※この作品はR-18です。

ふしぎな気遣い   作:佐田トレコ

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3つのお尻3

「…反省しなさいっ、遥香っ!」

 

…ピッシャァァァァァ〜ンッ!!!

 

「…あひぃぃぃぃ〜っ!?…ご、ごめんなさいお母さぁ〜ん…っ!!」

「…ダメっ!」

 

…バチィィィィィンッ!!!

 

「…きゃあああっ!?」

「…あなたがいつもいつも甘やかすから…、秋仁も、善い事と悪い事の区別が出来なくなってきてるのよっ!?」

「…だ…っ、だってぇ…。」

「…今のは少〜しだけ、お母さんの本音です。」

 

…ピシャァァァァァァッ!!!!

 

「…痛ったぁぁぁぁ〜いっ!!?」

「…とっても痛いでしょう?…このままずっと甘やかし続けていたら…、秋仁もず〜っとこんな目に遭っちゃうわよ?」

「…うぅ…っ。」

 

…どうやら"遥香の母親"は…、今回、遥香の企んだ"弟の罰を半分庇う計画"よりも…、遥香が日頃から、"弟に甘すぎる"ことを叱っている様子だ。

…拓也には、姉弟の仲が良くて何が問題なのかは全くピンと来ないが…、母親が怒るほどである。

…よほど常軌を逸しているのかもしれない。

 

「…今回のことだって…、拓也君まで巻き込んで、この子はっ!!」

 

…パァァァァァァァ〜ンッ!!!

 

「…ひぃぃぃぃっ!?…そ、それ…、は…っ。」

「…遥香1人でこんなこと頼んでも、お母さんが聞いてくれないと思ったんでしょう?…だから、拓也君を無理に巻き込んだ。…違う?」

「…。」

「…あら、お返事が出来ないの遥香は?」

 

…バッチィィィィィィィ〜ンッ!!!!

 

「…きゃああああああ〜っ!!?」

「…秋仁を助けたいからって、同じクラスのお友達まで巻き込んで…っ!!…お母さん、遥香をそんなイケナイ子に育てた覚えはありませんよっ!?」

 

…ピッシャァァァァァァンッ!!!!

 

「…ひいぃっ!!?…ひぃぃぃぃぃ〜っ!!?」

 

…パァァァァァァンッ、…バチィィィィィィィッ!!!!

 

「…嫌ぁぁぁぁぁぁ〜っ!!?」

 

…半分は"演技"の、"たった30回のお尻ペンペン"だったはずが…、遥香はもう、完全に母親から"お仕置き"されている…。

そのすぐ隣で、四つんばいの姿勢でお尻を突き出している拓也は…、これが済んだら、次は自分なのだとガタガタ震えていた。

 

(…ううっ…、さ…、30回だけならと思って…、簡単に引き受けちゃったけど…。…おばさん、"集会"の時より更に、お尻ペンペン強くなってない…!?)

 

 

 

…遥香は泣いてこそいないが…、直接見なくてもわかる。

これほど強く叩かれ続けたら…、遥香のお尻はもう、"母親の手形"で埋め尽くされているはずだ。

すぐ隣で四つんばいにさせられている拓也には…、遥香が痛みに耐えきれず、小刻みにプルプル震えているのが伝わってくる。

 

(…はっ、遥香ちゃん…!!…頑張って…、あと少しだよ…っ!?)

 

…心の中で、そう応援するくらいしか出来ない拓也は…、自分がもうすぐ同じ目に遭わされることも忘れて、遥香を気にかけていた。

 

(…うぅ…、こんなに痛い思いをしてまで、弟を庇ってあげるだなんて…。やっぱり、遥香ちゃんは優しいよ…。)

 

…もはや、"弟を身代わりにする"という話など…、微塵も信じていない拓也。

…ただ…、遥香のことを心配して、少し長く見つめていると…、2人のやり取りに少し"違和感"を覚えた。

 

(…んん…?)

 

「…本当にこの子はっ!!…いつもいつも秋仁を甘やかしてぇっ!!」

 

…ピッシャァァァァァッ!!!

 

「…ああんっ!!?…お母さん、痛いぃ〜っ!!?」

「…当たり前ですっ!…秋仁と並んでお尻叩かれるの、これで何度目だと思ってるのっ!?」

 

…バッチィィィィィィンッ!!!!

 

「…ひぃぃぃぃぃ〜っ!!?…ゆ、許してぇぇぇ…っ。」

 

(…な、"何度目"って事は…、今日みたいに、秋仁君と並んで四つんばいになるの、遥香ちゃんは初めてじゃないんだ…?)

 

ドクン。

…何だ…?この感じ…。

…何だか、触れてはいけない事実が、目の前に突然現れたような…?

 

…パァァァァァァ〜ンッ!!!

 

「…ああ〜ん、ごめんなさいぃぃ〜っ!!?」

 

…何かが、ずっと引っかかる。

…遥香ちゃんは、今まで何度もこうやって秋仁君を庇って、一緒に並んでお尻を叩かれていたのか…?

…だとしたら、弟の秋仁君が言う、"ほとんどお姉ちゃんの身代わりでお尻を叩かれる"とは…?

 

…ピッシャァァァァァンッ!!!

 

「…ひぃぃぃぃぃ〜っ!!?」

 

(…で、でも…、遥香ちゃん、こんなに痛がっているし…、もし本当に"身代わり"にするつもりなら、普通、自分が叩かれずに済む方法を選ぶよね…?)

 

…今回、姉の遥香が横から口を挟まなければ、弟の秋仁は"お尻ペンペン120発"の罰を受けていただろう。

…秋仁の言うような、冷酷なお姉ちゃんとはどうしても思えない。

…むしろ、真逆の行動である。

 

「…はい遥香、あと3発だから…、頑張って耐えなさい。」

「…はぁっ、…はぁっ…、…は、はぃぃ…っ。」

「…いくわよ?」

 

…そう言って"遥香の母親"は、再び腕を振り上げる。

 

…ピッシャァァァァァァァ〜ンッ!!!!

 

「…あああああぁ〜っ!!!?」

「…あと2発。」

 

…バッチィィィィィィィ〜ン!!!!

 

「…きゃああああああ〜っ!!!?」

 

「…はい、痛かったね。…最後の1発よ?」

 

…パァァァァァァァァンッ!!!!!

 

「…ひぃぃぃぃぃぃぃ〜っ!!!?…ひっ、…ひっ、…ひっ…!!!」

「…はいっ、お姉ちゃんの分おわり…。いつもより強く叩いたから、痛かったでしょう?」

「…つっ、強くしすぎだよお母さん…っ、あ痛たたた…っ。…も、もう…、泣きそうだもん…。」

「…それくらいしないと懲りないからでしょう?遥香も秋仁も、本当にもう…。…ほら、まだ拓也君と秋仁にもお尻ペンペンしなきゃいけないんだから、遥香はお尻を突き出したままで待機ね?」

「…あ…っ。」

 

…遥香の家のルールとして、こうして複数人で一緒にお尻ペンペンされる場合…、自分が罰を受け終えても、全員が同じように叩かれ終わるまでは、ずっと四つんばいで待機しなければいけないようだ…。

…もちろん、普段は遥香と秋仁の2人だけに課せられているルールだろうが、今回は、そこに拓也が混じっている。

 

(…うぅっ…、ま…、真ん中に居る遥香ちゃんだけは、もうお尻が真っ赤に腫れてるんだよね…。)

 

四つんばいで横並びになっている拓也には、遥香のお尻が直接見えている訳ではないが…、遥香はたった今、お尻をきつく叩かれたばかりで…、はぁはぁ肩で息をしており、額に汗もかいている。

…ピッタリと隣で四つんばいになっている拓也には、その全てを感じとることが出来てしまう…。

 

(…つっ、次ってやっぱり、僕の番なのかなぁ…?…"集会"のこともあるし、おばさんが手加減してくれるとは思えないけど…。)

 

…30発とはいえ、すぐ隣で遥香があれほど痛がっている姿を見せられて…、拓也は正直、今すぐにでも逃げ出したかった。

 

(…でっ、でも…、2年生の秋仁君が60発もぶたれるなら…、上級生の僕が、今さら逃げるわけにはいかないよ…!?)

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