※この作品はR-18です。

転生狩人箱庭世界へ   作:髑髏丸

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更新ペースがどんどん落ちて行ってる……

もっと早めに投稿しないと……


第十一話 魔女の元へ

「……俺の勝ちだ」

 

ヘンゼルとグレーテルとの戦いを制し、動かなくなったヘンゼルに向かって俺は勝利宣言をする。

 

「ぜ、ゼロさん。その……大丈夫なんですか?」

 

「見事に血塗れになってるよね……」

 

アイリスは心配そうに、リィフはドン引きした様子で俺に話しかけて来て、俺は自分の姿を改めて見てみるとカインの鎧は見事にヘンゼルとグレーテルの返り血で染まっていた。

ヤーナムではよく返り血で血塗れになっていたから変に思わなかったが、普通に考えればこれだけ返り血を浴びたら何か影響が出てしまうのではないかと思われても仕方ないか。

 

「ああ、ほとんど返り血だからな。問題はないさ」

 

「そ、そうなんですか……」

 

とは言え、こんな血塗れで魔女の元に行く訳にも行かないから、手間ではあるが一度聖森に戻って血を落としてこようかと思ったその時だった。

 

「……なんだ!?」

 

「部屋が……」

 

戦いの際は気になってはいなかったが、この部屋の周りはヤーナムの時でもあったように白い靄のような物で囲まれており、ヘンゼルとグレーテルを撃破した影響なのか、それらがゆっくりと消えていき、それと同時にヘンゼルとグレーテルの死体も消滅していく。

やがて、霧が完全に無くなると今までヘンゼルとグレーテルと戦っていた部屋はまるで最初から戦いなんて無かったかのように元に戻り、俺の体についていた血もきれいさっぱり無くなった。

 

「どうやら、戦闘が終わると元に戻るみたいだね~」

 

そう言うリィフも体から何やら光の粒子を出しながら徐々に消えていっていた。

まさか、これも霧の影響なのだろうか?

 

「おい、リィフ。その体は?」

 

「これ?大丈夫、戦いが終わったから聖森に戻るだけだよ」

 

「そうか」

 

どうやら、戦闘中に召喚した人物はその戦いが終わると元の場所に戻るらしい。

そう言えば、ヤーナムの時にも自由にはとは行かないが、一時的に別の世界の狩人を召喚して一緒に戦う事もあったな。

 

「もしかしてボクの事を心配してくれたの?嬉しいなぁ」

 

「……」

 

リィフは自分の体が消えていく事に対して俺が心配したと勘違いしたらしく、何故か嬉しそうにしている。

確かに突然体が消えていく事に対して少し驚きはしたが、別に心配をしたわけじゃない。

それに本当に消滅するのだったら普通はもっと焦るだろう。

 

「それじゃあね、聖森で待ってるよ!」

 

そう言ってリィフは完全に消滅し、後には俺とアイリスだけが残った。

 

「えっと、ゼロさん……」

 

「何も言うな」

 

「は、はい……あれ?」

 

さっきのリィフの態度にアイリスも疑いの反応を見せるが、それについて追及はしないように言うと、アイリスは何かを見つけたのか、ヘンゼルとグレーテルが最初に座っていた机に近づいて行った。

 

「何でしょうかこれ?」

 

「どれ……っ!?」

 

アイリスが見つけたのは「ヘンゼルとグレーテル」と書かれた本であり、それを見た途端に俺はまた頭痛に襲われる。

だが、今までように何かを思い出すのような感じではなく、心の底からドス黒い怒りを感じた。

まるで、この本に対して絶対に許さないような感覚、これは俺自身ではなく俺と同化した魂のものだろう。

 

「……」

 

「アイリス?」

 

ふと、アイリスの方を見てみると、彼女は本を見つめたまま涙を流しており、突然の事に俺は困惑してしまう。

もしかしたら、アイリスは俺が感じた怒りのように本に対して何かを感じたのかもしれない。

 

「どうしたんだ?」

 

「……あ、ごめんなさい。この本を見ているとなんだか辛い気持ちになってしまって……」

 

(辛い気持ち?)

 

どうやらアイリスは俺と違って、本に対して辛い気持ちになったらしいが、何故彼女はそう思ったのかは分からない。

そう言う物は人によって捕らえ方が違うのは確かだが、それでも俺はアイリスの事が心配になってしまう。

 

「ひとまず、その本は俺が預かっておこう」

 

「……はい」

 

理由は不明だが、辛い思いをすると言うのなら本は俺が持っていた方が良いと思い、彼女から本を受け取る。

幸いにも最初に本を見た時の怒りは感じず、持っていても特に影響があるような代物ではないようだ。

 

「……」

 

「……アイリス」

 

「えっ、あっ……」

 

本を受け取ってもアイリスは何処か暗い顔をしており、まだ辛い思いをしているのかと思い、俺は彼女を抱き寄せて彼女を腕の中に包み込む。

アイリスは一瞬だけ驚いた顔をするが、それに対して彼女は拒む様子を見せるどころかそのまま力を抜いて俺に寄りかかってきた。

 

「ゼロさん……ありがとうございます」

 

俺の腕に包み込まれたアイリスは顔を俺の方へ向けてきて、ややぎこちないがさっきよりかは明るい表情になっていた。

正直、戦いばかりでこう言う時にどうすればいいのか分からなかったから、兎に角彼女を安心させようとやってみたが、これで良かったのだろうか?

 

「……ゼロさんは暖かいですね」

 

「そう……なのか?」

 

血生臭いならともかく、暖かいなんて思われるとは思っていなかったな……。

まぁ、さっきよりも表情は明るくなったから結果オーライと言う事にしておくか。

 

「もう大丈夫です」

 

「そうか?」

 

ひとまずアイリスは安心したようだったので俺がそっと抱擁を解くと、アイリスは俺の元から離れる。

と言うか、心配になったからっていきなり異性を抱きしめるなんて、セクハラと思われても仕方ない事だよな……。

 

(本当に昔の俺ならしない事だよな……)

 

「ゼロさん、どうかしましたか?」

 

「ん?ああ……なんでもない。取り合えず、この家にいる魔女を探すぞ」

 

「……?はい」

 

アイリスを抱きしめた事に対して考えていると、アイリスは不思議そうに俺の顔を覗き込んできたので、俺は誤魔化すように答えてこの家での目的を言う。

ヘンゼルとグレーテルとの戦いなど色々と予想外の事が起きてしまった事で随分と遠回りしてしまったが、この家にいる魔女に会うと言う当初の目的を果たせそうだ。

 

(それにしても魔女か……)

 

正直、魔女と言う者に俺は碌な思い出がないからどうも苦手意識がある。

もちろん、それはヤーナムでの出来事なのでこの世界の魔女が同じ者だとは思っていない。

 

(せめてまともに会話出来るといいんだが……)

 

ヘンゼルはこの家にいた魔女を閉じ込めたと言っていたが、もしかしたらその魔女は魔獣化していて襲って来る可能性もある。

それを確認する為にもまずは魔女を探さないと。

幸いにも、この家は一人で住むには少し大きい程度なので隠し部屋にでもいない限り探すのは難しくないだろう。

 

「あ、ゼロさん。あっちから奥に行けそうですよ」

 

アイリスが示した先には戦っている時には気が付かなかったが、確かに奥へ進めそうな扉があった。

 

「なら、行ってみるか」

 

念の為に俺が扉を開けると、そこはどうやら物置らしく、木製の箱や樽が幾つか積み上がっており、俺はあまりこう言う物に詳しくはないが、恐らく魔術的な薬の制作に使われる材料が入っているのだろう。

そうやって部屋の中を見回していると、部屋の隅の方に上の階へ上がれそうな階段を見つけたので、罠が設置されている可能性も考慮して俺が先に上がる。

 

(罠は……なさそうだな)

 

階段を上がって、床や壁に怪しい所は無いか見渡し、目に見える範囲では罠らしき物は無かったので下の階で待たせているアイリスを呼ぶ。

 

「ん?この階に誰かいるな」

 

「えっ?本当ですか?」

 

アイリスが二階に上がってくると、俺は奥の部屋から魔女かどうか分からないが微かに気配を感じ取り、この階に誰かがいるのは確かのようだ。

アイリスはそれが分からなかったようだが、これは恐らく俺が上位者だからだろう。

 

「だが、魔女とは限らないだろう。念の為にアイリスは俺の後ろに居ろ」

 

「分かりました」

 

もし俺達が来る前に長い間ヘンゼルに閉じ込められていて、それが原因で他人に対して強い警戒心を持っているかもしれないし、下手したら魔獣化していなくても襲い掛かってくる可能性もある。

それを考慮して俺は階段の時と同じようにアイリスよりも前を歩いて行き、気配がする方へ向かう。

やがて、二階の部屋の扉の前にたどり着き、中から何やら作業をしている音が聞こえたので、この部屋に気配の主がいるようだった。

俺はアイリスに部屋に入る事をアイコンタクトで伝えると、彼女もそれに同意するように首を縦に振ったので、そっとドアノブに手をかけて回してみると、鍵が掛かっていなかったのか扉は簡単に開いた。

 

(さて、魔女とご対面か……)

 

俺が部屋の中に入ると、そこには机に座って何やら作業をしている人物がおり、部屋に入った俺達には気づいていないようだった。

 

(ひとまず、まともではあるみたいだな)

 

もし既に魔獣化していたり、精神が壊れているのならば部屋に入った時点で襲い掛かって来たかもしれないが、少なくとも目の前の人物はその心配はない見たいなので、取り合えず俺は部屋の壁に軽くノックして部屋の主に俺達の存在を伝える。

すると、部屋の主はそれでようやく俺達の存在に気が付いたらしく作業を止めてこちらを振り向いた。

 

「ん?誰だお前ら」

 

そこに居たのは老婆のような姿ではなく、若い女性の魔女だった。




本当はドロシーと会話する所まで入れたかったのですが、文字数が凄い事になりそうなので分ける事になりました……
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