※この作品はR-18です。

やるべきことはセックスです、と彼女は言った。   作:にゃあたいぷ。

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1.昔は読んでいるだけでわくわくした説明書、ゲーム慣れし過ぎて流し読むこともしなくなった現在。チューントリアルをスキップして、実質縛りプレイ。

 四畳半の部屋を出ると、長い廊下が続いていた。

 今居た部屋は最奥手前にある部屋のようで、左手には地下に続く階段と物置部屋のような部屋がある。

 右手には、幾つもの扉が等間隔で並んでおり、その突き当たりは、大きな部屋になっていた。リビング兼用のダイニングキッチン、そこには大きな机が置いてあり、片面三つ、計六つの椅子が並べられている。

 その椅子の上には三人のボイスロイドが腰を下ろしている。

 白を基調したセーラー服を着た二人の少女。そして、黄緑色のずんだの妖精。ちょっと理解が難しい組み合わせにボクは首を傾げる。

 何故、鳴花姉妹とずんだもん? そこは結月ゆかりと弦巻マキなのでは?

 ずんだもん、ボイスロイドじゃなくない?

 

「ヒメは余計だったけど、最初がミコトとずんだもんなのには理由があるよ」

 

 月読アイは萌え袖を振り上げながらリビングに向かった。

 その声に三人も反応して、席を立ち、ボクの方へと歩み寄ってくる。

 ボクの身長は、鳴花姉妹よりも少し小さくて、ずんだもんと同じくらいだ。

 アイちゃんよりかは頭ひとつ分くらいは大きい。

 

「うわぁ、美人さんだねえっ! 可愛い!」

「確か僕達の好みを足して人数分で割った感じになってるんだっけ?」

「今でこれなら将来有望なのだ。ボク達は成長しないけど」

 

 鳴花ヒメがボクの顔を抱き寄せて、頬とかをペタペタと触ってくるし、鳴花ミコトはボクの頭を撫でてくる。

 凄く、良い匂いがする。鳴花という名が示す通り、花のように良い香りがする。思わず、ボクの方から身を寄せて、嗅ぎに行ってしまうかのように。ヒメの胸元付近で、すぅっと息を吸い込んだ。その事にヒメは気づかなかったようだけど、ミコトはボクの目を見て、にんまりと笑みを深めていた。

 ヒメから奪うようにミコトがボクの顔を胸元に抱き寄せる。ちょっと硬い感触、ヒメもそうだけど、まだ幼い為か胸の感触は、ほとんど分からなかった。ヒメとはまた別の香りがする、お腹の奥の方がキュンと疼くのを感じる。初めての感覚に困惑する。ヒメは、そんなボクのことを「あらあら」と含みのある笑みを浮かべてみせる。

 ずんだもんは遠巻きにボク達のことを眺めるだけだ。ただ、その目付きがなんとなしにいやらしく感じられた。

 

「はいはい、そこまでにしておくんですよー」

 

 月読アイがパンパンと手を叩いて三人を制止する。

 はーい、とミコトはボクのことを胸元から解放すると、その手を引っ張って机の方まで連れて行かれた。

 真ん中の席、そこに腰掛けるように促される。

 

 椅子に座ると、その両脇を鳴花姉妹が陣取った。

 アイちゃんは少し面白くなさそうな顔でボクの対面に座り、その隣にずんだもんが腰を下ろす。

 やっばい、さっきの感覚がまだ頭から離れない。胸の鼓動が収まらない、トクントクンと脈を打っている。思い出すだけで、今はない男の象徴が勃起してしまいそうだった。ないのがもどかしいくらいだ。ぽけっとしているボクの手を左右の鳴花姉妹が感触を確かめるようにギュッギュッと両手で握り締める。

 五人全員が席に着いたところで、コホン、とアイちゃんが咳をして、場を仕切り直す。

 

「この五人で動画作成をする事になるんだけど、先ずは自己紹介からしとこっか」

 

 名前は知っているし、大体の経歴も分かっている。ボクの知識が大元になっていると云うのであれば、ニコニコできる動画投稿サイトで実況している彼女達と似通ってくるはずだ。それでも自己紹介はお互いを知る上で大事な事なのかも知れない。

 とりあえず言い出しっぺの私から、とアイちゃんは舌足らずの声で告げる。

 

「私は月読アイ。知っていると思うけど、弟にショウタが居ます」

 

 最初に目覚めた時、椅子に座りながら見守ってくれていた幼子。

 桃色で萌え袖の園児服、栗色の髪に足下まで届くほど長いツインテイル。十歳にも満たないような幼い体躯をしており、それ相応の可愛らしさを持っているが、その内面は見た目相応のものとは云えない。時折、見せる暗黒面。そして豊富な知識を携えた最古のボイスロイドの片割れ。それが彼女、月読アイだ。

 なんとなしにひぐらしの梨花ちゃんに通ずるところがある。

 

「はいはーい! ヒメは鳴花ヒメだよ! よろしくねー!」

「僕は、鳴花ミコト。ヒメとは双子だよ」

「私の方がお姉ちゃん! マスターも、私に甘えてくれても良いんだよ?」

 

 続いて自己紹介をしてくれたのは鳴花姉妹。元気よく手を上げたのが鳴花ヒメ。

 白いセーラー服に桃色のスカーフ、見た目は中学生程度。彼女の桃色の髪も印象的だけど、それ以上に目を惹くのは頭に生やした鬼か悪魔のような二本の角である。光沢があって、触るとスベスベしてそうだ。側頭部から触覚のような黒い髪を生やしており、それが良いアクセントとなっている。

 もう一人、妹の鳴花ミコトは何処となくボーイッシュな印象があった。

 ヒメと同じ服装で、同じ顔。髪色が桃色から水色に変わっており、長い髪を三つ編みで纏めている。変化といえば、その程度。しかし、その低い声色や立ち振る舞いもあってか、なんとなしに男らしかった。肩幅も狭いし、男の娘が実際に居るとすれば、こんな感じなんだろうな。と云った感じの雰囲気を持っている。

 さっきからボクの手を握る二人の手付きが、なんとなしに厭らしい。指先を絡めるような手触りに、二人の熱が伝わってくる。

 

「ボクはずんだもんなのだ。東北家に居候させて貰っているずんだの妖精、人型の姿を取れるようになってからも犬小屋で暮らして来たのだ。最低限、文化的な生活をさせて欲しいのだ……」

 

 ハイライトを失った瞳で重々しく呟くのは、ずんだもん。

 黄緑色の髪が特徴的で、うなじ辺りから尻尾のような、触覚のような、ぷにっとした黄緑色の何を生やしている。触ると気持ちよさそうだ、頭からは枝豆を模した耳のようなものを生やしており、彼女が宮城名物のずんだ餅をモチーフにしたキャラクターであることを思い出させてくれる。公式、女の子。スペンサー付きの短パンに白のシャツ。太腿を大きく露出させた姿は一見するとショタっ子にも見える。

 彼女はボイスロイドではなくて、ボイスボックスを介することで声をお届けするキャラクター*1なのだが「その辺りの境界線はふわっとしてるのだ、あまり踏み込んではいけないのだ」と、餡子堕ちしそうな、ずんだもんから咎められた。

 

「まあ、一人一部屋で良いんじゃないの? 部屋、たくさん余っているみたいだし」

 

 ボクが言うと、ずんだもんは、パァッと明るい笑顔を見せてくれた。

 

 全員が自己紹介を終えたところでボクの順番が回ってくる。

 ボクの名前は蕾。その女の子らしい名前が、あまり好きではない。格好良いと呼ばれるよりも可愛いと云われる事の方が多くて、幼い頃は男よりも女の友達の方が多かった記憶がある。少しでも男らしくなりたくて、格闘技を学んでいた時期もあった。

 そんな感じ、前世。今回、本当に女の子になってしまったのは遺憾の意である。

 

 自己紹介が一通り、終わったところでアイちゃんが「早速だけど本題に入るよ」と話を切り出した。

 

「やるべきことはセックスです」

 

 と彼女は部屋でボクに言ったのと同じ言葉を口にする。

 

 セックスをしなくてはならない目的に関しては、部屋で話を聞いた。

 しかし、今すぐにセックスをしなくてはならないのには別の理由がある。

 

 それは寿命だ。

 

 ボクの寿命はボイスロイド全員の寿命が尽きるまで、ボイスロイドの寿命はボクとセックスした回数で増える。

 具体的にいうと射精一回で三日分。理屈や理由は分からないが、そんな感じで神様に設定されているようだ。なので彼女達は恒常的にボクとセックスをし続けなければならない。ちなみに射精一回っていうのは、体内に射精した回数だ。それが口の中であっても、お尻であっても、変わらずに三日分の寿命が加算される。ちなみに、ぶっかけだと一日分になるようです。ゴムへの射精は適応外であり、ゴムに出した精子を飲んだり、注がれたりすることで半分以下の効率で寿命に加算される。外に出すよりも中に出した方が効率的という辺り、本当に徹底している。

 なのでボクの見た目は彼女達の好みが反映されており、彼女達にはボクの好みが反映されていたりする。

 正に一蓮托生とは、この事だ。

 

 ちなみにボクがボイスロイド以外の人とセックスをするとボイスロイド全員が射精一回に付き、一日分の寿命が加算されるという話である。

 見知らぬ相手とのセックスはしたくないとは思う。けど、今、机を囲んでいるボイスロイド達も実質、知らない相手だったりする。それでもセックスしないといけないけど、セックスしないと彼女達が死んでしまう事になるので致し方なくだ。

 想像するだけで、ちんこが勃起しそうになる。ちんこないけど。

 

「ん?」とボクは首を傾げた。ちんこないのにどうやってセックスするのかな、と。

 

 隣を見た、片手を恋人繋ぎで指を絡めるヒメが顔を真っ赤にしてボクのことを見ている。

 なんとなしに視線を落とした。赤色のミニスカートを押し退けるようにテントを張る股間部、反対側を見た。ミコトの股間は、ヒメよりも元気に反り返っている。アイちゃんは振袖を口元を覆っても、隠し切れない悪い笑顔を浮かべており、ずんだもんも照れくさそうにボクから視線を逸らしている。

 ああ、うん、これは、うん。そういう事か。いや、流石にボイスロイド全員を相手に射精はきついなって思ったんだけどね、うん、そういう事か。

 美味しく頂かれるのは、ボクか。

 

「処女喪失は一度しか撮れない大切な撮影です。大事な大事な初配信、お兄さんに配信に嵌った視聴者でアーカイブの最も目を通される動画。エロ小説でいうとファーストセックス、抜き目的の人が先ず通すべき一話になることは間違いないね」

 

 どちゃくそシコイ撮影をしましょう、とアイちゃんは無垢な笑顔で口にする。

 

「お兄さんのPCに残されたDドライブの情報からプランを練るように神様から言われてるよ」

 

 そう言うとアイちゃんは、目の前に手を翳した。

 するとSF系でよく見かけるような、ステータスオープンと口にすると出現するような、何もない場所に長方形で半透明の画面が出現する。ミコトやヒメ、ずんだもんも同じように手を翳して、画面を浮かび上がらせる。ヒメの画面を横から見ると、そこにはボクが前世で見覚えのある同人誌や同人CG、同人ゲームといった情報がズラリと並んでいた。その全てがエロ関係である。同人関係だけではなくて、商用もある。しかし、購入しているものは同人系の方が遥かに多い。

 理由は簡単、ボクのニッチな性的嗜好を満たせるものが同人関係の方が遥かに多かった為だ。

 

「オカズにした回数も分かるようになってるので、とりあえず上から順にソートするね。処女喪失と紐付けして、と……」

 

 そうして上位に上がるのは、強姦系、凌辱系。純愛系は遥か下へと流れ落ちていった。

 ボイスロイドだと、視覚から情報を取り込まなくても良いのか、そのアイコンを指先でクリックする度、うわぁ、とか、へぇっ、とか、そんな言葉が皆の口から漏れる。にゅう工房が好きでも良いじゃない、ちんちん亭が好きでも良いじゃない。処女喪失には、アナル処女も含まれていたようであり、男の娘ものが幾つか上位に来ていた。これに興味深く笑みを浮かべていたのはミコトであり、男の娘が相手のアナルを犯す内容のものを読み込んでいる。

 アイちゃんは、にまにまと笑みを浮かべており、ずんだもんはもじもじと恥ずかしそうに身体を揺らしていた。

 

 たぶん、これ、あかんやつ。ボクは皆が口を開く前に、恐る恐ると手を上げる。

 

「ボク、純愛ものが好きだなぁ……って」

 

 優しくしてほしい、と存外の意味を込めた言葉は「関係ないです」とアイちゃんの無慈悲に切り捨てられる。

 

「参考にするのは、お兄さんが最もシコれるエロ同人であって、お兄さんを気分よくセックスさせるのが目的ではないですよ?」

 

 まるで天使のように爽やかな笑顔を前に、ボクは、これから自分の身に起こる未来を想像し、サァッと血の気を引かせた。

 みんな、ボクを凌辱するつもりなんだ! エロ同人のように! エロ同人のように! 抗議の声を上げようとしたボクの前に、皆と同じ画面が映し出される。そこには、獣姦ものの表紙が映されていた。犬とセックスして処女を喪失する内容であり、これで何度も抜いた記憶がある。

 顔を上げる、アイちゃんがニコニコと笑っている。ボクは押し黙った。せめて、初めては、ちんこが付いてても、可愛い女の子が良かった。

 

「出来るだけ、情けなくて惨めで、尊厳を破壊するような処女セックスです♪」

 

 ボクは皆に向けて、幾つかの言葉を伝えたい。

 二次元と現実の区別は付けましょう、と。

 凌辱や強姦、緊縛。尊厳破壊は創作だからこそ抜けるのだ。

*1:
東北三姉妹は東北復興支援の為に登場したキャラクター。その後の活動の一環としてボイスロイド化。ずんだもんは音源データの配布。本来、元ネタとして語るべきは、公式漫画や公式小説。




名前:月読アイ
外見年齢:5 性別:♀
好きなエロ同人誌:
「Tiny Evilシリーズ」「ゆかり珍あかり珍パラダイス」
「ファミリークラッシャー 女装男子の手によって父子家庭が崩壊するまで」
好きなエロ同人ゲーム:
「淫界人柱アラカ」「RAW MEAT」「悪女の栄冠」
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