※この作品はR-18です。

私は人間(倫理観)を捨てるぞ、旅人!!   作:札幌ポテト

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フォンテーヌ編って魔神任務が割とシリアスなのでシリアス気味になるのは許して欲しい。

あけおめナヴィア回(前編)


貧乏ギャングのお嬢様ボスとの出会い

 

 その男に最初に出会ったのは、連続少女失踪事件の調査をしていた時だった。

 その事件は多数の少女が理由も無く消えてしまった事件であり、本来なら少なからず残る失踪した痕跡が辿れずに被害が増え続ける、奇怪な事件。

 しかし、それは奇怪な手段があったからこそ成り立っていたものであり、それはリネの無実を証明した後に明るみに出た。

 そんな事件を調べていた時に、出会ったのである。

 

「(まだ、事件は終わってない……でも何で水で溶かすなんて事を……)」

 

 それは目の前で思案する旅人、空とは違うもう1人だった。彼はパイモンと共に世界を旅する文字通りの旅人であるが、その存在とは毛色が異なる者だった。

 彼等は異国のものでありながら初めて人が水に溶けると推理してリネの冤罪をとき、更にはその真犯人を探している。何故ならその標的にされている可能性が高く、水に溶かして殺せないが故に直接的な手を使われてもおかしくないからだった。

 

 だからこそ、ナヴィアは手を貸した。自分の目的────過去に罪を着せられた実の父親、その無実を証明するため。そして自分の守る仲間達と胸を張って生きていく為でもある。

 

 彼女は紛争の仲裁などの問題解決をスケールの大小に関わらず手広く手掛け、公的機関が動けない時には市民救助の矢面にも立つポワソン町やフォンテーヌ地下の貧民街を拠点に動く──

──民間組織『棘薔薇の会(スピナ・ディ・ロースラ)』を束ねている。

 ただその組織は資金繰りが大変であったりとそこまでの強大な組織というよりは、寄り添う第三の家族という方が適切かもしれない。

 

 そんな彼女の手を彼もとった。互いの利害も一致しているし、拒む理由も無かったのだ。

 

「旅人? どうしたんだ? さっきから泉に……」

 

 ただ、そんな協力関係を築き事件を調べていた時だった。パイモンが泉に近寄りうずくまる旅人を揺らす、先ほどから反応が薄くそのまま動かなかったからだ。

 

「お、おい! 旅人!? ナヴィア、旅人が……!!」

 

「え? どうし……っ」

 

 ただ、揺らした彼はそのまま倒れた。見てみれば、意識が混濁してるように見える。しかし、そっちに駆け寄ろうとした時に別の異変に気づいてしまう。

 

 周りから、人が掃けている。代わりにマシナリーが異常な程に展開しているように見えた。

 マシナリーとは警備に動くフォンテーヌの特徴的なロボットである、なので他国で例えるなら騎士団や軍が警邏しているのは日常なのだ。しかし、それが大量に────見ただけで20台以上確認されてしまえば異常に気づく。

 

「おい、なんか様子がおかしぞ」

 

 付き人の1人であるシルヴァは剣を抜き身構える。本来人が集まるここに人が居ないのはこの違和感に距離を取ったのだろう。そしてそれは正しかったのだと、気づいてしまう。

 

「お嬢様、来ます!」

 

 同じく付き人のマルシラックの声と同時に、それらが襲い掛かってくる。パイモンを守るようにナヴィアは大剣を取り出し構えると、マシナリーの放ってくる元素の弾丸を弾いて近付いてきた別のマシナリーを弾き飛ばす。ただ数が数なので迎え撃つのは難しく、移動しながら攻撃を捌いていく。

 

「旅人、旅人! 起きろ! こんな時に……!!」

 

 パイモンは旅人を起こそうと大声を出しながら肩を揺らしているが、何があったのか起きる気配はない。毒や薬を盛られたならは食事を共にしたパイモンやナヴィアにも影響がある筈だがそれもない、更にはマシナリーは仕留める為というよりは逃さないように動く。

 ただ、その攻撃と準備からして真っ先に狙いそうな旅人には攻撃をする気配は見えない。むしろ狙っているのはパイモンでも、マルシラックやシルヴァでもない。

 

「(数が多い、それに狙いは相棒……よりも私? でも、このままじゃ……!!)」

 

 数が多過ぎる故に、1人では対処出来ない。時間を稼げば異変に気づいた誰かが助けに来るかもしれないが、流石にヌヴィレットなどのこの規模の兵力すら容易く薙ぎ倒す存在が近くにいるならここまで大規模には動かないだろう。

 

 つまり、これは自分達で対処しなければならない問題。そして旅人が起きたり誰かが駆けつけてくれる期待をするだけの時間を稼げなければ助けはないという状況。

 

「お嬢様! 貴方だけでも!」

 

「無茶言わないで!」

 

「しかし……っ!!」

 

 敵は強大過ぎる、資金力においては『棘薔薇の会』とは比較にならないかもしれない。だとしたらその資金源はどこからなど疑問は現れてくるが、それを考えるのはこれをどうにしてからの話だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 そんな、憩いの広場が悲惨な戦場に変わってしまった時だった。

 

「ありゃ、パイモン。また厄介方絡まれてるのか?」

 

 後ろから声が聞こえた、少しだけ振り向くとそこには横たわる旅人とパイモンの前に見覚えの無い顔立ちの……恐らくは稲妻か璃月特有の黒髪の男が居た。

 

「バンパー!?」

 

「久しぶりだな、スメールの学院祭以来か」

 

 ただ、そんな事にいつまでも気を取られていられない。攻撃をされている最中なのだ、突然この戦場に前触れもなく現れた男とパイモンが知り合いであるので敵ではないと思いたいが警戒をしつつマシナリーに剣を向ける。

 マルシラックやシルヴァには神の目はない、ここは神の目を持つ自分が何とかしなければならないのだ。

 

 そう思って、構えているのだが────

 

「偉い人にタメ口でもきいた? ここは正義の国だし不敬罪とか事実陳列罪でここまで取り締まったりするのかもしれんけどさ……自重しないの?」

 

「なわけあるかよ! というかオイラ達ヤバいんだよ! 後で何でもするから助けてくれー!!」

 

「え、何でも……? じゃあ申鶴の件とか良いかな……なかった事になる?」

 

 攻撃が、止んでいる。よく見ればマシナリー達は先程は気付かなかったが濡れているようで、水の塊が間接や足元で固まり何かしら邪魔をしているように見え、動きはぎこちなく静止している。

 不調か、もしくは何者かの助けか、はたまた突然現れた者と関係があるのか。ただいつまでもこの状態が続きはしないだろう。

 

「ちょっと、早く相棒を連れて逃げて! 狙いは私だから、急いで!」

 

 彼女は最初に選択したのは、旅人を逃す事だ。そうすれば少なくとも逃げ出せない状況は変わるし、場合によっては敵がバラけて彼女達そのものも逃げ易くなる。ただナヴィアとしては巻き込んでしまった責任から追いかけようとするマシナリーが居れば間に入り殿を務めるだろう。

 

「お嬢様、貴方こそ早くお逃げください! ここは私と……っ!?」

 

 そしてそんな事は長い付き合いで気付いているマルシラックが静止の呼びかけを行う。この場で一番大切なのはナヴィアなのだ、棘薔薇の会を束ねる彼女は失えない。

 

「うおっ、急になんだっ!?」

 

 だからこそ、彼女こそが旅人を連れて離れるように伝えようとしたが。

 

「これ、壊しても弁償とかしなくて良いよね。聞く前にやっちゃったけど」

 

 マシナリーが、地面から伸びた水の柱に貫かれた。恐らくは品番の無い裏で取引されたものであると見えるが、性能は本来のマシナリーと変わらないそれが、全て貫かれて空に打ち上げられていた。

 

 ☆

 

 私はこの前、チケットをあげちゃった(代わりに食べた)から一度審判の見学をしただけで歌劇場に行く予定がなかったのだが、そろそろリネットを味わう以外にも普通に娯楽を楽しみにそこに観光へ向かった。ちなみにここにはやべーのがあるが、やばかったら逃げようの方針です。

 それに歌劇場の前にはルキナの泉というフォンテーヌの水が全て集まると言われる場所もカップルに人気な広場らしい。今世は多分その気になれば彼女作れる気もするけど、女友達どころか知り合いの部分を吹っ飛ばして処女を楽しんでるので逆に難しいのかもしれない。

 むしろ告白経験はエウルアに『今から無茶苦茶犯すからな!?』みたいな宣告をカウントしなければゼロなので、本当に難しいかもしれない。

 

 なので、今日はロマンス系で軽く恋愛とは何かを見直してみよっかな程度の気持ちで広場に向かったのだが。

 

「この数の、マシナリーを……?」

 

 金髪の淑女とその取り巻きが驚いた顔をしている。私が警備ロボみたいなのを纏めて倒したからだろう。広場に行くと人が離れていってて様子がおかしなぐらいしか思っていたら轟音が響き、見てみれば旅人が倒れていた。

 

『まさか、指名手配でもされたか?』と私も現在稲妻から指名手配中なのでシンパシーを感じつつ、状況判断の為にも周りを止めて助太刀した次第だ。

 

 ちなみに全て間接部分とかに水元素を仕込んで行動不能にした後に、それぞれを刺し貫くだけの力を込めたもので地面から穿っている。流石の私もここまで水元素の扱いに長けていなかったが、雷神とのトラウマ修行により元素の扱いは飛躍的に向上しているので今は難しくない。

 

 本当に難しいのは女心という奴である。あんなに子供が欲しくないとか結婚だけはしないとか言ってたモナですら────

 

『え? もう、抱かない?』

 

『そ、そう……ですか』

 

『わ、私が望んだら婚姻はする!? 子供も認知する!?』

 

 借金分の体での支払いは終わったし、エッチはもうしなくて良いよと私は言った。ついでに手を出した奴には責任取れと幼馴染に言われたのもあり望めば責任取るとも言ったし、他にやってる子が居るのを彼女は知ってるのでここでエッチな関係は終わってしまうと思っていた。

 

 その翌日『ま、まぁ……私ぐらいしか、貴方の運命は覗けないでしょうし? 子供はその……嫌では無い、ですから』とか言って普通に子供出来た瞬間に婚約する誓約書にサインして持ってきた。どこに私で妥協する要素があったのか分からない。女心とは不思議であるが、今考えても分かる事じゃ無いのは確かだ。

 

 とりあえず目の前にある、分かんないけど何故か寝てる旅人の方に近寄る。

 

「なあパイモン、本当に弁償しないといけないやつ?」

 

「流石に大丈夫……だと思うぞ?」

 

「まあ、ダメな時は旅人がやった事にしておくから良いか」

 

「ダメに決まってるだろ!?」

 

 とりあえず、雑に彼の顔を掌で叩いてみる。ただそれでも彼は目覚めない、これは意識が昏倒したのだろう。原因は分からないが毒の類では無さそうだ。

 

「おーい、起きろ旅人……起きないないな。ちょうど水もあるし、(そこ)に沈めるか」

 

「本当に起きなくなっちゃうだろ!? おい、持ち上げようとすんな! 本気じゃないよな!?」

 

 流石にやらないけど、何でパイモンどころか助けたお嬢さん達からも引いたで見られているのか。

 流石に人の心があるなら冗談と気付くだろう。いやパイモンが割と本気で止めようとしてるせいだな、こうやって誤解が広がるのか。

 仕方ないので、そこは割り切って軽く水元素操って顔にかける事にする。

 

「ん……んん……?」

 

 すると漸く、旅人が眼を開き始める。

 

「久しぶりだな。元気そうには見えないけど」

 

「バン……? やっぱり、フォンテーヌに……っ!?」

 

 旅人はゆっくりと起き上がる。しかし、途端に周りの状況を見て跳ね起きて立ち上がる。それもそうか、辺りには気を失う前と異なり人の代わりに大量のロボットの残骸が転がっているのだから。

 

「これは、一体……」

 

「お前が倒れた辺りで、沢山のマシナリーに襲われたんだ。偶々通りがかったバンが全部やっつけてくれなきゃ危なかったぞ」

 

 パイモンが説明しているが、どうやら気を失ってからマシナリーの大軍に襲われたらしい。旅人ならこの数でも捌けるだろうし、私は雷電将軍に初見殺しの切札込みで2割勝てるぐらいにはなってるからな。ちなみにアビス由来の力とか使ってくるなら4割ぐらいになると思う。

 何で闇側の力の方が相性良いんですかね。人類の敵だからとか言われたら半分しか否定出来ないかもしれんけど。

 

 そんな風に考えていると、どうやら襲われていた3人が近寄ってくる。

 

 身なりとしてはお嬢さんと付き人かな。どっかのマフィアの御令嬢です? 雰囲気もマシナリーと戦えてたのも考えるに関わりたくはないのだが。

 

「バン……もしや、あのバンパー・ローレンスか」

 

「なんでもう浸透してんの? いや、私は一般的な冒険者してて……」

 

 ローレンスは公的に一度として名乗った事ないんだが? いや、なんかローレンス名乗らされる手続きはされたらしいけど、養子にでも入れられたのかな。でもエウルアの迷惑にもなるし、呼ばれない方が良いのかもしれない。

 

「旅人から数多の手柄を奪い取る下衆な放浪者。不吉の兆しや災いの根源、いつも何かしらの問題を振り撒くと噂が……まさかあれも君が居たからか!?」

 

「色々悪辣過ぎませんか?」

 

 本当に呼ばれない方が良さそうである。

 

 魔神をぶっ飛ばしたとか、雷神と眷属を纏めて押し倒してエッチなことしたとか、スメールの元素龍をぶっ飛ばしたとか、璃月七星のうち2人と肉体関係があるとか、そこら辺を吹聴されるよりは遥かにマシだけど。

 何かしらの手柄とかは基本騎士団とか七星とか旅人とかに丸投げしてるし、女の子の方は皆喋らないように教え込んでるし、広まるならこういった悪評なのも仕方ないか。

 

 むしろその方が侮ってくれるし、生きやすいかもしれない。なので弁明する気もあまり起きないのだが、見兼ねたお嬢さんの方が前に出る。

 

「やめなさい、彼は私達を助けてくれたのよ」

 

 凄い美人だ。出来る仕事の女みたいな雰囲気を、カリスマを感じられる。これが対外的なものとは言え感じられるのだから、実はそこそこの組織の御令嬢なのかもしれない。

 

「どう考えても、あれは私を狙ったもの。それに彼が相棒から称賛を奪うなんてせこい事は、この数を制圧できるならしない筈でしょ」

 

 相棒、と呼ぶあたり旅人とは親しいようだ。

 

 でも、こいつ色んな国で美少女と直ぐに親しくしてね? 

 

 顔か? やっぱり顔なのか、私なんて普通に恋愛したい時期も出来ないぐらいモテなかったからな。

 モンドじゃ隣にエウルアとジンがいつも居たせいで相対的に不細工に見えるの罠だったわ、かと言って『モテないのはお前らが悪い』とか暴論で責任取らせようと詰め寄っても名家でガチガチに縛られて自由じゃなくなるだろうし、この2人との結婚はないもんな。

 

 私は色々と世界を回ってるけど、初々しく恋愛らしい恋愛なんて恐らく出来ないだろう。

 素直に旅人のそこが羨ましいのだが、イケメンへの僻みほど惨めなものは無いのでやる気をなくしながらその場を去る事に決める。

 

「まあ……出来れば私がやった事にはしないで、旅人にした事にしといて貰えると。私は目立ちたいわけではないし、面倒事もやりたいわけじゃないので」

 

 面倒方は旅人が解決してくれるだろうし、世界の正統派な主人公っぽい奴の方が適任である。

 

「待って、バン」

 

 なのだが、その主人公のアテにされるポジションが私はダメだと思う。女の子に手を出しまくる奴はまずいよ? 我ながら欲望の中でも性欲とかいう一番他人に迷惑かけて発散する奴は最低なんだぞ? でもやめられないのだ、これはもう性である。

 

 ただ、それはそれとして聞いてきそうな事は予想がつく。

 

「フォンテーヌの予言、君はどう思ってる」

 

「私を頼るのはいいけど、私が頼りにならないように頼む」

 

 今の時期のフォンテーヌ、それに会えば聞いてくるとは思っていたので想像しやすい。

 

 人が水に溶けて沈む、それが罰を受けるという事。そんな予言……いや、予言というよりは宣告は確定された運命だからこそ、それを曲げればそれ以上の災厄が現れてもおかしくないのだ。そんな事を魔女会の人は言っていたし、業を煮やして釘が落とされてしまえばその地は滅ぶ。

 私を頼る誰かの1人にするのは良いが、私だけが最後の希望のようにされてしまうのは困る。その期待に応えなければならなくなるような厄介ごとを、やりたく無いのにやらざる得ないのだから。

 その相手の意図が神でも元素龍でも、天理であっても。相対して戦う事は後で死ぬほど後悔しても、邪魔をする為に立つ事を止められないのである。

 

「君に頼らなきゃいけない時は来ると思う」

 

「……本当に、本当に危なかったらな」

 

 ただ、私としても釘が落とされたり予言通りにフォンテーヌが滅ぶのは本意じゃない。仮に私がいる最中にそれが起きるなら、止める為に動くと思う。広めのマイホームも買ってるし、いやでも今後はほぼ住まないかもしれないんだよな……忘れてたけど維持とか掃除とかどうしよ、誰かに頼めるかな。

 

「何者なの、彼は」

 

「僕の知り合いの中だと────」

 

 後ろで旅人と御令嬢が話しているけど、今度こそ去る……歌劇場で劇を楽しむ事にする。

 恐らく一番の女好きとか言われてるのだろう、否定しない。

 

 ☆

 

 面倒事に巻き込まれたら嫌だなと思っていた私であったが、お天道様は視野が広いようで許されないらしく。

 

「あれ、タルタリヤじゃん」

 

「おや、久しいね。こんな場所じゃなきゃ久しぶりに手合わせを頼みたいぐらいなんだけど」

 

「嫌だよ、私は闘争とか無い人生が落ち着くの……ん? 神の目ないよな、見当たらないけど」

 

「ああ、ちょっと旅人に預けてるよ。少し調子が……そうだ、キミに見せたら何か分かるかな?」

 

 私はエピクレシス歌劇場に連行された。無論、裁判にかけられる被告人としてである。なんかリネットを抱いたりしながら過ごしてたらいつの間にかここにいるのだ、急に連れられて実は困惑してたりもする。

 

「静粛に」

 

 中央には最高審判官のヌヴィレットという人物……いや、人か? なんか見覚えがあるような無いような……過去に戦った何かと多分似てるんだけど思い出せない。とてつもない実力者だ、人ではないと思う。

 

「被告人タルタリヤ殿。並びにバンパー殿。君達2人には連続少女失踪事件の嫌疑がかかっている、それを認めるか?」

 

「いや、認めないよ?」

 

「同じく、身に覚えがない」

 

 ちなみに、私とタルタリヤかここにいるのはその事件の犯人として疑いが出たからである。しかし告発人は匿名、なのでこれは嫌疑を晴らすための事情聴取みたいなものでもあるのだろう。

 とりあえず、安心する事は連続処女強奪事件が聞き間違えであった事だろう。いや、本当に良かった。リリアが形振り構わず仕掛けてきたら最悪握らせた写真とかチケットとかが証拠提出されてついでにリネットやシャルロットが証人として召喚されて私は日の下を歩く事は出来なくなっていただろう。

 

 ただ、それは違ったが別事件の容疑者にはなっているのは喜べない。勿論私はやってないし、長引くとしばらくは裁判漬けだ、冤罪なら尚更こじれかねない。

 

「無実の罪の者を拘留するんです、それなりの根拠とかあるんですよね?」

 

 それに、私にはこの事件と関わりというか接点なんてそもそも無いのだ。目の前で人が水に溶けた事も無いし、ロシなんて麻薬みたいなのも概要しか知らない。私に付け入る隙など無いのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バンパー殿、君は前回の標的であったリリア嬢にチケットを譲ったと確認が取れている。その理由は何だ?」

 

「…………」

 

 …………。

 

「リリア嬢とは顔見知り程度と知る、答えて貰いたい」

 

 あったわ、思いっきり付け入れる隙が。

 

 てかリリア巻き込まれてのかよ!? いやリネとリネットのマジックショーで事件が起きたのは知ってるけど! 標的とか知らねえよ、私が主犯かその手足って疑われて仕方ないパターンとか想像出来ないじゃんか! 

 顔は良いし生意気で可愛いし無茶苦茶にしたら背徳感でくっそゾクゾク出来る最高の子だけど! それが襲われた理由か!? いやリリアがなんか襲われた事は『新しい能力』で分かってたけどさ! その時は直ぐに本人が落ち着いてたから気にしなかったのに!! 

 

 いや、戸惑うな。考えろ、真面目に考えないとメロピデ要塞にぶち込まれる!! そしてその後確実に、雷電将軍とか凝光さんとかシャルロットとかエウルアとかジンとか雷電将軍とか八重様とか雷電将軍とかに殺される!! 

 

「それって、私が標的に選んだんじゃなかって疑ってるんですよね」

 

 時間を稼ごう、まずは思考するまでの根拠探しだ。

 

「そうでは無いと、意見はあるか」

 

 この事件で、一番の問題はフォンテーヌ人が『原始胎海の水』に触れると水に溶けて消える事だ。しかし前回の事件で死亡したのは主犯と裁判中の買収された守衛とかだと聞くし、リリアは死んでいない。

 

 つまり、話すならこうだろう。

 

「私はリリアがモンド人なのは知ってました。人が水になるのはフォンテーヌ人のみって話が本当なら、私は容疑がかからないかと」

 

 フォンテーヌ人しか水に溶けないから、リリアは無事だったのだろう。連続少女失踪事件と聞くが、女性を慰め者にしてるわけでもないらしい。つまり、少女という点で狙いを定めている……もしくは、他に消したい存在が少女以外なので、意図してズラしているのか。

 

 そこら辺は恐らく捜査にあたる彼等も分析してる筈だが、人が水に溶けるなんて予言の戯言が現実になったのは最近だ、まだ捜査は進み切ってはいないと考えられる。

 

「それと、あげたのは向こうが私から盗もうとしたからですね。軽く説教してあげましたし……本人は話したがらないと思いますが」

 

「ふむ……なるほど、では君は偶然だと主張するのか」

 

 もう少し考えこみたい、偶然で片付けたいがそれだと天秤が不安定に過ぎる。意図しない証拠で吊し上げられたくもないし、この裁判を終わらせるには無実を証明するしかないのだが────

 

「あくまでも、私の視点の話をしても?」

 

 いや、それ以外にもある。無実を証明するほど難しい事よりは、決まれば直ぐに終わる事が。

 

「許可する」

 

「タルタリヤが選ばれたのはファデュイなんていう罪の着せやすい組織の執行官だから。私が選ばれたのはちょっとこの前、旅人達を狙った輩に邪魔したから……いや、正確にはタルタリヤを狙ってたけど急に私が現れたから纏めて告発したと思われます」

 

 無実を証明するには根拠が必要なのだが、アリバイや動機の無さを主張しようにも、主犯でないだけで事件に関係している可能性は残るわけだ。

 なら残さない方法は、何なのか。真犯人を探すべきだろう。

 

 恐らく無罪は勝ち取れるが、それはかなり時間がかかる。それは良くない、口を閉じてた私にエロいことされた人達がフォンテーヌに押し寄せると私は事件関係なく死ぬ。ここに長居は出来ないのである。

 

「旅人達はどうやら本当の犯人を追っていた、私を邪魔者と認識できるのはそいつらぐらい。ロシを捌いてるからマシナリーを違法に準備する財力もある……それでいてロシを捌くなら輸送の問題が大きい筈。商人辺りが犯人の候補にあたる」

 

 前世でもビール工場を作るってなる時、1番嵩むのは液体の輸送コストになるから小麦の生産地に工事は作らず、都市に近い場所にビール工場が建てられたりする。水ってかなり重いから、輸送コストは下げたい筈。なら出来るだけ近場、ロシって薄めた胎海の水らしいし遠いならかなり大規模にはなる筈だ。

 それにマシナリーをあれだけ初手でぶつけるとなれば相当な利益を出してる筈。やっぱり、捌いてる規模がデカい。

 

 そんな液体を運んでて平気なのは商人しか居ない。少なくともその輸送に関わる存在が生産場所を知っていると思う。

 

「都市部周辺から入ってくる液体、荷物検査とかはフォンタとかのラベルを貼ってすり抜けてるんでしょう。検査官は買収されてるだろうし、そこを調べたら犯行グループが見えてくるかと」

 

「ここ数ヶ月に都市に運び込まれた液体を調べさせよう。だが、それでも君の嫌疑が完全に晴れるわけではないが」

 

 犯人は商会や輸送関係の存在、そこまでは何とか絞れた。でもそこから絞るとなると難しい。

 

「過去に人が水に溶けた事を前提にした事件を探すのも良いかと。特定の商会が損をする、もしくは益を得る結果を探せればそこが黒幕でしょうし……いや、探してる最中ですかね?」

 

「いや、そこまで手は回っていない。優先して探させよう」

 

 言えてもここまでだ。私はその犯人の候補者が居ないから、ここから絞れない。

 あとはどうしたら良いか、いや実は簡単だったりする。私は敵意とか殺意とかの気配の区別が出来るようになっちゃったので、この歌劇場に来てる敵意をもった存在を見れば良い。

 元素龍しばいた時には別の能力も発現したし、割と便利だけど絶妙に痒いところに手が届かなかったりするんだけど。

 

 ちなみに、私が商会かな? って言ったら敵意を膨らませた奴が何人か居たから、そいつらだろう。何人か出て行ったから、ボスへ報告しに行ってる頃合いか。

 ただ追いかけるわけにもいかない、今は審判中だ。本当にやばくなったら、頭を使わず全員しばき回せば良いだろう。お仕置きであったとは言え私が抱いた子を殺そうとしたのだ、手心は加える心配はない。

 

「でしたら、私から言う事はないです。新しい犯人が見つかれば助かります」

 

 頭使いたくねえ、裁かれたらやばいと思って本気で考えたわ。やっぱ脳死で殴るのが一番だよな。

 連続処女強奪事件だと思った時は終わったと思ったけど、犯人も目星はついたし後でボコしとくか。ついでに可愛い子が居たら吟味……お、一番上に座ってる青髪の子、貴族の子か何かかな。向こうは気づいてないけど、この前キスした子っぽい。

 

 でもファデュイに狙われてたし、実はすごい力とか持ってるのかもしれないな。

 そんな事を暇なので考えていると、隣から感心した様子でタルタリヤが声をかけてくる。

 

「へぇー、君って割と頭を使ったりもするんだ」

 

 他人事みたいに言うが、タルタリヤも当事者なんだよな。私だけが働くのおかしくないかな、手伝わせた方が良いし。むしろファデュイパワーの力を借りた方が早く釈放されるだろ、てか助けろ。

 

「使わないと冤罪擦り付くからな。てかそっちも言い訳ぐらい考えてくれ」

 

 でも、人を動かすのって割と難しいんだよな。欲望とかくっ付けたら良いんだと思うけど、かと言ってこの戦闘狂と戦いたくないし。私の事を動かす時は性欲絡めたら良いけど、私でも無理難題はやらないしな。

 

「俺は最悪、あのクロリンデっていう決闘代理人と戦えたら良いからね。この前だと満足出来なかったからさ」

 

 と言うかその戦闘欲はクロリンデって人に向いてるらしいし、このまま何もしない方がタルタリヤ的には良い方向に進むのだろう。

 ちなみに決闘代理人は裁判で名誉をかけて戦う時の対戦相手とか何とからしく、基本的に強い人だけがなれる職業だそうだ。詳しくは知らない。

 

「君が相手してくれるなら、考えてあげても良いけど?」

 

「嫌に決まってるだろ」

 

 ただ、このタルタリヤにそれ以上の餌をぶら下げろと? 無理に決まって……あ、1人いるな。私が戦わずに済み、タルタリヤが戦いたがっていて、私がけしかけてもなんか許してくれそうな人が。

 

「なぁ、強ければ良いんだよな」

 

「必要条件だよ、俺が戦いたい奴はそうそう居ないんだからさ」

 

 この前ちょうど助けたばっかで、過去に私にそれなりに借りがあり、尚且つ私と同じかそれ以上に強いと思ってくれてる存在がいる。

 

「もし無罪勝ち取れたら、旅人とサシで戦わせても良いぞ」

 

「審判官、俺たちは無罪だ。この目を見てくれ、信じて欲しい」

 

 タルタリヤは欲に塗れまくった目をしていた。ちょろかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここに来て、半日ぐらい経ったか。

 

「久しぶりに旅人に助けられた気がする」

 

「助けられて言う言葉がそれかよ!?」

 

「いやー、助かったけど。私いつも君達に巻き込まれてるし」

 

 事件についてだが、無事に解決した。いや私が手を出すまでもなく、旅人達によって解決したのだ。犯人は予想通り商会の人間で、そこそこの規模で長い間少女を水に溶かしていたらしい。

 恋人が水に溶けた事を信じられなかったから許せなかったからとしても、恋人を取り戻そうと様々な少女達を口封じの為になど水に溶かしていったのは許されない事だろう。

 

「ナヴィアさん、それに『棘薔薇の会(スピナ・ディ・ロースラ)』の皆さんもありがとうございました」

 

「ふふん。これでこの前のお礼は返せたわね、でもここまで早かったのは相棒のおかげかな」

 

「以前の事など私は通りかかっただけですから、お礼をもらい過ぎて困ってしまいますよ」

 

 ただ、助けられたのはこの前助けたお嬢さん達の組織『棘薔薇の会』の人達がいたからでもある。というか御令嬢のナヴィアはギャングのボスだった、胸を張っていて可愛い。

 ちなみに棘薔薇の会はサンドルの河なんて呼ばれるフォンテーヌ地下の貧民街やポワソン町を拠点にしてるらしい。資金繰りが大変と噂には聞くぐらい金回りは良くないらしいので、少しぐらいモラを持ってかれそうだが、無罪をここまで早く証明出来たし痛くない出費でもある。

 

「なぁ、バンの言葉遣い変じゃねえか?」

 

「バン、変なものでも食べた?」

 

「初対面には礼節もつの当たり前だろうが、七星や騎士団は知り合いだから砕けてる部分があるだけなの。私だって最低限の気遣いくらい出来るわ」

 

「でも賢者にはボロクソ言ってなかった?」

 

「礼節ってのはな、お互い持ってなきゃ放棄するもんなんだよ」

 

 普通に旅人達にも感謝してるが、そこまで私って無礼なイメージあるん? いや、凝光さんとか会った時から関わりたくなかったから態度変わってないけどさ。

 かと言って舐められ……いや、凝光さんは舐めたし舐めさせて飲ませたけどそうじゃなくて。侮られるとじゃあ罠に嵌めて利用してやるか、みたいな悪人が世の中に多いからそこそこ強気な態度とった方が得なんだよね? それはそれで罪着せたら弁護する奴いないから嵌めやすいとかの欠点がある……あれ、どう択を取っても巻き込まれてね? いや侮られた方が杜撰になったりするから楽ではあるけどさ。

 顔が普通だからか? この世界基準だとイケメンには程遠いからか? だから巻き込まれたりするんかね。 来世は美少年になりたい。

 

「ナヴィアさん、これはささやかな気持ちです。受け取ってください」

 

 とりあえず、私はナヴィアさん達にお礼をしなければ気が済まないので懐から出した紙切れに数字を入れていく。雰囲気としてギャングというには優し過ぎるし、この前の襲撃は片手間で処してしまったから、少なからず気持ちとして渡したくなったのだ。

 

 ただ、これを渡すだけで済むとかそういう気持ちではない。ただ気持ちを示すのに、こういった形でしか今は払えないので少し残念でもある。

 

「そんなの良いわよ! 私達はあくまでも、この前助けてくれたお礼……に、だし……え、え……え?」

 

 というわけで冒険者協会に預けてる私の全財産……の、うちの1割にも足りないぐらいの数字を書いた小切手を渡しておく。どうせドリーとライセンス契約してる女性物下着の売上が入って直ぐに元の額に戻るし、私もあまり使わないから影響はない。

 それにモラは天下の回りものだ、私も少なからず回した方が良いだろうしこんな時じゃないと使わないのだから使った方が良い。

 

「あ、あの、バンパーさん? その、0を二つぐらい間違えて……」

 

「足りませんでしたか?」

 

「ち、違っ!? そんなわけないわよ!」

 

 なのでナヴィアさんには受け取って欲しいのだが、やはりこういった正規の契約に結んでない報酬は受け取らない主義なのかもしれない。それはそれで、彼女達の誇りを汚してまで渡したいわけではないのだが……私のワガママでしかないし、他にどういった礼をしたら良いのか。事件は解決したし、人脈ぐらいしか取り柄ないからな。

 凝光さんは今会うと男のシンボルがナイナイされちゃうし、ドリーとの顔を繋ぐにはモラ至上主義の彼女とは相性が悪いかもしれないし……難しそうだ。

 

「(ねぇ、これ『棘薔薇の会』の年間経費だと何倍……?)」

 

「(……ちょうど2倍には)」

 

「(嘘でしょ!? 受け取れないわよ!!)」

 

 そんな考えをしてるとナヴィアさん達が何か話し合っていたらしく、少し顔を逸らしていたが、私の方を向いてくれる。その手には私の渡した小切手が握られており、何かしら葛藤でもあるのか震えているように見える。あれか、足りない額を上手く言う方法とか考えてるのか。

 何故かパイモンと旅人が生温い視線を向けて来てるが、何故だろう。気にする事ではないと思うけど。

 

「バンパーさん、気持ちは嬉しいわ。でも私達『棘薔薇の会』はモラで動くわけじゃない、大切な要素ではあるけど一番大切なのは人と人の縁で結ばれた……」

 

「あ、足りない分はこれで」

 

「これからも『棘薔薇の会』を贔屓にしてね! VIPで対応するわよ! バンパー・ローレンス様!」

 

「「((お嬢様!?))」」

 

 ナヴィアさんは快く2枚目の小切手も受け取ってくれた。同じ額を書いておいたので納得してくれたらしい。少しぐらい打算のある人で良かった、そうじゃないと私この人に惚れてるからね。いや十分に好ましいんだけど、そんな聖人君子は居ないから。

 

 特に組織のトップで民衆の生活とかを考えなきゃいけないトップなのだ、モラは大切である。恐らく彼女の言う通りモラは最優先ではないのだろう、かと言ってモラを受け取らずに仕事をしては組織も慕ってくれる民衆も守れない。

 だから私に遠回しで『モラが足りねぇよなぁ?』と言って来たのだ、腕を震わせて言うのを躊躇うほど優しい子なのだろう。私も相場を知らなかったので申し訳ない事をした。

 

「(お嬢様! 何で受け取っちゃったんですか!?)」

 

「(だって! だって! この前旅人達に気前よく奢ったから今年の経費限界だったんだもん!!)」

 

「(だからと言っても、この金額はまずいですよ!? 経理が泣きますよ!?)」

 

 と、また私が考えごとしてる間に色々話し合ってるみたいだ。聞いてなかったので分からないが、早くもこの資金の運用法でも話し合っていたのだろう。出来るボスとその部下の関係が垣間見えて新鮮である。

 

 そんな時だ、劇場の方から声が聞こえる。

 

「ところで、俺はそろそろ帰って良いかい? 真犯人は出たみたいだし」

 

 タルタリヤだ。私もタルタリヤも被告人であったが退廷したわけではなく、席で待機していたのであった。

 しかし、最高審判官のヌヴィレットは快く送り出してくれそうにない。

 

「待っていただきたい。法廷の規則に則り、タルタリヤ殿とバンパー殿には最後の審判を受けて貰いたい」

 

 順序という奴らしい。これは無罪宣告をしてないからか、最後にその過程を踏んで終わらないといけないのだろう。仕方ないのでタルタリヤと私は登壇する、ナヴィアさん達は小切手を握りしめて色々話していたらしいがこちらを見ない辺りは大した流れではないのだろう。

 逆に旅人達は何であんな生温い視線を向けて来るのか、私は何もしてないのに。

 

「それじゃあ、バン。後でセッティングよろしく♪」

 

「タルタリヤとファデュイは役立たずだったのに……?」

 

「辛辣過ぎない?」

 

 後タルタリヤの報酬の件とか、どうしよ。アテにした私が悪いか? まあ、旅人に投げとけば良いだろ。

 

 やっと面倒ごとが無くなると思えば、体の力が抜けて来る。懸念なんてないし、頭も疲れていたので私はこの時ばかりはかなり気が抜けていたと思う。

 

「真犯人が現れた事により、2人の罪は消滅した。よって無罪となる」

 

 無理もない筈だ、真犯人は見つかってるし罪なんて無い。このまま無罪判決を受けて釈放され、また適当にフォンテーヌで暮らしとけば良いと。

 

「これは……」

 

 そのはずなのだが、最高審判官様の反応が少し変だ。少しだけ考え込んでから私達を一度見ると、また出てきた判決に目を移している。

 本来であれば、無罪放免から私のフォンテーヌ安穏生活がまた再開するはずなのだが。

 

「諭示裁定カーディナルスの審判結果を告げる

 被告人タルタリヤ殿────有罪

 並びにバンパー殿は────保留とする」

 

 人生とは甘くないらしい。

 

「2人とも、メロピデ要塞へ」

 

 私達は、メロピデ要塞にぶち込まれる事が決まったのであった。





変態がメロピデ要塞にぶち込まれた理由は後々出ます。
 

C103のコミケは行きましたか?

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  • 行った(物販側)!
  • 行けない事情がががぁ!
  • 行ってない
  • 来年は行く!
  • 結果を見たい人用
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