※この作品はR-18です。

ふしぎな気遣い   作:佐田トレコ

41 / 137
綾子4

拓也にとって、"始まり"は勇太の母親である奈津子だったため…、そこの感覚は勇太とは少しズレているかもしれない。

…拓也の場合、自分の母親にされるお尻ペンペンが、この世で最も恥ずかしいのだ。

 

(…そう言えば、何でだろう…?…勇太君や綾子ちゃんのお母さんにされるのと違って、ズボンの上から叩かれるだけなのに…。)

 

拓也自身、その恥ずかしさがどこから来ているのかは理解出来ていない。

…ただ、今まで自分を叱ることなどほとんど無かった母親が…、ある日突然、友達の家でお尻ペンペンのやり方を教わった挙句、それを直後から自宅で実践し始めたのだ。

今までは宿題を忘れても、何か悪戯をしても…、母親である美由紀に叱られることが無かった拓也は、突然の変化に戸惑っていた。

…今ではどちらも美由紀からの、"お尻ペンペン200回の刑"が待っている。

 

(…ズボン越しだから、より恥ずかしいのかな…?…お尻丸出しで叩かれる時って、痛すぎてそれどころじゃないもんね…。)

 

拓也は母親である美由紀の膝に乗せられた時の…、"お尻ペンペンを待っている瞬間"の恥ずかしさを思い出す。

その直後、美由紀は渾身の力で叩くのだが…、序盤はそれほど痛くない。

先日のように、奈津子から散々叩かれて腫れ上がった尻をズボンの中に隠している場合は別だが…、母親である美由紀のお尻ペンペンだけなら、拓也は泣かずに我慢出来た。

勇太の前で100回叩かれた時は、少し大げさに痛がってみせただけである。

 

(…何もしていないのに、お尻ペンペン100回だなんて…、最初は驚いたけど、ああでもしないと、勇太君が可哀想だったんだよね…。)

 

美由紀は、拓也の見ている前で、友達の勇太だけをきつくお尻ペンペンしたのでは、お互いに気まずいのではと判断した。

そこで拓也にも、お仕置きの半分…、100回のお尻ペンペンを与えることにしたのだが…、拓也もきちんと母親の意図を汲み取っていた。

一見すると理不尽な扱われ方に思えるが…、拓也は母親の気遣いに、むしろ感謝しているのだった。

 

「…まったく…、きちんとお片付けしなさいって、何度言わせるのこの子はっ!?」

 

…パシィィィィィッ!!!!!…パァァァァァ〜ンッ!!!!!…パァァァァァァ〜ン!!!!!

 

「…だ…、だから、ごめんってばぁ〜…っ!」

 

 

 

(…きっと、綾子ちゃんのお母さんも、怒ってはいるけど…、本当は綾子ちゃんのことが大切で大切でたまらないんだろうな…。)

 

…バッシィィィィィ〜ン!!!!!…パァァァァン!!!!!…パァァァァァンッ!!!!!

 

「…あっ…、…あぅっ…!」

「…ねぇ綾子、どうしてもお片付けが出来ないなら…、保育園の時みたいに、お母さん綾子の持ち物全部に"ひらがなで"名前書こっか?…"あ・や・こ"って。」

「…いっ…、嫌だよ、そんなの!?恥ずかしいじゃん!?」

「…だって綾子、どれが自分の持ち物なのかわからないんでしょ?…だからお片付け出来ないんでしょう?だったらお母さん…、このお尻ペンペンが終わったら、本当に全部に名前書くわよ?」

「…い、嫌ぁぁっ!?…そ、それだけはやめて…、お願いぃ…っ!!」

「…やっと本気で嫌がったわね?…まったく、少しお尻ペンペンしたくらいじゃ効きもしないんだから…。」

「…お、お母さぁん……。」

「…甘えても駄目。…そうね、流石にいきなり全部は無理だから…、今日は体操服と…、上履きくらいにしておくわね?」

「…っ!?」

 

よりによって綾子の母親は、目立つ上にジロジロ見られてしまう体操服のワッペンと、学校に居る間はほとんど履くことになる上履きに、"ひらがな"で名前を書くという。

…もちろん同じ学年でそんなことをされるのは…、綾子1人だけである。

 

「…ちょっと待って…、お願い、やめて…っ!」

「…駄目です。綾子の言うことはもう聞きません。」

「…お、お尻なら…、何回叩いても良いからぁ…っ!」

「…あら、そう?…でも、お母さん元々そうするつもりだったわよ?…100回で効かないなら、何回でも。」

「…う、う〜っ…!!」

「…今さら泣いたって無駄です。…さ、早くお尻ペンペンだけでも終わらせないとね。…拓也君も待っていてくれてるんですからね?」

 

綾子は衝撃のあまり忘れていたのか、拓也の名前に体がピクリと反応する。

拓也の位置からでは綾子の腫れあがった尻と両脚しか見えないため、表情は全く読み取れなかった。

 

「…さ、もう少しお尻を上げなさい。綾子。」

「…うぅ…。」

 

…ピッシャァァァァァ〜ンッ!!!!!

 

「…あぁっ!?」

「…やっと少しは効いてきたわね?…まったく、こんな大っきなお尻して…。そろそろ、叩く手のほうが痛いのに。」

 

…バッチィィィィィィ〜ン!!!!!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。