「さっ、次はどっち?…拓也君?…それとも秋仁?」
…どっちが先でも、お尻が真っ赤っ赤になるまで叩くけどね?
…"遥香の母親"は…、平等に選択権を与えてくれているように見えて…、明らかに拓也の方だけを向いて喋っていた。
…やはり、次は自分の番なのだと、覚悟を決める拓也。
「…お、おばさん…、あの…っ、」
…しかし、そんな拓也の言葉を遮ったのは…、またしても遥香だった。
「…ちょっと待って…、お母さん。…先に秋仁のお尻を叩いて?」
「…えっ?ど…、どうして…?」
「…だって、拓也君は巻き込まれちゃっただけだもん。…一緒にお尻ペンペンされるだけでも申し訳ないのに…、家の秋仁より先に叩かれちゃうなんて、やっぱり可哀想だよ。」
「…ま、まぁ…、確かに、それもそうね…?」
…"遥香の母親"は、拓也が普段から家でよく"お尻ペンペン200連発"を浴びていることも奈津子から聞かされてはいるが…、さすがに遥香や秋仁の居る前で、そんな話は出来ない。
「…それじゃ秋仁。…お兄ちゃんとお姉ちゃんが半分ずつ罰を受けてくれるから…、秋仁はいつも通り、お尻ペンペン60発。…覚悟は良いわね?」
「…うぐっ、ひっぐ…!!」
「…今からお猿さんみたいな真っ赤なお尻になるんだから…、このパンツももう、いらないでしょう?」
遥香の母親は、中途半端に下がっている秋仁の下着をぐいっと膝小僧まで下ろし、四つんばいの尻肌をぷりんと露出させた。
「…やだっ、やだぁぁぁ〜っ!!?」
「…やだって何…?元はと言えば…、あなたが拓也お兄ちゃんにご迷惑をかけたからでしょう?」
「…だっ、だっでぇ…、ぐずっ…!!」
ぐずる秋仁の生尻を、遥香の母親が軽くペチペチと叩いて説教する。
「…あ・き・ひ・と?…お母さんは本気で怒っているの。…今からこのお尻を、今までに無いくらい真っ赤っ赤にしてあげるから…、覚悟なさいっ!」
「…い、いやっ…、いやぁぁぁ〜っ!!?」
「…"いや"じゃないっ!!」
…ピッシャァァァァァァァッ!!!
「…いっ…!!?…いだぁぁぁぁぁぁ〜っ!!!?」
「…卑怯な考えかた…、よ〜く反省なさいっ!」
…パァァァァァァァァンッ!!!
「…ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ〜っ!!!?」
(…え…っ!?…待って待って…、秋仁君って…、まだ2年生だよね…!?…いっ、いくら何でも強く叩きすぎじゃない…!?)
同じ2年生であった"卓哉の家のお尻ペンペン"とは、もはや次元が違う…。
仮に秋仁が高学年だったとしても、普通に痛みで泣いてしまうほどの凄まじい威力だ…。
(…さっ、さすがに止めた方が良いんじゃ…!?)
拓也が不安になり、右隣の遥香を見ると…、俯いたまま、微かに震えていた。
(…やっ、やっぱり…、遥香ちゃんも、弟がきつく叩かれているのを見るのが辛いんだ…?…そうだよね、あれほど秋仁君のことを大切に想っていたら──、)
…そこで拓也は、信じられないものを見てしまう。
四つんばいの格好で、母親にお尻を激しく折檻される秋仁のすぐ傍で…、弟を心配しているはずの遥香は───、
(……えっ…!?)
…妖しく、笑っていた。
…四つんばいの姿勢で俯いているため、髪で顔が隠れてほとんど見えないが…、隙間から一瞬、左頬から口元にかけて…、口角が上がっているのが見える。
(…はっ、遥香ちゃん…っ!?)
…一体、どういう心理だ…!?
…今、遥香は母親からお尻を叩かれたばかりで…、その直後、弟の秋仁へのお尻ペンペンがすぐに始まった。
…痛みの余韻で泣いてしまうならまだわかるが…、この状況で、笑みを浮かべているというのは…!?
(…まっ、まさか…?)
"家のお母さんにお尻ペンペンされて、えんえん泣いてる秋仁が…、世界一可愛いんだぁ〜。"
(…まさか、まさか、まさか、まさか…っ、は…、遥香ちゃん…っ!!?)