手を使ったのか隣に移動させられた狐斎宮は腰を抱き寄せられて舌を絡ませられている。右隣には雷電影が満身創痍といった様子で浅く早い息を吐いているが、左隣には腰を抱き寄せられている八重もいる。

 

「んん!? んんん──♡♡ん……んんん!!」

 

「(斎宮様が、無理矢理口付けされてる……妾や影もあんな顔してたなら……あれ、なぜ妾は腰が捕まって?)」

 

 しかし、まだ頭が回復しきっていない。

 

「ぷはっ……んあっ♡ううう……」

 

「ふー……八重様、口開けて」

 

 そのまま、八重の腰を抱き寄せて顔を近寄せる。

 

「ふぇ……? んむっ……んんんんん!!??」

 

 流石の彼女も気付くだろう、視界の端には口だけで蕩けさせられた狐斎宮の顔が見え、目の前には自身も含めて皆を好き勝手した男の顔があるのだから。

 

「(これ! 斎宮様とさっきまでしてたから間接的な……!? ふわぁっ♡舌の裏舐められて……!? へ、変な声が出……んんん♡)」

 

 ただ、思考が追いついても拒むまでの余力などあるわけがなかった。

 

 ・

 ・

 ・

 

「ひゃめっ♡そんな、だめ♡」

 

「八重様はフワフワで影はハリがあって弾力感良いし、斎宮さんはムチムチで飽きないね♪ コリコリ感も違うし、可愛いね──♪」

 

「バン、また……んあっ!?」

 

 ・

 ・

 ・

 

「ひゃああああああああああ♡♡♡」

 

「ふぅー、影は休憩しててね。はい、八重様の番……嫌がらないの。ほいっと」

 

「ふわあっ!? さっきより硬っ!? 奥に当たっ……あああ!?」

 

「斎宮さんも、キスするからこっち来て」

 

「ま、まだ休ませ……んむっ! んんん♡♡♡」

 

 ・

 ・

 ・

 

「さ、斎宮様!? も、もう舐めるのは……♡ああ!?」

 

 ・

 ・

 ・

 

「わ、私は……慰み者になど……!」

 

「将軍様、状況わかってないの? 仕方ないな……八重様キスしてあげて。斎宮さんは胸ね」

 

「ま、待っ……2人とも……ひやああああああああ♡♡♡」

 

 ☆

 

 武闘派天然永遠系深窓令嬢の影さんは美味しかった。

 

 砂漠の中でオアシスに出会うどころか高級ホテルが出て来て満喫するぐらい楽しかった。

 あんなそっち方面何も知らない人を振り回すのは最高だね、お腹に赤ちゃんを作る機能とか戻した時の反応とか一生モノの衝撃あったわ。中に出されちゃう度に『も、もう……だめ……♡』って二重の意味で喉から抑えられない感覚を与えられたのは脳汁が出たよね。

 

 写真もいっぱい撮ったし、唾液の味や胸の柔らかさに先っちょのコリコリ感も楽しめたし、満足出来てよかった。

 

 ……さて、そろそろ現実を見るか。

 

 雷電将軍とも交代させてやったから満足できたけど、流石にアウトかな? 

 捕まえて4Pした八重様や斎宮さんも美味しかったけど、ちょっとやり過ぎたね。それぞれに中出しして汚れた股を舐めさせたり、その口でお互いにキスさせたり、斎宮さんに挿れた私と彼女の物で汚れた奴を八重様に舐めさせて掃除させる(ついでに飲んでもらった)時の顔とかも良かった。凄い興奮した、飲み切れずに少し口から溢してたからまた飲ませたのも良かった。

 途中から挿れてる1人に2人で胸や口にキスさせるのも良かった、最後まで抵抗していた八重様もこれで完全に堕とせて満足です。雷電将軍もこれで分からせておいたので後悔もありません。

 

 けど恐らく私は殺されるだろう。いや、惨殺された後に蘇生されて火炙りにされてからまた殺されると思う。

 

 全員のお腹に子種を注いだし。1人に挿入しながら1人はキスして、余った1人にキスしてる子の股を舐めさせたりキスしたりしてた。それをずっと……15周ぐらい? したから、全員最後はドロドロで写真があるけど情け無い姿を晒していた。

 うん、神様とか宮司とかの尊厳破壊してるよね。気持ち良くさせたのだけじゃ相殺できない殺意が降ってくる予感しかしない。

 

 逃げるのは確定だけど、出来ない事伝え忘れちゃったしどうしよう。これで万が一にも全員妊娠してたら私の人生が終わる、捕まれば稲妻へ永遠に閉じ込められるだろう。いや出来たら仕方ないんだけど、出来ると思われて出来なかったら父親としての責任という殺せない最大の理由が消えて首を刎ねられる。

 

 となれば、逃げる方法と場所だ。

 

 何か逃げてる最中に離島が完全に抑えられたらしい。船の検査を厳格化しろと勅命があったらしく、更には将軍直々に私の事を人相書きと共に名指しで連れて来いって幕府軍に命令したらしい。

 

 あかん、八重堂も何か私に懸賞金かけてるし鳴神大社の巫女も動員させてるらしい。

 

 詰んじゃう、本気で国を敵に回してしまった。

 

 でも仕方ないだろ、あっちが悪いんだから! ちょっと国のトップを押し倒して声が出ないぐらい抱き殺しただけなんだから! 向こうはもっとやばいことしてるから、因果応報ってやつじゃんか! 

 何百年も殴られたら反動で正常な判断なんてつかないだろ、私は悪くない。というかマジで影さんが8割は悪い、私の下半身を苛々させたのが悪い。

 

 そう弁明しても断頭台に送られるのは目に見えてるので逃げるしかないだろう。3人のお姉様の処女は返ってこないのだから、代わりにあげたのも実る確率は低い。なので私は不本意ではあるものの珊瑚宮に逃げ込む事にした。

 

 淵下宮の調査は断り続けたから、これをやる事を条件に逃げさせて貰おう。あのお姉様方から狙われるよりも命の危険は無い、私は珊瑚宮さんに会うべくその治外法権地帯に向かった。命が掛かってたので風元素も使って本気で走った。

 

 半日もかからずに本島から向かえたので一安心だろう。

 

 ……私、こんな足速かったかな? 

 

 後に雷電将軍からの修行がちゃんと身になっていたと知るのは淵下宮でやけに人間臭いアビスを久しぶりにしばいた時であった。

 

 ちなみに珊瑚宮さんも抱いちゃった。これで出来たら私の立場やばいのでは? 

 稲妻で新しい内戦が起きないか不安である。




 
デンセツニンムハイイハナシダッタノニナー

不穏テーヌの続編は待ってて下さい。
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