※この作品はR-18です。

転生狩人箱庭世界へ   作:髑髏丸

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遅くなりました第九話です。

やっと話が進みます(遅すぎる……)


第九話 魔女の家へ

「そこっ!」

 

「ギャアァ!」

 

アイリスの手から放たれた光弾が黒い妖精を撃墜し、地面に落下するとその妖精が体制を立て直す前に俺が剣で止めを刺す。

俺の一撃を受けた妖精は絶命し、それと同時に俺の中にソウルが流れ込んで来る。

 

「キシャアアアア!!」

 

「ゼロさんっ!」

 

「むっ!」

 

妖精を撃破した瞬間、俺の背後から魔獣が不意打ちを仕掛けてきたようだが、それに気が付いたアイリスの声によって俺は何とかそれを回避しようとする。

 

「ちっ!」

 

しかし、僅かに回避が遅れてしまった事により、魔獣の攻撃は俺の頬を掠めるがこんなものはダメージには入らない。

 

「お返しだ!」

 

「ギャフッ!」

 

俺に不意打ちをしてきた植物型の魔獣に対してウェポンブレイクを放ち、その攻撃によって魔獣の体は引き裂かれる結果になった。

 

「ゼロさん。大丈夫ですか?」

 

「ん?ああ、これ位かすり傷にもならないさ」

 

戦闘が終わり、アイリスは先ほど俺が受けた傷の心配をしてくれるが、この程度なら特に気にするほどでもない。

 

「それにしても、本当に戦えるようになって居たとはな」

 

「自分でも驚いています」

 

色々紆余曲折はあったが、改めて聖森を出発した俺達は再び捨てられの森にやってきており、そこでアイリスがどの位戦えるのかを確認する為にこの森の魔獣で試していたのである。

結果は見事にアイリスは俺ほどではないが、戦える力を持っている事が証明できた。

 

「とにかく、戦える事は分かった。だが、あまり無茶をするなよ?お前は俺と違って敵に狙われると全部対処なんて出来ないだろうからな」

 

「ふふ、その時はゼロさんが守って下さいね?」

 

「おいおい……」

 

守るのは良いが、俺だって全部をしのぎ切れるほどの実力がある訳じゃないんだが……。

まぁ、頼りにされていると思っておくか……。

 

「とにかく、これでお前は戦える事は分かったし、先に進むぞ」

 

「あ、はい。分かりました」

 

本当は少しだけ休んで行きたい所ではあるが、この森では何処から魔獣が襲ってくるのか分からない所で休む訳にもいかない。

とは言え、ヤーナムの時とは違って俺一人じゃないから自分だけさっさと進むなんて事が無いようにしないと。

 

「ところで、ゼロさん。私達は何処に向かっているんですか?」

 

「ん?ああ、そう言えば言ってなかったな」

 

今の所俺の目的はロストエンパイアに行ってこの世界に発生している人間を魔獣に変えてしまうと言う霧の発生源の調査及び可能ならばそれの大元を絶つ事だが、その辺の説明はまだしていなかった。

まぁ、アイリスと出会ってからは色んな事が重なりすぎて説明する暇も無かったからな。

 

(……本当に色々あったな。うん)

 

「ゼロさん?」

 

「おっと悪い」

 

思わずあのことも思い出すが、アイリスの声ですぐに我に返り、彼女に俺の目的地について説明を始める。

 

「つまり、この世界で起きている霧の原因をゼロさんは止めようとしているんですね?」

 

「一応、そう言う事にはなる」

 

正直、俺としてはこの霧の異変よりもこの世界に感じる違和感の方が気になってはいるが、そっちは俺しか感じてないかもしれないし、説明した所で何を言ってるのか分からないと思われるだろう。

それはこの霧の異変をなんとかしてからでも遅くはないだろうし、今は目の前の問題を何とかしないとな。

 

「だからまずはこの森の何処かに住んでいる魔女の所へ行こうと思う」

 

「分かりました」

 

アイリスにこれから向かう所について説明して森を進もうとしたその時だった。

 

「あれ?何だろうこれ?」

 

「どうした?」

 

彼女はふと自分の足元に落ちていた何かを拾い上げ、俺も思わずそれを見てしまうが、それはカビたパンのかけらであり、どう見てもただのゴミにしか見えなかった。

 

「そんなもの拾わなくてもいいだろ……」

 

「ご、ごめんなさい。つい気になっちゃったので……」

 

「いや、それはいいんだが。流石にそれは捨てとけ」

 

多分、アイリスは自分の足元にふと目についたから拾っただけなんだろうが、そんなゴミを持っていても仕方ないし、アイリスも自分が拾った物に全くの価値がないと判断したのか、それをすぐに捨てた。

 

「そう言えば、その魔女さんの家は何処にあるんでしょう?」

 

「さあな。詳しい場所は聞いて無かったが、こんな森の中だ。そう言う家があるなら間違いなく目立つだろう」

 

あの青年はこの森のどの辺りに住んでいるかは言っていなかったが、これだけ物が散乱している所に住んでいるのなら、こう言う場所に似つかわしくない家を探せばいいだろう。

ヘムウィックの墓地街や禁域の森に有ったよっぽどボロい家に住んで居なければだが……。

 

(それにしても、よくこんな所に住もうと思ったものだ……)

 

最初に此処を訪れた時も思った事だが、この森には捨てられた物が多すぎる。

普通のゴミだけじゃなく、中には誰がどうやって持って来たのか分からない家具や武器、挙句の果てには死体まで捨てられている始末だ。

 

(まぁ、こう言う所に住んでいるって事は、何か理由が有ってなのかもしれないが……)

 

まだそこまで細かく見た訳ではないが、この森は人が住むには適していない環境をしており、そう言った所にあえて住んでいると言う事は人目を避けていると言う事になる。

とは言え、その理由を深く追及するつもりはない。

 

「さて、そろそろ行くぞ。ぼやぼやしているとまた魔獣に襲われるしな」

 

「はい」

 

俺がアイリスと一緒に魔女の家を探し始めようとしたその時だった……。

 

 

【あ~あ~。可哀そうに、あの子達の大事な道しるべを取っちゃった。もう二度と帰れないかもね~】

 

「っ!?」

 

突然俺の頭の中にそんな声が聞こえて来たので、俺は周囲を見回すがその声の主の姿は何処にも見当たらなかった。

 

(今のは一体……)

 

「ぜ、ゼロさん……」

 

「アイリス。お前にも聞こえたのか?」

 

「はい……」

 

どうやらさっきの声はアイリスにも聞こえたらしく、彼女は先ほどの声に対して恐怖を感じているようだった。

俺はアイリスをそっと抱き寄せ、先ほどの声の主が俺達に何かをするのでは無いかと思い、剣を抜いて周囲を警戒する。

だが、さっきの声の主はすぐに何かをする訳ではないのか、辺りには静寂だけが広がり、何かが近づいてくる気配も無かった。

 

(すぐに何かをするつもりは無いと言う事か?)

 

「あ、あの……ゼロさん……」

 

「んっ?あっ……」

 

さっきの声に警戒して思わずアイリスを抱き寄せたが、俺は彼女の肩ではなく腰に手を廻しており、彼女は恥ずかしそうに顔を赤らめていた。

ヤバイ、いくら何でもこれはセクハラ扱いされてもおかしくない。

 

「わ、悪い……」

 

「い、いえ……」

 

自分のやっている事に気が付いた俺はすぐにアイリスを解放し、彼女から少しだけ離れる。

警戒していたとは言え、腰なんかに手を廻すとは……。

 

「そ、その……わ、私を心配してしださったのは分かっていますので、気にしないでください」

 

「あ、ああ……」

 

アイリスは俺を気遣ってくれてさっきの事を弁解してくれるが、流石にあれを気にするなって言われても気にしてしまう。

 

「そ、それに声が聞こえただけで何も起きていませんし、魔女さんの家を探すのを再開しませんか?」

 

「そ、そうだな!何も無かったようだし、魔女の家を探しに行くか!」

 

アイリスはそう言ってこの気まずい雰囲気を何とかしようとして魔女の家探しを再開する事を提案してきたので俺もそれに賛成する。

 

(それにしても、アイリスってやっぱり……いやいや!何考えてるんだ俺はっ!?)

 

アイリスと会ってからなんと言うか、ヤーナムどころかその前の人生でも全く経験の無かった異性との行動に俺は自分が思っていた以上にどう接すれば良いのか分からない。

 

(はぁ……こんな事ならマリアンナ辺りに女性の扱い方を聞いていれば良かったかな……)

 

そんな事を考えながら森の中を歩いていると、俺の前を歩いていたアイリスが足を止めており、何かあったのかと思い彼女に近づいた。

 

「どうした?」

 

「あっゼロさん。向こうに家が見えましたよ!」

 

「えっ本当か?」

 

「はい」

 

アイリスの指さした方向を見てみると、その先には確かに家が建っており、遠くから見ても廃屋では無い事が分かる。

 

「確かにあるな」

 

「あれが魔女さんの家なんでしょうか?」

 

「さあな。そればっかりは近づいて確かめないと分からん」

 

見た目は廃屋じゃなくても魔女がいるとは限らないし、そもそも魔女の家じゃない可能性だってある。

それを確かめる為に俺達はその家に近づき、玄関近くまでたどり着くと、俺はある物に気が付いた。

 

(扉に霧?)

 

ウッドデッキの付いた二階建ての家の扉には何故か霧のような靄がかかっており、俺はそれに何やら嫌な気配を感じていた。

そして、その霧である事を思い出す。

 

『そうそう、霧を見つけたら用心なされ。霧は警戒を表すサインですからな、その先に強敵が待ち受けているかもしれませんぞ』

 

(もしやこれが……)

 

俺はこの森で出会ったアダマンの言葉を思い出し、もしやこれがあいつの言っていた霧なのでは無いかと感じた。

もし、そうだったらこの扉の先にはとんでもない敵が待っている可能性があるし、もしかしたらその魔女自信が強敵である可能性も捨てきれない。

何にせよ、警戒して入った方がいいな。

 

「アイリス。お前には扉に霧が掛かっているのは見えるか?」

 

「えっ?はい、見えますけど?」

 

「そうか……」

 

念の為にアイリスにもこの霧が見えているのか確認すると、どうやら彼女もこの扉の霧は見えているようではあるらしい。

だが、彼女の様子からしてこの霧の意味は分かっていないみたいだ。

確認しておいてよかった。不用意に扉を開けて敵の不意打ちを受けたり、トラップに引っかかるなんて事もありえない話じゃあないからな。

 

「先に俺が中に入って確認してくるから、アイリスは俺が良いって言うまで此処で待っていてくれ。いいな?」

 

「わ、分かりました」

 

家の周りには魔獣の気配は無く、此処でアイリスを待機させても問題は無いだろうと判断した俺は家の中の安全を確認するために先に入る事を彼女に伝えると、彼女はやや戸惑いながらもそれに了承してくれた。

 

(さて、中には何があるのやら……)

 

そう思いながら、俺は警戒しながらそっと扉を開けて家の中へと入る。

するとそこには……。

 

「アハハハ!このお菓子の家は本当に素晴らしいねグレーテルッ!悪い魔女も閉じ込めたし、僕達は幸せ者だよッ!こんな所は僕らを捨てた母さんには絶対に教えるわけにはいかないよねッ!」

 

「……くすくす」

 

二体の大きな鬼が居た。




次回ボス戦になります
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