ゴデチアちゃんがやきもちを妬いちゃう内容になりました…
よろしければどうぞご覧ください。
ちなみにゴデチアちゃんの視点で進みます。
いつもの注意事項です
■二次創作です。本編の設定とは違う場合があります
■オリジナルの団長が出てきます。ご了承ください
ある日のこと、わたし達の騎士団の団長さんであるアレンさんが「最近は討伐任務続きで皆疲れてると思うんだ。だから今度の週末は騎士団全体で休みを取ろう」と言いました。
その発言を聞いて騎士団のみんなが大喜びでお休みの予定を立てている中で、わたしはアレンさんにデートのお誘いを受けました。
「ねえゴデチアさん、今度のお休みは一緒に出かけたいんだけど…大丈夫かな?」
そのお誘いはとても魅力的でしたが、わたしはお休みの日にやりたい事があって断る事にしました。
「アレンさん、ごめんなさい…わたし、もうちょっと予定ができちゃって…次の機会じゃダメですか…?」
するとアレンさんは名残惜しそうにしつつも、微笑んでこう言いました。
「…そうか、それならいいや。こっちこそごめんね? 休日は暇になっちゃったな…この機会にどこかに出かけるか…あっ、ごめん、こっちの話。じゃあ、また次の機会に誘うよ。さぁ、今日の残りの仕事を片付けようか」
アレンさんの悲しそうな顔を見るのは心が痛みましたが、わたしは『どこかに出かけるか』という言葉を聞いて目的を果たす事ができそうだと思うと嬉しさも混ざって、少し複雑な気分になりました。
わたしの目的…それはアレンさんが普段一人だと何をしているのかが知りたくて、休日の様子を後をつけて観察する事でした。
あまり良くないことは分かってるんですが…わたしはアレンさんのことがもっと知りたくて…わたしが見た事がない一面が見てみたくて…
それに…アレンさんはいつもわたし達に付きっきりでしたから、たまには気兼ねなく一人の時間を楽しんで欲しくて…
そんな事を考えながら、わたしはアレンさんの後ろを追うように執務室へ向かうのでした。
そして待ちに待った休みの日、アレンさんは日課の剣の稽古を終えてから着替えて、町の方へと出かけて行きました。
わたしは見失わないように、物陰に隠れながら彼を追いかけて行きました…
アレンさんがまず立ち寄ったのは、目立たない路地裏にあった剣や槍が置いてあるお店…武器屋でした。わたしは出入り口の近くで立てかけてある槍に身を潜めてお店の奥に入っていく彼を観察することにします。
そこではアレンさんは片手に剣を持ちながら、店主さんに話しかけていました。
「店主さん、この剣はかなりいい物ですね…それをどうしてこんなに安い値段で?」
「ここら辺は平和だし近くの騎士団の花騎士達は大体魔力で武器を作る子達ばかりらしいのか騎士団には売れなくてね…安くしないと衛兵隊も買ってくれなくて…そういう君は買ってくれるのかい?」
店主さんがアレンさんの手にしていた剣を指差して、それを買うのかと彼に聞いていました。
するとアレンさんはその剣を店のカウンターに置いてから棚に置かれている複数の剣を持ってきて、店主さんにこれら全てを買うといいました。
「勿論です。今持ってきた剣三本も一緒に買うので、今から書く住所に後日持ってきてくれませんか? お代はこちらでいいですよね…?」
「おや…こんなに買ってくれるのかい? ありがとう…この住所だね…そうか、君が最近噂に聞く騎士団の団長さんか…この剣達を大事に使ってくれよ…」
二人の会話はそこで終わって、アレンさんは無言で頷いてから店の外へと出て来ました。
わたしはアレンさんに見つからないように隠れる向きを変えていると、店主さんに見つかってしまいました…
「おや、こんな所にお嬢さんみたいな子が来るなんて珍しいね。もしくはさっきの団長さんでも追って来たのかな…?」
「ふあっ!? ごっ、ごめんなさい…! また来ます!」
店主さんが目的を言い当てた事にびっくりしたわたしは、謝りながら逃げるように走って行きました…
アレンさんを見失わないように追っていると、大通りにある書店に入って行きました。
前にデートに行った時も行った本屋ですが、一人で来たからなのか、それともこんな事をしているせいなのでしょうか…いつもと雰囲気が違って少し寂しいように見えました。
お店の本棚から覗いてみると、アレンさんは新刊コーナーにあった本を手にしてカウンターの女の人に代金と一緒に渡して、談笑をしていました。
「あっ、騎士団長さん。この新刊を買うんですね。はい、お釣りと領収書です。
って、あれ? 恋人さんは一緒じゃないんですか?」
「ありがとうございます。ゴデチアさんのことですか? 今日は予定があったみたいなので、僕一人で来ました。…ところで、この本ってもう読みましたか?」
他にもお客さんがいたので、二人の話は少し聞き取りづらかったです。でも、二人とも仲良さそう…
仲の良さそうな二人を見ていると、悲しいような、怒りたくなるような、不思議でもやもやした気持ちがお胸の辺りに溜まっていきます。
…そこはわたしの場所なのに、アレンさんは…わたしの恋人なのに…どうして、どうして他の人とそんなに楽しそうに話すんですか…?
二人を見ていたらそんな考えが頭の中を巡って、お胸のもやもやが重くなってきました。
ひょっとして…これがやきもち…?
「…ここからはネタバレになっちゃいますから詳しくは読んでからですね!
今度は恋人さんも一緒に来てください」
「わかりました。それでは、また」
…二人の話が終わったみたいです。わたしはアレンさんに見つからないように隠れながらまた後について行きました。すると、二人組の女の人がアレンさんに近づいてきたのです。
「あのっ、そこのお兄さん…? 私達旅行にきてるんですけど道に迷っちゃってぇ、道案内してくれると嬉しいです〜」
「立ち話もなんですからぁ、あそこのレストランでお食事でもしながらなんてどうですか?
お代は勿論結構ですよぉ?」
どうやら道案内をしてほしい人達だったみたいです…って、ちょっと待ってください、お食事でもしながら…?
これが噂に聞くナンパというやつなんでしょうか…?でもナンパって男の人からするって聞いたような…ってそうじゃなくて…!
アレンさん…一緒にお食事に行っちゃうんでしょうか…? ううっ、行かないで…行っちゃダメです…
「わかりました…でもお食事を奢ってもらう訳には行きませんので、この町の案内所まで連れて行ってあげますよ。こっちです」
そう言って誘いを断ったアレンさんは、二人を案内所まで連れて行ってあげました。
アレンさんが二人に誘われて行っちゃわないで、本当によかったです…!
そんなことになったらわたしは…これからどうやってアレンさんの顔を見ればいいかわからなくなりそうですから…
二人を案内所まで送ったアレンさんは、騎士団の宿舎に帰って行きました。
わたしも少し待ってから宿舎に帰って、少し疲れたのでお部屋に戻って休みました。アレンさん、今日はもうどこにも出かけないのかな…?
そんなことを考えていると、ぐぅぅ…とお腹から音が鳴りました。
「うぅ…そういえばもうお昼ごはんの時間ですね…昨日のスープの残りがあった筈ですし…
今日のお昼は真っ白なパンと一緒に食べましょう…」
わたしが食堂に行くと、アレンさんとエリンギさんとカカオさんがお昼を食べていました。
「あっ、ゴデチアさん。君もお昼ごはんみたいだね。よかったら一緒に食べないか?」
「ゴデチアさん、こんにちは…わたし達と一緒にお昼ごはんを食べませんか…」
「ゴデチアさん、カカオ達と一緒にご飯を食べましょう? みんなで食べると楽しいですよ?」
わたしは三人に一気に誘われてちょっとびっくりしちゃいましたが、ご好意に甘えてお昼ごはんを一緒に食べることにしました。
わたしが皆も食べていた夕飯の残りのきのこと鮭のスープを食べていると、アレンさんとエリンギさんが話を始めました。
「そういえばエリンギさんはゴデチアさんが来てから変わったよね。少し明るくなったし、剣技も初めて会った時より冴えてて…成長したように感じるよ」
「…そういう団長さんも、ゴデチアさんが着任してからはよく笑うようになりましたね…
わたしは前の方が親しみというか…親近感がありましたけど…」
そういえばこのエリンギさんとカカオさんは騎士団発足時からいる二人で、わたしの知らないアレンさんの一面も知っているかも知れません、ちょっと話を聞いてみましょう…
「…そんなに僕って笑わなかったかな? カカオさんはどう思う?」
「えっと、確かにゴデチアさんが来てからよく笑うようになりましたよ? 団長さんは自分で気づかなかったんですか?」
アレンさんが質問すると、カカオさんが不思議そうな顔で答えます。
わたしが来る前のアレンさん…そんなに笑わない人だったんだ…
わたしは昔のアレンさんのことが気になって、二人に質問をすることにしました。
「あのっ…! わたし、昔の団長さんの事がもっと知りたいです。エリンギさん、カカオさん、教えてくれませんか…?」
するとエリンギさんが少し申し訳なさそうにしながら、話を始めてくれました。
「えっ、ええっと…ゴデチアさんがよければ…わたしの知ってる団長さんの話をしてあげますね…
ゴデチアさんが来るまでの団長さんは物静かであまり笑わなくて、少し暗い印象でした…
わたしとしてはそっちの方が親近感がありましたけど…」
物静かであまり笑わない…もっと冷たい印象の人だったんだ…
「でも…今と変わらないくらい優しい人でしたよ…わたしやカカオさんが失敗した時は励ましてくれましたし…よく出来た時は褒めてくれました」
「カカオも普段はちょっと怖くて話しかけづらかったですけど…ちゃんと出来た時は褒めてくれて嬉しかったです。
でもカカオは今のにこにこしてる団長さんの方が好きです!」
二人から話を聞いて、わたしはアレンさんの事を全然知らないと思ってしまって…少し羨ましく思いました。
すると隣でご飯を食べていたアレンさんが少し照れ臭そうにしながら、口を開きました。
「えっと…うん…二人ともありがとう…いや、でもそんなに暗かったかな…? それにカカオさんは怖がってたんだね…気づかなかったよ…
気が利かなくてごめんね…」
照れ臭そうにするアレンさんも素敵…なんて思いながら見惚れていると、エリンギさんがアレンさんに話しかけました。
「いえ…わたしは今みたいに笑ってる団長さんも好きですよ…今でもキノコの話を聞いてくれるし…
団長さんが笑ってられるようになったのはゴデチアさんのお陰かも知れませんね…やっぱりわたし達を導くために天より遣わされた天使様なのかもしれません…」
「ふっ、ふぇぇ…エリンギさんっ、だからわたしは天使じゃないですっ…そんなに褒められる程のことは…」
わたしがエリンギさんの天使様呼びに恥ずかしがっていると、アレンさんが落ち着いた顔で彼女に話しかけました。
「エリンギさん…確かにゴデチアさんは天使様みたいな見た目と性格の…僕らみたいな暗い人間には勿体無い程素晴らしい花騎士だと思うよ…だけど恥ずかしがってることを言うのはよくないと思うんだ…だから表立って言うのはやめてあげよう、ね?」
えっ…? アレンさんまでわたしのことを天使様って…いやでも…前にもそう言ってからかったような…でもこんな言い方ってことは本心から思ってたってことで…あっ…あうぅ…顔が熱い…
「うぅ、それもそうですね…確かに団長さんの言う通りです…ゴデチアさんが嫌がることはわたしもしたくな…」
「…あの、団長さんにエリンギさん…ゴデチアさんが顔を赤くしてぷしゅーって湯気が出てますけど…これって大丈夫なんですか?」
アレンさんまでわたしのことを天使みたいに思ってたって…嬉しいけど…恥ずかしすぎて…ふぇぇ…
「わぁぁぁ!? ゴデチアさんっ! 大丈夫かい…? 冷たい水があるけど飲める…?」
わたしが恥ずかしすぎて顔を真っ赤にしていると、隣に座っているアレンさん肩を手で持って支えて気遣ってくれました。
「ふえっ…あっ、アレ…団長さん…!? ありがとうございます…お水をいただきますね…」
「ゴデチアさん…大丈夫そうでよかったです…」
わたしが水を飲み干すと、三人がホッとした顔になってうなだれていました。
心配させてしまったみたいです…
「水が飲めるみたいでよかったよ…そうだゴデチアさん、まだ予定はあるかな? 無いんだったらお昼を食べたらちょっと買い物に付き合ってくれないかな…?」
「えっ…? ええっと、はい。大丈夫です…」
突然のお誘いにわたしは反射的にはいと言ってしまいました…
午前中にしたことを…謝らないと…あんなに純粋な想いを持ってるアレンさんを疑った事を知ったわたしは、午前中に隠れてついて行った事がとても悪いことに思えてきて…
謝らないといけない気持ちになっていました…
それから数十分後、アレンさんがわたしの手を握って宿舎の外へと連れて行こうとしました。
わたしは、午前中のことで彼に謝るために少し立ち止まってしまいました。
「どうしたんだい、ゴデチアさん? そんな所で止まっちゃって…もしかして具合でも悪くなったのか…? じゃあ…」
「アレンさん、ごめんなさい…!
実はわたし…午前中はずっとあなたの後ろを隠れて着いて回ってて…嫌ですよね…こんなことをする恋人さんなんて…
それに…途中で本屋さんの店員さんと仲良く話しかけてる時にやきもちを妬いちゃって…アレンさんはわたしのことをずっと想ってくれていたのに信じてあげられなくて…わたし…その…」
わたしは謝ってるうちに涙が溢れて止まらなくてポロポロとこぼしながら泣いていると、アレンさんが頭を撫でながら抱きしめてくれました。
「そうか…でも謝ることなんてないよ…ゴデチアさんが着いてきていたことは気づいてはいたけど…多分僕が一人の時は何をしているのか気になったんだろう? そういうことは僕も思った事があるから放っておいたんだけど…
泣かれるほどに申し訳ない思われるんだったら声を掛けてあげるべきだったね、こちらこそごめん…」
うぅぅ…アレンさんにはバレてたんだ…申し訳ないし、恥ずかしい…
「許してくれるんですか…? 本当に…? でもわたし…」
「ゴデチアさん、自分を責めちゃ駄目だよ。
そうだ、許す代わりにお詫びとして…今日はゴデチアさんに晩御飯を…パエリアを作ってもらおうかな。今日は旅行に行ってて居ない人もいるから少ないだろうし、僕も手伝うからさ…」
お詫び…パエリア…そういえば前にみんなで作った時も美味しそうに食べてましたね…それで許してくれるなら…
わたしは涙を拭って、アレンさんの顔を見ながら穏やかになった気持ちで答えました。
「ありがとうございます…じゃあこれからパエリアの材料を買いに行かないといけませんね…」
わたしはもう一度アレンさんと手を繋いで、町に買い出しに出かけました。
その日に作ったパエリアはアレンさんが手伝ってくれたとはいえ自分で作ったとは思えないくらい美味しくて、アレンさんや騎士団のみんなも美味しそうに食べてくれました。
わたしの大事な人達が…大好きな人が喜んでくれてよかった…
ちなみに今回の時系列はえっちな短編集よりも前のお話になります
前後しちゃってすいません…
ゴデチアちゃんの料理を手伝って一緒に食べたい…