※この作品はR-18です。

花騎士SS集   作:Allen(アレン)

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今回のお話は前回のお話から一週間後、ゴデチアちゃんが団長さんに舞踏会の為の踊りの練習に誘われるところから始まります。
直接的な行為のシーンはありませんが、性行為を連想させるワードが頻発するためご注意下さい。
今回は視点がコロコロ変わる為、文章の前にマークを入れてわかりやすくしてみました。
◆がゴデチアちゃんの視点、
■が団長さんの視点
●がその他の人の視点になっています。


二人の秘事、想いが繋がる時

踊りの練習だったのに

 

 

 

 ある日わたしが執務室の掃除をしていると、アレンさんが少し難しそうな顔をして話しかけてきました。

ここ一週間くらいはあまり話が出来なくて寂しかったので、話しかけてくれて嬉しかったです。

 

 

「ゴデチアさん、舞踏会の踊りって踊れるかな?」

舞踏会…その言葉を聞いてわたしは、今読んでいる「大国の王子と小国の姫」のとあるシーンを思い出していました。

クラーキア王国の国を挙げての記念日、ゴデチア姫の生誕祭でアレン王子と踊っていたシーン…

二人の踊りは文章でしか表現されていないのですが、優雅な雰囲気が伝わってきて、読んでてうっとりしちゃったシーンです。

「…わたしもそんな風に踊れたらいいなぁ…ふふっ…

はっ、ごめんなさい…全然踊れないです…」

質問をされていたことを思い出し、わたしは顔を真っ赤にして答えます。

するとアレンさんは、こう返してきました。 

 

 

「じゃあ僕と…一緒に踊る練習をしてくれないかな…?

一週間後にブロッサムヒルの王宮でパーティがあるんだけど、そこの舞踏会に呼ばれてて…君と一緒に行きたかったんだ。

踊りの腕前は祖母から仕込まれているから、教えられる程度の腕前はあると自負しているんだけれど…」

照れ臭そうに頬をぽりぽりと掻きながら視線を外して、踊りの練習に誘ってきました。

わたしを踊りの相手としてみてくれてる…嬉しい…

「はっ、はいっ! わたしがお相手でいいなら頑張りましゅっ!」

ううっ…焦って変な返事になっちゃいました…

 

 

 それから数分後、アレンさんは蓄音機を起動させて、わたしの手を取りながら、曲に合わせて踊りの練習を始めました。

「ゴデチアさん…大丈夫?速くないかな?」

「大丈夫ですっ…それよりもわたしが遅いわけでもないですか…?」

アレンさんを見つめながら、踊りの練習をしていると、体を密着させているので、顔もいつもより近くで見れました。やっぱり格好いいです…

 

 

前にお祭りの警護をしていた時に、町の女の人達がアレンさんのことを

「可愛い顔で剣士としても強い騎士団長様なんて花騎士の娘達にもモテモテよね〜」とか「あんな美少年が上司とか私なら休み無しでも働けそう…」とか「美少年系イケメン団長とか花騎士の娘たちと毎日しっぽりしてそう…羨ましい…」なんて言っていました。

町の女の人たちにもモテモテでちょっと心配になるくらいでした…アレンさんはわたしの他にも恋人がいるのかな…もしもいたら…

 

 

そんな余計なことを考えながら回ろうとしたら、わたしは足を絨毯に引っ掛けてしまって…

「って、きゃあっ!?…いたた、アレンさん…大丈夫ですか…?ごめんなさ…」

アレンさんに背を向けてこけて、彼を下敷きにしてしまいました…アレンさんの方を向いて謝ろうとしますが…

「ゴデチアさん、謝らなくていい…体をそのままにしてゆっくり立ち上がってくれないかな…体を出来るだけ動かさないで…まずは上半身だけを起こして…」

アレンさんの言う通りにして、まずは上半身だけを起こして少しお尻を浮かせようとしました、するとお尻に、何か硬いものが当たっていました。えっ、これって…まさか…アレンさんの…お、おち…おちんち…

「ひゃぁうっ!ごっ、ごめんなさい…今起きますから…」

えっちな気持ちを抑えながらなんとか立ち上がって、両手で頬をぺちぺちします。

落ち着かなきゃ…

 

 

「ハァ…ハァ…ありがとう…ゴデチアさん…ちょっと休憩しようか…なんか疲れてしまって…」

アレンさんは俯いて、こっちを見ないようにしてそう言いました。

アレンさんのおまたはお尻が当たってた…おち…おち…おちんちんが勃起してて…びくびくと震えてました…

あれってお尻が当たってたから…?

「のっ、喉も渇いてるだろうし…お、お水持ってきますね…」

わたしはその場から逃げるように食堂へと向かっていきました…その後は少し休憩したのですが、体が熱くなって、アレンさんも顔を赤くして、お互いにギクシャクしてその日は上手く踊れませんでした…

本番までに踊れるようになるのでしょうか…

 

 

甘い香りと柔らかい感触で

 

 

 

 ゴデチアさんが水を持ってくると言って、執務室から出て行ってしまった…

どうやら僕の股間部分の膨らみに気付いてしまったらしい…

「ハァ…どうしてこんなことに…ただ踊りの練習だったはずなんだが…」

これじゃあまるで踊りの練習と称して、彼女の柔らかい体の感触を感じて、自分だけ気持ちよくなろうとしているみたいじゃないか、完全にセクハラだろう。

風の噂だと上司という立場を良いことに花騎士にセクハラを行う騎士団長は少なくないという。

そんな騎士団長になりたかった訳じゃない、思い出せ、自分が今ここにいる理由を。

 

 

父さん達の無念を晴らす為に、子供の頃にはぐれた友達を探す為に、そしてゴデチアさんを…彼女と…幸せに…

自分の目的を反芻する内に、彼女の顔が思い浮かぶ。

最初のうちは褒めても俯いたままだったけど、今は恥ずかしがりながらでもこっちを向いてくれる。

ぬいぐるみをあげたらすごく喜んでくれて、見ているこっちも嬉しくなった。

病気で倒れた時は冷静を装っていたけど、本当は凄く心配だった…

彼女との思い出を思い浮かべているうちに落ち着いていき、股間の膨らみも萎んでいった。

はぁ…これで大丈夫かな…

 

 

「アレンさん…お水を持ってきました…」

ゴデチアさんが水の入ったコップを持って執務室に戻ってきた。

「ありがとうゴデチアさん。ハァ、冷たくて美味しいね。…ゴデチアさん、顔が真っ赤だよ。医務室まで連れて行こうか?」

花騎士になっても病弱な彼女は、よく体調を崩してしまう。半日ほど寝ていれば大丈夫なことも多いが、それでも心配だ。

「大丈夫です…辛い訳じゃないですから…はぅぅ…」

よかった…ということは今顔を真っ赤にしているのはやはり…

 

 

「えっと…あれは…うん、そうだね…生理現象だよ…よくあることだよ…気にしないでくれると嬉しいかな…ちょっと休憩したらまた練習しようか…」

言い訳である、本当のことなんて言える訳がない。

甘い香りが髪や体からするとか、柔らかい体の感触を踊ってる時に感じるとか、特に小さなお尻が柔らかくて股間に座った時は…

ってアホか!そんなの内に秘めとけ!!ああもう休憩終わったら練習だ練習!

 

 

…その日はお互い意識してしまっていたのか、二人とも顔を真っ赤してしまったうえにまともに踊りの練習は出来なかった。

明日からは気を引き締めていかなければ…

 

 

謝罪と想いを伝えて

 

 

 

 踊りの練習を始めた日から次の日、僕達は今日も練習を始めていた。

今日も僕は彼女の魅力にくらくらしそうになりながら、なんとか曲に合わせて踊りを踊っていく。

 

 

美しい薄紫と葡萄酒のような赤色の綺麗な二色の髪、玉虫色の輝きが眩しい大きな瞳、陶器のような色白の肌に鮮やかな頬の紅潮が可憐で愛らしい。

華奢で戦えるとは思えない小さい手を握っているが、その力強さは「そんなことはないですよ」と彼女が語りかけてくるほどだった。

彼女の着ている衣装はフリルが沢山使われていて可愛らしく、恥ずかしがり屋な彼女を包んで守るためにあしらわれているかのようだ。

細い太腿は柔らかくて…

 

 

…いやいやいや!!?何を考えている!?

ちょっと前に耳かきしてもらった時の感触を思い出してる場合か!?

 

 

「はぁ…はぁ…ううっ…」

だめだ、また興奮してしまっている。頭がくらくらして息が荒くなって、陰茎が膨らんでいく…

なんとかゴデチアさんに勃起したのを悟られまいと、少し体を離そうとしたのがいけなかった。

彼女がバランスを崩して、僕の方に転んでしまったのだ。曲も最後の方まで行けそうな時に、なんてことを…

彼女は胸元に顔を埋めるような体勢になっていた。

つまり彼女の下腹部には…勃起してしまった陰茎がある訳で…

「うっ…あっ…はぁっ…」

彼女の体温を体で感じる…ぽかぽかする…気持ちいい…

って待て…我慢しろ…ここで射精なんてしてみろ、ゴデチアさんはなんて思うか…

 

 

『やっぱり興奮してたんですね…?踊りの練習とか言って体を密着させて気持ちよくなりたかっただけなんですか…? 不潔です…けだものです…わたしのことなんて性欲を満たすための都合の良い女としか思ってなかったんですね…!大っ嫌いです!!』

そう考えていると血の気が引いてくる…彼女を傷つけるのも、彼女に嫌われるのも嫌だ…だけど本心を伝えなければ、きっとこの事態は変わらないだろう…

 

 

「ごっ、ごめんなさい!…すぐにどきますから…」

謝りながら立ち上がって、昨日と同じく水を持ってこようとするゴデチアさんを遮るように、僕は自分の本心を口にした。

「ゴデチアさんっ、待ってくれ!…本当の事を…話をさせてくれないか…?

不潔だと思うかもしれないが…正直なことを言うと…僕は君で…興奮してしまっている…!

本当にごめん…真面目に練習してる時に、興奮してしまって…どう謝っていいかわからないけど…昨日誤魔化したことも含めて謝っても謝りきれない…いや、まだあるな…一週間くらい前に…君の下着で…その、致してしまって…本当にごめんなさい…」

ああ、言ってしまった…

一週間前にぱんつでオナニーしたことすらも…君のことをずっといやらしい目で見ていて、いつでも襲ってしまうかもしれないという宣言をしてるも同然だ。嫌われても仕方がない…

深々と頭を下げて、彼女に精一杯の謝罪の気持ちを伝える。

 

 

「アレンさん…頭を上げてください…わ…わたしも…その…執務室の椅子で…アレンさんの事を想いながら…その…はしたない事を…」

彼女が頭を上げて欲しいと言うので頭を上げる。彼女はしゃがみ込んで涙を流しながら謝ってくる…

執務室の椅子…?もしかして度々湿っていたのは…?

「だからっ、下着くらい…少しくらいは持っててもいいですからっ、わたしのことも許してくださ…うっ…うわぁぁぁぁぁぁん!」

彼女は泣きながら謝罪の言葉を述べ、執務室から出て行ってしまう…僕は…許されたのだろうか…?

 

 

二人の間には

 

 

 

 舞踏会に向けての踊りの練習が始まって次の日、今日もまた踊りの練習が始まりました。

踊りそのものは昨日より順調で、最後まで踊れると思ってました、でも…

わたしはアレンさんの顔とおまたのおち…を意識してしまって、気を抜いてまたころんでしまいました…

今度は向き合うようにころんでしまって…視線は彼の首元にあって…下腹部には彼の…大きくなったお…おち…おちんちんが…

 

 

「うっ…あっ…はぁっ…」

アレンさんが気持ちよさそうな吐息を漏らしていました。

もしかしてわたしで興奮してる…?

恋人同士だから自然にそう思うのは間違ってないと思うのですけど…なんだか恥ずかしい…

 

 

『ゴデチアさん…今日もかわいいぱんつを履いてるね…スカートが短いのにこんなぱんつを履いて討伐任務だなんて…戦闘中にも見せようとして、誘っているのかな…? 欲しがり屋さんなゴデチアさんには上手く出来たらご褒美をあげなくちゃね。

討伐任務が終わったら僕の部屋においで。今夜は寝かせてあげないよ…?』

頭の中のアレンさんがスカートを捲りながら、甘い言葉をかけてきます…

違うっ、アレンさんはこんな人じゃない…にやにやしながらわたしのスカートを捲ってくるようなへんたいさんじゃ…

 

 

わたしは変なことを考えながらアレンさんの服に隠れてる逞しい体を感じていると、お胸もおまたもきゅんきゅんして、顔が熱くなって…それで…

って今気持ちよくなっちゃダメっ!

「ごっ、ごめんなさい!…すぐにどきますから…」

謝りながら立ち上がって、また水を持ってこようと執務室から出ようとすると…

 

 

「ゴデチアさんっ、待ってくれ!…本当の事を…話をさせてくれないか…?」

アレンさんが顔を赤らめながら話しかけてきました。

一体どうしたんだろう…?

「不潔だと思うかもしれないが…正直なことを言うと…僕は君で…興奮してしまっている…!」

えっ…? やっぱりアレンさんも興奮してたの…?

「本当にごめん…真面目に練習してる時に僕だけ興奮してしまって…どう謝っていいかわからないけど…昨日誤魔化したことも含めて謝っても謝りきれない…

謝ることはありません…そんなのは…

 

「いや、まだあるな…一週間くらい前に…君の下着で…」

えっ…? 下着…?そういえば一週間くらい前、アレンさんでしちゃった時に無くしたと思ってたぱんつが洗濯されてたって聞いたけど…まさか…?

「その、致してしまって…本当にごめんなさい…」

深々と頭を下げて、アレンさんがわたしの下着で行為に及んだ事を謝ってきました…

 

 

「アレンさん…頭を上げてください…わ…わたしも…その…執務室の椅子で…アレンさんの事を想いながら…その…はしたない事を…」

しゃがみ込んで涙を流しながら、アレンさんに自分のした事を報告していました。

あなたが悪いのならわたしはもっと悪いことをした。わたしはそう思いながら、言葉を紡いでいきます。

「だからっ、下着くらい…少しくらいは持っててもいいですからっ、わたしのことも許してくださ…うっ…うわぁぁぁぁぁぁん!」

 

 

わたしは耐えられなくて泣きながら、執務室から走って出て行きました…

 

 

皆に励まされて

 

 

 

 わたしは泣き疲れたので少し休もうと自分の部屋を目指していると、エリンギさんとクリスマスベゴニアさんとカカオさんが何かを話していました。

 

 

「そうなのですか? きのこはヘルシーな食品なのですね! 今度は頑張って食べるのです!」

「食感が嫌いなんですけど…好き嫌いするのは大人っぽくないですし、カカオも今度は頑張って食べます!」

「そうですよ。多く食べても太りませんし…ってゴデチアさん…?どうかしましたか?」

わたしに気づいたエリンギさんが心配そうに話しかけてきました。

「エリンギさん…クリスマスベゴニアさん…わたし…また…ア…団長さんから…逃げちゃって…あぅぅ…うぁぁん…」

エリンギさんが駆け寄ってきた時にはまた泣き出してしまって、エリンギさんに胸を貸してもらってました…

「ゴデチアさん、団長様と何があったか聞かせて欲しいのです」

「そうですよ。団長さんがゴデチアさんを拒むとは思えません。カカオ達にも何があったか話してください」

「とっ、とりあえず皆さん…わたしの部屋に行きましょうか…」

 

 

 エリンギさんの部屋に入ると、エリンギさんがハーブティーを淹れてくれました。

前にキノコのことを教えてもらったときに教えてあげたのを思い出して、少し嬉しくなりました。

「ゴデチアさん…団長さんと何かあったんですか? 喧嘩とかですか…?」

「ええっと…そうではなくて…また逃げてきちゃいました…」

カカオさんとクリスマスベゴニアさんが首をかしげて、エリンギさんがああ…と何かを思い出した顔をして、わたしに尋ねてきました。 

 

 

「今度は何があったんですか? 確かゴデチアさんは団長さんと舞踏会の練習をしてましたよね…?」

「えっと…もう少しで全部踊れるってところでわたしがこけちゃって…それを…受け止めてくれたんです…」

するとクリスマスベゴニアさんが羨ましそうに

「ゴデチアさんは団長様とダンスしてるのですか! わたくしも団長様と踊ってみたいのですー!」と言いました。

するとカカオさんも「わたしも団長さんと舞踏会で踊ってみたいです〜。大人っぽいドレスを着て、優雅に踊ってみたいなぁ〜」と言います。

二人のおかげで場が和んで、わたしはエリンギさんと笑ってしまいました。

 

 

そこでわたしは話を続けます。

「その後にわたしは立ち上がって水を持ってこようとしたんですが、団長さんが隠してた悪い事を謝ってきたんです。

…わたしはその事を許すと言って、代わりに団長さんに隠してた悪い事を許してもらおうと謝ってたら…申し訳なくなってきて泣いて執務室から出て行ってしまったんです…」恥ずかしいのでお互いがどういう事で謝ったのかを伏せながら、ことの顛末を話しました。

 

 

するとエリンギさんが口を開きました。

「えっと…二人とも謝って、ゴデチアさんが申し訳なくなって逃げてしまったんですね…?」

「はい…恥ずかしながら…アレ…団長さんも悪いことをしたから謝ってましたけど…そのことを許してあげて…その後に逃げて来ちゃいました…」

恥ずかしがりながらそう話すと、カカオさんが口を開きました

「それって二人とも謝ってるしゴデチアさんは団長さんのした事を許してますよね?団長さんもきっと許してくれますよ」

それに続くようにクリスマスベゴニアさんも「団長様がゴデチアさんを本気で嫌うわけないと思うのです…だってわたくしの頭を撫でた後も直ぐにゴデチアさんに微笑みかけてたのです。あれはゴデチアさんを愛してる証拠なのですー!」と興奮気味に言ってきました…

 

 

そしてエリンギさんは「わたしは皆より前からこの騎士団にいるんですが…団長さんは結構ショックを受けたら引きずっちゃうタイプですから…もしかしたら今勘違いしてしょんぼりしてるかもしれません…今から行ってきた方がいいかと…」と言ってきました

ああ、またアレンさんを困らせてるんだ…ちゃんと話をしなきゃ…

「三人ともありがとうございます、話を聞いてくれて、励ましてもいただいちゃいましたね…わたし、今から執務室に行って団長さんと話をしてきます。

このお礼は後日にさせてくださいね」

 

わたしはエリンギさん、カカオさん、クリスマスベゴニアさんにお礼を言って、エリンギさんの部屋を後にします。アレンさんとちゃんと話をして、踊りの練習をしなきゃ! 折角舞踏会に誘ってくれたのにこのまま踊れないままなのは嫌だから…

 

 

 

「ふぅ、なんだか疲れました…」ゴデチアさんとカカオさんとクリスマスベゴニアさんを見送ると、どっと疲れが出たのかベットにもたれかかりました。

まさか天使様を…ゴデチアさんをまた助けることができるとは…

「お礼かぁ…別にそんなことをしてくれなくてもいいんですけど…ふふっ、それでも楽しみですね…」

わたしはゴデチアさんのお礼を楽しみにしつつ、ぼーっとすることにしました。

「団長さんに天使様の祝福が有りますように…」

 

 

ちゃんと話をしよう

 

 

 

 あー、終わった、これ完全にゴデチアさんに嫌われた奴だ、なんか泣いてたし。

『わたしのことも許してください…』とか言ってた気がするけど多分都合のいい幻聴だろう、何が許されたのか…だよ馬鹿馬鹿しい。

そりゃあこんな性欲一直線のケダモノなんか泣いて逃げるに決まってる。いつ自分を襲うかわからない異性の元になんて一刻も早く逃げ出したいだろう。

僕はそんなことを思いながら床に寝転びながら天井を見つめていた。窓からの光が眩しいなぁ…

 

 

「ねぇだんちょー、そんなところに寝転んでどうしたの? ベットで寝ないと体硬くなっちゃうよ?」

騎士団の団員の少女、プルーンがしゃがみ込んでこちらを見つめてくる。執務室に入ってくるのに気づかなかった…しゃがんでいるからか、スカートの中から猫のぱんつが丸見えだった。

「スカートの中身が見えてるよ、はしたないからやめなさい」

子供に注意する父親のように、彼女をたしなめる。すると彼女は恥ずかしそうに足を閉じてくれた。

「ううっ…ありがとうだんちょー…わたしのために注意してくれて…」

「いや、お礼なんていらないよ。そういえばどうしてここに?」

 

「貸してもらった本を返しに来たんですよ。団長様、おはようございます」

そう言っているのは金髪の少女、プミラだった。

「ああ、そうか。それで二人とも、今回借りた本はどうだった?」僕は起き上がって、二人に本の感想を聞いた。「はい、あんなどんでん返しがあるなんて思えませんでした。また今日も新しい本を貸してもらいますね」「わたしが借りたのも面白かった!うさぎさんとねこさんが一緒に冒険して宝物を探す奴! わたしも新しい本を借りていくねー!」

二人はその後に本棚から新しい本を借りていき、執務室を出ていった。

 

 

僕はもう一度寝転んで、ゴデチアさんのことを考える。…やはり嫌われてしまったのはつらいなぁ…もうあの綺麗で純粋な瞳に僕を映してくれることもないし、あのかわいらしく癒される声で僕の名前を呼んでくれることもないのだろう…

嗚呼、どうしてあんなことをしたんだ…一時の快楽に身を任せて大切な人を傷つけてしまったんだ…

そんなことを考えていると、執務室の扉が開かれた音がして、誰かが歩いてきた。

「アレンさん…こんにちは…」

「ゴデチアさん…や、やぁ…」

 

 

先程まで頭の中で考えていた少女が、目の前に現れる。

その表情は微笑んでいて、僕の事を微塵も嫌っている様子はなかった。

「アレンさん、わたしとお話をしませんか…?

誤解を解きたいんです…」

誤解を解きたい…まさか、勘違いだった…?

「誤解…? うん、わかった。そこのソファーで話をしようか」

 

 

 僕達は同じソファーに座って、向かい合っていると彼女が口を開いて話始めた。

「まずは…ごめんなさい…また泣いて逃げてしまって…

こんなんじゃ誤解されても仕方ないですよね…でも誤解しないでください…アレンさんのことを嫌いになったわけじゃありません。だってアレンさんは、わたしが好きになった…初めての男の人ですから…!」

 

 

その言葉を聞いて、顔が緩みそうになってしまった。

初めて好きになった男の人…そうか、僕は彼女の初めてだったのか…そう思うとなんだか嬉しくなってきた…

「ええと…わたしのぱんつを使ってオナニーをしてたことは…別に怒ってません…わたしだって…アレンさんが普段座ってるそこの椅子で…何度かオナニーしちゃった事があって…この前は盛大に汚しちゃった事もありますから…ええっと…わたしのこと、嫌いになりましたか…?」

彼女が涙目で訴えてくる…君の事を嫌いになる? そんなことで嫌いにはなれないよ…

 

 

「そんな訳はない、それくらい許してあげるよ。

むしろゴデチアさんは僕の事を想ってそんな事をしてしまったんだね…僕も同じ気持ちだよ…君の事を想いながら、欲望のままに君の下着を使ってた…

むしろ自分の下着でオナニーされたのに僕を許してくれるんだね…ありがとう…」

彼女の涙を指で拭いながら頭を撫でて、慰める。

すると彼女は微笑んで、また話始めた。

 

 

「わたし達…お互いを想って同じような事をしてしまって…お互いに悪いと思ってたんですね。ふふっ、わたし達って似たもの同士だったのかもしれませんね。

アレンさん…わたし、舞踏会でアレンさんと一緒に踊りたいです。だから練習を再開しませんか…?」

似たもの同士…そんな事を言ってくる彼女の全てが愛おしい…僕は我慢できずに、彼女を抱きしめていた…

 

 

「うん、また練習を再開しようか…だけどその前に…キスがしたい、駄目かな…?」

ああ、情け無い…彼女の前ではとても弱くなってしまうようだ…

 

 

「は…はいっ…大丈夫です…わたしも…キスしたかったですから…」

そう言ってくれたゴデチアさんを一旦離すと、彼女は目を閉じてキスを受け入れる準備をしてくれた。

僕は…

 

 

「んむっ…んっ…ちゅっ…ふぁ…アレンさん…もっと…もっとしてください…アレンさぁん…」

少しディープなキスをしてから一度唇を離すと、彼女がもっともっと…とおねだりしてくる…もう一度、心の赴くままにキスを…

「あむっ…ちゅっ…ちゅっ…ぷぱぁ…アレンしゃん…もっとぉ…んむぅっ…ちゅっ…ちゅっ…ふぁぁ…あれんしゃんのよられとわらしのよられがまざってましゅう…あたまがくりゃくりゃしましゅよぉ…

はぁ…はぁ…おにぇがいでしゅからぁ、もっともっとぉ…」

彼女のおねだりが僕の理性を溶かしていく…もっともっとキスしたい…「いいよ、もっとしようか…お互いとろとろに溶けちゃおう…」

 

 

そうやって思い切り抱きしめて、キスをしようとしたその時に…執務室の扉が開かれて、とある人物が部屋に入ってきた。

「団長さん、ゴデチアちゃん。今日の晩御飯は何がいいですか? えっ…?」

今日の夕飯のメニューを聞きに、プラムさんが来た…

彼女は運が悪いそうだが…間も悪いのも運が悪いうちに入っているのだろうか…?

「ごめんなさいっ!失礼しましたぁ!」

彼女はすぐに謝って扉を閉めた…一方のゴデチアさんはというと…

 

 

「ぁぁぁぁぁ…! 見られちゃった…プラムさんに見られちゃいましたぁ…! アレンさんとキスして…頭とろとろになってたところを…! 恥ずかしいですぅ…!!!

もうわたし…プラムさんとまともに話せません…!!」

顔を覆いながらソファーで体を丸めていた…

その日はそれ以降の練習を取りやめて、彼女を慰めながら一緒にご飯を食べて、なんとかプラムさんの顔が見れるくらいにまで回復させた…

調子に乗りすぎてしまったかな…

 

 

本番、新たな出会いと深まる絆

 

 

 

 仲直りから数日後、色々ありましたが舞踏会を翌日に控えた日の夕方にはわたし達は完璧に踊れるようになっていました。

「よし、ばっちり踊れるようになったね。これで明日は大丈夫そうだ…ゴデチアさん、お疲れ様」

アレンさんが労いの言葉をかけてくれました、

これで明日も頑張れそうです。

 

 

「アレンさん、明日は頑張りますね。アレンさんが恥ずかしくないように、踊ってみせますから!」

わたしが自信満々にそういうと、アレンさんは微笑んで

「頑張ってくれるのは嬉しいけど、頑張るんじゃなくて、楽しんで欲しいな…

やっぱりパーティなんだから肩の力を抜いてくれると嬉しいんだ、僕も君と初めて参加するパーティを楽しみたいからね…」

と言ってくれました。

 

 

わたしと一緒に参加するパーティを楽しみにしてくれてる…凄く嬉しい…

恥ずかしいけれど、アレンさんに感謝の言葉を伝えます。

「パーティを楽しみにしてるんですね…ありがとうございます…わたしもですから、一緒に楽しみましょうね…」

するとアレンさんはまたわたしに微笑みかけてくれました。

「ゴデチアさんも楽しみにしてくれてるんだね、うん、一緒に楽しもう…!」

お互いに笑い合いながら、その日は夕飯を済ませたら寝ることにしました。

 

 

 翌日、パーティ会場にて

パーティの会場は綺麗なお部屋で、整った服に身を包んだ人達が談笑していて、まるでお伽話のような世界が広がっていました。

 

 

「わぁ…綺麗です…! なんだかお伽話みたいですね…」

わたしは薄いピンク色のドレスに身を包み、会場を見つめていました。

「楽しそうだね、ゴデチアさん。連れてきてあげて良かったよ…でも僕はゴデチアさんの方が綺麗だと思う…かな…」

アレンさんが頬を染めて褒めてくれました…ううっ、そんな不意打ちをするなんて…もっと好きになっちゃいますよぉ…

そんなことを考えていると、執事の人がダンスタイムを宣言していました。

「それじゃあゴデチアさん、また後で…」

「はい、また後で一緒に踊りましょう…」

わたし達は一度分かれて、舞踏会を楽しむことにしました。

 

 

わたしは何人かと踊っているうちに、青い髪の男の人と踊ることになりました。

アレンさんと似た雰囲気だけど、何処か硬い…金属のような感じがしました。

「花騎士のゴデチアと言います。今日はよろしくお願いしますね…」

「ベルガモットバレーで騎士団を率いているイアンという者だ、こちらこそよろしくな」

 

 

イアン…? もしかしてこの人は…

「えっと…もしかしてイアンさんは『とある傭兵騎士団長の日記』の作者さんだったりしませんか…?」

「おっ、あの本の読者なのか? その通りだ、俺の本を君みたいな娘にも読んでもらえるとはな…」

やっぱり当たってました…!

「ええっと、そうじゃなくて、わたし達の騎士団の団長さんが読んでるんです…面白そうだから読み終わったら貸してもらおうと思って…」

「そうか、君の所の団長が読んでるわけか…けど面白そうだと思ってくれてるのは嬉しいな。

おっと、舞踏会なのに話だけじゃダメだな…それじゃあ踊るか」

そう言って彼…イアンさんはわたしの手を取って、手を組んで踊り始めました。

 

 

「きゃっ、ととっ、イアンさん…ちょ、ちょっと待って下さい…」

「ああっ、すまん…悪いな…あまり踊りは慣れていないもので…」

イアンさんは急ぐように動いて、激しく踊っていました。わたしはその踊りについて行くのがやっとで、思わず静止を促してしまいました。

「もっとゆっくり踊れませんか…? って、ごめんなさい…わがままでしたよね…?」

「…いや、君の言うことはもっともだな、悪かった。もう少しゆっくり踊ろう」

よかった…イアンさんも優しい人でした…

 

 

踊りがゆっくりになったので、イアンさんに聞きたかったことを聞いてみます。

「イアンさん…聞きたいことがあるんですか、聞いてもいいですか…?」

「構わないが…何が聞きたいんだ?」

「アレンという名前に覚えはありますか…? わたし達の騎士団の団長さんも同じ名前なんですが…イアンさんのことを幼馴染だって言ってました…イアンさんは覚えていますか…?」

 

 

「…!? アレンの事を知ってんのか? 騎士団長になったのか…そうか…生きててくれたんだな…ああ、勿論覚えてる。

あいつも夢、叶えたんだな…教えてくれてありがとな」

イアンさんは屈託の無い笑顔で笑って、わたしに感謝していました。

「いっ、いえ! どういたしまして!!!

わたしが質問したのに、感謝なんてしてくれて…」

するとイアンさんは、笑いながらこう言ったのです。

「あー…アレンはこういう小動物みたいな娘が好みなんだな…なるほどねぇ…

いや、お嬢さんは大事にしてもらってそうだな…」

えっ…?どうして笑っているのでしょう…?

 

 

 

 

 僕は色々な女性と踊りながらも、ゴデチアさんの方をずっと気にしていた。

舞踏会の最後に踊ろうと約束していたのだけれど、今すぐに彼女と踊りたくて仕方がなかった。

彼女が他の男と踊っている姿を見るだけで胸にもやもやしたものが湧き出して、心が沈んでいく。

とはいえ、今踊っている女性にも失礼だと思い、どうにかして意識をゴデチアさんの方に持っていかれないように、踊っている相手に意識を向けることにした。

 

 

「お兄さん、心ここに在らず。って感じだね? ボクと踊ってる時くらいはボクに集中して欲しいな?」

一緒に踊ってる人にバレてる…今すぐに謝らないと…

「ごめんなさい…」

「うわっ! 踊りながら謝ってる…! すごいや、どうやるのそれっ…!?

うわっ…ととっ…ぎゅむっ…ボクの方こそごめんなさい…でもこんなにかわいいボクと踊ってるのに集中しないなんてさー、失礼だよ!…恋人さんのことでも気にしてるの?」

先程自己紹介をしてくれた少女、ディアスキアさんが僕に探りを入れてくる…凄い娘だな…ここは素直に白状するとしよう…

 

 

「その通りですね…あそこで青い髪の男の人と踊ってる菫色の髪の女の子がいるでしょう?

あの娘が僕の騎士団の副団長で…僕の恋人のゴデチアさんです…」

「あっ、ボクの所の団長さんと踊ってる娘だね。

へー、お兄さんはああいう娘が好みなんだ、なんかぴったりだね!」

何故か褒められてしまった…というか今ゴデチアさんと踊ってる男性が彼女の騎士団を率いているのか…僕とそう年が変わらなそうな青年…ゴデチアさんも楽しそうに踊っている…

 

 

いやいや、ゴデチアさんがそんなことをする訳もないし、こんな舞踏会で恋人を探すような男性もいないだろう…考えすぎだ…

「ん? もしかして恋人さんが心配? そういうことなら大丈夫! だってボクと団長さんは夫婦だもん。お嫁さんがいる所で浮気なんかしないと思うよ?」

ディアスキアさんは僕と歳もそう変わらなそうなのに、結婚しているのか…しかも騎士団の団長と…

 

 

「そうだったんですね…僕と歳も変わらなそうなのに凄いなぁ…ありがとうございます…心配事を解消させてくれて。もう少し踊りましょうか」

「(あれ? 冗談だと思われてない? うーん…まぁいっか、将来は本当に夫婦になる予定だからね!)褒めてくれてありがとう! そうだね、踊ろう踊ろう! 舞踏会は踊りを楽しむパーティーだからね!」

僕はどこか嬉しそうなディアスキアさんに振り回されながらも、安心して踊ることができるようになった…

 

 

 

 

 わたしが色々な人とダンスをするうちに、執事の人がダンスタイムの終わりが近いと告げていました。

その事を聞いて、舞踏会の最後に一緒に踊る為にアレンさんを探していると…

丁度よくわたしを見つけたアレンさんがこっちに向かってきて、わたしの手を取るなり跪いてこう言ってきました。

 

 

「ああ、ゴデチアさん、ここにいたんだね。見つけたよ…僕の大切な…お姫様…」

!?…アレンさんが急にお芝居のような口調で話しかけてきました…

もしかして、童話の再現をしようとしてくれるのでしょうか…?

みんながいる所で恥ずかしいけれど、それ以上に嬉しさが溢れてきて…わたしはアレンさんの誘いに乗ってみる事にしました。

「見つけていただきありがとうございます…私の王子様っ…どうか一緒に踊ってくれませんか…?」

「ええ、舞踏会のラストはやはり貴女と踊りたかったので…誘っていただきありがとうございます…」

わたしは流れる音楽に合わせて踊りながら、アレンさんに今日の感想を話すことにしました。

 

 

「今日は楽しかったです…一人だったら恥ずかし過ぎてこんなところには来ないと思いましたから…

これからも何かあったらわたしを誘ってくださいね」

「ああ、勿論だよゴデチアさん…楽しそうでよかった….これからも遊びに連れていってあげるから…

ゴデチアさんも僕を誘って欲しいな。

君が行きたい場所にも行きたいんだ…」

アレンさんは微笑みながら、わたしにも遊びに誘って欲しいと言ってきます。

嬉しい…だったら…

 

 

「だったら…今度のお休みにはピクニックに行きたいです。二人でお外でご飯を食べながら…ゆっくり過ごしたいです…ダメ、ですか…?」

恥ずかしいけど、自分の行きたいところとしたい事を伝えました。迷惑じゃないといいな…

「今度の休みだね、わかった、予定は空けておくよ。…そうだな、じゃあゴデチアさんの作ったお弁当が食べたいな…いつも食べてる食事は騎士団のみんなで作ったものだし、君が作った料理が食べてみたくて…ダメかな…?」

よかった…って、お弁当…? わたしの料理…?

 

 

ええっ…!? でもピクニックに行くには元々お弁当は作らなきゃいけないし…

アレンさんに作ってもらうわけにもいかないから、わたしが作らなきゃいけないわけだから…それに前にも手料理が食べたいって言ってたし…

ううっ…

 

 

「アレンさん…本当にわたしの料理でいいんですか…? わかりました…美味しく作れるように頑張ります…!」

「ありがとう、ゴデチアさん。さぁ…舞踏会もクライマックスだ…ここで決めよう…!」

そういうとアレンさんは動きを早めて、手で導いてくれました。わたしもアレンさんに続くように、踊りのクライマックスへと向かって行きます…

そして曲が終わると共に、二人でポーズをとりました。恥ずかしいけどアレンさんとダンスをやり遂げたことが嬉しくて、晴れやかな気持ちになりました…

 

 

お祭りの終わりに

 

 

 

 舞踏会が終わって騎士団の宿舎に帰って来ると、ジューンベリーさんが出迎えてくれた。

「あっ、団長さんにゴデチアさん、おかえりなさい! 今日は楽しかったですか?」

夜なのに相変わらず明るくて元気だなぁ…

 

 

「はいっ、疲れちゃいましたけど楽しかったです。ジューンベリーさんも足は大丈夫そうですね」

「はい! ゴデチアさんに手当てして貰ったのでおかげさまで良くなってきました、ありがとうございます!」

ジューンベリーさんは訓練を頑張りすぎる為によく怪我をする為か、ゴデチアさんによく手当てをして貰っている。それでよく話すからか二人はすぐに仲良くなったようだ。

「それじゃあわたしも、もう着替えて寝ますね。二人も早く寝てくださいね」

彼女はそう言って自分の部屋に帰って行った。

 

 

ジューンベリーさんが見えなくなると、ゴデチアさんが少し顔を赤らめながらこう言ってきた。

「アレンさん…寝る前に少しお話をしませんか…? このまま眠るのは少し勿体ない気がして…」

確かにそうだな…と思いながら僕は彼女の発言を肯定する。

「そうだね、じゃあ執務室に行こうか…」

ゴデチアさんの手を引きながら、執務室室へと向かうことにした。

 

 

 「アレンさん…ずっと言おうと思ってて中々言い出せなかったんですが…嬉しいお知らせがあります。

なんとイアンさんが舞踏会に参加していましたっ!

わたしと踊ってくれて、そこで話をすることが出来ました。ちゃんとアレンさんのことも覚えてましたよ!

…何故かわたしのことを笑ってましたけど…何か失敗したんでしょうか…?

思い出したら恥ずかしくなってきました…」

あの時ゴデチアさんと踊っていたのはイアンだったのか…つまり僕は友達に嫉妬していたというわけで…

 

 

そのことに罪悪感を覚えながらも、彼女がイアンを見つけてくれたのはなんだか嬉しかった。

「そうか、あの時一緒に踊ってたのがイアンだったんだね。…ねぇ、ゴデチアさんから見てイアンはどんな風に見えたんだい?」

「えっと、最初は冷たくて金属みたいに思ったんですけど…優しくて、よく笑う楽しそうな人でした!」

ゴデチアさんは素直に思ったことを伝えてくれた、子どもっぽいけどかわいいなぁ…

 

 

「そうか…よく笑うのは昔と変わってないみたいだね…ありがとう。イアンは元気そうだな…

ねぇゴデチアさん、話は変わるけどさ…

僕は君がイアンと踊ってた時に、君が他の男の人と一緒に踊ってるだけでもやもやして…

君が他の誰かに取られてしまうんじゃないかと思ってしまったんだ…って、急に何を言ってるんだろうな…ごめん、忘れてくれ…」

ふとした拍子に、今日感じた不安を口にしてしまった…情け無い…

そう思っていると、彼女は顔を上げて微笑みながらこう言った。

 

 

「やっぱりわたし達は似た者同士ですね…わたしもアレンさんが街の女の人にモテモテで…他にも恋人がいるんじゃないかって思ったことがありました…

アレンさんがそんなことするはずないって思ってても、少し不安になることがあって…

でもそんなに心配してくれてたんですね…」

ゴデチアさんは顔を赤らめ恥ずかしがりながら、話を続ける。

 

 

「わたしは…あなただけの恋人ですから…あなたもわたしだけの恋人でいて下さい…

って…何を言ってるんでしょう…恥ずかし過ぎて、今はアレンさんの顔が見れません…!」

彼女は顔を真っ赤に染めて、はぅはぅと呼吸を荒げて恥ずかしがっていた…

そんな彼女を愛おしく感じて、いつの間にか僕は彼女を抱きしめていた。

 

「ゴデチアさん…確かにそうだね…僕達は似た者同士なんだろう…それが嬉しく感じるよ…

そうだよ、僕は君だけの恋人だ…だから心配しないで欲しいな…」

僕は彼女の耳元でそう囁いていた。

すると彼女は安心したのか、甘くて柔らかい声で耳元で囁いた。

 

 

「はい…わたしもあなただけの恋人です…あなたも心配しないでくださいね…ふぁぁぁぁ…

ハッ…!ごめんなさい…もう眠くなってきました…」

彼女の言葉に安心した矢先に、かわいい欠伸を耳元で聞いてしまって顔がにやけてしまいそうになった…

「そうだね…もう寝ようか、おやすみなさい」

「はい…そうですね…明日もよろしくお願いします…おやすみなさい…」

眠そうな彼女を見送って、僕は窓の外の星空を見つめていた。

「綺麗な星空だなぁ…」

 

 

綺麗な星空を眺めながら、僕は彼女との関係が深まっていくのを感じていた。

この関係は、僕達二人にこれから何をもたらすのだろうか…

 

 

 




今回はかなりの長編になりました。
その反動か次回からは短編が続きそうです…
次回もよろしくお願いしますね。
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