その日から、拓也は今まで以上に足繁く勇太の家へ通うようになった。
理由はもちろん、母親の奈津子に尻を叩いて貰うためなのだが…、その"予約量"が尋常ではないため、少しずつ消化していかないと後々大変なことになるわよ…と、お尻ペンペンをする側の奈津子からたっぷり脅しをもらってしまったせいもある。
「…ほらっ、拓っくん!9月28日ぶんっ!」
…ピシャァァ〜ン!!…パァンッ!!…パァァンッ…!!
「…ひいぃぃぃ〜っ!!?」
拓也もすっかり奈津子に"お尻ペンペン"される姿が板についてきており…、それはまるで、本当に、悪さの過ぎた子供を母親が折檻しているような光景であった。
「…拓っくん…、ごめんなさいは?」
「…ひっ、…ご、ごめんなさいぃ…!?」
「…自分から言えないうちは、まだ反省していない証拠ね?…9月28日のぶんは、3倍にするわね。」
「…えぇ〜っ!?…そ、そんなぁ…、ひっく…。おばさん…、ごめんなさいぃ〜っ!?」
「…い〜え。おばさん、拓っくんが本気でごめんなさいしてる時の顔が、最近わかるようになってきたの。…ほら…、まだ余裕って顔してる。」
「…し、してな…!?」
…バッチィィィ〜ン!!!
「…ぎゃああああ〜っ!!?」
「…ほらね。…本気で痛い時はそういう顔になるでしょう?」
「…ぐすっ、…うわぁぁぁ〜ん!!」
奈津子は拓也が泣いても、尻叩きの手を休めようとはしなかった。
扱いも息子である勇太を叱る時とほぼ同じに変化してきており、尻叩きを重ねるほどに厳しさは増していった。
「…ほら拓っくん?…夏休みの宿題…、9月28日を過ぎてもまだ終わっていないって書いてあるわよ?…こんなに悪い子だったのね、拓っくん。おばさん知らなかったわ?」
…ピッシャァァァ〜ン!!
「…あああああ〜っ!?」
「…3倍ペンペンと別に、こっちのお仕置きも必要みたいね…?夏休みの宿題なんて、始業式の日には終わっていないといけないはずでしょう?」
…バッチィィィ〜ン!!…パァァ〜ンッ!!…ピシャァァ〜ンッ!!
「…ひぃぃぃぃ〜っ!!?…おば…、おばさん…、…ひぐっ…、ごめんなさいぃぃ〜っ!!?」
「…い〜え許しません。9月の頭から、夏休みの宿題のぶんを順番に消化していくわね?…次の9月30日ぶんのお仕置きは、それが全部終わった後です。」
「…も、もう嫌だぁぁぁ〜っ!!?」
奈津子は本当に、"拓也が小学生の間にしでかした全ての悪いこと"を1つ1つお尻ペンペンで贖罪させようとしている。
それが拓也の願いでもあり、3年生の時のトラウマを払拭することにも繋がると確信している奈津子は、心を鬼にして、息子の勇太にする時と同じように拓也の尻を真っ赤に染め上げ続ける。
…ピシャァァァンッ!!…バシィィンッ!!…パァァ〜ンッ!!
「…痛い痛い、痛いぃ〜っ!?うわぁぁ〜ん!?おばざん、ごべんなざいぃ〜っ!!?」
「…まだ駄目。拓っくん、夏休みの宿題のこと、おばさんにちゃんと言えてなかったでしょう?」
「…だ、だっで、だっでぇ…!!…うわぁぁ〜ん!!!」
「…だってじゃありません!…もう拓っくん、今日という今日はおばさん本気で怒ったからね?…もうすでにお尻は真っ赤だけれど…、勇太が同じことをしたら、お尻ペンペンがそのあと何十分間もず〜っと続くのよ?…拓っくんにも、同じようにしてあげるわね?」
「…い、嫌だっ…、嫌だぁぁぁ〜っ!!!」
「聞きません。」
ピシャァァァンッ!!!バチィィィンッ!!!パァァンッ!!!パァァ〜ンッ!!!バシィィィッ………、
「…うわぁぁぁぁ〜んっ!!?ごべんなざい…!!!おばざんごべんなざいぃぃ〜っ!!?」
「駄目、拓っくん。おばさんが本気で怒ったら、どういうことになるか…、今日はたっぷり教えてあげるわ。」
「…うわぁぁぁぁぁ〜ん!!?」
奈津子は、お尻ペンペンの数を増やす日と減らす日を敢えて極端に分けることで、拓也が"大体このぐらい叩かれるはず"と予測出来ないようにしていた。
それは"お仕置き慣れ"すると、罰の効果が薄まるからでもあるが…、本当は拓也が、たまにはこうして心の底から泣かされたいと考えているのも見抜いていた。
しかし奈津子はそれを本人には決して言わず、"怖いおばさん"を演じながら、全力で拓也の尻を叩くのだった。
バッチィィィィンッ!!!ピシャァァ〜ンッ!!!パァァンッ!!!パァァンッ………、
「…いだっ!?…いだぁっ…!!?…いだいよぉぉ、おばざぁ〜ん…!!」
「…えぇそうね。痛いわね、拓っくん?…でも、夏休みの宿題のこと、もし最初からおばさんに言っていたら…、こんな風になっていたかしら?」
「…ひぐっ、…なっで、ない…!!」
「…じゃあ拓っくん、誰が悪いの?」
「…ぐすっ…、…ぼぐ…。」