2年生の卓哉が泣き始めると…、傍で見ている拓也は、少し可哀想だなと思いながらも…、理由が理由だけに、いま叱られておいた方が卓哉君のためかもしれないな…、とも考えていた。
…2年生で、夜1人でトイレに行けないというのはなかなかにキツい…。
学校のトイレは平気なようだが、このままズルズル3年生、4年生になってしまうよりは…、多少厳しくされても、いま直しておいた方が良い気もする…。
…今回、"協力"しているだけの拓也でさえ、そう思ってしまうのだから…、卓哉の母親の心配はもっとだろう。
(…た、卓哉君…、可哀想だけど、"2階の窓からオシッコ"はさすがに僕もダメだと思う…。)
…夜、トイレに向かうのが怖い"2年生の卓哉"は…、2階の窓からオシッコをしたり、庭の至るところで用を足してしまう…。
母親を困らせようとする意図は無さそうに思えるが、ニオイなどの実害も出ているのだろう。
…あんなに優しかった"卓哉の母親"が、まったくお尻ペンペンの手を休めようとしていない…。
「…この前もお尻ペンペンしたばかりなのに…、まったく懲りてなかったのね、"タクヤ"はっ!?」
…パシィンッ!
「…あぁん、痛いぃ〜っ!?」
「…お母さんにもうお尻痛い痛いされないように…、頑張っておトイレに行くって約束したばかりでしょっ、"タクヤ"ッ!?」
…ピシャッ!…パァンッ!!
「…痛いっ、…痛ぁ〜いっ!?」
「…そんなにおトイレ行きたくないなら、また昔のオマル使うっ!?…アヒルさんのオマルでシーシーするのが良いのっ!?"タクヤ"はっ!?」
…ピシャンッ!!
(…き、聞いてる僕のほうが恥ずかしいよぉぉ〜っ!!?)
…シモの躾に関して、母親にお仕置きされ続ける"2年生の卓哉"への説教を、近くで聞きながら拓也は…、タクヤ、タクヤ…と連呼されるたびに、自分もそれについて叱られているような錯覚を覚えてしまう。
…これではまるで、拓也に対するお仕置きだ…。
…そして拓也はまだ、もう1つ大変なことを見落としていた。
(…卓哉君…、おばさんに何回ぐらいお尻ぶたれるんだろう…?…あの様子だと、30回くらいかな…?…おばさんも、"怖〜いお母さんになる"って言ってたし…、怒ってるフリはしていても、きっと冷静だよね…?)
…拓也の読みは、概ね当たっていた。
"卓哉の母親"は…、お尻ペンペンが30回と少しを過ぎた頃に、息子の卓哉を膝から下ろし…、真正面に立たせると、真剣に目を見ながら言った。
「…卓哉。…頑張ってもお漏らししちゃうのは仕方ないわ。でも、夜おトイレに行く練習はしないと駄目。」
「…ひっぐ…、はい…。」
「…1人で行くのが怖かったら、お母さんついて行ってあげるから…、窓からオシッコなんて、もう絶対にしちゃ駄目。…わかった…?」
「…ぐずっ…、わがっだ…。」
「…あ、もちろんお庭も駄目よ?見つけたらまたお尻ペンペンですからね?」
卓哉の母親は、息子である卓哉への説教を続けながらも…、その表情は、さっきまでの怒った表情が嘘のように柔らいでいる。
…あぁ、良かった…。
…見ている拓也も、一時はそのように思ったのだが…。
ここから事態は急転する。
「…さぁ卓哉、もうお尻しまって…。お母さん今度は、"拓也お兄ちゃん"にお話があるから…、卓哉もよ〜く見ておいてね…?」
「…えっ…?」
"2年生の卓哉"は、母親が何を言っているかが理解できず…、戸惑っているように見えた。
「…さぁ〜っ、拓也君…、わかっているわね…?」
(…つ、ついに…、来ちゃったぁ〜っ…!?)
…事前に何をされるかわかっていても…、やはり拓也は緊張してしまう。
「…家の卓哉と同じように、拓也君にもお尻ペンペンしてあげます。…ズボンと下着を下ろして、おばさんの所にいらっしゃい。」
「…えっ!!?…た、拓也お兄ちゃんも…、今からお尻ペンペンされちゃうの…!!?」
「…そうよ〜?卓哉とおんなじだねぇ?」
「…ウ、ウッソだぁ…。拓也お兄ちゃんが、僕とおんなじお尻ペンペンなんて…。」
2年生の卓哉は、まだ母親の発言を完全には信じていない。
…それだけ、拓也を上級生として慕っているという事だろう。
…拓也は、これから行われる"見せしめ"の事を考えるだけで…、恥ずかしすぎて身体が震えてきた。
(…うぅ〜っ…、いくら"演技"とはいえ…、こんなに僕を信頼してくれてる卓哉君の前で、お尻を出すなんて…!?)
…拓也は、まだ気付けていなかった。
…今回の恥ずかしさの頂点は、そこではないのだ。
「…だって…、変だよ…。どうしてお母さんが、"拓也お兄ちゃん"にもお尻ペンペンするの…?」
「…うん卓哉、それはねぇ…、」