⌘うーん、これは予想よりもハードかも。僕、耐えられるかな?
二人の体位は再び逆転していた。
ユリィカがナチルの上に馬乗りになる形である。
二人とも全裸だ。
汗と肉に彩られる二人の空間には、不思議と甘い香りが充満していた。
「はあっ……はあっ……」
ナチルは荒い息を漏らす。
耳元で、ユリィカが囁く。
真っ赤に火照った耳に薪がくべられる。
低く艶めいた声が鼓膜を弄る。
「ねぇ? ナチはどこが弱いの?」
「胸…………あと……お股の中…………」
「へぇ……そうなんだぁ」
これもナチルが望んだ発言では無かった。
ガラヤのネジが言わせた本心であった。
来る快感に備え、ナチルは全身を硬直させる。
ナチルは快感から逃れようと必死に身を捩るが、そのその手は空を切るばかりだ。
荒い息で抵抗するナチルの身体を征服せんと、ユリィカはその小さな身体をべったりとナチルの身体へとくっつけた。
豊満なナチルの胸部が、ユリィカの平丘に押しつぶされやんわりと変形してゆく。
ユリィカは下半身を動かし下へと潜ると、ナチルの右の乳首へと歯を立てた。
コリッ……
小さな音がしたかと思うと、直後、ナチルの胸から子宮にかけて電撃のような衝撃が走り抜けた。
身体が大きく跳ね上がった。
「ん……ッ! あう……ッ!?」
「ナチ、声大きいよ? オババ様起きちゃう」
ナチルは衝撃から逃れようともがく。
だが、衝撃はユリィカの身体に押しつぶされ逃せない。
彼女の責めは、とことん快感を『逃がさない』事に特化していた。
電撃の余韻も冷めやらぬまま、今度は左の乳首に電撃が走った。
先ほどよりも小さな電撃だが、断続的にバチバチと身体を締め付けてくる。
見ると、彼女の左手が器用に乳頭の先端を揉んでいた。
「やっ……!? やあっ……!!」
「ナチ……そんな声出したらダメだよ。もっと責めたくなっちゃうよ」
「アンタが上手すぎるから……ッッッッ!?」
乳首の先を先程とは比べ物にならない電撃が走りぬけた。
ユリィカが両方の乳首の先をぎゅーっと思いっきりつねったのだ。
ナチルは再び絶頂した。
最早まともな声すら出せていなかった。
子宮の中に溜め込まれた熱いエネルギーがグツグツと煮えたぎって切なすぎて。
それを自分の手で発散したいのに、その手は器用にユリィカに妨げられて。
普段ならできる事を全部できなくされて。
やられたら嫌なことを全部やられて。
最早身体の何処を弄られても絶頂してしまう気がした。
そんな事を考えている間に、またユリィカの手が秘所へと伸びる。
彼女の細い指は毛むくじゃらの扉を押し開けると、器用に恥穴の中へと潜り込んでいった。
「〜〜〜〜〜ッッッッ!!?」
いつも自分の指だけが探検していた秘密基地にならず者が侵入してくる。
弱いところはここかな、そこかなと、まるでいたずらっ子のように試してくる。
彼女の指が動く度、頭の中をバチバチと強烈な電流が走り抜ける。
両手足をばたつかせ、ナチルは抵抗する。
そこは初恋の人にあげようと、取っておいた場所なのである。
そんな日は来ないと思っていたけれど、それでも最後のロマンとして取っておいた、彼女の最後の砦なのだ。
だが、その抵抗は意外な形で阻止された。
「ナチ……こういう事された事ないでしょ? 私がナチの初めて盗んであげる」
「!?」
ユリィカのひそひそ声に、ナチルは全身を硬直させた。
抵抗の意志が緩んだその瞬間、ユリィカは蜜穴の中に入れた指をクイと曲げてみせた。
ゴリッと、お腹の中で嫌な感覚がした。
そう、ユリィカが押したのは丁度、絶頂のスイッチ……所謂Gスポットが存在する位置であった。
訪れるであろう強烈な絶頂に、ナチルはギュッと目を瞑った。
だが、それがいけなかった。
ナチルの絶頂と同時に、ユリィカは彼女の右乳首へと噛みつき、さらに同じく左の乳首をつねりあげたのだ。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!?」
逃げられない快感は電流となって脳を焼き、ナチルの視界をホワイトアウトさせた。
瞬間的な、3点同時責めである。
しかもユリィカの責めはそこでは終わらない。
その3点を、さらに激しく責め立てたのだ。
右乳首を甘噛みし……左乳首を丹念にこねくり、Gスポットをしつこく刺激した……
その衝撃が加わる度、ナチルは歯を食いしばって全身を痙攣させた。
歯の間に指を入れ、それを噛む事でなんとか意識を保っていた。
最早、下半身の感覚は無かった。
寒気すらあった。
下半身が自分の意思とは関係なく、ガクガクと痙攣する。
ふと足の指先が冷たいものに触れた。
何か水でもかけられているような。
恐る恐る目だけを動かして股の方を見ると、そこには一筋の黄色い噴水が立ち上がっていた。
「やあぁぁぁっ………………」
お漏らしをしていた。
尿を垂れ流していたのだ。
それに気がつかないほど、気持ち良くなっていたのだ。
お腹に力を入れてオシッコを止めようとするが、下半身は言う事を聞かない。
ボタボタボタと、噴水がベッドを汚してゆく。
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい…………
たまらない羞恥がナチルの心を埋め尽くした。
「お願い……ッ!! もうやめて!! あんたの前でこんな姿見られたくないの!!」
ナチルは思わず絶叫した。
視界すら覚束ない中での叫びだった。
ユリィカの手が、パッと止まった。
痺れ切っていた下半身に少しずつ感覚が戻ってくる。
尿を垂れ流し続ける穴を指で押さえながら、ナチルは必死にユリィカから後ずさった。
布団を手繰り寄せ、裸の自分を隠す。
その姿を、ユリィカはえも言えぬ凄まじい表情で見つめている。
鬼気迫るというか、望んでいない物がそこにあるといった表情であった。
「どうして? これがナチの本当の気持ちでしょ?」
「違う……っ!」
ナチルは叫んだ。
その声は震えていた。
口の中には潮の味が充満していた。
それで、自分は泣いているんだと分かった。
もう自分の身体に何が起きているのかが、彼女には分かっていなかった。
それでも、子宮の奥が煮えたぎっているのだけはよく分かった。
「じゃあ教えて……何がナチの本当なの?」
ユリィカがゆっくりと距離を詰めてくる。
その蒼い瞳でナチルを見つめながら。
ナチルは後ずさる。
その狂気を孕んだ瞳から逃げたくて。
そんなナチルの行動を見て……何を思ったのか……ユリィカはいきなり「何でッ!?」と絶叫した。
ナチルはビクッと身を震わせた。
「考えても分からないんだよッ! 何がナチの本当で、何がニセモノなのか……」
ユリィカの声は震えていた。
怖いのか、怒っているのか?
ナチルには分からなかった。
だが、少なくとも彼女が何かしらの感情を爆発させようとしているのは分かった。
前触れもなく、ユリィカはベッドを蹴りナチルに飛びかかった。
ナチルは避ける間も無くユリィカに組み伏せられてしまった。
再びユリィカがナチルの上に覆いかぶさった形となる。
びしょびしょになった股を隠すこともできず、ナチルは顔を背ける。
「ナチは気持ちいいの、嫌い?」
「嫌い」
ユリィカはさらに、間髪入れず問うた。
「本当は?」
「…………ユリにされるんだったら……良い」
ユリィカは狂喜に表情を歪めた。
白く細い指先がナチルの乳首へと伸びてゆく。
最早ナチルにそれを止める力は無かった。
「うぅぅ………………」
ナチルは泣きながら、ユリィカの責めを享受した。
最早、彼女の精神は壊れかけていた。
与えられ続けられる快感、嫌なのに絶頂してしまう身体への嫌悪感。
親友への正と負の感情。
相反する二つの感情の渦。
それらを処理しきれず……
快感に身を捩りながら彼女は泣き続けた。
そんな彼女を、ユリィカはつまらなそうに、それでも責め続けた。
やがて、夜も更け空が薄青色に染まり始めた頃……
ナチルは生気を失いベッドに横たわっていた。
目は開かれている。
口も開かれている。
よだれがだらっと垂れ流しだ。
全身が汗とも愛液とも分からぬ何かしらの液体に塗れていた。
そんな柔々とした彼女の背に、ユリィカの小さな身体が抱きついていた。
どれほどそうしていただろうか。
ふと、ユリィカがナチルの耳元で囁いた。
「ねぇナチ……私の事、本当はどう思ってる?」
「……?」
ナチルは何も返さない。
ただ少しだけ目を動かしただけだ。
ユリィカは構わず続ける。
「私、考えられるようになってわかったんだ。本当は私の事、みんな大事に思ってないって」
ユリィカの口調は何処か寂しそうだ。
ナチルの腰に回した指をクルクルと弄びながら、彼女は続ける。
「私ね、こういうねやごと、実は前からずっとやってるんだ。近所のおじさんとか、お兄さんとか……今なら分かるよ、それがどういう事なのか」
ユリィカはきゅっと歯噛みした。
本当に悔しそうな表情であった。
ナチルの身体が僅かに硬直する。
それをユリィカが気づいたかは分からない。
ともかく彼女は続けた。
「都合のいい女……いるだけで何かやってくれる女、おせっかいなだけのバカ……ナチも私の事……そう思ってるの?」
ユリィカは涙声でそう問うた。
ナチルは答えなかった。
少しの間答えなかった。
少し待っても答えなかった。
ユリィカが指を回して……
クルクルと回して……
それが12回転目を数えた頃に。
ナチルの喉が動いた。
「ワタシ、ユリの事大好き」
「……!?」
ユリィカは目を丸くした。
しっかりとした声だったのだ。
よがって苦しんでいた者の声では無かった。
ナチルは続ける。
「時々意地悪言っちゃうけど、本当の気持ちじゃない。本当は、もっと素直になりたい。けど、本当の自分を見せる勇気がなくて……」
ユリィカは目頭がじわっと熱くなるのを感じていた。
奇品を使ってまで聞きたかった言葉が聞ける気がして。
胸をドキドキさせて、ナチルの次の言葉を待った。
「ユリが奇品を使った時、ワタシ、正直怖かった。アンタがどこか知らない所へ行っちゃうんじゃ無いかって、ワタシの知ってるユリィカは……死んじゃったんじゃないかって」
ナチルの声は震えていた。
泣いているようであった。
「うううっ…………だから…………ワタシ………………」
ナチは泣き虫だなぁ。
そんな事を考えながら……
ユリィカは口を開いた。
「よかった……ナチの本当の気持ち聞けて」
ユリィカの声も震えていた。
そこで彼女はやっと気がついた。
自分が泣いているのだと。
寂しくて、苦しくて、答えが知りたくて、知ることができなくて、泣いていたのだと。
ナチルがごろりと身体を反転させる。
彼女もまた泣いていた。
二人はぎゅっと抱き合い、泣いた。
好きなだけ泣き腫らした。
やがて……
ユリィカはナチルの瞳をまっすぐ見据え、口を開いた。
「ナチ……! お願い……私の事、綺麗にしてくれない……?」
そのお願いを口にする間、ユリィカの胸は早鐘のように鳴っていた。
勇気を振り絞って吐き出した言葉だった。
ずっと隠してきた秘密を暴露するような、そんな危うさがそこにはあった。
「今この一瞬だけでもいい。ナチだけの私になりたいの」
ユリィカの言葉に、ナチルは答えない。
ただ真っ直ぐにその蒼い瞳を見つめている。
ユリィカは涙混じりに尋ねた。
「ナチ……キス……しよ?」
それが、トリガーだったのだろう。
ナチルは両腕で彼女の頭を引き寄せると、己の唇をユリィカの唇に重ねた。
「ん…………っ…………」
甘いローズヒップの香りが、ユリィカの口の中に広がった。
甘く切なく柔らかな香りに包まれながら、彼女はナチルの柔らかな舌と己の舌を絡め続ける。
「ん…………っ…………あぁん…………」
「ふう…………っ…………ふん…………」
唾液が、まるで潤滑油のように二つの舌を滑らかにすべらせた。
二人だけの時間がそこには広がっていた。
秘密の花園がそこにはあった。
「ねぇ…………ナチ…………気持ちいい?」
ユリィカは接吻の合間に、そう尋ねた。
すぐにその口はナチルの唇に塞がれる。
「うん…………」
「……気持ちいい…………?」
「ん…………っ!」
二人は足を絡ませ、腕を絡ませ、互いの細い指を絡ませ……互いの唾液も何もかもを絡ませ、口づけを続けた。
お互いの全てを溶け合わせ一つにしようと言うくらい、濃密に溶け合った。
くちゅり……ちゅり……ちゅ……
様々な擬音が二人の行為を彩った。
最早二人は互いを見ていなかった。
その空間の中に二人を感じていた。
「ぷはっ!?」
ユリィカはふと息継ぎでもするようにナチルの唇から逃れた。
己の蜜豆にピリッと衝撃を感じたのである。
その感触の正体はすぐに分かった。
ナチルの蜜豆が己の蜜豆に触れたのだ。
磁石のプラスとマイナスが繋がるように。
何かの絡繰のスイッチが入るのをユリィカは感じた。
仕返しとばかりに、彼女はナチルの蜜豆に向けて己の秘豆をぶつけた。
ナチルの身体がビクッと跳ねた。
その感覚が忘れられなくて、ユリィカは同じ事を繰り返した。
ナチルも同じように繰り返した。
止められなかった。
いくつもの電流が、矯声と共に二人の脳内を走り抜けた。
「もっと、もっとやって! このまま気を失うくらい! お願い!!」
ナチルが叫んだ。
心からの叫びだった。
「いいよ! ナチの欲しいもの、全部あげる! 全部……全部!」
ユリィカも叫んだ。
魂の奥からの叫びだった。
二人の間で、快感の鎖が絡み合う。
鎖はチャリチャリと二人を縛り上げ、頂きへと二人を運んでゆく。
高く、高く……高く!
「ユリ……ワタシ…………もうイク……ッ!」
「一緒にイこう……! 一緒に……ッッ!!」
そしてその瞬間は、訪れた。
「「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!!!」」
ユリィカが絶頂に達するのと同時に、ナチルもビクンッと身体を大きく振るわせた。
それだけで分かった。
二人が同じ場所にたどり着けたと、ユリィカには分かった。
「はあっ……はあっ………………!!」
子宮の奥でとぐろを巻く、絶頂の波。
それらを押し殺せず、ユリィカは荒い息のまま、ナチルへと抱きついた。
もうその身体に、責めの体力は残っていなかった。
ナチルも同じであった。
二人はぐったりと、ベッドの上に倒れ伏した。
ナチルが目を覚ますと、そこには見覚えのあるベッドの天蓋が広がっていた。
窓の外からは朝日が差し込み、家の隙間から漏れ出る極寒の空気が肌を刺す。
どうにも記憶がはっきりしない。
「ユリ……」
そう呟くと、ナチルはユリィカの方を振り返った。
ベッドの上には、裸のユリィカがすうすうと可愛らしい寝息を立てていた。
その何も考えていなそうな顔を見た瞬間、ナチルは全てを思い出した。
昨夜奇品を使って心を弄ばれた事。
足腰立たなくなるまでイかされ続けた事。
そして……
何か仕返しをしてやろうとナチルが手を伸ばすと、ふとユリィカが目を覚ました。
「ふぇ……? ナチ…………?」
彼女は眠そうに目を擦り……ナチルの方を見つめる。
瞬間、彼女はガバッと起き上がった。
目をぱちくりさせ、ナチルを見つめている。
「なに……?」
「ナチ!? な、何でハダカなの? 風邪ひいちゃうよ!?」
ユリィカは素っ頓狂な声でそう叫んだ。
その反応に、ナチルは違和感を覚えた。
裸なのは当たり前だ、コイツが脱がせたのだから。
その反応は、まるで何も知らないかのようであった。
「アンタ、昨日何あったか覚えてるよね」
「昨日……? 確かナチが遅くまで調べ物してて、その後私、寝ちゃって……」
ユリィカは惚けた仕草でそう答える。
ナチルは額に青筋を立て、彼女を睨みつけた。
「はぁ!? あそこまでやってすっとぼける気!? 本当あり得ない!!」
ナチルはユリィカの細い身体目掛けて、思い切り飛びかかった。
彼女は「きゃっ」と悲鳴をあげ、そのまま組み付された。
そこに、昨日の力強さは無かった。
ナチルはユリィカの乳首を摘み上げ、ぐりぐりと引っ張ってみせる。
ユリィカは苦悶に顔を歪めた。
「な、何だか分からないけど、許してよナチ〜!!」
「分からないで済まされるわけないでしょ! もう分かった!! アンタの○+×%を+○%☆☆して足腰立たなくさせてやる!!」
「えぇ!? で、でもナチ、そういう事やった事ないでしょ? ああいうのって、意外と難しいんだよ!? 勢いだけじゃダメだよ!!」
「勢いで襲ってきた奴が何を!!」
二人が乳を繰り合いながら取っ組み合いを続けていると、ふと部屋のドアがバタンと開かれた。
そこにいたのは全身に皺の寄った、猫背の老婆であった。
二人の協力者、老魔女のマダム・マルタだ。
「ほらアンタ達、若い者同士で朝から盛りあってるんじゃないよ。今日は伯爵様が帰ってくるんだから。そら、さっさと支度しな!」
「だってコイツが! 昨日ワタシの事襲ってきたんだよ! 仕返ししなきゃ気が済まない!」
「うるさいよ! 盛りのついた猫じゃあるまいし、とっとと服着てきな!」
ナチルの首を引っ張り上げ、ワードローブの方へと放り投げると、マルタはそそくさと部屋を後にした。
そんな老婆の背を睨みつけながら、ナチルはお気に入りのパーカーへと手を伸ばす。
いつもの日常が始まる。
そんな当たり前に、ユリィカは頬を緩めた。
「私は忘れないよ。ナチの事。この先の未来で、私がどんな風になっても。絶対」
朝日に全身を晒しながら、ユリィカはそう呟いた。
これは何処かのアルムーンの物語。
ユリィカの記憶に刻まれた、アルムーンの物語。
魔法使いプリキュアを邪じゃない目で観るために、この小説を書きました。
多分もうまともな目じゃ見られないと思います。