かなりはっちゃけたのでいつもとは雰囲気がだいぶ違うかもしれませんがよろしくお願いします。
いつもの注意事項です
■二次創作です。本編の設定とは違う場合があります
■オリジナルの団長が出てきます。ご了承ください
ある日の早朝のこと、騎士団の武器庫にて男女二人が武器を物色しながら会話をしていた。
「今年もそろそろ頑張らないといけない時期になりましたね…」
「そうだね…まずはここから使う武器を広場まで運んで、磨いたり使えるかどうか試さないと。本番になって使えないなんて事になっては、出遅れるだろうからね…」
会話の後に二人はそれぞれ剣、槍などの白兵戦用の武器を中心に様々な武器や兵器を倉庫から運んでいく。
中には大型害虫の討伐にしか使わないような大砲まで持ち出しており、広場は物々しい雰囲気に包まれていた。
「ふぁぁ…! 団長さんにエリンギさんっ…この沢山の武器は一体…?」
この騎士団の副団長である花騎士の少女、ゴデチアが並べらた武器の数々に驚き、そこで作業をしていた騎士団の団長アレンと花騎士のエリンギに何故武器を集めているのかを尋ねた。
するとアレンが彼女の方を向いてその問いに答えた。
「おはよう、ゴデチアさん。この武器は…これから待つ決戦の為に用意している物だ。
多くの害虫を討滅し目的を達成する為に必要だから、今は磨いたりしてすぐにでも使えるようにしている所だけど…驚かせちゃったみたいだね」
その淡々とした物言いに、ゴデチアは少しの恐怖と悲しみを覚えた。口調はいつものように優しいのに、いつもよりも張り詰めたように感じる物言いから、彼の言う「決戦」は今までの自分達の戦いとは全く違う次元の戦いを予想させた。
戦う事を苦手とする彼女には、騎士団の皆の足を引っ張って全滅するかもしれないという気持ちから、恐怖心が止まらなかった。
そしてそんなに大事な「決戦」の事を副団長である自分に一番に教えてくれなかった事から、副団長として信頼されていないのではないのかと思ってしまい、悲しくてたまらなかった。
代わりにその事を知っていたのは、自分がこの騎士団に入る前に副団長を務めていたエリンギである事から、やはり彼女の方が副団長としては信頼していたのだろうかと思わずにはいられなかった…
「えっと…ゴデチアさん…大丈夫ですか? 顔色が悪いですけど…」
そう言ってエリンギが心配そうにゴデチアの俯いていた顔を覗いた。
彼女はそれに驚きつつも、悲しんでいる事を悟られないように笑顔を作りながらエリンギに話しかけた。
「だっ、大丈夫ですっ…!エリンギさん、心配してくれてありがとうございます…
そうだ、わたしも手伝いますね! 二人が頑張ってるのに副団長のわたしもやらないのは申し訳ないですから…!」
そうしてゴデチアも二人の武器の手入れを手伝う事にしたが、やはりアレンが自分に「決戦」の事を言ってくれなかった事が気になってしまい、心ここに在らずと言った感じになっていた。
そこで彼女は隣でレイピアの手入れをしていたエリンギに、どんな戦いが待っているのかと聞いてみる事にした。
「あの…エリンギさん…一体これ程の武器の手入れを一気にしないといけない戦いって…何が待っているんですか…?」
すると、その口からは意外な言葉が出てきていたのであった。
「それは…人気投票です…!」
その言葉にゴデチアは一瞬彼女が何を言っているのかわからず、ぽかんとしてしまった。
「人気投票で上位に立てば賞品が貰えたり、表彰台に立ったりする事で目立てるそうです。
つまり…ゴデチアさんの魅力に気づく人が増やせるんですよ!」
そんなゴデチアをよそに、エリンギは言葉を続ける。その様子はまるで何かに酔っているような感じで、少なくとも正気には見えなかった。
「わたしみたいなジメジメした根暗で花言葉も意味がわからない花騎士にも救いの手を差し伸べる優しいお方…それは正しく、天より降りてきてくれた天使様…」
そんな状態で自分を褒め称える彼女を見て、ゴデチアはどんどん恥ずかしくなっていってしまった。
「エリンギさん…そんなに恥ずかしくなる褒め方はやめてくださいっ…! わたしは天使なんて言われる程のことはしてはいませんっ…」
恥ずかしさに耐えられなくなったゴデチアは、そう言ってエリンギの言葉を否定する。
しかし彼女はゴデチアの言葉を謙遜だと感じてしまい、更に褒め称えた。
「ゴデチアさん、そんなご謙遜なさらず…少なくともわたしと団長さんは貴女のおかげで暗かった人生に光をもたらしてくれましたから…
ですよね、団長さん…」
そして話を振られたアレンは手入れをしていた剣を鞘に納めてからその場に置いて、二人が話をしている場所までやってきてから話をするのだった。
「ゴデチアさん…君が褒められるの恥ずかしいのは知っているよ…だけどエリンギさんの言う通り、君との出会いは僕らの人生に光をもたらしてくれたんだ。それは本当に天使が降りてきたような感覚で…今でも昨日のことのように鮮明に思い出せる。
だから、その事は誇りに思っておいて欲しいんだ」
爽やかな笑顔で歯の浮くような事を言う彼を見て、ゴデチアはさらに顔を真っ赤にしてしまう。
「ふぇぇっ!? 団長さんまでそんなに褒めてっ…あぅ…えと…その…恥ずかしいですけど…ありがとうございます…でもわたしは…そんな…天使じゃないですから…!
そんなに褒められても見合うお返しなんてできないし、それに人気投票で上位になるなんて恥ずかしすぎて死んじゃいそうです!」
死にそうなくらい恥ずかしい、その言葉にアレンとエリンギの二人は落ち着いて考えだした。それからしばらく二人であーでもないこーでもないと言った会話を繰り広げて、沈黙が訪れた。
「あっ…あのっ、団長さん? エリンギさん?大丈夫ですかっ? …わたし、変なこと言っちゃいましたか…?」
沈黙に耐えられなくなったゴデチアは二人に声をかける、すると…
「そうだね…僕達は君が恥ずかしくて表彰台に上がれないかもしれない事をわかってなかったよ…それなのに二人で勝手に盛り上がって、君のことを蔑ろにしていたよ…本当にごめんなさい…」
アレンが彼女に向かって深々とお辞儀をしながら謝る。それに続くように、エリンギも申し訳なさそうに頭を下げて謝ってきた。
「わたしもごめんなさい…思えば恥ずかしがり屋さんなのに表彰台に立たせようなんてご迷惑でしたよね…わたし達の配慮が足りていませんでした…」
二人の謝罪にゴデチアは、曲がりなりにも自分を喜ばせようとした二人の申し訳なさそうな態度に自分も申し訳ない気持ちになってしまったので、彼女は二人の頑張りを認めることにしたのだった。
「二人とも…顔を上げてください…確かに表彰台に上がるのは想像するだけで恥ずかしいですけど…団長さんとエリンギさんはそのために頑張ってくれてたんですよね…?
だったらわたしも頑張って我慢しようと思います…! 恥ずかしがり屋な性格を直したいですから…」
その言葉に二人の顔はぱぁぁっと明るくなり、揃ってお礼の言葉を述べた。
「ありがとう、ゴデチアさん…! それじゃあ僕らも頑張らないといけないね…」
「ありがとうございます…ゴデチアさん…! お互いに頑張りましょうね…」
その言葉にゴデチアは微笑んで、二人にこう返した。
「どういたしましてっ。皆で頑張って、どんな結果になっても悔いは残さないようにしましょうね」
こうして三人は武器の手入れに戻るが、しばらくしてまたアレンとエリンギの二人が話をし出した。気になったゴデチアは聞き耳を立てると、人気投票の後で着れるかもしれない衣装の話だったようだ。
「それにしても…人気投票の結果でもらえるかもしれない衣装ってなんなんでしょうね…
露出度の低い衣装だといいですけど…例えばゴスロリとか…」
「そうだなぁ…表彰台に上がる事もある事を考えるとあまり露出度の高い衣装はやめて欲しいね…例え話に関しては、普段からフリルの多い格好だし似合いそうでいいね…」
その会話を聞いてゴデチアは、ゴスロリを着た自分を想像してみた。
(普段のわたしとはちょっと違う、大人っぽい格好になりそう…二人が喜んでくれるなら関係なしに買ってみようかな…)
二人の喜ぶ顔まで目に浮かんで来て、ゴデチアはまた微笑んだ。彼女はこの事で興味が出てきたさらに話を聞いていくことにした。
「そうですね…あっ、それこそハロウィンで天使の仮装なんかも似合いそうですよね…!
他にも晴れ着や浴衣に…イースターバニーなんかも!」
「バニー!? あぁそうか…イースターはウサギを模した何かがあれば成立はするから大丈夫だね….でもバニースーツのゴデチアさんもいいかもしれないなぁ…白いタイツに燕尾服も着てもらって露出対策を万全にしてあげたら着てくれそうだ。
それに花嫁衣装もいいかもしれない、白を基調とした衣装なら天使のイメージに合致するはずだ。…うん、やっぱり似合うと思う」
アレンのバニースーツや花嫁衣装発言にドキドキしてしまい、作業に身が入らなくなってしまう。
(ふぇぇ…! どんどん恥ずかしい格好の話題になってるっ…)
そうやって聞いていると、二人の話は更にエスカレートしていき…
「花嫁衣装…! それはいいですね…! 本当に天使様のような格好になりそうです…結婚前の衣装合わせにぴったりですね…!」
「だろう? 他にも色んな衣装を着せてあげたいんだ。ディアンドル、メイド服、御伽噺のお姫様の格好に…えっちだけどベビードールなんかも…!」
ベビードール、その名前を聞いた時に彼女はまた恥ずかしくなってしまい…
「それだけは…それだけはやめてください〜!!」
その日一番大きな声で叫んだのだった…
今回は、人気投票をネタにした短編になりました。
皆様もご健闘を…