「お口でご奉仕…してあげたいの」
メイド服を見に纏い、たわわに実ったオッパイを全開で葵に迫る綾乃。
「……だ、ダメなの?」
目をパチクリさせているだけの葵の顔を見ているうちに、恥ずかしくなって顔から火が出そうになる。
付き合って3ヶ月。
セックスは何度もしてきたけど、フェラチオはなぜかいまだに一度もしていなかった。
「い、いや…ダメじゃないけど…(笑)」
こんなふうに迫られるとつい後退りしたくなる性分の葵が、いつも攻め側に徹していたのも要因の1つなのかもしれない。
「だって、私ばっかりいつも攻められてイかされてばっかで……なんか悔しいんだもんっ」
半分拗ねる綾乃を見兼ねると、葵は一瞬考えてから答えた。
「いいよ…じゃあメイドさん、その可愛いお口でご奉仕してよ」
ベッドのど真ん中、裸で腕枕をした葵からいざそう言われると、途端に緊張感が加速していく。
「じゃ、じゃあ…失礼しますっ!」
“案ずるより産むが易し”とはよくいったもので、硬化して立ち上がった彼の象徴をやんわりと手で包み込んでみるとその緊張感はやがて欲求へと変わっていく。
──早く、これを口の中で味わってみたい。
気がつけば、綾乃は遠慮がちに出した舌を使い、その先端部をチロチロとくすぐっていた。
陰毛をかき分けてそそり立ったそれは、ボディーソープのような、乾いたばかりのリネンのような、フワッとした香りがする。
先端から少し溢れ出ていた透明な液体は、ちょっと変な甘い味がした。
「……そんなの、ただくすぐったいだけだよ」
見下ろしながらそう言われて、妙な対抗心が芽生える。
「じゃあ…これは?」
意を決して一気にかぶりつき、歯を立てないように口に含んだ。
とりあえず、これまでの少ない経験と知識だけを駆使してその顎をゆっくりと上下に動かしてみた。
ツルツルしている表面はとても滑らかに唇を滑らせ、先端の凹凸に差し掛かると少し引っかかる。
「いいよ、綾乃…気持ちいい」
髪を撫でてそう言ってもらえると、少しホッとした。
「もっとその舌使って上手にしゃぶってよ、メイドさん」
「……ん、わかった」
促された通り、舌を絡ませながら口をすぼめて上下に動かしてみると、ジュプジュプという音がし始めた。
「……んっ、うまいよ…綾乃」
ピクッと反応するのを口の中で感じる。
それと同時に、彼のことを攻めているというこの状況にひどく興奮をおぼえた。
「(やだ…どうしよう、なんか変な気分になる…)」
「(もっと、葵の感じてる顔が見たい、声が聴きたい…っ)」
そんな感情と興奮の昂ぶりは、その口の動きをさらに加速させていく。
ジュプジュプッ…ジュポジュポ…
そしてしばらくしゃぶった後、前触れもなくその口に咥えた先端付近の裏側を集中的に舌先でペロペロ舐めつついてみた。
一本の筋のような部分に沿って小刻みに舌を動かすと、それは生き物のようにピクリと反応を返してくるのだ。
「ぁ…!きもち…い…っ」
吐息混じりに押し出されるその声は、いつもの意地悪な声からは程遠い、余裕のない甘い声。
開始から5分ほどは経っただろうか。
その根元を優しく握った手を上下に動かして、そこから上は唾液を含ませた口の中で激しくしゃぶり始めた頃…
「んっ……ハァ、綾乃っ、それ…ヤバイんだ」
その表情からはいつもの余裕は消え去り、見上げた先にはただ、ひたすら快楽に歪む男の顔があった。
ジュプジュプジュプジュププッ…
「……あっ、
予想外の出来事だった。
こんなにも早く、それも素人技で果ててしまうとは。
口の中で波打つ肉の塊は、ビクンビクンと震えてその先端から熱いものを欲のままに撒き散らした。
喉の手前に勢いよくぶつかる、苦い味。
決して美味しいとは言えないそれをゴクッと喉の奥に流し込むが、飲み込みきれなかった白い精液はその口元を伝って垂れ落ちる。
「ちょ、飲まなくても出せばいいのに」
「う、ううん…だって、嬉しいから…」
「葵が私の口でイッてくれたのが嬉しくて、つい…(笑)」
そんな瞬間にまた、光里の顔がチラつく。
「(あの子は……飲んだりなんて、しなかったのかな…)」
「(…ああもう!いちいちこんなことばっか考えちゃってバカバカ!!)」
頭を横にブンブン振り回すと同時にオッパイも一緒にプルンプルンと振り回されていたその時、グイッと広げられた太腿の間に…
また、硬い物があてがわれた。
「………は?」
目の前にはニンマリ笑う葵の顔。
「え?どゆこと?入れるの?これ。さっきあんなに出したばっかなのに?」
目が点になったままの綾乃はまたベッドに押し倒され、腰を掴まれ硬くなったものをズプンと挿入された…。
「…ああっ!」
そして葵は恐ろしいことを口にする。
「俺、口でされるとわりと早めに果てちゃう方なんだけど…」
「その後の持続力、半端ないんだよなぁ」
「…はい?」
それでも、さっきまでの興奮が冷めきらないうちに打ち込まれる硬いままのその棒は、すぐにまた綾乃を絶頂へと向かわせるのだ。
「あ!あッ奥!奥イイッ…!」
正常位でジュプジュプといやらしい音を立てて、奥まで思いきり犯される。
──30分後。
「次は後ろからしちゃおっか♪」
「う、うん」
シーツに這いつくばって突き出したお尻めがけて、腰を掴んで激しく後ろから思いきり犯される。
パンパンパンパンパンパンパン!!……
時折背中に覆い被さってくる葵は、耳元でその低い声を聴かせるのだ。
「なぁ、メス犬みたいだよ?こんなにお尻突き出して、犯されまくって悦んでよがりまくって……やらしい女(笑)」
「い、言わないでよ…そんなこと…!」
バックでする時は、特に彼は野生的。
欲望のままに膣奥まで突き続けて、それはこちらがピークに達するまでやめてはくれない。
「あぁぁぁあ!出る、れるっれちゃうぅぅぅ!!」
──さらに30分後。
「綾乃…上、来て?」
「えっ……あ、うん」
騎乗位になって自分で腰を振ってみたものの、うまくいかず最終的に下から眺められながら思いきり犯される。
「ひあぁぁんっ!ダメ、下からクリいじっちゃ…!」
「……だめぇまたイク!イクからぁぁあ…っ!!」
──さらにさらに30分後。
「やっぱ…最後はお前と見つめ合いながら一緒にイきたい♡」
「はぁ、はぁ、ぜぇ……そ、そうね…っ私もよっ…!」
最後は正常位で見つめ合い、何度もキスをして優しく髪を撫でられ、耳元で愛を囁かれ………と見せかけて
思いきり犯される。
パンパンパンパンパンパンパンパン!!
「んぁぁぁあっ!またっ…またイクッ!」
「あ…締まるっ…!綾乃っ…もう
───これにて終了。
青白い顔で白目をむき、綾乃はベッドの上へと顔から崩れ落ちた。
「(つ、疲れた…っトータル2時間、イかされっぱなしの吹かされっぱなし…!)」
「(まさか、ここまで葵が性欲モンスターだとは…思ってなかった……ガクッ)」
「じゃ、俺もう1回シャワー浴びてくるけど後で綾乃も入っときなよ」
「体中ベタベタのまま明日仕事なんて行けないだろー?」
精魂尽き果ててすぐには動けない綾乃とは違い、清々しい顔で鼻歌混じりにまたバスルームへと消えた葵。
「私…このまま葵と付き合ってたら…いつか殺されるかもしれない……ガクッ」
一人残されたベッドの上、綾乃は改めて今日の出来事を振り返った。
「(…私たちのこと、光里ちゃんも知っちゃったんだよね)」
「(光里ちゃん……どう思ったんだろう…)」
なぜか、光里のあのショックを受けた表情がなかなか頭から離れてはくれなかった──。
───翌朝。
結局ラブホテルに一泊した二人は、昨日の歓迎会の時と同じ服装で揃って出勤するのだった。
そして、その代償は予想通りの展開でやってくる。
「おはよう桐矢くん、藤崎さん!」
「昨日の飲み会じゃ、突然二人して帰るからビックリしたよ」
「藤崎さん、ちゃんと桐矢くんに家まで送り届けてもらったんだろうねっ?!」
ウスラハゲ部長に釘を刺されたところで、綾乃は返す言葉を濁すしかない。
「あ……はい、なんとか…(笑)」
そこで、二人の服装が昨日と同じことに気づいた社員が一人、余計なことを口に出し始めてしまった。
「あれ?二人とも、昨日と同じ服装じゃない?」
「ってことは……やらしーーっ!!」
“昨夜、どこかに二人で泊まった”という事実はオフィス中に知れ渡ることになり、それは当然、光里の耳にも入るのだった。
そして、そんな会話に聞き耳を立てていた女がもう一人。
「……なんの話かしら。」
細いメガネをクイッと上げ、
「ああ、お局様は昨日の歓迎会に参加してなかったから知らないんですよね!」
「実は、桐矢くんと藤崎さんが…かくかくしかじか、ゴニョゴニョ…」
社員から耳打ちされた瞬間、お局様はみるみるうちに般若の形相へと化した。
「……ぬ、ぬ、ぬわんですってぇぇ?!」
葵のファン歴3年、自作のフォトアルバム“桐矢くんメモリアル”は場面別で5シリーズに渡って所有し、毎日欠かさず眺めていると同時に家宝としている。
そして、“処女は必ず葵に捧ぐ”…そう公言していたお局様を、とうとう綾乃は敵に回してしまったのだ。
そしてその剥き出しになったキバは、綾乃に向かって猛威を奮い始めた。
「ふ、ふ、ふ、藤崎さんっ?!あーた、どういうつもりなのかしらネッ?!このアタクシを差し置いてっ…!!」
「い、いや…あのですね…!!」
今にも掴みかかってきそうなお局様から後退りしていると、そこへヒョイッと割り込んだ葵がお局様に笑いかける。
「ああ、お局様じゃありませんかぁ!メイクがバッチリ決まってて、今日もお美しいですねっ♡」
清々しいほどに嫌味のないその笑顔に、お局様は一変して体をクネクネし始める。
「い、いやだっ…桐矢くんったらん♡」
「う、う、美しいだなんてっ…♡」
「うん、ほんと、“オトナの女性”ならではの魅力はもちろん、優しさに満ち溢れてるって感じ!」
「そ、そうかしらネッ?うふっ♡」
頬に手を添え、顔を桃色に染めるお局様。
そんな恋する乙女のお局様に、葵は王子様のような微笑みを携えながらそっと近づいて耳打ちをする。
「だから…そんな“オトナの女性”のお局様が、嫉妬のあまりに年下の女子社員をいじめたりなんて……するはずがないですもんね♡」
甘く低い小声でそう耳元で囁かれたお局様は…身震いしながらコクコクと激しく首を縦に振る。
「あ、あたあたあた、当たり前よっ…!そんなこと、このアタクシがするわけないじゃないのっ…♡」
確かにそう聞いた葵はお局様にニッコリと微笑みかけると…
「そう?よかった♡」
と一言を残して自分のオフィスへと消えていくのだった。
「う、うそっ…桐矢くんがアタクシのことっ美しいだなんてっ…!!」
「それにアタクシだけに想いを打ち明けてくれるなんてっ…」
「あらあらっ!どうしましょっ…!社内中の女性を敵に回しちゃったわっアタクシっ…♡」
しらーっと見つめる社員の前で、お局様はひたすら勘違いの悦びを噛みしめる。
「(お局様…完全に葵に転がされてる…)」
「(それに、社内のラスボスのくせして何言ってんだか…)」
余韻に浸ってクネクネし続けるお局様を見つめている綾乃の元に…
光里が近づき、声をかけた。
「あ、あの…藤崎さん」
一瞬でその声の主が誰だかわかった綾乃はギクリとしながら光里を振り返る。
「……な、なに?」
「少し、お話したいことがあるのですが…お昼、ご一緒できませんか?」
「……えっ?ええ…いいけど…」
嫌な予感しかしないまま、時間だけが刻々と過ぎていった───。