時系列的にはえっちなSSシリーズのかなり前の話になります。
今回は団長さんの視点で話が進みます。
いつもの注意事項です
■二次創作です。本編の設定とは違う場合があります
■オリジナルの団長が出てきます。ご了承ください
年の瀬も近づいてきていたある日、僕は騎士団の皆と一緒に宿舎の空いている一室でクリスマスパーティーをする為の準備をしていた。
「これを見てください! ボクの輝きでツリーがイルミネーションされたみたいにキラキラです!」
「わぁぁっ! すごいすごーい! お外で見るイルミネーションみたいに綺麗に光ってます!」
クリスマスツリーに目をやると、飾り付けをしていたカカオさんとステラさんが楽しそうに会話をしているのが目に入った。
どうやらステラさんの触れた物を光らせる力で光っているツリーの飾りを見て、カカオさんが子供らしく喜んでいる姿を見て、僕もほっこりとした気分になった。
「ジューンベリーさん、パーティー用のクッキーの試作が出来たので味見をしてくれませんか?」
「いいんですか? ありがとうございます!
んーっ!? とっても美味しいです!」
別の方向に目を向けると、クッキーの乗ったトレーを持ったプミラさんがテーブルの飾り付けの終わったジューンベリーさんにクッキーの試食を頼んでいた。
ジューンベリーさんはトレーの上のクッキーを何個か手に取り、口にすると美味しかったのかぴょんぴょんも飛び跳ねながらもぐもぐと咀嚼していて、その様子をプミラさんは嬉しそうににこにこと笑っていた。
「こっちも楽しそうだなぁ…っと、危ない危ない、こっちも飾り付けを早く作らないとなぁ」
こういう風に皆の楽しそうな姿を見つけると、ついつい見惚れて自分のしている作業が滞ってしまうので、僕は手元に目線を戻して作業に集中する事にした。
それからしばらく作業をしていると、いつの間にか向こう側で飾り付けの終わったゴデチアさんが隣にやってきて、僕の作業を手伝ってくれていた。
「ゴデチアさん、こっちの作業も手伝ってくれてありがとう」
「ふぁぁっ!? 褒めてくれてありがとうございましゅっ! あぅぅ…向こうの飾り付けが終わったから手伝わせてもらいますねっ…」
僕が作業を手伝ってくれている事に対して感謝すると、彼女はいつものように顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしてしまった。
いつも通り可愛い…と思いつつも、そろそろ関係をもっと前に進めたいと思い続けてはいたのだけれど…もしかしたらもうそろそろ、執務室の机の棚に用意してある『アレ』を渡す時が来たのかもしれない。
僕がそう考えていると、ゴデチアさんがこちらを見つめていた事に気がついた。
「んっ!? えっと…ゴデチアさん、どうかしたかな?」
「きゃあっ! ごっ、ごめんなさい…作業を止めてたのが気になってしまって…具合の悪いところはありませんか…?」
どうやら考えるのに作業を止めてしまっていたのを、具合が悪くなったと思われてしまったようだ。
しかしこの事を伝えるにはいいタイミングだな…
「そういうことなら大丈夫、少し考え事をしていただけだよ。
…ねぇゴデチアさん、パーティの飾り付けが終わったら町外れの林まで一緒来てくれないかな。とても大事な話があるんだ…」
僕は改めてゴデチアさんの方を向いて、大事な話があると伝える。すると彼女はドキッとした顔をして僕を見つめながらか細い声で「はい…」と頷いた。
パーティの準備が終わって辺りはもうすっかり暗くなった頃、僕はゴデチアさんを連れて人通りの少ない町外れの林まで来ていた。
「ふぁ…アレンさん、冬の夜にこんな所まで連れて来て…何をするんですか?」
どうやらゴデチアさんは勘づいていないようなので、これからする事にはびっくりするだろう。
僕は執務室の机の棚に仕舞っていた『結婚指輪』を彼女から見えないように手で隠しながら向き合って、その想いを伝えた。
「ゴデチアさん…僕の人生にはずっと君が一緒いて欲しい…だから、僕と結婚してください」
僕はそう言い終わると共に彼女の前に跪いて、隠していた『結婚指輪』を差し出した。
すると彼女は驚いたような表情をしながら、嬉し涙を流して指輪を手に取った。
「えっ…これっ、わたしが貰っていいんですか…? わたしが、アレンさんのお嫁さんになって…いいんですか…!?
凄く嬉しいです…! わたしの事をそんなに好きになってくれていたんですね…!」
そう言った後に左手の薬指に指輪を嵌めてから溢れる嬉し涙を拭って、満点の笑みを見せてくれた。
僕はその笑顔を見ながら立ち上がって、またゴデチアさんの方に向き直った。すると彼女も僕の顔を見つめて、その想いを僕に伝えてくれた。
「わ、わたし…もっ、アレンさんのこと、大好きです…
その気持ち…もっと、もっと…伝えさせてください…っ!」
そして彼女は上目遣いで僕のことを見つめながら、その唇を重ねてきた。
時間にすればちょっと前にしたデートの時にしたキスとは違って、少し触れ合うだけの軽めのキスだった。けれどその一瞬はその時よりもずっと長い時間に感じられて…とても心地が良かった。
「え、えへへ…恥ずかしいですけど…今、すごく幸せです…♪」
唇を離した瞬間に見た彼女の微笑みは、今まで見てきた彼女の中で一番愛おしい表情に感じた。この微笑みを守るためならば僕はどんな努力も惜しまないと、心の中で誓うのだった。
その一年後、騎士団宿舎の執務室にて。
「こうして二人は結婚して、今もいちゃいちゃする仲になったという訳です…!」
一年前にしたプロポーズを、エリンギさんが彼女なりの脚色を追加しながら新しく入ってきた花騎士の皆に話していた。
彼女としては僕達の結婚はとても喜ばしいものだったらしく、どうしても新しく入ってきた人にも知って欲しいそうだ。
恥ずかしがり屋のゴデチアさんとしてはあまり触れて欲しくないのか、今は顔を真っ赤にして僕の隣で縮こまってしまっているが、可愛いので個人的には役得だったりする。ありがとうエリンギさん。
そして、その話を聞いている花騎士の娘達の反応を見るのも楽しかった。
お供のきゅうちゃんと一緒に「よかったねぇ…」としみじみしているイロマツヨイグサさんや、うっとりとした表情で微笑むチコレさん、年の近いカカオさんやステラさんに「アレンにいちゃまとゴデチアねぇちゃまは結婚する程仲良しなんですねー」と微笑ましく話しかけるヒマさん、そして穏やかに微笑みながら何故か生クリームをかき混ぜているコムギさん…
新しく入って来た彼女達もこの、僕達夫婦の騎士団に早く馴染んでくれると嬉しい物だと思いながら、ゴデチアさんとお揃いの指輪を見つめるのだった。
祝福記念のお話ですが、ラストの一年後以前の文章はえっちなSS集の前の時系列になっております。
ゴデチアちゃんほどの恥ずかしがり屋が結婚するまでえっちな事はしないだろう性格なのは理解できますからね…