~前回までのあらすじ~
無意識の乳揉みに、一睡もできなかったアカネ・クリムゾン。
涙と鼻水と愛液と小水でぐっちゃぐちゃになりつつ、愛するブリーダーの目覚めを待っていた。
やっと目覚めた彼に、なんとか揉むのをやめるよう哀願するが、邪悪な彼に更に愛玩される結果となる。
涙と鼻水を舌で舐めとられつつ思う。やばい壊される。
必死に抵抗しようとするも、既に抵抗する権利は剥奪されていた。
思うがままに貪り尽くされるも、なんとか見逃してもらい、自室で一人作戦会議。
自身が愛されたがりのわん娘であることを再確認し、やたらと光る自慢の髪に首を傾げつつ、リビングへ。
鼻歌混じりに料理をしつつ、愛する彼の様子を見ると、世界が滅びかけた事を知ったらしい。
だが流石の朴念仁。彼女が犯人だとは思っておらぬ。
しめしめと料理を継続すると、背後に感じる愛のオーラ。
もちろん逃走などできぬ。好き勝手に料理中にイタズラされ、背中に当たる闘志と、共同作業にメルヘン回路を躍らせる。
なんとかエロい調理を終え、くりむの乳皿らくちん愛犬ごはんの時間。
思うさま貪られ、挙句の果てに彼の闘志注入棒の香りを、卑劣なる罠で覚え込まされる、くりむちゃんなのであった……
「クリム。さんぽの時間だ」
頭を撫でる、彼の愛しい手と闘志の滾りが止まる。
もちろん乳は引き続き揉まれている。
もちろん彼女は未だ、大好きにさせられた匂いに夢中であった。
「すぅ──ー♡ふぅっ♡すんすんっ♡イっ……♡ふぅー♡ふぅー♡すぅぅ……♡」
(しゅごいっ♡このにおいっ♡くせになるっ♡嗅げば嗅ぐほどっ♡ばかになるっ♡イっぐっ♡)
びくんびくんと快楽に跳ね、嗅ぎを続行。これはしばらく止められない。
「クリム。さんぽの時間だ。……それとも、直で嗅いでみたいのかな?」
耳元で囁かれる、優しい声に潜む興奮。それに気づき、意識を浮上させる。
「ひゅっ!? ひんっ♡さ、さんぽっ♡さんぽがいいれすっ♡すぅーっ♡」
(直はやばいっ♡こんなの直で嗅いだら……♡もっと壊されるっ♡理性なんて残らないッ♡こ、ここはさんぽでリセットしないと……♡でももうちょっとっ♡)
「そうか……思いっきり、嗅いでもいいんだが……」
少し残念そうに言う彼。かわいい。だが騙されてはいけない。これは罠だ。
「お、おもいっきり……♡だ、だいじょうぶよぶりーだー♡そんなことしたら、あたし、おかしくなっちゃう……♡すんすんっ♡」
(んふっ♡だまされないわよブリーダー♡んきゅっいい匂いっ♡あたしはまだ、理性を残しているわっ♡くんかくんかッ♡)
脳内でドヤ顔しつつ、騙されなかった事に快哉を叫ぶ。
自分を堕とすにはもっと時間をかけるべきと、思い知らせてあげるのだ。まぁ結局堕ちるけど。
「わかった。さんぽに行くとしよう。……後でもっとすごいことをしてやる」
ぐりぐりと、頭部に感じる圧力が増し、平静を装った声。
圧迫感に被支配欲を高めつつ、乗り切ったと安心していると、低音の熱が籠った声が耳を犯す。
「ひ……♡ひぃん♡あたし、壊れちゃう……♡さ、さんぽっ♡さんぽ行きましょうっ♡」
(こ、壊す気ッ♡ブリーダー、あたしを本気で壊す気だわっ♡に、にげないとっ♡いえ、これは戦略的撤退よっ♡)
慌てて立ち上がり、自室に向かう。これ以上は、即堕ちしかねぬ。
断じて自分はチョロくなどないのだ。自分に言い聞かせつつドアを閉める。
「さぁブリーダー、乗って!」
(ふふっ……あたしに時間を与えた事を後悔するのね、ブリーダー!)
少女漫画を眺め、理性を取り戻すことに成功。さらに爽やかな散歩により、さらに理性を強固なものとする。
彼女の必勝の策である。これで堕ちるまでの時間を延ばせるのは確定的に明らかである。
彼女は満足して、鼻をふんすふんすした。またアレ嗅ぎたいなぁ。
そう思いつつ待機していると、彼が背中に乗っ……?
プッピ……がちんちーん。
「んあっ♡ぶ、ぶりーだー♡おっきいのが、あたしの背中に当たってる……♡」
(硬く♡なってる♡もう、この変態ッ♡あたしの背中にまで欲情するなんてっ♡)
先ほど覚え込まされた感触。思わず身が固まる。
そこで彼が耳を啄み、囁いてくる。
「トレーニングの一環だ。気にしつつ、散歩に行くぞ」
なんたる男か。この女王の背中に、素晴らしい闘志を押し付けながら散歩をさせるつもりか。
「ひんっ♡こ、こんな硬いの感じながら、おさんぽ……♡」
(んひっ♡だめっ♡抵抗するのよあたしっ♡こんな好き勝手許したらもう……♡)
そこに囁かれる呻くような声。
「不満か? 最近、闘志を持て余していてな……」
闘志を持て余している……?
気付く。これはもしや自分のせいではないか。
毎日夕食に睡眠薬を大胆に異物混入させているのだ。自分の闘志を鎮める作業ができていないのだろう。
「んっ♡だ、だいじょうぶ……♡あたしのせいで、闘志を持て余していたのよね……? ♡」
(ごめんなさいっ♡あたしのせいねっ♡せ、せきにんもって……♡鎮めてあげないと……♡でも、あくまでしょうがなく♡しょうがなくしてあげるのよっ♡)
「クリムがかわいすぎるのは罪ではない。だが、敢えて言うなら……その通りだ」
自分を正当化しようとしていると、肯定の声が帰ってくる。
「えへへ♡かわいい……♡うんっ♡これも、トレーニングねっ♡ね、ねぇブリーダー……♡散歩が終わったら、その闘志の昂りを、愛犬で発散してみない……♡」
(やっぱりっ♡あたしの事を好きすぎるからっ♡睡眠薬には気づいてないみたいだけど……♡これは、あたしが未来のおよめさんとして鎮めてあげなきゃっ♡)
だんな様の闘志の処理はおよめさんの大事な仕事。
気合を入れて臨まなければ。そう思っていると。
「……舐めてくれるのか?」
期待に満ち溢れた声。背中に感じる感触がさらに硬く尖る。
「な、舐めっ!? だ、駄目よブリーダー♡そういうのは、キスの後♡余韻に浸りたいから、キスの後3か月は待って♡」
(それはだめっ♡ちゃんとした手続きを踏んでからっ♡あたしはおよめさんになるのっ♡はしたないけど貞淑にっ♡ぺろぺろするのはもっと後よっ♡しょうがないだんなさまねっ♡)
だが無駄だ。いくら頼まれようと、このクリムの唇、そこまで安くはない。
でもキスの後ならいくらでも大安売り……いや、無料でご奉仕しちゃう。だって愛してるもの。
「……じゃあ、どうするんだ?」
不思議そう、そして得体の知れない熱を孕んだ声。
しょうがないだんなさまだ。教えてあげねばなるまい。このクリムの秘策を。
「んっ♡またおっきく……♡愛犬のおっぱいを楽しみながら、愛情たぁっ♡ぷり♡のお手をさせるの♡
ブリーダーが望むなら、毎日やってあげたい……♡」
(おててよっ♡あたしのおててっ♡あたし、お手も得意だものっ♡教えてもらえれば、完璧なはしたないお手を披露してあげるわっ♡毎日、トレーニング♡だんなさまを喜ばせるため、誠心誠意努めてみせるっ♡)
この誘惑には抗えまい。やれやれ、愛され過ぎるというのも困ったものだ。
メルヘンも守れる。だんなさまも気持ちいい。あたしも気持ちイイ。三方よしというやつだ。
商売の基本である。あたしの愛は無料でご奉仕大セールだけど。
「毎日……? まさか、一日一回で、足りるとでも?」
ぐりぐりと闘志を押し付けながら、彼が不思議そうに聞いてくる。
なんだと。ヒトの雄は一回出せば満足すると、少女漫画で見たのだが。
「ひんっ♡だ、だって男のヒトって、一回出したら満足するんでしょ……?」
(だって♡少女漫画に描いてあったもの♡ブリーダーも、ヒト雄♡一回で満足するはずっ♡)
少女漫画は自分のバイブル。いつだって正しい道を示してくれるのだ。
「……クリム。オレはお前の手なら、毎日20発は楽しめる自信があるぞ」
彼の声に呆然とする。それはつまり……少女漫画のヒーロー20人分……?
「ひぃっ♡に、にじゅう……♡そ、そんなにあたしに、シゴいてもらいたいの……? ♡」
(に、にじゅうっ♡一人なのに、逆ハーレム展開ッ♡少女漫画のヒロインの、二十倍愛されちゃうっ♡もうっ♡どれだけあたしのこと好きなのよっ♡大好きっ♡あたしもヒロインの100倍気持ちよくしてあげないとっ♡)
なんということだ。だが問題はない。彼が20倍愛してくるなら、あたしは100倍愛してくれよう。
決意を新たにする。愛の百裂手コキ。これが生まれ変わったあたしの必殺技となるだろう。
「ああ。飲んでもらえないのは心底残念だが……愛する愛犬の手。それで闘志を解放してもらえるのなら。とても気持ちよく、毎日を過ごせるだろう」
彼の少し残念そうな、しかし後半は期待に弾む声。
「ご、ごめんなさい……♡ブリーダーの闘志を飲めないなんて、不出来な愛犬で……でも、キスした後なら、いくらでもがぶ飲みしてあげるわ……♡闘志でおなかをぱんぱんにするの♡」
(ごめんなさいっ♡お詫びに、百回シゴいてあげるっ♡そしてキスした後っ♡一日百回がぶ飲みよっ♡おなかたぷたぷにして、よくやったなって撫でてもらうの♡)
このばかいぬ、0か100かしか目盛りが無い。常ヒトは100回も出せない。
ただのブリーダーを愛しており、奇跡的にメルヘン即死を免れていたなら、相手を搾り殺していたことだろう。
だが、彼女がそれを知ることはない。
彼自身も知らないが、進化した彼は100回は余裕で出せるからだ。
もはや種馬を超越した何かである。
「ちなみに、キスはいつ頃するつもりだい?」
「最低でも半年は欲しいわ。最高のあたしを楽しんで欲しいもの」
彼の質問に即答する。こちらも譲れぬ物がある。
メルヘンなキスは夜景の綺麗なホテルで、最低半年、できれば一年後。
これだけは、これだけは譲ることは出来ぬ。
乳を揉まれるのはいいだろう。愛されているのだ。
背中に闘志を擦りつけられるのもいいだろう。愛されているのだ。
だが、キスだけはロマンティックに。譲れぬ信念が溢れ出す。
固い信念を確かめていると、背中から、愛しい重みが消える。
「寮に戻るぞ」
短く告げる彼。信念が揺らぎ、顔を青くする。耳が横に倒れる。
「ご、ごめんなさいブリーダー……怒った?」
(めんどくさい愛犬だと思われた……? 愛してもらえない……? 愛されないなんて、もう……考えられない……!)
絶望が心を蝕む。寒い。もし彼が自分を面倒だと思ったら。それは、死刑宣告よりも重い。
「……怒ってなんかいない。だけど、この昂りをクリムに鎮めてもらいたい」
ぶっきらぼうに告げる彼。あまりに闘志が昂りすぎたのだろう。
耳がぴぃんと立ち直り、髪が更なる光を放つ。ぺかー。
「え、えへへ……しょうがないブリーダーね……♡我慢できなくなっちゃったのね……♡あたし、頑張る……♡」
(もうっ♡心配して損しちゃったっ♡しょうがないわね♡我慢のできないブリーダーの、闘志をあたしが鎮めてあげるっ♡そして、あたしを絶対に手放せないように、わからせてあげるのよっ♡)
むんっ、と気合いを入れる。そう。不安になるなどらしくない。
愛とは勝ち取るものなのだ。このクリムの本気の手コキで離れられないようにしてくれよう。
闘志を燃やす彼女は、気づかなかった。
愛する彼の、口元。
そこに邪悪な三日月が浮かんだことに。
「さ、さあブリーダー、闘志注入棒を出して……♡」
(ふふふ♡あたしの心の準備は完璧♡シゴいてシゴいてシゴき倒してあげるわ♡わん、つー、ひゃく♡のっくだうーん♡)
寮に戻り、眼帯ビキニとホットパンツに着替えた後。浴室にて。
素振りにて動きを確かめ、ブリーダーを誘う。
はじめは慣れない動き故、気持ちよくないかもしれない。
だが100回もするうちに、快楽に蕩けた声で自分を求めるだろう。
ノックダウンさせ、自分に溺れさせてやるのだ。さぁ早く闘志注入棒を。
考えていると、愛する彼の命令が。
「クリム。およめさんのポーズを取って欲しい」
「わんっ♡」
(およめさんっ♡およめさんっ♡わんわん♡およめさんだわん♡)
あまりにメルヘン心を擽る言葉。一も二もなく、三つ指を突いて、頭を下げる。
とても心が満たされる。そう。自分は彼のおよめさんになるためにこの世に生を受けたのだ。
唄葉先輩には感謝しなければ。このようなポーズを教えてくれたのだ。
「よしよし、えらいな。クリムは良いおよめさんになるな」
満足しつつ頭を下げていると、優しい声と、頭を撫でる彼の愛しい手。
「え、えへへ♡およめさん……♡」
(およめさん♡あなたの良いおよめさん♡もっと褒めて♡愛犬はおよめさん♡)
その支配領域を著しく狭めたはずの、メルヘン回路が唸りを上げる。
脳内が幸福とメルヘンで満たされていく。
おおきな草原のちいさな家。愛しいだんなさま。かわいいこどもたち。庭の犬小屋には白い雌犬。
いや待て異物が混じった。社長がなんか入ってる。
なんて社長だ。このクリムのメルヘン妄想に大胆に領空侵犯をキメてきた。
メルヘンに頭を蕩かせながら、ぷんぷんしていると。
彼が自分の背後に回る。
ボロン。
(……これは、闘志注入棒が解放された音……?)
身を固める。
まさか。
まさかまさかだ。
もしや、彼は……?
深紅のツインテール。
輝く髪に、燐光が灯る。
「ブリーダー。まさかそんなことはしないと思うけれど……念のため言っておくわ。
もし、もしもよ? ロマンティックなキスをする前に、あたしに闘志注入棒を挿入しようものなら。
あたしはこの世界を焼き滅ぼすわ」
(まさか、昨日は思いとどまったけど……今日、世界を焼き滅ぼすことになるなんてね……
信じているけど、ホットパンツをずらし、闘魂を注入しようとした瞬間、あなたを除いて世界の全てを焼き滅ぼす……!
あたし自身さえも……!)
覚悟を決める。
進化したわん娘スキル。これならば彼以外の全ての生命を、取りこぼすことなく。
焼き滅ぼすことができるだろう。
深紅の女王『世界焼滅』レーヴァテイン。
頭の中に、すとんと落ちてきたワード。なるほど、これが進化した自分の力か。
断罪の炎剣。罪ビトを殺せないため、罪無き者を八つ当たりで焼き滅ぼす。
彼女の燃えるような愛の具現。
もはや力を事前に世界に撒く必要も無い。ただ命ずるのみ。
愛するヒトよ。どうか世界を滅ぼさせないで。
「そんなことはしない。初めてはロマンティックなキスの後。オレも同じ気持ちだ」
落ち着いた声。真実だ。わかる。
そっと脳内で振りかぶった炎剣を下ろす。
髪から放つ燐光が収まる。
世界の危機は去った。だが疑問が残っている。
「でも、ブリーダー、どうするの? この態勢じゃ、あたしがご奉仕できないわ」
(信じてたわブリーダー♡でも、この態勢はちょっとね……あたしがご奉仕できないのはつらいわ……だってご奉仕するのはおよめさんの義務で、権利だもの)
彼はやはり怒っているのか。およめさんに奉仕させないなど。
それはもはやDVではあるまいか。
やはりさらに謝罪をした方が……?
考えていると。
「こうするんだよ……!」
グリィッ!
なんと彼が自分に跨り、背筋に闘志注入棒を突き立ててきたのだ。
背中ズリである。
「!?」
(せ、せなっ!?)
動揺に背が跳ねる。
なんということだ。こんなプレイ、少女漫画に載っていなかった。
どうしろというのだ。これは。
混乱する頭。追い討ちをかけるように。
「ふぎゅっ♡ぶ、ブリーダー♡」
(ンあっ♡おっぱいまでっ♡なにこれッ♡わけわかんないっ♡)
身体から力が抜ける。
乳揉み背中ズリ。このようなプレイ、少女漫画に載っているはずがない。
載っていたら発禁待った無しである。
さらに乳を大胆不敵に揉みしだき、背中で傍若無人に跳ね回る、種馬ライダー。
「まって♡うきゅっ♡これっ♡にゃにっ♡」
(ちょっ♡まっ♡ほんとわかんないっ♡何を求めてるのこれっ♡)
「馬乗り背中ズリだが。言っただろう。背中がセクシー過ぎると」
野性的に彼女を乗りこなしながら、冷静に告げる彼。
理性と野生の融合。武の極みをここで魅せてくる。
「特にこの、オレの闘志注入棒を挟むためと言わんばかりの鍛えられ、盛り上がった腰の筋肉……!!」
闘志注入棒を大腰筋の間に沿って上下する彼。
「ひぁぁぁぁ♡」
(ほ、褒めてるのそれ♡♡♡)
「椎骨の美しい間隔と、描くライン……!」
腰椎付近に重点的に切っ先を押し付ける彼。
「ひんっ♡押し付けすぎぃ♡」
(あたま♡おかしいっ♡よりにもよって背中♡♡♡)
だが、嘘はない。わかってしまう。彼は、自分の背中で最大限の快楽を得ている。
あまりの興奮のためか、自分の乳を握りしめる彼の手に、力が籠る。
「あっきゅ♡ぶ、ぶりー♡んきゅっ♡」
(愛犬で気持ちよくなるって、そういう意味じゃないのにっ♡♡♡で、でも、気持ちよくなってくれるなら、受け入れるべき……? くりむ、わかんない!)
乳を揉まれる快感と、戸惑い。彼を気持ちよくしてあげられているという充足感。
感情が入り乱れ、メルヘン回路にバグが発生する。
愛犬に乗って気持ちよくなるのは、愛……?
違う。常識的に考えて、そんなはずは。
だが、彼は本当に愛犬で気持ちよくなっている。
ならば、常識が間違っているのでは?
いや、そんなはずは……だって教科書(少女漫画)に載ってない。
それを言うならクリムの乳皿らくちん愛犬ごはんも載っていない。
なるほどそれならもしや常識とは。
幼い頃に見た競馬のCM。闘犬には劣るが、人気があった。
距離適性を克服しようとした、偉大なる無敗の二冠馬のポスター。
溶鉱炉に沈みながら、嘶く彼の姿を幻視する。
常識は、敵だ。
また彼女の頭が、おかしくなった瞬間だった。
ズリッ! ズリッ!
(ふぅー♡ふぅー♡そうよ……♡)
ズリッ! ズリッ!
(ブリーダーが、頭のおかしいプレイだとしても、あたしで気持ちよくなってくれている……!)
ズリッ! ズリッ!
(ならば、あたしも気持ちよくなるべき……! それが当然というもの……!)
興奮が高まる。あまりの衝撃にバグった彼女。
自らのマゾ性を最大限に高め、快楽を貪ることを決めたのだ。
セルフマゾ調教。サポートには背中で跳ね回る彼。
この万全な布陣で、マゾにならぬ方が不自然というもの……!
「はぁーっ♡はぁーっ♡んっ……♡ふぅっ……♡」
(気持ちよくなってきた……! 背中でも気持ちよくなれる……! 愛の力ね♡)
んなわけあるか。
「クリム。今、どんな気分だ」
彼女に取返しのつかない性癖を植え付けた外道の声。
「ぶ、ぶりーだーに乗られて……♡おうまさんごっこされちゃってるのが……♡
す、すこし、少しだけよ? ……少しだけ、興奮するわ……♡」
(気持ちいいけど……♡でも、さすがにはしたなすぎるわね……♡ブリーダーならそれでも好きって言ってくれるとは思うけど……♡でも、やっぱり貞淑に♡貞淑にマゾ快楽を貪りましょう♡)
貞淑なマゾとは。(哲学)
彼が首を傾げる。
ズリッ。パァン!
背中ズリと同時の乳ビンタ。
「ひっきゅううううう♡」
(ひぃんッ♡どっちもしゅごいっ♡イっぐっ♡)
快楽に背を跳ねさせる。
「クリム。馬には鞭が必要だな?」
彼の意地悪な囁き。
「はぁーっ♡はぁーっ♡ひぃ……♡ひ、ひひー……ん……♡」
(ひ、ひどい……♡愛犬を、おうまさん扱い……♡およめさんなの? おうまさんなの? でも……♡嘶いちゃうっ♡これってやっぱり、愛だものっ♡ドSなブリーダーも、大好きっ♡)
嘶く。彼の歪んだ愛に対して、自分の愛を伝えるため。
愛してくれてありがとう。おうまさん扱いしてくれてありがとう。
あたしは全てを受け入れます。そう想いを籠めて。
背中で彼の息がさらに荒くなる。
期待に背筋が震える。
もっと、愛してくれる。もっと、壊してくれる。
そんな予感。
ズリッ! パァン!
先ほどよりも強い愛。
「んきゅっ♡イッ♡」
(んぎゅっ♡正解なのねっ♡)
ズリッ! パァン!
強まっていく愛。
「あひっ♡ひぃん♡」
(もっと♡愛でいぢめてっ♡)
ズリッ! パァン!
乳に手形がついていく。歪んだ独占欲のカタチ。
「あきゅっ♡んンッ♡」
(あたしのおっぱいっ♡あなたのものの証がっ♡)
興奮とマゾ快楽が最高潮に達し。そして。
ズリッ!
手が振り下ろされない。
「きゅうっ♡……?」
(あれっ? 叩いて、くれない……?)
疑問に思う。もっと愛して欲しいのに。
彼が、手をぶらぶらと乳の横で揺らしている。
「ふぅーっ♡ふううぅ♡ひ、ひひーん♡」
(……はい♡愛されるためには、もっとはしたなく、無様に♡くりむ、わかった♡)
彼女は嘶き、身体を振り、乳を大きく左右に揺らした。
ドSな彼に愛をねだるために。もっと愛してもらうために。
ズリッ! パァン!
「んっきゅ♡ひ、ひひぃぃぃん♡」
(正解っ♡愛してくれるっ♡もっと、もーっと愛して♡)
マゾ性感がさらに高まる。満足感と、背中で膨れ上がる独占欲。
愛して、愛して、愛し尽くしてくれるのだろう。
密やかに、淫らな笑みを浮かべて、彼女は嘶いた。
「ひ、ひひぃん♡ひぃん♡ンっ……♡はぁぁ♡ひひぃん♡」
(愛ッ♡えへえへ♡愛されてるッ♡あたしで気持ちよくなってくれて、あたしまで気持ちよくしてくれるッ♡もっと愛してッ♡滅茶苦茶に愛してっ♡)
あまりの快楽に、崩れ落ちるのを必死にこらえつつ、彼好みの無様な嘶きを上げる。
左右に乳をはしたなく揺らし、さらに彼の嗜虐心を刺激する。
乳には彼の手形がくっきりとついている。
とてもとてもとても、ドSの心を満足させる、マゾ姿。
「クリム。今までで一番大きく、はしたなく嘶け」
興奮を隠す気が全くない、彼の欲情の籠った囁き。
「ひ、ひひぃん……♡すぅぅ……♡」
(わかったわっ♡はしたなく、愛されるためのおよめさん馬の嘶きっ♡よぉく聞いてねっ♡)
了承の嘶きを返し、大きく息を吸い込む。
天まで届け、愛の唄。
口が開いた瞬間。彼女の乳を、両側から挟み込むように。
力一杯のビンタが襲う。
ッパァァァァン!
「ひ……ひぎぃッ♡ヒヒィぃぃぃぃああぁぁぁぁぁぁぁん♡♡♡」
(イっぐうううううううううううううううううううううう♡♡♡)
目が眩むほどの快楽。
背を思い切りのけ反らせつつ、思い切り無様な嘶きを上げた。
そして愛するヒトが、その闘志を解放した。
びゅううううううううううう! びゅるるるるるるるるるっ! びゅくっ!! びゅるるるっ!
解き放たれた欲望は、あまりの愛の深さ故か。
自慢のツインテールまで盛大に白く汚しつつも、尽きる気配を見せない。
「ひぃぃぃぃんッ♡んぶっ♡においっ♡しゅごいっ♡」
(しゅごいっ♡およめさん馬の背中で、こんなに気持ちよくなってくれたのねっ♡すごい匂いっ♡最高だったって、伝わってくるっ♡こんなに愛を出してくれたのに、飲めなくてごめんなさいっ♡)
嘶きを続けながらも、どっぷどっぷ♡と自分の鼻を伝い、口元を過ぎる愛の滝。
口を開いて飲んでしまいたい。
だがそれをしてしまったら終わりだ。
キスもしないままそれをしてしまったら、それはもはやおよめさんではなく。
ただのマゾ奴隷だろう。
自分はおよめさんになるのだ。その一心で、必死に口を引き結ぶ。
だが、解き放たれた愛の滝から確かに伝わる、怒り。
何故受け入れないのか。旦那様の愛を零すなど、およめさんとしてあり得ざる行動。
さっさと口を開いて、オレを受け入れろ。
本当ならば、お前の赤ちゃん部屋でぬくぬくと、オレ専用のたまごを貪りたいのだ。
それを堪忍してやっているのに、最低限のマナーも守れないとは。
滝から感じる怒りに、身が竦む。
(ご、ごめんなさいっ♡ほんとはぜんぶ、飲んであげたいっ♡あたしのたまごを食べたいのに、我慢してくれただんなさまの愛っ♡でも、でもぉ……♡あたし、およめさん……♡)
メルヘン回路の必死の抵抗。
なんとか自制に成功する。
びゅるるるるる……パァン!
だが、さらなる叱責が彼本人から。
「んぎゅっ! ひ、ひひぃぃぃんぶっ♡ひぃぃぃぃん♡」
(ごめんなさいっ♡不出来なおよめさんをゆるしてっ♡謝罪と感謝を込めて、無様に嘶きますっ♡)
開こうとする口を閉じながらも、滝の途切れた瞬間を狙い、必死に嘶く。
あれもダメ。これもダメ。なんと不出来なおよめさんか。
せめてこの愛を、嘶きに変えて。無様姿で溜飲を下げていただくのだ。
びゅくっ……パァン! びゅくくっ……パァン!
自分に自覚を促すため、叱責を続けてくれる彼。
不出来なおよめさんに失望したのか。
勢いが衰えていき、床に吸い込まれていく彼の愛。それを涙目で見送る。
本当ならば、全部自分が飲むべきものなのに。罪無きだんなさまの愛を、地面に全部吸い込ませてしまった。
罪悪感に打ちひしがれていると、優しい自分のだんなさまは、最後に罰を与えてくれた。
びゅっ……ッパァァァァン!!
乳を両側から思い切り叩かれる。
「ひんっ♡あふっ♡イっ♡ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♡」
(ごめんなさいいいいいいい♡せめて、せめて無様なマゾ姿、いっぱい楽しんでくださいっ♡♡♡)
自分の反省に気づき、罰を的確に与えてくれるだんなさま。
なんと素晴らしい主人か。さらに愛を深め、与えられた罰のあまりの快楽に腰が砕ける。
だが、倒れない。およめさんとして、おうまさんとしての意地。
「ひへーっ♡ひぃん♡んぶっ♡ンきゅっ♡ンああっ♡ひ、ひひぃぃ……ん♡」
(だ、だんなさま……♡不出来なおよめさん馬の無様姿、満足していただけましたか……♡)
絶頂に喘ぎながらも嘶き続け、だんなさまに感想を求める。
やはり不十分であり、もし床に零れた愛を全て飲み尽くせというならば。
そうしなければいけない。彼が望むのならば。
だってだんなさまの要望を叶えるのはおよめさんの義務だ。
メルヘン回路などもう知らぬ。自我の崩壊よりも、だんなさまを満足させる方が重要である。
そう思いつつ、嘶きを続ける。さぁだんなさま、感想をお願いいたします。
だんなさまが愛馬から降りる。やはり足りないか。
およめさんから無様な奴隷に堕ちる覚悟を決める。
顔を上げると、優しく微笑む彼の顔。
その笑顔。満足して頂けたのか。
そう思っていると、お褒めのなでなでを賜った。
べちょっ……ぐりぐり……べちゃっ……ぐりぐり……
愛を塗り込まれる。
なるほど、体内に入れれぬ代わりに、髪に吸わせてくれるのだ。
愛犬を褒めつつ、愛を少しでも自分にすりこんでくれる。
「んっ♡えへへ……♡なでなで……♡嬉しい……♡」
(許してもらえた……♡なんてやさしい……♡不出来なおよめさんの無作法をゆるして、なでなでまでしてくれるなんて……♡だんなさま、愛しています……♡)
なんと寛容な。やはり自分のだんなさまは素晴らしい主人だ。
想いをさらに深め、ご褒美に頬を緩ませて全身全霊でなでなでを味わう。
「ところでクリム。まだこんなに闘志が昂っているのだが」
彼が笑顔で告げる。
「ヒィ……♡ひ、ひひーん♡」
(はいっ♡不出来なおよめさんだけど、いっぱい楽しんでくださいっ♡)
およめさん馬としての自覚を身に着けた彼女は、さらに無様な姿を見せ、ジョッキーをさらに喜ばせた。
わん娘マゾメスダービーである。
でも11発はちょっと多いと思うの。
おうまさんごっこを終え、床に崩れ落ちて全身を愛に浸しながら思う、くりむちゃんなのであった。
メルヘン回路の影響力がさらに下がった!
およめさん馬の心得を身に着けた!
マゾ心をいたく刺激され、マゾ性がぐ────────んと上がった!
つづかない