「…あ…っ。」
「…叱られるかもしれないって思いながら、知らないおばさん達が大勢居るこの場所を訪ねて来るなんて、すっごく勇気のいることだと思うし…、おばさんも、褒めてあげたいくらいよ。」
「…えへへ…。」
「…ただ…、ウソをついた時のお約束は…、忘れていないわよね…?」
「…うっ…。」
もし今度ウソをついたら…、お尻ペンペン300叩きの刑。
拓也は…、勇太の母親である奈津子と以前そう約束していた。
しかも、これは単なる脅しではなく…、息子の勇太は実際に、ウソをついた罰で奈津子の膝の上でお尻ペンペン300回の罰を受けていたのだ。
「…お、おばさん…、ぼ、僕…。」
「…"拓也君"、前におばさんとお約束したわよね?もうおばさんにウソはつかないって…。」
「…は、はい…。」
「…だったら…、どうすれば良いか…、わかるわね?」
(…うっ…、や…、やっぱり…!)
お尻ペンペン300叩きの刑。
その言葉が現実となり、拓也に恐怖を与える。
奈津子はすでに拓也のすぐ隣で正座しており、"お尻ペンペン"の準備は万端、といった感じだ。
「…どうしたの?"拓也君"。おばさんが脱がせてあげよっか?」
その言葉で…、"ズボンの上から叩いて貰えるかもしれない…"という僅かな期待も完全に消え…、拓也は大勢の母親達の見ている前で、パンツも下ろして奈津子の膝の上へ寝転ばなければならなくなった。
(…は…、恥ずかしすぎるよぉぉ〜っ!!?)
あの奈津子のお尻ペンペンが300回も続く…という絶望感ももちろんあるが、拓也は全部で10人もの母親達の居る部屋で…、パンツまで脱がせてお尻ペンペンすると言い渡されているのだ。
知らない公民館の、巨大な和室…。
そこで行われていた、保護者会という名の母親達の"集会"は…、すっかり悪戯の過ぎた拓也への"お尻ペンペンを見届ける会"に姿を変えてしまった。
「ほらほら拓也君、頑張って〜?」
「悪戯で"わざと"お尻ペンペンされるなんて…、少〜し反省した方が良いわよね…。」
「…うん。ちょっと可哀想な気もするけど…、ここで甘やかしたら、悪戯が癖になっちゃうかもしれないものね…?」
周りで見ている母親達も、概ね"お尻ペンペン"に関しては賛同しているらしい。
少し可哀想ね、という母親はいたが…、"やめた方が良い"という意見は誰1人として出ていなかった。
「…さ、"拓也君"…、この間お尻ペンペンしてあげた時みたいに、おばさんの膝へ寝転んでみて?」
「…うぅ…。」
奈津子は、拓也へのお尻ペンペンがあたかも"今回が2度目"であるかのように振舞っている。
実際には…、宿題忘れのお尻ペンペンや、昔の連絡帳のぶんのお尻ペンペンなど…、奈津子から散々尻を叩かれ続けている拓也だが…、この場でそれを公にしても拓也には何のメリットもない。
奈津子の気遣いなのだろうと拓也も空気を読み…、素直にズボンと下着を下ろし、奈津子の膝に寝転んだ。
「…さぁ〜、とっても痛いからね〜?悪戯でウソをつくような子には、おばさん手加減しませんよ〜?」
「…お、おばさん…、あの…っ。」
「…もう遅いっ。」
…ピッシャァァァァ〜ン!!!
「…あああっ!!?」
「"拓也君"はおばさんとお約束したのに、綾子ちゃんのお母さんにまで迷惑かけちゃったんだもんね〜?…おばさんが、少〜しお尻を痛くして…、もう2度としませんって気持ちにさせてあげるからね〜?」
…バッチィィィィ〜ンッ!!!…パァァァァン!!!…ピシャァァァァン!!!
「…あああ〜っ!!?」
人前で、300回という数ならば…きっと手加減してくれるはずだと、拓也は心のどこかで期待していた。
しかし勇太の母親である奈津子のそれは…、以前、拓也があまりの痛みに泣かされてしまった時のお尻ペンペンと何ら変わりない威力なのだった。
「…ごっ…、ごめんなさいぃぃ〜っ!!?もうしませぇぇ〜ん!!?」
「…そうね、でも"拓也君"は…、確かこの間も、そう言ってたわよね〜?」
…ピッシャァァァァンッ!!!…バシィィィッ!!!…バシィィィィ〜ンッ!!!
「…ひぃぃぃぃぃ〜っ!!?」
「…単におばさんのお尻ペンペンが足りなかったのか、全く痛くなかったのかはわからないけれど…、今回は2度目だもの。前にしてあげた時と同じ痛さだとは思わないようにね?」
…バッチィィィィィ〜ンッ!!!
「…うぁぁぁぁ〜っ!!?」
拓也の尻に、奈津子の手形がくっきりと残る。
周りの母親達は、それを見て少し引いているように見えた。
「…うわぁ〜っ…、痛そう…。」
「…あの拓也君って子、大丈夫なの…?」
「…私達が小さい頃にはあったけど、最近の子にはちょっと厳しいわよねぇ…。」
各々が、拓也のお尻ペンペンに注目しながら感想を述べている。