「ヨシヨシ♪ ところでアイルちゃん、話は変わるんだけどね」
「うん……♪ なぁに姉さん……♪」
アイルが甘えられるのって、お姉ちゃんだけなんだよな。家庭事情があんまり良くなくて、僕の両親を「本当の父さんと母さんだと思っている」とか、羨ましがっていたし。
お姉ちゃんの手を素直に受け入れて、普段の低い声色もちょっと甘えたものになっていたアイルへ、お姉ちゃんは感動の流れをぶった斬る言葉をかけてきた。
「ずっ~~~~~~~と! みーくんの事好きなんだよね♡」
「え゙え゙ッ゙!!?? それは無いッ゙ッ゙!!」
「ウソだぁ♪ みーくんを好き好き~大好き~~で、処女も大事に守っているんだもんね♪ 初めてはみーくんとラブラブの、イチャイチャなエッチ♡ いいよ、今からヤッちゃおうか♡」
「うわああああああ違うっーー!! 止めて姉さんっ゙~~~~~~ッ゙ーー!!」
ちょおっ! 空気読めるお姉ちゃんが、空気をガン無視して僕とアイルの両手を無理矢理繋がせてきた!
「大丈夫よ、お姉ちゃん分かってるから♪ みーくんもね、悩む必要は無いよ、お姉ちゃんは大歓迎です♪ 恋人は何人作ったっていいよ♡ 3人が3人を大好きなんだから合意だよね♪」
「ちがっ!? いやっ、違くないけどッ! おい命ぉ! オレをやらしー眼で見んなよぉ! 手も外せねぇし!」
「外さないのはアイルが握り締めるからだよっ!?」
パイズリ穴やら下着の柄やらを、自己申告してくる癖に……やらしい眼で見るなって、矛盾してるよアイル……
「お姉ちゃんは全部お見通しなんだね……いいの? 本当に、浮気にならないかな……」
「い~の♪ 私は暫く引っ込んでいるから、お二人でラブラブのひとときを過ごしてねぇ~♪」
「あっ! ちょっとお姉ちゃん! ……あははっ、お姉ちゃんには敵わないね、アイル?」
お姉ちゃんはホクホク顔で、おっぱいと腰をフリフリさせながら「後で、ね♡」とだけ残して部屋から出ていっちゃった……
うん、今はアイルと真剣に向き合わないと、だよね。
僕はずっと悩んでいて、ずっと誤魔化していた。
僕はお姉ちゃんが大好きだ、将来は結婚しようって、お姉ちゃんが死んじゃう少し前に約束し合った。
でも――
「っ゙! 命ぉ……オ、オレは……」
僕はお姉ちゃんと同じくらい、アイルの事も……大好き。
「……何時からだよ、オレにそーいう感情……持ってくれたのって……」
「中学の2年生くらいから、だったと思う……それまではね? 本当に一生の友達としてアイルを認識していたんだけど……」
確かにアイルのおっぱいは、高校生になってから急激に成長はした。
だけど胸が小さくても、身体の丸みとか妙に色っぽく感じるラインとか、色々な箇所が「男」では絶対に現れないモノへと、変化していく工程を僕は誰よりも近い場所から見ていたから。
あぁ、この子は女の子なんだって、失礼ながら今までは殆どそう思った事が無かったのに、急に僕の貝橋アイル象は塗り替えられていった。
「……オレなんかでいいのかよっ、好きになったって……」
「お姉ちゃんは言ってくれた、『浮気じゃない』、僕は2人の恋人になりたいっ、2人を恋人にしたいっ! お姉ちゃんが大好きで、アイルの事も大好きっ!」
「あ……っ……♡」
……アイルの声、エロッ、そんなの初めて聞いたよ……もうダメだよ、今までずっと誤魔化してたのにっ、お姉ちゃんから許可が出て……
アイルの気持ちはどうなのか? 2人も恋人を作りたいと思っていた、こんな僕と付き合って貰えるかなって。
彼女の答えを聞くまでも無かったようだ――