※この作品はR-18です。

転生狩人箱庭世界へ   作:髑髏丸

11 / 32
申し訳ございません。エルンデリングやって遅くなりました……

ヘンゼル&グレーテル戦です

※今回流血表現がございます。苦手な方はご注意ください。


第十話 呪われし兄妹

魔女の家と思わしき家に入った俺の目の前には赤と青の一つ目の鬼のような魔獣が二体がおり、その二体は俺の存在に気づいていないのか、自身の巨体で明らかにサイズが合っていない椅子に座っている。

やはり、アイリスと一緒に入らなくて正解だったな。

 

(どうする?こいつらは魔女を閉じ込めたと言っていたが、先にそっちに接触するか?)

 

目の前の魔獣はまだこちらに気づいていないのでこのままやり過ごして魔女の元へ向かえば余計な戦いをせずに済むが、行きと帰りの二度に渡ってやり過ごさなくては行けないと言うリスクがある。

だからと言ってこのまま一人で二体の魔獣の相手をすれば良いと言う訳でもない。

 

(どうしたものか……)

 

「あれ?」

 

俺がどうするか考えていると、青い方の魔獣が俺の存在に気づいてしまった。

相変わらず、自分の判断が遅いな。俺は……。

 

「なんだい君……ギャアアアアアアア!!!」

 

俺の存在を認識した以上、戦闘は避けられないと判断した俺はすぐに剣を構え、こっちを向いた青い魔獣の方へ突撃していかにも刺してくださいと言わんばかりのデカい目玉に剣を突き刺した。

ほぼ不意打ちに近い形ではあるが、相手が魔獣である以上兎に角有利に立ち回らないと行けない。

どのみち不意打ちなんてヤーナムで何度もやった事だからそれをする事に躊躇いなんて無いに等しい。

 

「い、痛い……痛いいいいいいいい!!!」

 

「ぐあっ!」

 

剣を突き刺した魔獣は痛みで大暴れし、とっさに回避できなかった俺は振り回された腕によって壁まで突き飛ばされてしまい、その際に剣を手放してしまう。

 

「……くすくす」

 

「っ!」

 

俺が体制を立て直そうとすると、いつの間にか赤い方の魔獣が俺の近くまで接近しており、その手に持った大きな剣を俺に向かって振り下ろして来る。

俺はそれを何とか回避すると、振り下ろされた剣によって俺がいた所の壁と床が破壊されてしまった。

もしあれが当たっていれば間違いなく俺は即死だっただろう。

 

「お前ええええええ!いきなり何をするんだよおおおおおおお!!」

 

「くっ!」

 

俺が赤い魔獣の攻撃を回避している間に青い魔獣も体制を立て直しており、何処にそんな物をしまっていたのかとツッコミたくなるような巨大な斧を振りかざして来ていた。

不味い、あれも一発喰らえばアウトだ!

 

「ゼロさん!」

 

「うぎゃ!?」

 

青い魔獣が巨大な斧を俺に向かって振り下ろそうとするが、その攻撃はアイリスの声と共に阻止される。

彼女の声がした方を見ると、アイリスが入り口の前に立って両手を青い魔獣に向けており、森で何度も使っていた光弾を魔獣に向かって放ったのだろう。

 

「アイリス」

 

「大丈夫ですか!?」

 

「ああ……後ろだ!」

 

「っ!?」

 

アイリスは俺が大丈夫か聞いてくるが、その背後から赤い魔獣が迫って来ていたので俺はアイリスに注意を促す。

それに気が付いたアイリスは後ろを振り向かずにそのまま前転して回避を試みると、さっきまで彼女が立っていた場所に魔獣の剣が振り下ろされ、床を破壊した。

もし、アイリスが動かずにあの場所に立っていたままだったら、間違いなく彼女は即死だっただろう。

 

「……くすくす」

 

赤い魔獣は自分の攻撃を躱されたにも関わらずくすくすと笑っており、青い魔獣と違って何を考えているのか全く分からない。

 

「ゼロさん。この魔獣達は一体?」

 

「さあな。中に入ったらいきなり襲ってきやがったんだ」

 

アイリスはこの魔獣たちがどんな奴らか聞いてくるが、それは俺も知りたい所ではあるが、こいつらに聞いた所で答えてくれる筈もない。

 

「あはははは!お前、魔女の仲間だったのか!だったら退治しないとだね!グレーテル!」

 

「えっ!?」

 

突然乱入してきたアイリスに対して青い魔獣はいきなり彼女を魔女呼びし、それを聞いたアイリスは驚愕の声を上げる。

こいつ、完全に思考が壊れてやがるな。

 

「ぐっ!?」

 

「ゼロさん!?」

 

青い魔獣が赤い魔獣の事をグレーテルと言った瞬間、突然頭痛が起き、その痛みで俺は頭を抑えて蹲ってしまう。

それと同時に頭の中に青い魔獣はヘンゼルと言う名前だと言う事が浮かんで来た。

 

(こいつらは……ヘンゼルとグレーテル?)

 

ヘンゼルとグレーテル……何故かこの名前に俺は聞き覚えがあるが、いつ聞いたのかは分からなかった。

 

(だが、今はそんな事を気にしている場合じゃない!)

 

何故頭痛が起きたのかはこの際放っておいて、俺は蹲った状態からすぐさま体制を立て直し、剣を構えてヘンゼルへと突っ込んでいく。

 

「アーマーブレイク!」

 

「うぎゃあ!」

 

ヘンゼルは一気に懐に入ってきた俺をその手に持った斧を振るって来るが、俺はそれを難なく躱すと、そのままアーマーブレイクを放つ。

俺以上の巨体ゆえにヘンゼルはこっちの攻撃を避ける事が出来ず、モロに攻撃を受けると、その巨体が体制を崩す。

 

「ゼロさん!後ろ!」

 

「っ!?」

 

俺はヘンゼルに追撃をしようとするが、背後からアイリスの声が聞こえたので、顔だけで後ろを振り向くと、そこにはグレーテルが俺に向かって剣を振り下ろそうとしていた。

それをアイリスは光の弾で妨害してるが、グレーテルはそれが当たっても気にせずに俺に向かって武器を振り下ろす。

これはヤバい!

 

「くっ!」

 

「……くすくす」

 

「ぐぁ!」

 

アイリスのおかげでグレーテルの攻撃の直撃は免れたものの、それが勢いよく振り下ろされた事によって破壊された家具の大きな破片が俺の頭に勢いよく当たってしまい、俺はバランスを崩してしまう。

 

「ゼロさん!!」

 

「来るな!」

 

「でも!」

 

「これ位、大したことない!」

 

頭に破片が直撃したから一瞬だけ眩んだが、体制を崩した俺を見たアイリスは俺の方へ来ようとしていたので、それをなんとか制する。

この状況で相手に隙を晒すと間違いなくこっちがやられるのは確実だ。

 

(とは言え、どうする?このままじゃあジリ貧だ……)

 

状況的には二対二の戦いに見えるが、アイリスは戦闘が得意では無いし、俺も決定打を与えれていない。

このまま戦いが長引けば確実に俺達が負ける。

 

(くそっ!だったら!)

 

本当は使いたくは無かったが、もはや形振り構っていられねえ……。

アイリスを守る意味でも俺はある呪文を唱える。

 

「来い!リィフ!」

 

俺がそう言うと、目の前に小さな魔法陣が浮かび上がり、そこからリィフが飛び出してきた。

どうやらこっちの召喚はヤーナムとは異なるみたいだ。

 

「ふっふっふっ~ボクにお任せ~♪」

 

召喚されたリィフはそう言いながら目の前で何故か飛び回りながら踊り始める。

こいつ、一体何をしているんだ……。

 

「アッハハハァ!魔女の仲間は死ねえ!」

 

「ちぃ!……!」

 

リィフが踊っている間にもヘンゼルは俺に向かって攻撃して来たので、俺はとっさに回避するといつもより体が軽くなっている事に気が付く。

それによって俺はヘンゼルの攻撃を難なく回避する事が出来た。

 

「これは……」

 

「どうゼロ。これがボクの力だよ」

 

どうやら、俺の体が軽くなったのはさっきリィフが奇妙な踊りの効果だったらしい。

妖精とは言え、こいつは見方の補助が出来るようだな。

 

(だが、これだと……)

 

リィフを召喚したものの、あいつはこっちの補助が出来るとは言え、戦闘が出来るとは思えない。

 

 

(せめて、あの時の力を使えれば……)

 

このままでは全滅するかもしれないと言う事を避ける為にも、アイリスを助ける時に解放された力を使えればと言う焦りが俺の中で芽生え始める。

だが、あの時の力はほとんど偶発的に目覚めたと言っても過言ではないから、どうすれば発動出来るのか分からない。

その間にもヘンゼルとグレーテルは俺とアイリスの二人をどんどん追い込んで行く。

 

「でああっ!」

 

「くっ!この!」

 

「ぎゃあああ!」

 

俺に向かって攻撃してきたヘンゼルの攻撃を躱して背後に回り込んだ俺はその背中に向かって剣を両手持ちして一気に突き刺す。

するとその一撃を受けたヘンゼルは体制を崩して隙だらけになった、その瞬間だった。

 

(っ!?これは……)

 

俺がまた頭痛を感じると、今度はヤーナムでの映像が浮かび上がり、それは俺が獣に対してある事をしている様子だった。

 

(そうか、これなら!)

 

それを思い出した俺は自分の右手に意識を集中させると、俺の右手は獣の手へと変化し、そのまま体制を崩したヘンゼルの背中に向かって右手を思いっきり力を込めて突き出す。

 

「グギャアアアアアアアア!?!?」

 

「うぇ!?」

 

獣の手に変化させた俺の右手はその背中に深く食い込み、それを見たリィフは驚きの声を上げ、グレーテルは絶叫する。

そして、俺は食い込んだ腕を引き裂くように動かすと、グレーテルの内臓を抉り取った。

 

「あ……ガッ!?……」

 

俺の内臓攻撃を受けたグレーテルは抉り取られた所から大量の鮮血を吹き出し、そのまま倒れて動かなくなった。

 

(……ああ、この臭い。たまらない)

 

グレーテルからの返り血をその身に浴びた俺はとてもいい気分になる。

ああ、この久々に感じる臭い……そしてこの感じ……最高だ。

 

(っと、血に酔いしれている場合じゃないな)

 

その身で血を浴びた事により俺は一瞬だけ血に酔うが、まだグレーテルが残っているのですぐに意識を切り替え、ヘンゼルの死体に刺さっている剣を引き抜いてからアイリスの方へと向かう。

 

「おらぁ!」

 

「……!」

 

俺はアイリスに意識が向いていたグレーテルの背中に向かって剣で切りつけようとするが、グレーテルは俺が攻撃してきた事に気が付いたらしく、こっちを振り向きながら斧を振るって来た。

だが、リィフのおかげでいつもよりも素早く動ける俺はその反撃を体を仰け反らせて回避すると、一気に距離を詰める。

 

「アーマーブレイク!」

 

「ガッ!?」

 

グレーテルの懐に飛び込んだ俺はアーマーブレイクを放ち、攻撃を外していたグレーテルはその一撃でバランスを崩す。

 

「……ぐっ!」

 

「チッ!」

 

俺は体制を崩したグレーテルにヘンゼルと同じく内臓攻撃をしようとするが、グレーテルは武器を持ち直すのではなく、拳で俺に反撃してきたので、俺はそれをとっさに回避する。

どうやらこいつはあまりしゃべらないが、それなりに知力はあるらしい。

 

(だが、それだけだ)

 

いくらグレーテルはヘンゼルと違って知力があるとは言え、ヘンゼルは俺が既に撃破しているから挟撃される心配もない。

俺のダメージもそんなに大きく無いし、このまま一気に攻める。

 

「もう一回喰らえ!」

 

「……うっ、がっ!?」

 

俺がもう一度アーマーブレイクを放とうとした瞬間、グレーテルは再び反撃をしようとしたが、俺の背後から飛んで来た二発の光の弾がそれぞれ目玉と左足に命中し、それによってグレーテルは怯んで動きが止まる。

そこへ俺のアーマーブレイクを受け、グレーテルは膝を付く。

 

「こいつで……終わりだ!」

 

グレーテルが体制を崩したのを見た俺はヘンデルの時と同じように右手を獣の手に変化させ、グレーテルの体へと食い込ませて一気にその体を引き裂いた。

 

「ギッ……ガアアアアアアアアアア!?!?!?」

 

「ひっ!?」

 

「う、うわぁ……」

 

俺がヘンゼルの体を引き裂くと同時にヘンゼルの体から血が噴き出し、ヘンゼルは絶叫を上げながら倒れ、それを見たアイリスは小さく悲鳴をあげる。

流石に彼女にこの光景はきつかったか……。

 

「ガフッ……」

 

俺に体を引き裂かれたヘンゼルは一度だけ吐血して痙攣するとそのま動かなくなる。

そしてヘンゼルは立ち上がって来なかった事により、この戦いの勝敗は決した。




本編とは関係ありませんが紅ずきんの森の続編のタイトル発表がありましたね

発売までにどこまで進められるかなぁ(白目)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。