※この作品はR-18です。

転生狩人箱庭世界へ   作:髑髏丸

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次話投稿します

果たして彼の協力者とは……



第三話 小さな協力者と疑心

目が覚めた広場で黒い兎に言われたリィフと思わしき妖精を発見した俺はそいつにゆっくりと近づいて行く。

 

「……お前がリィフか?」

 

上位者になったからなのかそれとも別の理由なのかは分からないが、とにかく目の前にいる妖精から途轍もないドス黒い気配を感じた俺は心の底から剣を構えて今すぐにでも殺したくなる衝動をなんとか抑えながら妖精に話しかけると、相手は俺の方へと振り向いた。

 

「んぇ? どなた~?」

 

(……)

 

さっきの出来事を見たせいか、俺は初対面にも関わらず目の前の妖精を信用する事ができず、そのあどけない笑顔にもまるで仮面を被っているような印象を受ける。

とは言え、初対面なのは向こうも同じ筈なのだろうからいきなり拒絶する訳にも行かない。

 

「この森を守ってると言ってる兎からリィフと言う妖精を探してみるといいと言われたんだが……」

 

「ああ、それはボクの事だね」

 

どうやら、あの兎が言っていた妖精に会う事はできたようだ。

だが、こいつは水盆の使者達よりも小さく、とてもじゃないが俺に協力しても戦闘の役に立つとは思えない。

まぁ、見た目が妖精ってだけで実際は強い奴なのかもしれないが現状ではそこまで判断できない。

 

「お前なら俺に協力してくれると聞いたんだが?」

 

「うん、君はこれからロストエンパイアに行くんだよね?」

 

「……」

 

俺はまだ何も言っていないのにこいつは何故か俺がロストエンパイアに行く事を知っている。

いくらこの森が妖精の住む地で噂が広がりやすいとしても、こんなすぐに広まる物なのだろうか?

こいつの言い方はまるで俺が初めからロストエンパイアへ行く事が分かって居たかのような言い方をしている。

 

(やはり信用出来ないな……)

 

「うふふ、君が何処へ行くのかは君の自由だけど、一人じゃ不安でしょ?だからボクが力を貸してあげるよ」

 

「……」

 

こっちは何も言っていないのにこいつは俺がそう在るべきと言わんばかりに話を勝手に進めており、その様子に俺はリィフに対して更に不信感を感じていく。

これならまだヤーナムで出会ったあの口悪いばあさんや捻くれた男の方が数倍マシだ。

 

(とは言え、本性が分からない状態でこいつと敵対する訳にもいかないか)

 

今の俺は上位者の力を使えず、何処まで弱体化しているのか分からないが、なんにせよ何も考えず敵対すれば下手をすれば簡単に負ける可能性だってある。

ならば此処は協力を受け入れる方がいいだろう。

だからと言って全部を受け入れるつもりは無いが……。

 

「ねえねえ、君の名前も教えてほしーなっ」

 

「……俺はゼロだ」

 

「へぇ、ゼロって言うんだ。良い名前だね」

 

「……」

 

ゼロ……ヤーナムでも使っていたこの名前はある意味を込めて自分から名乗っているものだ。

あの世界、ヤーナムに転生した俺は自分が転生者と言う自覚は有ったが、獣狩りを続けていくうちにその感覚も無くなっていき、自分が転生者である事以外の前世の記憶も名前もいつの間にか忘れてしまった。

そんな状態になった事により、何もかも失いゼロになってしまった事に対して皮肉を込めて名乗ったんだったな。

まぁ、ヤーナムでこの名前で俺を呼ぶ奴はほとんど居なかったが。

 

「じゃあ、次は顔も見せて欲しいーな」

 

「……」

 

名前の次は素顔を見せろと来たか……。

こいつとは初対面の筈なのに一体何を考えてるんだ。

 

(いや待てよ……)

 

この世界に来る前に俺は歪に混ぜられ消えそうになって偶然にも同化した魂の事を思い出し、もしかしたら俺ではなくその魂に対して話しかけているんじゃないだろうか?

となると、こいつはその魂について何か知っていると言う事になる。

 

(だとしたら、うかつに聞かない方がいいな……)

 

「ねえ……ねえってば!」

 

「ん……ああ、悪い」

 

「もう、いきなり黙り込むからビックリしたよ」

 

どうやらリィフは俺が考え込んでいたせいでなんの反応も示さなかった事で少し不審に思ったようだ。

これ以上不審に思われてもマズいし、俺はすぐに鎧の兜だけ脱いで自分の素顔を妖精に見せる。

 

「へぇ、それが君の素顔なんだね。中々カッコイイよ」

 

「そう……なのか?」

 

ヤーナムではほとんど顔を隠すような恰好をしていたから、まさか自分の顔をカッコいいと言われるとは思わなかった。

だからと言っていい気分にはならんが。

 

「それで、お前は本当に俺に協力してくれるのか?」

 

「もちろんさ!さぁ、手を出して」

 

正直こいつに触られるのは嫌だが、此処でそう言う反応を見せる訳にもいかないし、俺は渋々言われたとおりに妖精に対して手を差し出す。

すると、妖精が俺の手に振れると同時に俺の体に何やら温かい物が流れ込んで来る。

ヤーナムでは感じた事の無い物だから少し驚いた。

 

「はい、これで君は何時でもボクを呼び出せるようになったよ」

 

どうやらさっき与えられた物で俺はこの妖精を召喚できるようになったらしい。

つまりこいつは俺の旅にはついて来ず、普段はこの森に居ると言う事になる。

まぁ、それはそれで俺にとっては都合がいいが。

 

「ボクを呼べば精一杯サポートするよっ!だからいっぱいボクを頼ってねっ♪」

 

それにしてもこいつがこんなに協力させて欲しいと思うのは一体どんな理由があるのだろうか……。

俺とは初対面だと言うのに、此処まで強調されると更に怪しく思ってしまう。

召喚もあまり使いたくはないが、だからと言って全く使わないって言う訳にもいかなさそうだ。

 

「……そうだな。その時が来たら遠慮なく協力してもらおうか」

 

「うんうん、それがいいよ♪」

 

これ以上こいつと話してしてもあまり意味はなさそうだし、ここいらで会話を切り上げてさっさと先に進んだ方がいいな。

 

「それじゃあ、俺はそろそろ行かせてもらうぞ」

 

そう言ってもう一度カインの鎧の兜を被り、妖精の元から立ち去ろうとした時だった。

 

「本当に君の自由なんだよ。気に入らない奴は殺してもいい。良い女がいれば無理やり犯してもいい。どうせこんな国、廃れて滅ぶ運命なんだからね~」

 

そんな言葉から背後から聞こえ、俺がリィフの方へ振り返ると彼女は先ほどの言葉が俺に聞こえて欲しくなかったのか、あどけない顔で笑ってはいるが少し慌てている。

 

「……なんてねっ♡それじゃあ、また会おうね~」

 

誤魔化すようにそう言うと、リィフは逃げるように広場の方へと飛んで行った。

やはり、あいつは何か知っているようだ。

 

(まぁ、それについてはもっと情報が集まってからだな)

 

今はとにかく情報を集めないとどうにもならない。

その為にも俺はロストエンパイアへと向かうのだった。

 

 




さて、どうやってリィフと協力させるか……(オイ
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