湯気で上気した濡れた身体にタオルを巻いた姿で浴室から上がり洗面台の鏡を覗き込む。
「……はあ」
セリアは浮かない顔で自分の上半身を眺め深いため息をついた。
服のポケットに入っていた小さな手芸用のメジャーを取り出し自身の胸部に巻き付ける。
──何も変わらない。3年間で何一つ変わっていない。
「……やっぱりこんな身体じゃだめなのかしら」
セリアは物憂げに残っていた水滴をタオルで拭き取り下着を身につけた。
「た、谷間がほしい?」
「しーっ!声が大きいです……っ!」
場所はアマンドのリッカ商会中央応接間。商人同士での取引や商会に使われ本日は貴族の来客ということで貸切になっている。
伯爵令嬢のセリア・クレールから個人的に頼みがあると内密に依頼されてどんな商談の話をされるのかと身構えていたリーゼロッテはセリアからの要望に素で答えてしまった。
「あ、ごめんなさい。えっと、そのような感じの商品がほしいということですね」
「は、はい。」
セリアは恥ずかしさのあまり白い肌をピンク色に染め消え入るような声で頷いた。
それを見てリーゼロッテはセリアの淑女としてのプライドと商品の展望を商会で培った賢い頭脳と鋭さで整理した。
──これはまた日本の技術が活かされる時ね
「お任せください。セリア様、リッカ商会が総力と技術を注ぎ必ず満足のいく品物をご用意いたします」
「よ、よろしくおねがいします……。」
セリアが何故自身の身体に関して(主に胸部)気にするようになったのかというとラティーファ達とのある一幕が発端であった。
「女はほうようりょく、だって聞いたことある!」
ラティーファ、美春、オーフィア、セリアは同じ布団を囲み真剣に男(リオ)がもとめることについて熱き討論(女子会)が行われていた。
「包容力ってどうしたらいいんでしょうか」
美春が難しそうな顔で首を傾ける。
「受け止めてあげる優しさ?とかかしら」
セリアが真剣な眼差しでリオのことを思い浮かべ思案する。
「やはりお付き合いされている方はわかっていらっしゃいますね」
オーフィアはわざとらしく悔しそうな眼差しをセリアに向ける。
リオとセリアに起こったこと、その後の関係についてはみんなに一通り話していた。皆一様に話した当初は驚きと嫉妬に苛まれていたが最終的な結論が早く来たのだということで落ち着いたらしい。
「そ、そんなにはまだわかってあげられていないのだけれど。」
セリアは気まずげに伏し目がちで答える。
「やっぱ胸の大きさは大事だよねー」
ラティーファは無邪気に手を合わせて思いついたことを述べていた。セリアの顔から色が抜けていく様を見てすぐに自分が失言をしていたことに気づき焦ってフォローを返した。
「せ、セリアさんはそんなの気にする必要ないくらい可愛いしっ」
「そうですね!スレンダーで素敵です」
そんな2人のフォローは既にセリアの耳には入っていなかった。
──やっぱり私みたいな子ども体型じゃ不満よね……
「セリア、最近何かありました?」
朝の食事を終えいつものように紅茶を入れながらリオはセリアの物憂げな表情をみて訊ねた。
「う、ううん。なんでもないわ大丈夫」
セリアははっとして引きつった笑顔を作り首を横に振る。
「……」
リオはセリアに近付き顔を寄せた。真っ直ぐ射抜くような瞳でセリアを見つめる。
「俺、何か嫌なことをしましたか?」
彼女の華奢な手に自分の手を重ね座っているセリアを下から伺いながらリオは少々不安げな顔を向けた。
「そんなことないわ!ほんとに、なんでもないの。」
セリアはそんなリオの追求にいたたまれなくなりさっと手を離してぱたぱたと自室に帰る。
───避けられている、気がする。
リオは己の行動について省み思案した。
セリアは自室に帰るとまたひとつ大きなため息をついた。
まさか胸の大きさ一つでこんなに悩んでいるのだとは恥ずかしくて言えない。
リオは優しいからきっと私に不満があっても言わないでいてくれる。
それに甘えて何もしないでいるのは忍びなかった。
ふと机の上に小包が置かれているのが目に入った。
差出人はリッカ商会からだった。
小包をあけると一筆箋が添えられておりリーゼロッテからの手紙だった。
ついに完成しました!これでツーサイズはアップできます。
頑張ってください!
中には薄紫色の可愛らしいフリルとレースを使った下着だった。
セリアは目を輝かせ下着を手に取り早速身につけるべく服を脱いだ。
──さすがリッカ商会製の下着ね。とっても可愛いわ。
入っていたセットアップはセリアのサイズにぴったりと合い肝心の胸元には控えめだが谷間ができていた。
姿見を見て自身の姿に小さく感嘆の声を漏らすセリアは同じくしてノックする音に気づいてはいなかった。
「セリア?……っ?!」
「きゃっ」
リオは入ってくるなりセリアの姿に慄き回転した。
「すみません着替え中に」
セリアは来ていた服を手に体を隠してしゃがみこむ。
──あ、せっかく可愛い下着が届いたのだから見てもらおうかなとリオに声を掛けようとしたその一瞬とあることに気付いた。
……1度ちゃんと見られているのに下着で谷間を作っているなんてバレバレじゃない……。
恥ずかしい。色々な意味でこれは恥ずかしい
「あたらしい下着が届いたのだけれど、ちょっとなんていうかリオには見せられないの!」
セリアはしゃがみ込んだままワンピースを急いで被った
……俺には、見せられない……?
なら、誰に見せるのだろうか……。
リオは考えるよりも先に体が動いていた。
振り返ってしゃがみ込んだセリアを立たせて見つめる。
急いで服を着たせいでセリアの髪の毛の結び目は崩れておりワンピースも少々はだけていて色香を纏わせていた。
そのままセリアの後頭部に手を回してベッドへ押し倒す。
セリアは呆気なくリオのされるがままベッドに横になった。
リオはセリアの両手首を少々きつく握り彼女を上から見下ろした。
「……誰に見せるつもりなんですか」
「え?」
リオは彼女のワンピースをたくし上げ太ももに指を這わせた。
「……俺以外にこんな可愛らしい下着姿を見せるつもりなんですか」
「ちがっ、んっ」
リオはセリアの返答を待たずに口付けを落とした。
そして両手首を片手で彼女の頭上にあげ空いたもう片方の手でセリアの身体に指を這わせ始める。
初めてのあの夜とは違い荒々しくも優しく身体をなぞる感覚にセリアは熱を帯びていくのがわかった。
誤解だと言いたいがリオが握っている手を振りほどくことはできず這わせている手を止めることが出来ない。
「んんっ、あっ」
甘い声を抑えることもできずただただリオの愛撫に従ってしまう。
「だ、だめっ」
リオの手が胸元に来た時セリアは声を荒らげてしまった。そこでリオは動きを止め傷付いた表情になる。
その顔を見て更にいたたまれなくなったセリアは涙目で訴えた。
「わたし、胸、ちいさいでしょ……?だからちょっと大きく見える下着を頼んだのだけれどリオに既に見られているのに何を悪あがきしているのかって気づいたら恥ずかしくて……ごめんなさいリオ」
リオはセリアから起き上がりベッドに足をかけ座りながら小刻みに肩を震わせた。
「ふはははは」
そして堪えられなというように笑い出す。
「そ、そんなに笑わなくても」
セリアは少し拗ねたように布団を被り顔を隠し潜った。
「いや、すみません。あまりに可愛いくて」
リオはセリアの潜り込んでいる布団をめくって彼女の頭を撫でた。
「もう、私には凄い悩みなのよ……?」
セリアはリオの手を握り軽く上目遣いで睨む。
「セリア」
「……なに?」
「好きです」
「ふえっ?!」
セリアはリオからの突然の甘い囁きに頬を紅くした。しかしそののち悪魔の囁きに変貌した。
「俺を避けてくれた分、覚悟してくださいね」
リオは言うやいなや目を丸くするセリアをよそに深く口付けた。
「まってっ……やっ…っ」
ちゅくちゅくと音を立てながらセリアは両足を開き自身の秘部を愛撫されていた。
リオの舌先が突起に触れる度身体の奥から快楽が押し寄せ腰を浮かせてしまう。逃げるように足を閉じようとするとリオはセリアの太ももを掴み固定させてしまう。
「ひゃっ……あ、んっ……」
溢れ出る蜜を絡め取りながら中指を奥まで入れる。中は既に熱くひくひくと指を締め付けてくる。
指を出し入れしながら突起を舐めるとセリアの甘い声が更に大きく響く。
「んっ、リオっ……もうきちゃう、からっ……やめてっ」
セリアは頬を朱色に染め上げリオの頭をぽんぽんと叩く。
「こんなに濡らしてるのに?」
リオはにっと口元に笑みを浮かべると舌と指の動きを早めた。
「やっ……あっあっ…」
その動きに合わせてセリアの喘ぎと腰が連動して動く。
「……だ、めっきちゃうっ……っんんんーっ」
「いいですよ、いって」
悲鳴のような高い声を発しながらセリアは絶頂を迎えピクピクと身体を震わした。
セリアが達したのを感じるとリオは即座にセリアの胸元に手を這わす。
片方のブラの紐は下がっており、彼女の背中に手を回してプツンとホックを外した。
「ふふっ」
「……笑わないでってばあ……」
セリアは胸元を隠すように手をクロスさせた。が、すぐにリオに腕を解かれた。
「俺はセリアの全てが好きなんですよ」
照れたように笑いながら彼女の乳房を優しく手で撫でる。
桜色の突起はだんだんとそそり立ち触れる度甘い声が漏れ出ている。
「んっ……ふっ」
片手で揉みしだきつつもう片方の突起を口に含む。
「んやあっっ」
セリアはリオの肩に手を置き敏感なそこを震わせる。
繰り返し乳房への愛撫を続けるとだんだん彼女の腰が浮いてきていた。
「ああっ…やんっっ」
「ここだけでイっちゃったんですか?」
リオはいたずらっ子のような笑みを浮かべてセリアを見下ろした。身体をくねらせながら息が上がっている。
どこに触れても感じてしまうようで少しふれているだけの手や足はピクピクと反応していた。
「リオ……っ」
セリアはリオの顔を見つめ物欲しそうな瞳で訴えた。
「ちゃんと言ってください」
「……っ」
セリアはリオの目を潤んだ瞳で見つめ返し彼の腕を掴んで
「い、れ、て……?」
リオは嬉しそうにセリアに口付けをしながら下半身を露出させた。
すでに準備万端、とせせり上がった熱杭は先端から透明な液体が漏れでていた。
「セリア、大好きです」
「んっ…んんっ」
きゅっと彼女の手を握りながら中に己の熱杭を挿入させていく。
2回目とはいえまだきつくしまった熱の中ではゆっくりと動かないとすぐに果ててしまう。
「ああっ……」
「……痛くないですか?」
「すこし、でも、リオの凄く熱くてきもちぃ……っ」
セリアの熱を帯びた視線と直接局部から伝わる快楽にリオは理性を無くす。
「セリアっ……かわいすぎっ」
ぱちゅっぱちゅっと激しい音を立ててリオは己をセリアの奥に突き立てる。
「んっ…あっんっ……リオ、すきぃ……っ」
セリアは涙を滲ませながら必死にリオに抱きつきながら彼の耳元で吐息混じりに繰り返した。
「んっ……せ、りあっ……」
セリアの両足を広げ更に奥に突き上げるとセリアは高い悲鳴をあげた。
「な、っ、か……奥っらめ……っ」
腰の動きは更に激しくセリアの中を犯し続けていく。
リオの熱杭は、限界に達しようとした時
「中で、……一緒に、いこ……?」
セリアは繋がれた手に力を入れて涙で潤んだ瞳を向けリオを上目遣いで見上げた。
「……ほんっとずるいっ」
リオはセリアに口付けをしながら更に腰を打ち付けた。そしてセリアの溶けるような熱の中で己の熱を注いだ。
「ああっ……んっ」
セリアも同じく達し吐息を漏らしながら小さく痙攣させている。
「こんなに敏感で綺麗で可愛いのに、俺が不満なわけないでしょ」
リオは息を切らしながら抱きしめているセリアの耳元で囁いた。
もう少し続くかもです。