ミーン。ミンミンミン、ミーーン
夏。聞こえてくるのは蝉の大合唱のみ。人にとっては鬱陶しくてこの上ないだろうが聞きなれると大して気にならない。むしろ僕にとっては心地が良い。
(順調に育ってくれるな)
今僕は学園の花壇の手入れをしている。別に問題行動の罰やボランティアとかではない。僕が園芸部だからだ。頼まれた訳でもない。好きでやっているのだ。新設校で部の活動を申請したらあっさり通った。家がマンションだから土いじりするのが難しくこうして学園まで来て毎日土いじりをしている。部費はほぼ無いし部室も無いが土いじりができればそれでいい。何より
(ああ・・・癒される)
こうして土いじりをしていると無心になれる。最近は煩悩に悩まされる日々が続いてストレスが溜まっていたし。
「おう、お疲れ」
「あ、先生」
作業の終わりかけに担任の先生に声を掛けられる。
「しっかし大変だな。こんな炎天下に?」
「いえ。趣味ですから。それにまだ7月ですし」
「そ、そうか・・・ああ、そうだ。成海見なかったか?」
「詩乃ですか?いえ、見ていませんね」
「そうか・・・・探してくれないか?」
「え?」
「お前に成海よくなついてるだろ」
「なつくって・・・いや・・・でも」
「この前もすぐ見つけてくれただろ?じゃあ、任せたから」
こうして言うだけ言って担任は行ってしまった。
「はあ~」
ああ・・・解消されたと思ったストレスが溜まっていく・・・。きっとあの教室だろう。重い足をひきずりながら僕は詩乃がいるであろう教室へ歩を進める。
成海詩乃・・・僕の幼馴染だ。性格はつかみどこがなくクラスメイトからは猫っぽいと言われてるが僕からしたらどちらかと言うと狐娘だ。いや・・・最近小悪魔っぽくなって僕は困惑していた。別に仲が悪い訳ではない。普段普通にお喋りしれるし買い物も二人で行くし今日だって夏休みだが一緒に登校してる。だが二人っきりになると途端に詩乃は大胆になる。初めの頃は飲んでいたパックジュースをいきなり僕の口に近づけてきて
(おいしいよ?飲んでみて)
なんて言って間接キスさせようとさせるし。この前プールの掃除の手伝いをお願いされて行ったらそこには僕と詩乃だけしかいないで。詩乃は学校指定のスクール水着では無く白のスクール水着を着て。
「濡らすと透けちゃうんだ」
と言いながらホースを水着と股との間に通し濡らして透けてる水着を僕に見せつける。
(もっと濡らしてみる?)
なんて言って僕は反応に困ってしまう。それを見て詩乃は楽しんでいた。そういった事も最近ますます大胆になってきている。最近のに比べたらあの二つはかわいいものだ。この前なんて誰もいない教室で〇ッキー食べてて詩乃を見つけたら僕を見て箱を胸の谷間に入れてパンツをいきなり脱ぎ始めて〇ッキーを筋が見えないように隠して僕に向かって見せて
(ふふっ・・・・食べてもいいんだよ)
なんてこともあった。お陰で〇ッキーのお菓子の箱を見るだけでその時の光景を思い出してしまい悶々としてしまう。さらに最悪な事にそれを詩乃に見らってからかわれる。昔はあんなに大胆な事をする女の子じゃなかったのに・・・
そりゃあ詩乃は可愛いし。プロポーションを良いし。何よりも胸が大きい・・・。だからそんな詩乃にあんな事されたら思春期まっさかりの僕には刺激が強すぎてどうにかなってしまいそうになる。そんな事を考えてながら目的地にたどり着く。この空き教室は滅多に使われる事は無く入学したての頃に僕と詩乃が見つけ秘密基地みたいだねと話していた。
ガラガラ
「あ・・・」
そこには予想通り詩乃がいた。いたが問題はその姿だ。スカートを脱いでタイツは半分脱いでるし。ブラウスはボタンもせずにブラをさらして写真を撮ろうとしていた。目が合いお互い固まる。
「何してんだ?詩乃?」
どうにか絞り出すように僕は詩乃に質問をした。
「ん~~~~と。写真撮ってる?」
なぜ疑問?
「それは分かる。どうして写真撮ってるのか聞いてるの。そんな恰好までして」
「送るため」
「誰に?」
「もちろん君」
そういって僕を指さす。
「なんでだよ」
「え~。だってこの前送ったの返信してくれなかったじゃん。そのリベンジをしようと。だからこの前のよりえっちいのを送ろうと思った」
「リベンジって・・・」
それは先日詩乃が送って来た自撮り写真の事だろう。タイトルが『成長』で意味が分からず見ると自撮りで昔付けていた赤い下着を付けていた。もう胸が収まりきらずはみ出しているのをアピールしているような写真だった。そして写真には短く
「期待してる?でもだ~め」
というメッセージが添えられていた。ちらりと詩乃の乳首が見えこうふ・・・いや何を送ってるんだと怒った。
「だって~怒るだけで感想聞いて無いんだもん~?」
「感想ってどんなだよ?」
「ん~と・・・綺麗だとか。かわいいとか。似合ってるねとか。胸大きくなったね。エロエロだね。とか」
前半は誉め言葉として後半の二つは果たして誉め言葉になりえるのだろうか?
(しっかし)
今一度詩乃の姿を見る。今の詩乃の姿も十分えっちぃ。前に送って来たのはサイズが合ってないブラだったが今回のは普通のブラ。普通のブラだからこそ詩乃の胸の大きさが良く分かる。本当に大きくなったな・・・あれならスイカくらいなら軽く入るんじゃないか?と思ってしまうくらいに。つまり詩乃のおっぱいはスイカクラス・・・」
このままじゃあスイカを見ても詩乃の今のあられもない姿を思い出してしまうだろう。
「ん~何々?黙っちゃって。えっちい妄想でもしてた?」
先ほどまで見られたのがバレて恥ずかしそうしていたが。見られたのが僕だと分かったからか普段みたいに僕をからかう。
「・・・それより先生が探してた」
指摘され恥ずかしくなってそっぽを向きながら僕が詩乃を探しに来た当初の目的を達成する。
「え~感想言ってよ。感想」
プク~と頬を膨らませる。ここらへんは昔と全然変わっていない。
「それより詩乃何かしたのか?先生が探してたってよっぽどの事だぞ」
「大丈夫。大丈夫。どうせ水泳部に入ってってお誘いだよ」
「そういえば顧問だったな。でも入ればいいじゃんか?詩乃泳ぎ、すっごい速いんだろ」
授業は別だが詩乃からお喋りでよくその話題があがる。水泳部から直々に勧誘がくるって話もしてた。
「いいよ~私タイムとか気にせずに悠々と泳ぎたいから」
お茶らけながら言う。
「もうこの話はおしまい。それより感想は。か・ん・そ・う」
「え~。言わないとダメなの」
「当然だよ。こんなえっちい姿を見て何にも思わないなんておかしいよ」
「そう言われても・・・」
詩乃は何を着ても似合ってる。当然今のその恰好も。でももし今似合ってるって素直に言ったらきっと詩乃はもっとえっちい下着を身に着けるだろう。そしたら僕はもう理性に歯止めが利かなくなってしまう。僕が黙って考えていると詩乃はニヤニヤしながら
「じゃあ、素直な感想を言ってくれたらご褒美にこっちもサービスしちゃおっかな~?」
そういいながらパンツのヒモに手をかける。履いているパンツも普段のよりも一層小さ・・・いやもはやヒモでギリギリであそこが見えそうであった。
(落ち着けあのヒモは飾りだ。引っ張ってもずり落ちない。前に経験している)
必死にポーカーフェイスを装う。
「ん~どうしたのかな?」
「じゃあ・・・痴女」
にやついている詩乃に対して懲らしめる意を込めて少しきつい言葉を言う。
「痴女って。酷いな~こんなかわいい詩乃ちゃんが大事な所を君に見せようとしてるのに?」
「そういう所がだよ。大体そのヒモ引っ張ったってパンツが落ちないの知ってるんだからな」
僕が反論すると詩乃は嬉しそうな顔をした。
「覚えててくれたんだ。この下着の事君と一緒に買った思い出の下着だもんね~」
「うぐ・・・」
読まれている気がした。まんまと彼女の手のひらで転がされているんだと思うと悔しい。
「それよりもいつまでそんな恰好してるんだ。夏休み期間だけど昼間の空き教室でそんな半脱ぎで僕意外に見られでもしたらどうするんだ?」
「大丈夫。大丈夫。こんな所誰も来ないって~」
そんな時
「でさ~」
「ホントに~」
「まじまじ。」
遠くから男子生徒が来る声が聞こえる。夏休みだし滅多にこない空き教室だが部活で生徒はいるし。
「え?どうしよう?どうしよう?どうしよう?どうしよう?見られちゃう」
先ほどまでの余裕な表情とは打って変わり慌て始める詩乃。
「・・・・こっち」
僕はそんな詩乃の手を引き詩乃の荷物を持つ。
ガラガラ
「あれ?誰かの声が聞こえた気がしたけど・・・」
「そうか?何も聞こえなかったけど・・・それより飯だ飯」
「・・・セーフ・・・どうにかなるもんだね」
「ホントだよ。あんな姿見つかったら大変だった」
今僕と詩乃は掃除用具を入れるロッカーに隠れる。幸い中が空だから二人は入れた。
「でもどうして君も一緒に隠れたの」
「そ、それは、あ・慌ててたから・・・」
詩乃の冷静なツッコミ。考えて見ると状況はある意味悪化している。こんな下着の女の子と狭いロッカーで密着しているのを誰かに見られたら僕の学園生活は終わる。
「もしかして狙ってた?」
詩乃はいつものように小悪魔っぽい笑みを浮かべる。
「もっと小声で話そう」
また僕は誤魔化すために話題を反らす。しかし詩乃はそれを分かっていたかのように小悪魔っぽい笑みを浮かべ続けながら顔を僕に近づける。
「詩乃?」
「じゃあ・・・・ドキドキするね」
「!」
詩乃が僕の耳元に息を吹きかけるようにしゃべる。その際に驚いて思わず声が出そうになる。
「シーーー」
詩乃が人差し指を立てながら僕の口を手で塞ぐ。
コクコク
僕は声を殺して頷く。耳を澄ます。外から聞こえる声からして昼食を食べにここに来たのだろう。男の食事なんて10分くらいで終わるだろうしそれまでの辛抱だ。
「・・狭いね」
密着する事数分詩乃は豊満な胸を僕に当てながら言う。密着しているからか僕に押し付ける。下を覗くと詩乃の谷間が丸見えだ。
「ごめん」
「?なんで謝るの?」
「僕が慌てて一緒に入ったから」
「そんな気にしないでいいのに」
「そうは言っても・・・」
再び詩乃に目を向ける。依然として胸を僕に押し付けている詩乃。真夏の密室なので当然詩乃も汗を掻いている。でも詩乃は汗臭いどころかいい香りがする。上目遣いに詩乃は僕を見ている。シチュエーションと僕の好きな濡れ濡れな姿もあってその姿は最初に教室で見た時よりも一層えっちい・・・
(ごくり)
おもわず僕は生唾を飲んでしまう。こんな姿の詩乃とこのまま密着していたら僕の下半身が本当にやばい。感づいていないか心配で詩乃の顔を見ると
じーーーー
詩乃は僕の顔を黙ってじっと見つめていた。
「どうかした詩乃?」
「・・・・・はむ」
「!?」
詩乃がいきなり僕の耳たぶを甘噛みしてきた。今まで感じた事の無い感触に僕は驚く
「はむはむ。これはなかなか癖になる触感」
「ちょっ詩乃やめろ」
詩乃の甘噛みを止めるため少し強引に詩乃の体を押さえつける。
「あ・・・」
でもそれは形として詩乃を抱きしめる事になっていた。
「ご、ごめん」
僕は謝り手を離そうとする。すると
「離しちゃいや」
詩乃がそれを止める。
「いいよ。君になら何をされてもいいから」
「え?」
「よっしゃー帰るか。今日こそナンパ成功させてひと夏の青春を謳歌してやるぜー」
そんなバカでかい声が聞こえ足音が教室を出て遠のいていく。
「行ったな・・・」
「行っちゃってね」
「・・・・はあ~~~」
思いっきり僕はため息をつき脱力した。もしあのままだったら詩乃からの誘惑に勝てずに詩乃を襲ってたかもしれない。
「でも終わってみれば昔したかくれんぼみたいでおもしろかったね」
「まあ・・・って御託はいいからここから早く出るよ。熱くて敵わない」
炎天下の外ならまだ風があるが密閉されたロッカーの中は密着していて蒸して汗が止まらない。それは詩乃もだ。詩乃は半裸だから汗で湿った胸が一層エロくなっている。こんなところにずっといたんじゃ僕の理性が限界に達してしまう。
「それなんだけどね。言いずらいんだけど・・・いい?」
詩乃が言いにくそうにしている。嫌な予感がした。
「ロッカーの扉・・・開かなくなっちゃった」
・・・・・・・・・
唖然とする僕
「てへ♪」
やっちゃったと言わんばかりに詩乃は舌をだしおどけていた。
(あ~~も~~う~~~)
こうして閉じ込められた僕と詩乃は一時間近くロッカーと格闘してどうにかあの狭い空間から解放された。その間真夏でお互い密着しているので汗をかき濡れ濡れになり息も荒くなる。それは詩乃もだ。なので隣から蒸れて濡れ濡れになった胸。火照った吐息。もう色んな所が大変だった。良くあの状態で正直正気を保っていた自分を褒めたかった。
脱出後詩乃と一緒に先生の所に行く。話の内容は詩乃の予想通り部活の勧誘だった。だが詩乃は
「部活とかはまだする気ないので」
即断った。今までの僕の頑張りって一体・・・
「もう・・・そんなに怒らないでよ」
「怒ってないよ・・・」
帰り道自転車を押しながら僕と詩乃は帰路に着く。さっきの事で僕はもう疲れ切っていた。
「そだ?結局どうだった?私の下着姿❤」
詩乃はあんな事があったのになぜか嬉しそうにニコニコしていた。
「言わないよ!てかもうあんな事するなよ」
「え~」
「『え~』じゃ、ありません。あんなえっちいの見せるんじゃありません」
「なんかお母さんみたい」
「幼馴染も同じみたいなもんだよ。大体最近の詩乃は大胆すぎるんだよ。そんなに欲求不満なのか?」
少し毒を吐いてみる。それを聞いて詩乃は止まる。
「それは違うよ」
「ん?」
詩乃の言葉で僕も詩乃の隣で止まる。そして僕の耳元で
「あんな事君にしか見せないよ」
そう囁いた。
「え?」
「そして・・・・こんな事もね♪」
言って少し先に行くといきなりスカートをたくし上げお尻を見せる。履いていたパンツが小さいのでむっちりとした豊満なお尻がばっちり見えた。赤面している僕。そして詩乃が振り向き
「ドキッとした?」
いつもの小悪魔っぽい顔で僕にニヤニヤしながら見る。
「ーーーーーー」
あまりの事に言葉が出せなかった。
「や~~~い。えっち♪」
そして詩乃は自転車に乗り行ってしまう。その時にはスカートの中は見えそうで見えない。きっと詩乃の事だから見えないように計算してるのだろう。
「はあ~」
そんな詩乃を僕は追いかけるべく自転車に乗り漕ぐ。これからも僕は距離感の近すぎる詩乃に振り回されていくのだろう。それは困る。こんな様子じゃあ僕の想いなんて詩乃に言ったってきっと笑わって流されてしまうんだと思う。伝えたいのに伝えられない僕の想い・・・僕は詩乃の事が好きだって。幼馴染としてじゃなくて一人の女の子として。あの時僕が必死に詩乃を見られないようにしたのか。そんなの決まっている。僕意外にあんな姿の詩乃を見られたくないからだ。
SID成海詩乃
あんなに大胆な事をして流石に恥ずかしくなって急いで自転車を漕ぐ。チラッと見ると君は私を追いかけてくれる。嬉しかった。でも・・・
(そろそろ気づいてくれてもいいのに・・・バカ)
あんなにアピールしてるのに。知ってるでしょ?私があんな事するような女の子じゃないって・・・・あんな恥ずかしい写真を送ったりあんな事して誘惑するのは君だけなんだよ。何より・・・
(どうして私があの教室にばっかりいるのか分からないの?)
あそこの教室のあの席が君が育てた花が一番良く見えるからだよ。
私の想い。順序なんてもうすっ飛ばしちゃえばいいのに・・・早く分かって欲しいな。私の気持ち。
似ていないようで似たもの同士の二人。そんな二人の日常はいつになったら変わるのか?
おしまい