「んじゃよろしくね犬塚ちゃん」
「うん」
「カジュアル行くぞー」
夜。自室にて俺は茶髪さんと金髪さんとVCを繋ぎながらペーペックスをする。
マッチが開始され各キャラの選択に入る。
「犬塚ちゃんは何使うの?」
「なんでも」
「オッケー。じゃあレイス使うね」
「んじゃ俺はジブラルタル使うわ」
二人のキャラも決まり俺はブラッドハウンドを選択する。
そして降下開始し、人気マップの一つへ向かう。
「3パいるね」
「うん」
「あーワン逸れた」
「オッケー」
「俺ここ降りるわ」
「了解」
「なら俺ここ行く」
「ここ行く」
「ほい」
家の中に素早く入り物色するとSMGとSGがあったのでそれを持って移動。
「やり合ってる」
「うん」
「漁夫る?」
「してもいい」
「んじゃ行きますか」
金髪さん、茶髪さんと共に少しずつ前線を上げていく。漁夫をしに行って逆に漁夫られるのは最悪のシナリオだが、カジュアルだし楽しくやれた方がいいだろう。
接敵し、撃ち合いが始まる。
「レイス割ってる」
俺はレイスと交戦し、二人はそれぞれヴァルキリー、レヴナントと交戦しているようだ。
「レヴナントダウン」
「レイスダウン」
俺がそう言って十秒後茶髪さんがヴァルキリーをやったところでワンパが壊滅した。
「もうイッパ来てる」
「了解」
「オッケー」
素早くデスボックスを漁りアーマーを着替え弾や物資を補充する。
漁り終えて五秒後に敵が撃ってきたので撃ち返す。
「ワットソンダウン」
俺はワンマガジンでワットソンをダウンさせ、二人の援護に向かう。
「コースティック割ってる」
「了解」
「ごめん!やられた!」
「了解」
先にコースティックを潰して金髪さんを助けに行く。
あちらもこちらへ詰めてきていたのでかち会ってしまう。
今茶髪にはシールドセルを巻いてもらって回復してもらっている。
俺も相手もレレレ撃ちをしているが、相手はそこまでエイムが良い訳でなかったので俺が撃ち勝った。
「やった」
これでニパーティー潰し俺は金髪を起こし、物資を漁る。
茶髪さんも注射器を使い回復しているところで、金髪さんはアーマーを変えてから医療キットで回復している。
そこからはひたすら敵を探して接敵壊滅させて物資を漁りまた敵を探して接敵。壊滅させの繰り返しだ。
「抜いた」
俺がクレーバーで敵をダウンさせたことで二人が一気に詰めていく。
それを援護するためにクレーバーは構えたままだ。
敵が頭を出したので頭を撃ち抜きダウンさせ残り一人。
「あと一枚だけ」
「オッケー!」
「ナイス犬塚ちゃん!」
二人がゴリ押ししてチャンピオンとなった。
ーーー
翌日の朝。朝食を作るため台所に立っていると後ろから弟が抱きついてきた。身長差があるので弟は今少しだけ屈んでいるのだろうが、俺の胸を平然と触るのはやめろ。ちょっとフラッシュバックするだろうが。
「邪魔」
今作っているのはスクランブルエッグなので特に危ないことはないが、後ろから抱きつかれるのは心臓によろしくないし、何より身動きがしづらい。
「愛しいねえーさんを抱きしめたくてたまらないんだよ」
「なら放して」
スクランブルエッグと一緒にお高いシャウエッセンのソーセージを炒めている。俺はソーセージは茹でる派なのだが、弟はこっちの方が好きなので今日は我慢している。
「何度揉んでもねぇーさんのおっぱいは最高だよ」
何度も姉の胸を揉む弟がいるのはどうかと思うが、好きにさせてきた弊害だろうか。というか手つきいやらしくね?なんか変な気分になるからそれ以上揉むのはやめろ。
「それ以上はやめて」
念のため火を止めて俺の胸を揉み続ける弟をちょっと睨んでみる。だが弟はニコニコしたまま揉むのをやめない。
「だからやめ…ひゃん!?」
胸から痺れるような感覚に思わず変な声を上げてしまう。流石にやり過ぎだ!俺はすぐさま弟を止めるためにも振り向き弟を注意しようとしたのだが。
「んん!!」
キスで口を塞がされぱんぱんと弟と肩を叩き放すように行動で示してみるも、弟は止まらず俺の腰に腕を回してお姫様抱っこの容量で俺をソファへと連れて行きそこへ寝かせる。
「な、何するの」
弟の目はとても真剣そのもので茶化しているとかふざけているような感じもない。まさかこれ以上のことをするつもりなのか?それは姉として何としても防がないといけない。今は母親もいないし、俺たちだけ。なら年長者として弟を止めることも大切な仕事?だろう。
「ねぇーさん俺がどれだけ我慢してるか知らないでしょ」
いきなり何の話だろう。我慢?不満や不安があるなら姉として相談に乗るからこういうことはやめて欲しい。
「俺はねぇーさんのこと一人の女として好きなんだよ。気づいてないでしょ」
それは…。どう答えるのが正解なんだ。普通なら拒絶して諦めさせる?それともデメリットを懇切丁寧に説明してみる?いや俺そこら辺よく知らないからウィキペディア先生に書いてあることを記憶して話すくらいしか…。
「物心ついた頃から俺はねぇーさんが好きでたまらなかった。今もそうだよ。今すぐねぇーさんを犯したい。俺のものにしたい」
そう言う弟はどこか振り切れていないように見える。きっと父親の件が頭のどこかで主張しているのだろう。俺を犯してもきっといいことはないって。理性が弟を止めている今しかないだろう。
ここで逃げるのは悪手だと思う。今後弟との関係にもどこかで必ず影響が出る。
「正樹」
ここでどう対話するのが正解なのだろうか。レイプされたのだって今生が初経験だし、弟にそう言う目で見られてるというのも初体験。
ただなんとなくこれはマズイのではないかという感覚はある。
「私は姉として正樹の全部を受け止めるよ」
これが今の俺が出せる精一杯の答えだ。正解か不正解かそれはいずれ分かるだろう。
ただ一つ言えることは弟の目が本気になったことだろう。
「ねぇーさんは怖くないの?」
弟はそう言って俺の頬に手を添えて顔を近づけてくる。きっと性暴力がきっかけで男を嫌っているのかどうかと言う話だろう。
正直ちょっと怖い。二度目じゃなかったらトラウマは確実で精神的にやられてたかもな。
ここで拒絶すれば弟はグレる気がするのだ。ただの感だが。
「怖くない。大切な弟をどうして怖がるの?」
「そっか」
そう言った弟は俺の首にキスマークをつけて胸を一揉みした後俺にキスして俺の上から退いてくれた。
「ねぇーさんのこと絶対振り向かせるから」
そう言って弟はフライパンに転がるソーセージを一つ摘み食べた後リビングを出て行った。
ーーー
朝。電車に揺られて学校へ向かっているとまた痴漢の人が俺の胸を触り始めた。恐らく前と同じ人だ。弟の触り方もいやらしかったけどこの人も触り方がいやらしい。
「あれ?乳首固いけど興奮してる?」
だれが興奮してるものか。これは弟に触られたせいだ。決してお前のせいじゃない。調子に乗るな。
「声出しちゃダメだよ」
左胸を揉んでいた手が放れたと思えば今度は尻触り始める。
「すべすべで可愛いお尻だね」
こいつ胸だけなら勘弁してやっていたのに、秘部を触ろうとしているな。
それ以上は流石に看過できないな。
「ひゃん!?」
思わず声が出てしまい一気に視線が俺に集中する。ということは。
「おい痴漢がいるぞ!」
「捕まえろ!」
周囲の男性たちが一斉に動き出し俺を触っていた奴を取り押さえたことにより俺の胸から手が放れ、肛門から指が勢いよく抜かれる。
「ひぐっ!?」
思わず座り込んでしまいそうになったが、なんとか耐えた。
「君、大丈夫かい!?」
俺はコクリと頷き、答える。大人たちに取り押さえられた男はやはり前に俺を痴漢した男だった。
ーーー
「犬塚さん大丈夫だった?」
お昼も過ぎた頃。俺は学校へと来ていた。
現在午後の授業の休み時間。青髪さんに抱っこされながらいつもの面子たちが集まっていた。
「うん」
「怖かったでしょ?」
よしよしと頭を撫でられて少し安堵しつつ、内心ではちょっと申し訳ないと思ってもいる。俺のせいでこの人たちには気を遣わせてばっかりだ。
「へいき」
にしても次は体育。憂鬱だな。
「次は体育だし移動しよっか」
青髪さんがそう言ったことによりぞろぞろと皆んなで移動を開始する。
「犬塚ちゃん。そのキスマーク誰の?」
金髪さんが平然とそう聞いてきたので弟とだけ答えておく。
「へ、へぇー…」
「そうなんだ…」
あれ?反応がおかしいぞ?もっと簡単にスルーすると思ったのに、誤解されてそうだ。
「犬塚ちゃんとその弟さんってそう言う関係?」
茶髪さんが切り込んだことで他の人たちは俺の返答を固唾を飲んで見守っているような状態となる。
「普通の関係」
普通なんていくらでも変わるので何の答えにもなっていないが、これで納得してくれたらいいな。
「姉にキスマークをつけるような弟は普通とは言い難いな」
はい。普通じゃないです。
「まあ犬塚さんにも色々あると思うし、今はそれくらいでいいんじゃない?」
今はということは今後どこかで詰められるということだろうか。
色々な意味で憂鬱だ。