"卓哉の母親"は、いまお尻ペンペンで泣いている拓也の涙はすべて"演技"であり…、痛いフリをしているだけなのだと思い込んでいる。
…事前の打ち合わせで、"叩くのをやめないでね"と拓也が自分から頼んでしまった以上…、卓哉の母親がそう勘違いするのも無理はないのだが…、今の拓也はただ単に、痛みと恥ずかしさで泣いているだけであり…、演技と言うよりも、まるで本当に"お仕置き"されているような状況に陥っていた。
…バチィィィィィィィッ!!!!
「…痛だぁぁいっっ!!?…ぐずっ…!!」
…ピッシャァァァァァァンッ!!!!
「…うわぁぁぁぁんっ!!?…ひっぐ…!!」
…パァァァァァァァンッ!!!!
「…ぎゃあああああ〜っ!!?…ごべっ、ごべんなざいぃぃ〜っ!!?…ひっぐ…っ!!」
…"演技"だと盲信しているせいか…、"卓哉の母親"の平手打ちによるお尻ペンペンは、回数を重ねるごとにどんどん威力を増していき…、手加減するどころか、拓也が本当に、とんでもない粗相をしたかのごとく、延々と繰り返される。
…凄まじいスピードで腫れていく拓也の尻肌は…、昨日の"集会"のダメージも残っており、あの奈津子や、綾子の母親を本気で怒らせた時を彷彿とさせるほどの無惨な赤みを帯びていた。
…それを直で見せられている"2年生の卓哉"は…、自分の母親も、本気で怒ったらここまでのことをするのだと…、自分はまだ小さいから、今まで手加減してくれていただけだったのだと…、心の底から恐怖を感じていた。
(…ぼっ…、僕も…、ちゃんとおトイレに行く練習しないと…、いつか拓也お兄ちゃんと同じ目に…!?)
"卓哉"は、夜トイレに行くのが怖く、2階の窓からオシッコをしてしまったこと…、庭でも頻繁にオシッコをしていること…、たまに諦めてお漏らしをしてしまうことなど…、その全てを猛省し、何とか"恐怖のお仕置き"に至らないよう、努力しようと決意するのだった。
「…ほら拓也君っ!!おばさんのお手々でちゃんと反省できてるっ!?」
…バチィィィィィィィッ!!!!
「…ああああ〜っ!!?…じます、はんぜいじますぅぅ〜っ!!?」
「…本当にっ?…もし足りなかったら、拓也君のお母さんもここへ呼んであげるわよっ?…お母さんのお手々でもペンペンされて、痛い痛〜いってもっと泣いちゃうかもしれないわねぇ〜っ!?」
…"卓哉の母親"は…、まさか本当にそんな事をしようとは微塵も考えていないのだが…、いま叩かれている拓也にとっては、既にそれは"経験済み"の出来事である。
…かつて拓也は、勇太の母親である奈津子からお尻ペンペンのお仕置きを受けた直後…、急いでズボンを上げ直すよう言われ、まだお尻がヒリヒリ腫れている状態で、自分の母親である美由紀を部屋に招かれてしまった。
…さらにその後…、奈津子が美由紀に"お尻ペンペンのやり方"を教える流れになり、すでにズボンの中のお尻が真っ赤っ赤に腫れていたにも関わらず…、"今から拓也君に初めてのお仕置きをします"と、奈津子の膝の上にのせられ、かなりきつくお尻を叩かれたのだ。
…ズボンを穿いていたおかげで、拓也の尻が腫れていたことには美由紀は全く気付かず…、奈津子からの尻叩きがぜんぶ終わった後、まだ反省が足りないからと、母親の美由紀によるお尻ペンペンも始まってしまった。
(…あっ、あの時みたいに…、もし"卓哉君のお母さん"が家のお母さんをここへ呼んじゃったら…、今度こそ、どれだけ叱られるかわからないよ…っ!?)
息子の"卓哉"に演技だとバレないように…、"拓也お兄ちゃん"を真剣に叱る卓哉の母親。
…しかし、"お母さんを呼ぶ"という脅し文句は、拓也には少々効きすぎていた。
(…そっ、そんなことをされるくらいなら、いっそ…!…くうぅっ!?)
「…ひぐっ…、…ぐずっ…、お…、おばざん…っ!」
「…あら、どうしたの?拓也君。」
"卓哉の母親"の、お仕置きの手がピタリと止まる。
…さすがの拓也君でも、そろそろお尻が痛いと言ってくるのかもしれない…。
そうなった時に、次の"演技"をどうしようかと思案していた卓哉の母親だが…。
「…も、もっと…、強ぐ…。」
「…えっ…?」
「…ぐずっ…、…もっと強ぐただいで良いがら…、お母ざんにだけは…、言わないでぇぇ…、ひっぐ…!?」
(…ええぇ〜っ!!?…ちょっ…、ちょっと拓也君〜…っ!!?)
…涙で声を震わせながら、そう訴える拓也。
…もともとかなり強めを意識してお尻を叩いていた卓哉の母親は…、驚きを隠せない。
(…ま、まだまだ余裕があるってこと…!?…もしかして、お家で叩かれる時に比べたらまだ全然弱いのかしら…?…で、でも…っ、もうこんなにお尻が腫れている拓也君に…、もっと思い切りだなんて…!?)