すうすうと静かな寝息を立ててセリアはリオの腕の中で眠っていた。
最近は悩み事のせいであまり寝られず睡眠不足が起因しているのかもしれない。
風邪をひかないようリオは彼女を抱き寄せ布団をかけた。
まだ火照った彼女の身体は子どものように暖かい。
頬にかかる髪を指で避けさらさらと零れる髪を梳いた。
本当に可愛いくて綺麗な女の子だと改めて思う。
こんなに魅力的なのに自分のために悩んでいた姿に笑みをこぼさずにはいられない。
嬉しくて仕方ないのだ。セリアから大事に思われていることが。
しかしリオとしてはセリアも大事に思われているともっと自覚して欲しいと思う。
それは自分が口下手なせいであるからとわかってはいるのだが彼女はどうも気を遣いすぎてしまうところがある。
無防備な寝顔を見ると自分への信頼というか安心できる存在である事が分かり幸福を覚える。
彼女の前髪を少し梳きリオはセリアの額に小さく口付けをした。
「セリアは俺に何か変えてほしいところはありますか?」
リオとセリアはお互いに休みということでそのまま夕方まで寝入っていた。
久しぶりのゆっくりとした休日をほとんど寝て過ごしてしまったという罪悪感と多幸感に苛まれつつ2人少々乱れた衣服を直しつつ着替えをした。
とりあえずお茶を飲もうとリビングへ向かい紅茶を入れながらリオはセリアに問いかけた。
そんな言葉をかけられるとは思いもしなかったためセリアは驚く。
「……何も思いつかない」
リオは小さく苦笑しながら、ティーカップとポットを運ぶ。
テーブルにカップを置き、改めてセリアを見やる。
「何かはあると思うのだけれど……」
ううーんとセリアは眉間に皺を寄せ腕を組み本気の思案顔になった。
「変わらないでほしいことならたくさんあるのよねえ」
「どんなところですか」
「えっとねえ、」
セリアは手を叩き万年の笑みでリオに向き直し答える。
「すっごく優しいところでしょ、王子様みたいにかっこいいところ、美味しい紅茶を入れてくれるところ、あ、ごはんも凄く美味しいわ。あと、私の話をちゃんと聞いてくれるところ、あとねあとね、」
「……いや、もう十分です」
「えっまだ全然あるわよ?」
と上機嫌で面と向かって賛辞を羅列するためリオは照れを隠さずにはいられなかった。
「じゃあ、最後にひとつね?」
「……は、はい」
リオはたじろぎながらセリアの瞳を見つめた。
「1番はね、……私を好きでいてくれる事。」
セリアは微笑みを浮かべながら少し切なさの残る表情で呟いた。
「それはね、本当にこれからも変わらないでいてくれたら嬉しいの。」
リオは改めて自覚した。
自分が大切にしたいと真に願う存在を。
ああ、自分はいつの間にかこんなにも人を愛せるようになっていたのか。
「絶対に変わりません。誓います。セリアが大好きです。」
リオはセリアを抱きしめながら耳元で囁いた。
「ふふ、良かった……。」
リオとセリアはお揃いのティーカップを持ち遅めのティータイムを始めた。
好き。