※この作品はR-18です。

無職転生~愛の巣でも本気出す~   作:ナンダム

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愛する人を失い、拠り所を無くした高潔な女性。
もう一度誰かを愛する事は、善か悪か。
親子で同じ人を愛するのは、善か悪か。


好きに素直に

「おはようございます、旦那様。」

「あ…。おはようございます、リーリャさん。」

「ルディ、どうかしたんですか?何だかよそよそしいですよ。」

「えと、その…」

 

ロキシーがジトッとした目で見つめてくる。

あの日シルフィに言われた言葉が、リーリャさんを見ると頭の中をグルグルと回る。

「ヒントは、リーリャさんが知ってるよ。」

聞いてみたい気持ちは山々なのだが、どうしても聞いてはいけない気がして中々話せない。

もどかしい。

似た感覚としては、照れや恋心に近い。

…まさか。

いやいや。

…無いよな?

 

☆★☆

 

「いいですね、順調にルディがリーリャさんの事を意識し始めています。」

「今度の休みにお出かけするっていうのはどうかな?」

「駄目よ。あの日は結局予定入っちゃったじゃない。」

「あ、そっか。…むむむぅ」

「皆さん、お優しいですね…」

 

ここの所、毎晩のように会議が行われる。

その甲斐あってか、お兄ちゃんはお母さんへの気持ちを考え始めている。

…でも、一番困るのは私だ。

そもそも、親子で同じ人を愛するのは倫理的にどうなのか?

ただでさえ私達の家族の形は複雑で、皆の努力によって出来ている。

別に、お母さんをのけ者にしたい訳じゃない。

…どうやって表現すればいいのだろうか、この感情は。

 

「アイシャ。」

「…お母さん。」

 

難しい顔をする私を見たのか、お母さんが話しかけてきた。

いつものメイド服では無く、無地に水色のパジャマに身を包んでいる。

 

「すみません、少し席を外していただけますか?」

 

お母さんが言うと、シルフィ姉たちは静かに頷き、部屋を後にした。

 

 

「…さて。アイシャ、言いたい事があるなら、言ってください。」

 

☆★☆

 

「おにいちゃーん」

「ん、アイシャか。」

 

薄いパジャマに身を包んだアイシャが、薄く笑いながらこちらに来る。

ここ数日のアイシャは、何だか思いつめたような様子だった。

どうしたのか聞いてみても「大丈夫だよ」の一点張りだし、心配していたのだが。

何というか、吹っ切れた顔だ。

 

「お兄ちゃん、単刀直入に聞くね。」

「あぁ。…何?」

「お兄ちゃんは、お母さんの事をどう思ってるの?」

「…」

 

やはりそうだったか。

多分、というか確信しているのだが、リーリャさんは俺の事が好きだ。

荒波のような人生にも屈しない、凛とした振る舞いの彼女。

一人の母親として、俺は彼女が好き、大好きだ。

今の生活に、彼女を欠かす事など考えられない。

だが、女性として見るのはどうだろうか。

 

「いい人だとは、思うよ。」

「それだけ?」

「え…」

「お兄ちゃんは、お母さんの事が好きなの?」

「…なぁ」

「どうなの!?」

「ちょっと待ってくれよ!」

 

アイシャからの問いかけに、抑えきれない感情が爆発する。

 

「俺だって、リーリャさんはいい人だと思うさ!でも、実の親だぞ!?アイシャは…おっ、お前は、そんな、事が、出来るのかよ!」

「…っ」

 

アイシャは、まだ誰かの女じゃなかったからまだ納得が出来た。

でも、リーリャさんは駄目だ。

彼女は、パウロの妾だった。

パウロに、愛されていた。

パウロが、愛していた。

それを裏切るなんて…出来ない。

 

「…そっか。難しい話してごめんね。」

「ううん、俺の方こそ、怒っちゃって…」

「…」

「…」

 

寝室が険悪な雰囲気になる。

マズい、何とかしなければ。

と、言う訳で胸を一揉み。

 

「ひゃ!」

「あ、いきなりでごめん。ちょっと、悪い空気だったから…」

「いや、いいんだけど…。」

 

☆★☆

 

気を取り直して、お互いに服を脱ぐ。

しかし、アイシャのふとした仕草がリーリャさんと重なって、どうにも落ち着かない。

 

「もう入れていいよね?…んっ」

 

アイシャは服を脱ぐなり、俺に跨って腰を沈めた。

それもまた、リーリャさんと重なって。

 

「…お兄ちゃん。」

「へ?」

「今、お母さんの事考えたでしょ。」

「あ、いや…」

 

何とか宥める言葉を思いつくが、思いつかない。

悶々とした思考を巡らせていると、ふと思いついたようにアイシャが離れる。

そのままベットに寝そべり、俺を抱き寄せた。

 

「今は、私を見てほしい。」

 

…これが自分の妹とは、我ながら恐ろしい。

俺はたまらずアイシャの腕をベットに固定し、急ぐように挿入する。

 

「あ…」

「あ、ごめん」

 

少し勢いが強かったのか、か細く声をあげるアイシャ。

その声に正気を取り戻し、ゆっくりと、彼女が満足するように_

 

「いいよ、もっと。お兄ちゃんの好きなように。」

「…っ!!」

 

理性を砕く甘い囁きに、抵抗すら許されず屈する。

自分の肉欲が収まるように、ひたすら腰を振る。

不安が消え去るように、ただ腰を打ち付ける。

溶け合うように、混ざり合うように…

 

絶頂は、いつもよりやや早いタイミングで訪れた。

触れ合う肌から生み出される、嗜好の快楽。

いつまでたっても色褪せる事の無い幸福感。

どれも、今も昔も手放せない大事な物だ。

 

「お兄ちゃん…」

「ん?」

「早く子供、欲しいね。」

 

突然の一言に、思わずピクッと動く分身。

アイシャ本人はニパッと笑っているのが、また何とも。

 

☆★☆

 

「アイシャが嫌なら、私は諦めます。」

「…!」

「何を驚いているんですか?当たり前の事でしょう。」

「それは!」

「では、アイシャは認められない女と自分の旦那が結ばれ、子供を作っても文句を言わないのですか?」

 

黙ってしまった。

確かに、はっきり言って良くは思ってない。

実の母親と同じ男性を共有する。しかも、兄を。

抵抗が無い訳がない。

でも、お母さんがお兄ちゃんを好きだと知った時、同時に喜びも感じた。

あぁ、私が好きなモノは、やはり母も好きなのだと。

認められた気がした。

 

言ってしまっては悪いが、お母さんは結婚適齢期などとっくに過ぎている。

ましてや、子供など絶望的だろう。

お父さんの事もあるだろうし、きっとかなりの覚悟の上での決断だった筈だ。

それを、私なんかのわがままで踏みにじっていいのだろうか。

最近現れた謎の男。

ヒトガミとの戦い。

まだ何も終わってない。

なのに、お兄ちゃんは私達との時間も作ってくれている。

これ以上、抱えられるものなのだろうか。

疑問は尽きない。

でも、言いたい事は…

 

「お母さんは、お兄ちゃんの事を愛してる?」

 

リーリャは、一瞬キョトンとした顔をする。

しかし、すぐにこちらを見て言う。

 

「大好きです。」

 

「…そっか。」

 

もうこれ以上、言葉はいらないんじゃないかと思った。

我ながら、何の捻りもない問いかけだ。

 

「うん、やっぱり私、賛成。」

「え…!?」

「だって…」

 

今の気持ちを表現するように、とびきりの笑顔で。

自分の、お互いの好きに、素直に。

 

「お兄ちゃんの事が好きな気持ち、私も分かるもん!」

 

☆★☆

 

叫ぶ。

俺は誰だ、と。

己の鼓動に問う。

今生きている俺は、本当に俺なのかと。

滴る血は答える。

分からないと。

 

今を生きる只人への嫉妬が。

抑えきれない魂の憤怒が。

俗世に還り、またもう一度と願う色欲が。

そこにたどり着こうともしない怠惰が。

ならいっそ、全て取り込んでしまえと叫ぶ暴食が。

全てを、全てを欲しがる傲慢が。

その全てを、叶える術を持ってしまった男の強欲が。

 

「戻ろう…魂の行き着く、楽園へ。」

 

男は進む。

血と暴力に染まり、悲鳴飛び交う修羅の道を。

その先に、理想郷など存在しないと知りながら。

己が大罪を贖うため。

男は、進む。




大罪とか使いだしちゃって、恥ずかしー!
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