※この作品はR-18です。

ふしぎな気遣い   作:佐田トレコ

30 / 137
新たな出会い4

「…それじゃ2人共、これからは、お母さんの言うことをちゃんと聞くのよ?…もしお母さんのぶんで足りなかったら…、おばさんもお尻ペンペンしてあげるから。」

「…えぇっ!?…あ、綾子ちゃんのお母さんが…!?」

「…うふふ…、そうよ〜?おばさんのお尻ペンペンと…、お母さんにされるのと、どっちが痛いかな〜?なんてね…、ふふっ。」

「…ゴクッ…。」

 

拓也と勇太は、つい先刻、拓也の母親から散々尻叩きを受けたばかりである。

 

「…まぁお尻を擦ってるぐらいだから…、今日はもう十分に反省出来たのよね?…うふふ、そんなに怯えないの。…おばさんがお尻ペンペンするのは、だらしない行いとか、ズルした子を見つけた時くらいだから…。」

「…う、うん…。」

「…でも拓也君。…さっき…、"僕とおんなじだ"…って言ってたわよね?おばさん、ちゃんと聞いてたわよ?」

「…あっ…!?」

「…うふふっ、相手が綾子だったらすぐにでも問い詰めるところだけど…、拓也君、さっきお母さんにお尻ペンペンされたばかりなのよね?…今回だけは、聞かなかったことにしてあげる。」

「…うぅっ…。」

「…それじゃあ…、またね、2人共。…くれぐれも、もう悪戯なんてしないようにね…。」

 

そう言いながら手を振り、遠ざかっていく綾子の母親。

ようやく緊張から解き放たれた2人は、公園の砂場で、周りに誰もいなくなったことを確認してから話し始めた。

 

「…あ〜、ビックリした〜…。…まさか、綾子ちゃんが家でお尻ペンペンされてるなんて…。」

「…だ、だよね…。しかも、あのお母さんの様子だと…、僕たちのお尻も、平気で叩きそうだったよね…?」

「…う、うん…。」

「…僕、もう怖いよ…。家のお母さんだけじゃなくって、拓也君のお母さんにまでお尻を叩かれるようになって…、その上、綾子ちゃんのお母さんにまで叩かれたら…。」

「…う、うん…、…でも…。」

「…でも…?」

「…ちょっとだけ…、気にならない?…綾子ちゃんのお母さんのお尻ペンペンが、どのくらい痛いのかって…?」

「…も、もうっ!…拓也君、まさかまた"実験"するつもりなの…!?」

「…い、いや…、しない…けど…。」

「…そんなことして、もし家のお母さんにバレたら…、大変なことになるよ…!?…わかってる…!?」

「…だ、だから、しないって…!…心配し過ぎだよ、勇太君ってば…。」

 

しかし拓也は、どうにかして綾子の母親から"一度だけ"お尻ペンペンして貰う方法はないか、真剣に考えていた。

勇太の言う通り…、日常的にお仕置きとしてお尻ペンペンしてくる相手が3人に増えてしまうと、さすがに身がもたない。

…ただ…、それを差し引いても拓也は、同じクラスの綾子が、家で普段受けているお尻ペンペンが一体どれ程のものなのか…、一度ぐらい体験してみたい…という好奇心には勝てないのだった。

 

「…も、もう…、僕、どうなっても知らないからね…?」

「…も、もしバレたら…、お尻ペンペン300回、かな…?」

「…それだけで済むなら、まだ良いけど…。…僕のお母さんだけじゃなくて、拓也君のお母さんにもバレるだろうし…。それに、綾子ちゃんのお母さんだって、さっきの口ぶりだと…。」

 

…たぶん、一回じゃ済まないよ?

勇太にそう脅されても、拓也の決意は固いようだった。

…問題は、まだ遊びに行ったことのない女子の家で、どうやってお尻ペンペンして貰うか…。

 

「…それなら、普通に"お願い"すれば良いんじゃない?…僕はさっき初対面だったからわからないけど…、拓也君、前にも話したことがあるんでしょ?」

「…う、うん…、住所は知ってるんだけど…。僕まだ綾子ちゃんの家で遊んだことないし、学校ではよく喋るけど、おばさんがお尻ペンペンしてるっていうのはさっき知ったばかりなんだよね…。」

「…う〜ん、そっかぁ…。」

 

学校では普段仲良くしているが、家では遊んだことのない異性。

…そんな微妙な関係のクラスメイトの母親に、"お尻を叩いて下さい"と言うのはさすがの拓也も憚られた。

 

「…あんなに、優しそうなお母さんなのにね…。」

「…うん…、でもそれを言ったら、勇太君のお母さんだってそうでしょ…?」

「…え?…家のお母さんが優しそう…?…まったまたぁ…、拓也君ってば、冗談が過ぎるよ?」

「…い、いや…、本当だよっ!?…まさか、あんなに痛いお尻ペンペンするとは思わなかったけどさ…、勇太君のお母さんって、何て言うか…、何をしても怒らないんじゃないかな…?って雰囲気がずっとあったんだよ?」

「…う、ウッソだぁ〜っ!!?…逆だよ、逆っ!!…ずっと昔から、僕が何してもお尻ペンペンだよっ!?」

「…う、うん…。…だから、そういう一面って…、どの家のお母さんも、自分の子供にしか見せないのかなって…。」

「…あぁ〜…。」

 

拓也と勇太は、自分たちの母親の"外面の良さ"と、家でのお尻ペンペンの壮絶さを比較し、今でもズボンの下でヒリヒリ腫れている尻を思わず触る。

 

「…じ、じゃあ…、綾子ちゃんのお母さんも…?」

「…うん…。…さっきは冗談みたいに言ってたけれど…、きっと本気で怒ったら、凄いんじゃないかな…?」

「…ひ、ひぇぇ〜…。…でも、想像出来ないよ…。さっきの優しそうなおばさんが、…僕のお母さんや、拓也君のお母さんと同じくらい、もの凄く怒るところなんて…。」

「…うん、僕も…。」

 

しかし拓也は、その勇太とのやり取りで、綾子の母親にお尻ペンペンして貰う方法を思いついたのだった。

 

(…そうだよ、"叩いて"って言うんじゃなくて…、これなら…!!)

 

拓也はしばらく勇太と一緒に遊んだ後、あまり遅くなるとまたお尻ペンペンされるかも、と早めの解散を提案し、帰路についた。

さすがに今、尻が腫れている状態で綾子の家を訪ねる度胸は無かったが…、今日、お尻ペンペンについての会話をしたことを相手が覚えているうちに行動を起こさねばならない。

 

(…明日か、明後日…、いや、3日後のほうが良いか…?)

 

拓也は自分の"尻の状態"と相談しながら、どのくらい叩かれるかも一切わからない…、と言うか、叩いて貰えるかどうかもまだわからない綾子の母親のお尻ペンペンに、妄想を膨らませてしまうのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。