その日の私は、馬車馬もかくやという勢いで働いていた。
一面ガラス張りの陽光溢れる執務室にて、今日も今日とてデスクに積み上がった群峰の如き書類の束に、一枚一枚と手をつけていく。
毎日それなりの量を捌いているのに一向に山が減らないのは何故だろう、そもそも今日だって世間的には休日のはずなのに……などと、不要なことを考えている余裕は微塵もなかった。
全ては彼女――ノノミからの誘惑に抗うための、苦肉の策だった。
『それでは先生、これからお仕事の時間になりますけど。私もいっぱい頑張りますから、先生も頑張って……たくさん我慢、してくださいね♡』
用意してもらった朝食を平らげた後の、彼女のこの意味深な台詞の意図を掴み切れず……食後のコーヒーをすすりつつ、その時の私は気のない相槌を返した。
使い終わった食器を流しへ運ぶ背中に改めてどういう意味か尋ねはしたが、ノノミは茶目っぽく笑みを
しかし――この点に関して言えば、確かに私が浅はかだったのかも知れない。
彼女は単に、「今日は(私の性欲処理を)手伝わない」と言っていただけで。
「自分からも何もしない」とは、ただの一言も言っていなかったのだ。
「……ふふっ。せ~んせぇ♡ どちらを見ていらっしゃるんですか〜?♡」
例えば今日は最初から、ブラウスの第三ボタンまでが外れていて。ほんの少し屈まれるだけで、彼女の深く長い谷間が眼中に飛び込んできたり。
「先生、お取り込み中にすみません。――ん~、む♡ はぷ、あむ、ちゅうっ……うふふっ、失礼しました~♡」
先方からの電話を取っている時に急に、しかも思ったよりだいぶ深めに唇を奪われて、慌ててむせたフリをして誤魔化す羽目になったり。
「あら、先生。お手洗いですか? でしたら私もついていきます♡ ……ええ、もちろん☆ 先生がお一人で
挙句にはただの小水にまで連れ立ってこようとする始末だった。……本当にこっそり抜いておこうかと半ば考えてもいたところだったので、内心かなり焦ったが。
ここで私はようやく、今朝のノノミの言葉の、真の意味を理解した。
彼女の言った「頑張る」とは、何も通常業務の手伝いだけを指していたわけではなく。
「力の限りお前を誘惑してやる」という、宣戦布告も伴っていたものだったのだ。
常にノノミの
私の最後の手段としては、獣欲のままに目の前の女体に食らいつくという選択肢も残されていたわけだが……それが最も現実味のない未来だということも、実行する以前から分かり切っていた。
この学園都市において、私単体の
当のノノミ自身も、外見こそ可憐で優雅な美少女と呼べるだろうが――その
そんな女傑を相手に合意なく襲い掛かったとて、一瞬で返り討ちに遭うのは火を見るよりも明らかだった。
そういった事情もあって、今この世界で最も矮小無力な人間とも呼べる私には……もうがむしゃらに仕事でもしてひたすら気を紛らわすしか、方法がなかったのだった。
……そうして、夕方。斜陽の投げかける橙色にべったりと塗りたくられた部屋の真ん中で、私は(今日の分の)最後の一枚に捺印した直後、上半身を放り出すようにしてデスクに突っ伏した。
彼女の言っていた「おしおき」は、もはや拷問の域に達していた。つかず離れずの色仕掛けにより
「は〜い☆ 今日もお疲れ様でした~、先せ――ひゃあっ」
私は爆ぜるように立ち上がって、のこのこと寄ってきたノノミを正面から抱きすくめた。息を荒げてそのもっちりとした双臀を鷲掴んだ後、吹きすさぶ性欲のままになよやかなボディーラインをまさぐり出す。
小さな肩に顎を乗せると、立ち上る甘やかな雌の香りが私の中の雄をより昂らせた。彼女の下腹部に隆起しっぱなしの股間を突き立てて、豊かに実った乳丘を抱き潰す。
「ぁん♡ やだ――ふふっ♡ もぉ~、ワンちゃんみたいですよ、先生……♡」
僅かに上擦った囁くような声音に、脳髄が蕩かされていく。
こんなところを他の誰かに見られたらどうなるだろうなどと、そんな些末事はどうだってよかった。今はこの極上の雌に、ほとばしる激情をぶつけてやることしか頭になかった。
もう一秒だって、辛抱ならなかった。
「こぉ〜らっ♡」
刹那、愛らしい声色にそぐわぬ力で手の甲をつねられる。その鋭い痛みは私の中に欠片ほど残っていた理性を叩き起こし、なぶるような手つきを停止させるのに十分な効果をもたらした。
「ダメですよ〜、先生。お食事にだって、コースやマナーがあるでしょう? きちんと順番は守ってください☆」
ほとんど暴漢のそれだった私の行いを、咎めこそすれど嫌悪するでもなく。ノノミはそっと私の両腕を解いて、上目遣いにこちらを覗き込んでくる。
「あはっ♡ そんなお顔をなさらなくても……お約束通り、おしおきはここまでですから。お仕事お疲れ様でした、先生。ここからは存分に、私に甘えてくださいね♡」
そう言って――黄昏色に染まった、蠱惑的な微笑みを見せた後。
「うんうん♡ いい子ね。……それでは~、まずは優しいキスから♡ お願いします♡」
彼女は後ろ手の姿勢を取って
ようやくこの馳走にありつけると、はやる鼓動と欲望をどうにか抑え込む。彼女の薄く丸い肩に手を乗せ、おとがいに指を添えて、
「……ん、む――」
湿らせた唇を、押しつけた。
……官能的な柔らかさに、首筋の産毛が逆立つ。グロスでも引かれていたのか、バニラのような甘ったるい香りが、口から鼻へと抜けていく。
「んっ……♡ は、あむ♡ はぷ、あむぅ……ちゅむ、んぷ♡」
その香気に誘われるまま、双方が背中に腕を回して唇を貪り合う。日中の不意打ちじみたそれとはまた異なった、じっくりと互いを味わうような口づけに、情欲の炎が再び燃え上がり始める。
「んむぅ♡ ぇあ、は、あぷ……♡ んふうっ……える、むる、れちゅうっ……♡」
たまらず舌先で唇を割り開いて、口内を蹂躙していく。首元を掴まえて舌を絡ませ、口蓋から歯茎の裏側まで、余すところなくなぞり上げる。
私の熱が移ったように、ノノミが呼吸を荒げ始めた。長くけぶるまつ毛を震わせ、こちらにしがみつき衣服を握って愛撫をねだる姿に、たまらなく愛おしさを覚える。
「――ッぷぁ♡ ッは、はあ……先生……♡」
接合を解くと、名残を惜しむように銀色の糸が架かり――重力に従って、切れた。
肩で大きく息をする少女の、色欲に濡れた瞳を見つめながら。
口でして欲しい――と。私は半歩ほど詰めて、彼女の腹部に三角の頂を再度押し当てた。
「……うふふっ。はぁ〜い……♡」
ノノミが膝をつく。スカートの折り目を気にしてか、自らの臀部を撫で下ろすように裾を押さえる姿にある種の気品を感じつつ……この先に待つ行為とのギャップに、心臓を高鳴らせる。
ほっそりとした白い指が伸びて、慣れた手つきでベルトを外され、ズボンを下ろされる。灰色のボクサーを大きく押し上げる男根と、カウパーによって変色した先端を認めて――彼女の目が、三日月の形を描いた。
「あらあら♡ 先生ったら、もうこんなにおつゆをにじませて……興奮してくださっているのですね。ノノミ、嬉しいです♡」
長時間に及ぶデスクワークによって、蒸れてすえた臭いを放っているだろうそこに、彼女は何一つ迷うことなく顔を寄せる。
そして、
「すぅ〜……はああ……♡ すうう――」
そのまま裏茎のつけ根に鼻柱をあてがい、深い呼吸を幾度か繰り返すノノミ。
眉尻を下げて頬を赤らめる様子に、彼女もまた昂っていることが伺えた。
「ああ、せんせぇ……♡ 先生の、ここの――男の人の、におい……♡」
あからさまに裏返った、発情した雌声にあてられて……愚息がいよいよ本格的な鈍痛を訴え始める。
そんな私の疼きを知ってか知らずか、ノノミは私の大腿部に両手を添えて、
「ごめんなさい、先生。後でちゃんとお洗濯しますから……下着、もう少し汚しちゃいますね……♡」
ぺろり――と、小さな舌なめずりを見せた後。
「――ん、ちゅ♡ ちゅっちゅ、ちゅう……あむ、ちゅ♡ ちゅうっ♡」
誇張するように音を立てながら、先端へと熱烈なバードキスを振り落とされて、私は鋭い呻き声を上げた。綿製の布越しにも彼女の唇の柔らかさを極力享受しようと、竿を強張らせて感覚を研ぎ澄ます。
「ちゅ――んふふっ♡ 先生、とっても可愛らしいです♡ もっとお声、聞かせてください――んべ、ぇ〜……♡ えれえれえれえれ……♡」
差し込む夕日よりなお赤い舌が現れて、そのままペニスを
己の腺液とノノミの唾液とで、灰色だったボクサーは竿の部分のみを黒く様変わりさせていた。
興奮によってかすれた声のまま、低く彼女の名前を呟く。
「うん? ……そろそろ苦しいですか? わかりました♡ では、先生のおちんちん、お外に出しちゃいますね……♡」
腰回りの上縁にたおやかな指を掛けられ、蕩けた下がり目に見入られながら……ゆっくりと、下着を剥き下ろされて。
「――やんっ♡ っ、あはぁ……♡ 素敵です、先生……♡」
ぶるん、とバネ仕掛けのように飛び出た分身を、うっとりとした目で見つめられる。
慣れ親しんだオフィスで、しかも生徒の目の前で下半身を解き放っているという事実に、ぞわぞわとした背徳感が背筋を駆け抜けた。
「うんうん♡ とってもお元気で……それに真っ赤っかですね。怒ってるみたい……♡」
グロテスクな肉塊の隣に、ノノミの端正な目鼻立ちが並ぶ。そのまま頬擦りまでされてしまい、思いがけず竿に力が入ったことで、鈴口から新たな先走りが湧き出ていく。
「それでは……いただきますね、先生♡ ……は、あむぅっ――♡」
彼女の大きく開かれた口に、亀頭がぱっくりと吞み込まれる。
おおよそ半日ぶりとなるフェラチオ。美少女の舌が一物をなぞるその多幸感に、私は息を零しつつ虚空を仰いだ。
「んん、んふう……ちゅぶ♡ ちゅる、んむ――るぷ、じゅる♡」
そのまま中程まで咥えられた男根に沿って、ノノミの口が、頬が、卑猥に形を変えていく。往復の
彼女が時折口内をうごめかせると、粘度の高い唾液が宝冠部を覆うのが分かった。ゆったりといたわるような舌遣いでくるくると転がされた愚息が、細部にまで血液を行き渡らせて、更に角度と硬度を増していく。
「ん、んんっ――んぷ♡ ……は~い♡ かっこいいおちんちんの出来上がり、ですね♡」
剥き出しの生殖器越しに、ノノミと目を交わし合う。濡れた肉の竿が西日を浴びて、妖しげな照りを放っている。
「うんうん♡ 最初はこうやって~……はぷ♡ れるう――」
分泌させた唾液を根元まで満遍なく塗り込むように、緩慢な往復を一度。
「――ぷふ♡ ゆ〜っくり♡ しますから……♡ おくちえっち、
「ちゅむ、ちゅるっ……んふふ♡ はぁむ……えるぅ、んむう――じゅるうっ……♡」
まるで飴玉でも舐めしゃぶるかのように、くぐもった吸茎音を立てながら亀頭を弄ばれる。頭部を小さく振り立てて細かく角度を変えつつ、淫らにうねる舌先で雁首の段差まで擦られてしまい、震え上がるような快美が襲い掛かってくる。
「んる、ちゅぷ――うふ♡ おつゆ、止まりませんね……♡ えるう――」
後から後からカウパーを溢れさせる尿道口を舐め上げられて……そのむず痒さに、意図しない声が漏れる。
「ちゅる――ああ、泣かないで……♡ まだまだい~っぱい、おててとおくちで♡ いーこいーこ♡ ってしてあげますからね……♡」
……この関係が始まった頃を思い返す。
私の一挙手一投足全てにおっかなびっくりで、ずっと顔を真っ赤にして肉竿に触れるのも一苦労だった彼女は……いつの間にか、我が子を慈しむような表情でペニスに話しかけるようになっていた。
あの清純だった少女を自分がここまでの淫乱に仕立て上げたのだという事実に、男としての征服欲が満たされていく。
ふと、シャツの裾から忍び込んできた指先に、下腹の辺りをさわさわと撫でさすられつつ。
「あは……♡ ぎゅうう〜って、おなかに力、入ってますね……♡ たくさんたくさん我慢して、白くてねばねばのおしっこ♡ びゅるる〜ってしちゃいましょうね……♡」
そう言うと彼女は――すうーっと深めに息を吸って、
「はも♡ くぷう――んぶ、んふうっ……♡ ふーっ……じゅろ、れお、んむう……♡」
そのままペニス全体を口腔へと導き……まったりとした、しかし大きな抽挿を開始した。
滑らかな頬肉とざらついた舌が、口内に蓄えられた唾液と共に、優しく肉幹に絡みついてくる。いやらしく窄められた唇が、亀頭から根本まで――まるで労うようなストロークによって、生温かい快楽をもたらす。
局部を出で湯にでもつけたような心地良さと、もっと強く吸い上げて欲しいという欲望が混ざり合って、吐き出した息が熱く震える。
大人の男として、せめて情けない嬌声だけは出すまいと、強く下唇を噛んだ。
「ちゅぶ――っは♡ んもう♡ 可愛過ぎます、先生……♡」
頬に手を添えてこちらを見上げるノノミ。淫らな熱を湛えた双眸と甘く視線を絡めていると……不意に指先で、つうっと裏茎の芯を撫で上げられる。
「おちんちんはこぉ〜んなに反っちゃってるのに、お顔はとろ〜んって、切なそうに溶けてしまって。ふふっ♡ 私のおくちで、
そう言って、彼女は再び剛直を口腔へと招き入れた。頬をへこませ人中を伸ばして、ペニス全体をぬっくりとした粘膜で包み込み、前後に打ち振り始める。
じゅるじゅるとはしたない音を漏らしながら、めくれた唇が肉胴の表面を滑っていく。
受け持った生徒が自分の股ぐらに頭を突っ込んで一物に吸いつき、その整った顔立ちを卑猥に歪ませている――そのあまりにも淫靡でインモラルな刺激に、思わず腰を跳ね上げてしまう。
「んん♡ んもう、先生? そんなに感じられると――嬉しいですけど、ご奉仕しづらいですっ。ご自分で弱点を教え込まれたのですから、じ~っとしててくださいね~……♡」
私の反応が、どうやら彼女を興に乗せてしまったようで。ノノミは緩急を付けつつ、執拗とも呼べる愛撫を繰り出してきた。
小刻みに亀頭へむしゃぶりついたかと思えば、ねじり込むような深いストロークで、ねっとりと口内の感触と温度を味わわせてくる。眼下で広がるめくるめく絶景が、否応なしに雄欲を高みへと押し上げていく。
自らの性的欲求を満たすためだけに仕込みを重ねた、献身的なフェラチオ。半ば冗談でなく、ここを訪れてからのどんな教科よりも高い熱量をもって指導した科目かも知れなかった。
手の甲で口元を塞ぐ。油断しているとノノミの顔に、みっともなく涎を垂らしてしまいそうだった。
「ん、ちゅうっ♡ ――ん~……本当はもっと、先生のたくましいおちんちんと、可愛らしいお顔を堪能していたかったのですが。あんまりおつらそうで、少し可哀そうになってきてしまいましたので……」
そんな私の様子を見たノノミが――にいっ、と。
穏やかな、しかし意味深な笑みを浮かべつつ。肉槍の根元にそっと、
「……うふふっ♡ すみません。先生の、プリプリのせーえき♡ まずは一度、搾らせていただきますね……♡ すうー……は、ぁも――」
言うが早いかノノミは、再び深く息を吸い込んだ後、怒張を根本までぐっぽりと咥え込んでいった。
「んぷっ♡ おぼ、んぐっ……♡ んるっ、んう……ちゅこちゅこちゅこ――♡」
激しい口戯による猥褻な水音が、オフィスに木霊する。
これまでは文字通り遊びだったとでも言うような、もはや責め苦にも近しい口唇奉仕。睾丸で煮え滾る精液を無理やり引き抜こうという意志まで感じ取れるような、粘膜同士の強烈な摩擦が生じていた。
収縮する喉奥によってもたらされる快感に、ペニスと一緒に引きずられ、呑み込まれていく。彼女の口の端から零れた唾液が、肉筒から陰嚢へと伝っていくのが分かる。
逃げ場を塞ぐ形で腰に腕を回されて、
「――んんッ♡ んぐ……ん、んふーッ……♡」
私はここで初めて、これまで所在なく握り締めていた両手――その片側で、ノノミの頭を鷲掴んだ。
荒々しい手つきに、ふわふわと柔らかい毛髪が絡まる。さりとてその粗野な扱いを拒絶するでもなく、寧ろこちらの腿裏に手を回して暴力を受け入れるその従順ぶりに……怒りにもよく似た激情が、心の内で荒れ狂う。
「おぶ♡ む♡ んも――んぶ♡」
彼女のペースにわざと逆らって、強引に喉奥へと肉槍を突き込む。眉間に深い縦筋が刻まれるが、こちらを見上げるノノミの表情には、苦悶と――恍惚の色が浮かんでいた。
肉胴をきゅっと絞り上げてくる唇。絶えず裏筋を這い回る舌。一物を丸ごと呑み下そうとでも言うように、ずるずると蠕動を繰り返す喉。
それらが渾然一体となってもたらされる巨大な快楽に、いよいよ射精感が膨れ上がっていくのが自覚できた。
己を制御していた理性の糸が、ぶちぶちと引きちぎれていく。
精巣から雄の欲望がこみ上げ、血液が沸騰し、白濁液が発射台に装填されようとしていた。
「っ、ぷゎ♡ ……へんへぇ、もうイきほうれふか? る、ぷ♡ れるれるれる――♡」
口内で跳ね回る肉棒から吐精の気配を感じ取ったのか、ノノミは半端に口から一物を抜き取って、宝冠部にむしゃぶりつきつつこちらを見上げてくる。
「んるうっ♡ ろうぞ……いふれも――んむ♡ らひて、くらはい……♡」
加速していく彼女からの粘膜刺激に、ぶるりと身を震わせる。
そして、
「――おぶッ♡ っ、んぐうッ……♡」
灼熱が、爆ぜた。
ノノミの頭を強引に固定して、腰を突き出して本能のままに雄欲を放つ。断続的な鋭い吐息と共に、大量の子種を流し込む。
その間にも、健気に裏茎を舐られる。加えてこちらの臀部にまで這い上ってきた手の平に、ゆるゆると円を描くように表皮を撫でさすられて、寒気にも似た感覚がスペルマを押し出していく。
「んんッ♡ ぶ――うぶ♡ んぐ♡」
両手で頭部を抱え込む。凄まじい快楽と倒錯感に、ちかちかと意識まで明滅するようだった。喉奥の蠕動を感じながら、腰を震わせて口内へ精を放ち、白濁を呑み下させる。
永遠にも思えるような、瞬く間に過ぎ去ってしまったような。
至高の瞬間を迎えて――やがて、絶頂の高波が霧散していく。
「ん♡ ん♡ んぶ♡ ……ふうーっ♡ ふーっ♡ ふーっ……んむう――♡」
鼻息でさざめく陰毛がこそばゆい。その感覚にはたと我に返り、やってしまった――と慌ててペニスを抜き取ろうとして、
「んんっ……んふふ♡ ん〜ん……♡」
小さくいやいやをするように、ノノミの頭が左右に揺すられる。背後に回されたままの両腕に力がこもって、密着した下半身を引き留められる。
「まぁら、れふよぉ……♡ んむ――っはあ♡ はあ……きちんと、お掃除……♡ させて、ください……♡」
あれだけの扱いを受けたにも関わらず、ノノミは優しい表情を崩さぬまま、ねろねろとペニスに舌を絡ませてきた。
為されるがままに、尿道に残った精液も合わせて吸い出される。少しばかり硬度を失った分身に力を込めて、小便を切る要領で肉胴を脈打たせ、樹液の残滓を押し出す。
豊かな乳房の合間に、
「ん、ちゅる♡ ……んぐ、こく、こく……」
今度こそ、彼女の口からペニスが解き放たれた。ノノミは精液を味わいながら、ゆっくりとそれを
背後にあった椅子に、どっかと腰を下ろす。合成皮革の滑らかなシートに、互いの分泌物が混ざり合った淫液が、睾丸を伝って滴っていくのが分かった。
「んぐ――んふふっ♡ はあっ……い~っぱい、出ちゃいましたね。ごちそうさまでした、先生♡」
そう両手を合わせてみせる彼女へ、まず反射的に謝罪が口を衝いて出た。その後もしどろもどろに言い訳を探していると――すっ、とノノミの人差し指が、私の唇にあてがわれる。
「ん~んっ。私、謝ってほしくなんてないです。こういう時は~、ごめんなさいよりももっと、ふさわしい言葉がありますよね?」
……射精の直後で、色々と鋭敏になっているからだろうか。
いじらしく微笑む彼女が、より一層愛おしく映った。
「……先生? ぁ……んむ――」
ありがとう――なんて直接口にするのは、それでも何だか気恥ずかしくて。
代わりに彼女を慈しむ気持ちを込めて、その可憐な唇を引き寄せて、自らのそれと重ねた。
「る……ふ♡ える、んぷ……♡」
口交を経てより生温かくとろついた口中を労うように、まったりと舌を絡め合う。ノノミの鼻にかかった声に気をよくして、より深くへと舌先を潜り込ませていく。
口でさせた直後の接吻を嫌がる連中の気持ちも理解できなくはないが……今はそういった生理的嫌悪よりも、彼女をいたわりたいという気持ちが圧倒的に勝っていた。
「ん、んる……ふ、むうっ……ぷぁ、は……♡」
つうっ、と銀色の糸がかかる。艶やかな口元が、夕日にきらめいていた。
「ん、もう……おくちでシた後なのに……」
一般的には口唇奉仕の方が、余程恥ずかしい行為だと思うのだが。
ノノミは行為後の接吻を恥入るように、視線を逸らして口元を押さえた。
「でも――ふふっ♡ う~ん、私も単純ですね。……ありがとうございます。とっても嬉しいです、先生♡」
そうはにかんだ彼女の視線が……つい、と放り出したままの男性器に注がれて。
「あはっ☆ いつも通り、まだまだお元気ですね。素敵です……♡」
そのつぶらな瞳の奥に、再び情欲の火が灯される。
「それじゃあ次は、どうされますか? 先生の大好きな、おっぱいにします? それとも――」
ノノミがそう言いかけた時、その台詞を裂くように獣の唸り声が響いた。
正確には、獣声じみた、私の腹が鳴る音だった。
ぴしり、と。二人の間に流れていた、甘ったるい空気が固まる。
……性欲の次は食欲か。本能に忠実過ぎる自らの肉体が情けなくて恥ずかしくて、両手で顔面を覆う。
「……ふ、ふふっ。うふふっ」
堪え切れなかった笑みがほころぶように。ノノミが口元に手を添えて、肩を揺らしてくすくすと笑い出してしまった。
「ふふ――んんっ。えっと、ごめんなさい。……ふふっ♡ だって先生、何だか、ちっちゃい子みたいで……♡」
ぐうの音も出なかった。腹の虫が再び、似通った音を奏でるばかりだった。
「うんうん。お腹がすいてはなんとやら、ですものね。えっちより先に、お夕飯にしましょうか。お昼の内に色々下処理も済ませておいたので、ぱぱぱーっとお出しできると思いますよ☆」
そう言いつつ、ノノミは乱れた衣服を整え、濡れた口元を取り出したウェットティッシュで拭う。
手早く後始末を始める彼女を、半ば呆けたように見つめながら……せめて、今度こそ配膳や皿洗いくらいはさせて貰おうと、心に決めたのだった。