すでに拓也の尻肌は、びっしり"卓哉の母親"の手形で一杯だ。
…この上さらに強く叩けというのは…、怒る姿を演じているだけの"卓哉の母親"にとって、非常に心苦しい。
(…だけど、私が強く叩いてあげないと…、この真っ赤に腫れたお尻も、ぜんぶ無駄になっちゃうのよね…。)
"卓哉の母親"はしばらく葛藤した後…、拓也に対して、その"覚悟"を問う。
「…拓也君…、"もっと強く"って…、本気で言ってる?」
「…ぐずっ…、…は、はい…っ。」
「…あと何回…、おばさんにお尻ペンペンされるかわかってる?…114回だよ?…このままの強さでも、終わればお尻真っ赤っ赤で、じっと座っていられないぐらい腫れちゃうと思うけど…。」
(…ぐっ…!?…ま、まだそんなに残ってるのぉ…!?)
「…本当に、もっともっと痛くして良いのね…?」
「…ヒィィッ…!!?」
(…だ、だって…、こうでも言わないと、僕のお母さんを呼ばれちゃうし…、ああもうおばさんっ、一体どこまでが"演技"なのか、ハッキリ教えてよォォ〜ッ!!?)
拓也が昼休みに焦って返事をしたせいで、"卓哉の母親"とはほとんど話のすり合わせが出来ていない。
ぶっつけ本番で"見せしめのお尻ペンペン"に臨んでしまったことを、今になって激しく後悔していた。
(…こっ、こんなことなら、もう少し…、ちゃんと真剣におばさんの話を聞いておくべきだった…。)
「…拓也君っ!?」
「…はっ、はいっ!?」
「…最後に、もう一度聞くわね?…おばさんは、拓也君に、"思いっ切り"お尻ペンペンしても…、本当に良いのね?」
「……はい…。」
「…わかった、じゃあ…、本当に思いっ切りね?」
…"卓哉の母親"は大きく深呼吸をすると、今度は息子である卓哉の方に視線をやり、こう言った。
「…卓哉。」
「…はっ…、はい…。」
「…聞いていたでしょう?"拓也お兄ちゃん"はね…、頑張って早くお漏らしを治したいから、もっと痛いお尻ペンペンを沢山して欲しいんだって。…卓哉にも、そんな勇気のあるお願いが言える?」
(…えっ、…な…、何かまた僕の意図とは違ってるような…!?)
「…ぼ、僕は…っ。」
「…うふふ…、卓哉にはまだ無理だよねぇ?…でも…、"拓也お兄ちゃん"の勇気あるお願い…、そこでしっかりと見ておくのよ?」
「…はい…。」
「…いつか卓哉も大きくなったら…、こうされるんだから。」
…そう言うと"卓哉の母親"は…、本当に、一切の手加減なども全て忘れ…、拓也の腫れた尻肌に、とびきりの平手打ちを見舞った。
…バッチィィィィィィィィ〜ンッ!!!!!
「…ぎゃああああああああ〜っ!!!?」
「…あと113回。」
…ピッシャァァァァァァァッ!!!!!
「…ひぎぃぃぃぃぃぃぃ〜っ!!!?」
「…112っ。」
…パァァァァァァァァ〜ンッ!!!!!
「…痛だぁぁぁぁぁっ!!!?」
「…111。」
「…お…っ、おば…、」
…バッチィィィィィィィッ!!!!!
「…ああああああああ〜っ!!!?」
「…110。」
"卓哉の母親"は一見…、淡々と、非情なまでに冷酷な折檻を続けているように見える。
…しかし、心の中は拓也への申し訳なさと感謝で一杯で…、余計なことを喋ってしまうと、"お仕置き"が続けられないほど心が乱れてしまうことを自覚していた。
(…本当にありがとうね拓也君…、家の卓哉のために…。)
…パァァァァァァァ〜ンッ!!!!!
「…痛だぁいっ、痛だぁぁぁ〜いっ!!!?」
(…こんな素敵な"お兄ちゃん"が居てくれたら、家の卓哉もきっと、良い子に育ってくれるわよね…。)
…ピッシャァァァァァァァッ!!!!!
「…ヒィィィッ…、ヒィィィィィィ〜ッ!!!?」
(…今はまだ腕白だけれど…、毎回ちゃんと叱ってあげれば、きっと…。)
…バッチィィィィィィィィ〜ンッ!!!!!
「…ああああああ〜っ!!!?…ごべっ…、ごべっ、なざっ…!!…ぐずっ…!!!」
…拓也は痛みのあまり、"演技"などということはとっくに忘れ…、謝罪の言葉を口にしようとしているのだが、それすらままならない。
美由紀や奈津子への発覚を恐れるあまり…、不用意に"200回"だと答えてしまったことが、まさかここまでの罰に変貌するとは…、もちろん想定していなかった。
(…いっ、痛すぎて…っ、…もう、"演技"どころじゃないよぉ…、これっ!!?)
…ピッシャァァァァァァァッ!!!!!
「…97。」
…バッチィィィィィィッ!!!!!
「…96。」
…パァァァァァァァァ〜ン!!!!!
「…95……。」
…ただただ、拓也の真っ赤に腫れた尻を思い切り叩きながら、残りの数を読み上げていく"卓哉の母親"。
拓也はヒィ、ヒィ、と呼吸を荒げながら…、必死に泣いて謝ることしか出来ない。
「…ひっぐ…、…ひっぐ…、おばざん…っ、お漏らししでごべんなざぁ〜い!?…ぐずっ…!!」
「…駄目よ、拓也君っ。…まだおばさんのお尻ペンペンは────、」
…その時だった。
拓也は一瞬、お尻ペンペンの痛みを感じなくなり…、それどころではないほどの大ピンチが、自身に訪れていることに気付く。
(…ま…、待ってよ…、まさか…っ!?)
…バッチィィィィィィィ〜ンッ!!!!!
「…91っ!」
(…ヤッ、ヤバい…っ、…僕いま…、本当に…、トイレへ行きたい……っ!!?)
拓也は"お漏らし"や"おトイレ"などと連呼されながら叱られるうち…、本当に突然の尿意に襲われているのだった。
(…だっ、ダメだ…、何も考えないようにしないと…、本当にお漏らししちゃう…っ!!?)
…パァァァァァァァァ〜ンッ!!!!!
「…ぎゃあああああっ!!?」
「…1人でおトイレ行けるようになろうね拓也君…、89っ!」
再び猛烈な痛みをお尻に感じると同時に…、尿意が何倍にも膨れ上がってしまう。
(…まっ…、マズイマズイマズイマズイ…、これ以上は、本当に…っ!!?)
「…ほら拓也君、頑張って~?大きなお兄ちゃんでしょう?」
「…おっ…、おばさ…、」
「…お尻痛い痛いだねぇ?…でも拓也君、この大っきな身体でお漏らししちゃうような悪い子は…、」
…ピッシャァァァァァァッ!!!!!
「…痛だぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
「…もっともっとお尻痛い痛いされるんだよ〜?…88っ!」
(…もっ、もう駄目だぁ…、さすがに…、…限…、界……っ!?)
…そこからの数十秒間、拓也はお尻を叩かれる痛みの記憶が抜け落ちている。
…さらに十数発は叩かれていたはずなのだが…、痛みより何より尿意が勝り…、それどころではなかったのだ。
…そして、ついに…。
「…拓也君っ、きちんとおトイレに行く練習しないと駄目でしょう?」
…パァァァァァァァ〜ンッ!!!!!
「…73、…って…。」
…ジンワァァァァァァ〜ッ…。
その太腿の温もりにいち早く気付いたのは…、卓哉の母親だ。
「…たっ、拓也君っ!?」
思わず驚きの声をあげたが…、ここで慌てふためいては、"見せしめの演技"だったことが息子の卓哉にバレてしまう。
卓哉の母親はあくまで冷静なフリをして、傍で見ている卓哉に指示を出し始めた。