※この作品はR-18です。

ふしぎな気遣い   作:佐田トレコ

127 / 137
3つのお尻4

「さっ、次はどっち?…拓也君?…それとも秋仁?」

 

…どっちが先でも、お尻が真っ赤っ赤になるまで叩くけどね?

…"遥香の母親"は…、平等に選択権を与えてくれているように見えて…、明らかに拓也の方だけを向いて喋っていた。

…やはり、次は自分の番なのだと、覚悟を決める拓也。

 

「…お、おばさん…、あの…っ、」

 

…しかし、そんな拓也の言葉を遮ったのは…、またしても遥香だった。

 

「…ちょっと待って…、お母さん。…先に秋仁のお尻を叩いて?」

「…えっ?ど…、どうして…?」

「…だって、拓也君は巻き込まれちゃっただけだもん。…一緒にお尻ペンペンされるだけでも申し訳ないのに…、家の秋仁より先に叩かれちゃうなんて、やっぱり可哀想だよ。」

「…ま、まぁ…、確かに、それもそうね…?」

 

…"遥香の母親"は、拓也が普段から家でよく"お尻ペンペン200連発"を浴びていることも奈津子から聞かされてはいるが…、さすがに遥香や秋仁の居る前で、そんな話は出来ない。

 

「…それじゃ秋仁。…お兄ちゃんとお姉ちゃんが半分ずつ罰を受けてくれるから…、秋仁はいつも通り、お尻ペンペン60発。…覚悟は良いわね?」

「…うぐっ、ひっぐ…!!」

「…今からお猿さんみたいな真っ赤なお尻になるんだから…、このパンツももう、いらないでしょう?」

 

遥香の母親は、中途半端に下がっている秋仁の下着をぐいっと膝小僧まで下ろし、四つんばいの尻肌をぷりんと露出させた。

 

 

 

「…やだっ、やだぁぁぁ〜っ!!?」

「…やだって何…?元はと言えば…、あなたが拓也お兄ちゃんにご迷惑をかけたからでしょう?」

「…だっ、だっでぇ…、ぐずっ…!!」

 

ぐずる秋仁の生尻を、遥香の母親が軽くペチペチと叩いて説教する。

 

「…あ・き・ひ・と?…お母さんは本気で怒っているの。…今からこのお尻を、今までに無いくらい真っ赤っ赤にしてあげるから…、覚悟なさいっ!」

「…い、いやっ…、いやぁぁぁ〜っ!!?」

「…"いや"じゃないっ!!」

 

…ピッシャァァァァァァァッ!!!

 

「…いっ…!!?…いだぁぁぁぁぁぁ〜っ!!!?」

「…卑怯な考えかた…、よ〜く反省なさいっ!」

 

…パァァァァァァァァンッ!!!

 

「…ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ〜っ!!!?」

 

(…え…っ!?…待って待って…、秋仁君って…、まだ2年生だよね…!?…いっ、いくら何でも強く叩きすぎじゃない…!?)

 

同じ2年生であった"卓哉の家のお尻ペンペン"とは、もはや次元が違う…。

仮に秋仁が高学年だったとしても、普通に痛みで泣いてしまうほどの凄まじい威力だ…。

 

(…さっ、さすがに止めた方が良いんじゃ…!?)

 

拓也が不安になり、右隣の遥香を見ると…、俯いたまま、微かに震えていた。

 

(…やっ、やっぱり…、遥香ちゃんも、弟がきつく叩かれているのを見るのが辛いんだ…?…そうだよね、あれほど秋仁君のことを大切に想っていたら──、)

 

…そこで拓也は、信じられないものを見てしまう。

四つんばいの格好で、母親にお尻を激しく折檻される秋仁のすぐ傍で…、弟を心配しているはずの遥香は───、

 

(……えっ…!?)

 

…妖しく、笑っていた。

…四つんばいの姿勢で俯いているため、髪で顔が隠れてほとんど見えないが…、隙間から一瞬、左頬から口元にかけて…、口角が上がっているのが見える。

 

(…はっ、遥香ちゃん…っ!?)

 

…一体、どういう心理だ…!?

…今、遥香は母親からお尻を叩かれたばかりで…、その直後、弟の秋仁へのお尻ペンペンがすぐに始まった。

…痛みの余韻で泣いてしまうならまだわかるが…、この状況で、笑みを浮かべているというのは…!?

 

(…まっ、まさか…?)

 

"家のお母さんにお尻ペンペンされて、えんえん泣いてる秋仁が…、世界一可愛いんだぁ〜。"

 

(…まさか、まさか、まさか、まさか…っ、は…、遥香ちゃん…っ!!?)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。