無理なく区切れるなら、このくらいの文量が読みやすいと思います。
楽郎くんの牡槍が、私の膣穴にその穂先を埋める。昨日からずっと待ち望んでいたその時が、遂に訪れる。力強い脈動が見て感じ取れるほど、雄々しき存在感を放つペニスに視線が釘付けになり、息を詰める。
(来るっ、来ちゃうっ、楽郎くんの、楽郎くんのおちんちん……!)
来たるべき一瞬に備え、奥歯を噛み締め目を見開き、胸の前で祈るように両手を組む。
楽郎くんは私の腰を掴む手に力を篭め――猛々しい熱芯を、一息に恥奥まで刺しぬいた。
「はいッ………~~~~~~ッ!!」
恥肉をぶち抜いて突き込まれる肉刀に、背筋を仰け反らせ、声にならない歓喜の叫びを上げる。降りきった子宮を逆に突き押し上げられる殺人的媚悦に、入ったことを理解する間もなく一撃でエクスタシーに叩き込まれる。
(は――ッあ、う、嘘っ……挿入されただけで、私、イってる……っ)
私の意識が中空を漂う間にも、膣肉は雄の象徴への奉仕を忘れない。
肉襞の一つ一つが意思を持ったかのように、ねじ込まれた逸物へと喜び勇んで絡みつく。
「ぉッぐ……だめだって玲さんこれ…っ、俺のを悦ばせる、だけのっ……動き、すぎんだろ…! てか今挿れただけでイッたなあ!?」
「はぁっ、はあッ……だって、だってぇっ♡」
「だってもあるかこんな――のッ!」
「んぃいいいッ!」
楽郎くんの剛棒が一気に引き抜かれる。亀頭冠が肉襞を刮ぐ瞬間の凄まじい喜悦は、脳の神経がブチブチと千切れるようだった。
ゴムという僅かながらも確かに存在した隔たりが無く、ダイレクトに伝わる熱と感触が脳を灼く。
最初の絶頂以降は直に膣内に触れる事はなく、ずっと高まり続けた膣内の疼きが、待ってましたとばかりに快感に変じて解き放たれる。
普段の性交より何倍も凄い、ケダモノ交尾の愉悦。さっきまでの悦楽を、更に上から押しつぶす膨大な肉悦の津波に、私の自意識は飲み込まれていく。
(これ、しゅっごぉ、いぃ……♡ ぜんぶ、ぜーんぶきもちいい……)
楽郎くんの分身が、完全に引き抜かれる手前で留まる。あるべきものがない寂しさから、媚肉が陰茎の鈴口に何度もキスをする。
楽郎くんが余裕無さそうに熱の篭った息を吐く。しかしその瞳に宿る獣欲はますます輝きを強め、そんな目で見つめられるだけで、下腹部がキュンキュンと疼いてしまう。
「はぁっ、はひっ、ひぃっ、ひーッ……」
「ふ……ッく……! はーっ、ふーッ………。 玲さん、どんっっだけ、俺の精液欲しがってんのさ……!」
「ふぇ…? ご、ごめんなさい…♡ わかんない、わかんないれす……♡ らくろうくんのおちんちん、きもちよすぎてぇ……♡」
「それ、悪いって、思ってないでしょ…っ」
なんとなく、既視感を感じるやり取り。具体的にどうだったかは、思い出せないけれど。
だから、思うままに言葉を吐き出した。
「…
「~~~ッ、ああもう!」
楽郎くんが自分の頭をガシガシと掻いて、再び私の腰を強く鷲掴みにする。
そして、
「玲さんばっかり! 愉しんで!! 俺の我慢もっ、知らないでさあっ!!」
「あはぁっ、はぁあんッ! ごめんなさいっ♡ ごめんなさいぃっ♡♡ かってに、愉しんじゃうっ♡ へんたいでごめんなさいぃっ! またぁ、またイッちゃいますっ♡ ……ぁあああああーーーっ♡♡♡」
苛烈でがむしゃらな抽送を浴びせられ、一突きごとに喜悦と絶頂の叫びを上げる。楽郎くんが私の腰を引き寄せながら自分の腰を打ち付ける度、ばちゅッ、ずちゅッ、と肉がぶつかり粘液が飛び散る、粘ついた水音が響いた。
「ッッ…! イく度に、襞が催促してくる…っ! そんなに、中に射精されたいかっ!」
「はっ、はひっ! よく、よくわかんないですっ、けどぉ♡ 楽郎くんのっ、好きにっ、使ってくださいぃ♡♡」
「ああもう! 全くもうっ! …だったらマジで遠慮なくいかせてもらうからなっ!」
何かを振り切らんとするかのように、楽郎くんの抽送が更に加速する。私のことなんて考えてない、自分の都合だけの、独りよがりですらある行為に、マゾヒスティックな官能は寧ろ燃え上がる。
剛棒の動きに合わせて腰を遣り、自ら性感帯を擦りつける。快楽を貪る浅ましい様を自覚するほどに、私の被虐悦は際限なく高まっていった。
「はあっ、はッ……出すっ…出すぞ玲さんっ…! お望みどおりに、中にッ…!」
「はあぁっ♡ 来てっ、だしてくださいぃッ! あっ♡ んぅっ♡♡ ふぁあああーーーーっっ♡♡♡」
一際力強く突き込まれる肉槍の先端を、子宮口で受け止める。
ごッッちゅ! と音とも衝撃とも取れない何かが脳天まで突き抜け、視界が明滅して媚粘膜が肉棒に熱烈に吸い付く。
「うおっ締ま………ッぐ!」
瞬間、ぴったりとくっついた口同士を渡り越え、噴き上がる雄液が禁域に解き放たれる。欲望の大塊が子宮の天井と激しくぶつかる感触に、雌の肉体は悦びに打ち震えてそれを飲み干す。
呼吸すら忘れて、絶大に甘美な余韻に浸る。多幸感の海に溺れ、背筋が痺れていた。
(あっ、あぁ……素敵…、楽郎くんとの、生せっくす…生中出し……♡)
今日だけではない。二ヶ月前の初体験から、ずっとずっとずっと、何かが私の裡で燻っていた。あれからも、私達は度々
その正体を、はっきりと理解する。子宮で楽郎くんの精液を受け止める禁断の感触。これを、もう一度だけ味わいたかった。
あの日だけが例外で、楽郎くんはずっとゴムを準備し、最後まで使ってくれていた。私達にとっては当然のエチケットで、それを咎める気はさらさらない。しかし、そんな良識を擲ち、欲望の沼に沈んだ果ての
私の燻りは、今ここに燃え果てた。
「――っ! はっ、はあっ……はふ、ふ?」
「――っは! はぁッ、はぁぁ…っ、……ん?」
ほぼ同時に呼吸の存在を思い出し、息をつく。
「……ふふっ」
「……ははっ」
それがなんとなく可笑しくて、笑い混じりの吐息がこぼれる。
もしかしたら、楽郎くんも同じような燻りを、抱えていたのかもしれない。それは、とても嬉しいこと。
私が楽郎くんを求めているのと同じくらい、楽郎くんも私を求めていた証左だから。
「はぁーっ…。あー…なんだ、そのー…玲さん。どう…だった?」
「ん…♡」
言われて、下腹部を指で撫でる。この奥に子宮があって、その中に楽郎くんの精液が、たぽたぽに注がれている。ちょっと腰を左右に揺すってみると、中でふるふると揺れたような気がした。…気のせいかもしれないけれど。
「……とっても、素敵な、ひととき…でした…♡」
「っ…、そ、そりゃあ、なによりで…?」
私の表情を見て、楽郎くんが顔をバッと背けた。咄嗟に手で顔を隠しているけれど、頬が赤いのが少しだけ見える。
かわいい。
「あ、今何時くらいで――」
私達はタイムリミットを課せられている身であることを、ふと思い出した。
首を向けるだけですぐに見つかったデジタル時計には、『 6:07』の文字が表示されていた。
「――楽郎くん」
「ん?」
「今、何時ですか?」
これは確認。私が何か、見間違いをしていないかの確認。
「俺には、6時7分に見えるけど」
「私達がタイムリミットに設定したのは…」
これは確認。私が何か、覚え違いをしていないかの確認。
「7時だね」
「…では、まだ1時間弱、ありますね」
これは確認。今の私の頭では、簡単な四則演算も怪しいので。
「…そうだね」
「早めに終わらせたほうが…時間の余裕も取れて、良いですよね?」
これは確認。至極当たり前の事を聞いただけ。
「…そりゃあ、ね」
「――終わりに、します?」
これは、
「無理」
「…♡」
私も、楽郎くんも―――たった一回で、満足なんて出来ない。
されど、付いた火は未だ消えず