※この作品はR-18です。

ツンデレわん娘の躾け方   作:デイジー亭

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ブリーダーとわん娘、交互の視点で進みます。
すれ違いをお楽しみください。


第1話 マッサージで躾けよう! わん娘視点

 ……朴念仁なブリーダーをかっこいいだんなさまにしたい。

 

 わん娘はそう思った。

 

 彼女はアカネ・クリムゾン。

 

 輝く深紅の髪をツインテールに結わえた、わん娘である。

 

 

 わん娘の歴史は長い。

 

 数千年前にヒトと交わってから、色々な事があった。

 

 始原の3わん娘は子犬をぽんぽこ産み、順調に数を増やし、その子犬たるわん娘もなんだかんだ愛するブリーダーを見つけ、数を増やしていった……が。

 

 時の権力者たちの善意により、急速に数を減らした。闘犬の開始である。

 

 リョナNGおじさんがいなければ、絶滅していたであろう。

 

 リョナNGおじさんすごい。リョナNGおじさんありがとう。

 

 彼女は始原の3わん娘とそのブリーダーと同じか、それ以上に尊敬される偉人に感謝の祈りをささげた。

 

 リョナNGおじさんと結婚するー! という、かわいい子犬もいるほどだ。

 

 全部、リョナNGおじさんのおかげだったんだよ!!! 

 

 そう言い、リョナNGおじさん教を熱心に布教する、リョナNGおじさん教の格闘シスターわん娘。

 

 もちろん彼女も入信している。

 

 さて、リョナNGおじさんの話はこれぐらいにして……

 

 彼女は一つ、溜息を吐いた。

 

 最近彼女のブリーダーの様子がおかしい。

 

 ウキウキとマッサージの準備をするブリーダーを見る。わきわき。手が怪しく蠢く。

 

 三年前はあんな感じじゃなかったのに……

 

 マッサージ用のベッドに座りながらも、昔のことを思い返す。

 

 

 

 

 

 

 「アカネ・クリムゾン! リョナNGおじさんは好きか!?」

 

 「えっ? ええ、わん娘として当然のことじゃない」

 

 「そうか……オレも大好きだ! オレのアナルを捧げてもいいほどだ!」

 

 やべーやつに掴まった。彼女はその時そう思った。

 

 初手リョナNGおじさんはいい。わん娘に対して普遍的に通じる話題だ。

 

 だがいきなりうら若き乙女にアナル。しかもホモセックス。なんだこいつ。

 

 とりあえず気絶させよう……彼女は高速プランチャで彼をグラウンドに沈めた。

 

 「ナイスプランチャ……あとおっぱい……」

 

 がくりとガッツポーズで気絶する男。

 

 プランチャを知っている……? さてはこの男、ルチャ・リブレに造詣が深いのか? 

 

 少し興味を持ったが、そのまましずしずと去る。

 

 このわん娘学園は乙女の園。ここにいるということはブリーダーか、ブリーダー候補であろう。

 

 だがこのような変態はNGである。

 

 彼女はそう思い、その場を去った。

 

 しかし。

 

 「アカネ・クリムゾン! オレと最高のスペルエストレージャを目指そう!」

 

 「アカネ・クリムゾン! テクニカとルーダ、どっちになりたい!?」

 

 「アカネ・クリムゾン! マスクは着けないのか!?」

 

 彼はやたらと粘着質に彼女に声をかけてきた。

 

 そして彼女はわん娘。顔を合わせるたびに親近感を抱く生き物である。

 

 ルチャ好きに悪いやつはいない。

 

 ママもそう言っていた。

 

 ママももちろんわん娘である。

 

 愛する父に対して普段は強気だが、なでなでされながら囁かれると、すぐにショワァするのだ。

 

 嬉ションである。

 

 わん娘として仕方のないことだ。

 

 首輪を誇らしげに首に飾る彼女ならなおさらだろう。

 

 だが娘の前でショワァして父とともに寝室に消えていくのはやめて欲しい。

 

 次も妹がいいわ。彼女はいつもそう思うのだ。

 

 そして、いつか彼女が愛しさのあまりショワァしてしまうような、理想のだんなさまを……

 

 

 

 「しょうがないわね……ちょっとだけなら、話をしてあげる」

 

 「本当か! おっぱいは!?」

 

 彼女は彼でハイスパートルチャの練習をした。

 

 「な! ん! で! あたしなのよ! どうせ誰でもいいんでしょう!」

 

 彼をケブラドーラ・コンヒーラで叩きつけながら叫ぶ。

 

 獣神サンダーライガーもまた、彼女のヒーローだ。

 

 「ち、違う! 君を見た瞬間から、他のわん娘が、耳としっぽのついたじゃがいもにしか見えなくなったんだ! もうオレには君しかいない!」

 

 「えっ! それって……♡」

 

 その症状は聞いたことがある。特定のわん娘以外は根菜類に見える症状。

 

 彼女の父もまた、愛する妻以外は大根に見えるのだ。娘たちは例外。

 

 「だから、じゃない……! たとえ他のわん娘が正常に見えようとも、君の躍動感溢れるルチャ! 

 

 空中でなびく紅い髪! どうしようもなく、綺麗だったんだ……! どうかオレと、契約してくれ!」

 

 そう、それは、運命の証。絶対に浮気しないだんなさまの条件である。

 

 「しょうがないわね♡でも、お試しよ♡情けないトレーニングをしたら、すぐに捨てちゃうんだから♡」

 

 速やかに即堕ち。わん娘は全体的にチョロいが、彼女は特にチョロかった。

 

 その時、恋が始まったのだ……

 

 なお、ふつうのわん娘はそう簡単にショワァしない。

 

 彼女の家系のわん娘がやたらチョロく、膀胱が緩いだけだ。

 

 

 

 

 

 

 彼女たちの恋は、決して順調ではなかった。

 

 待望のデビュー戦。控室でコスチュームを纏った彼女は焦っていた。

 

 まだマスクが決まっていないのだ。

 

 「もう始まるぞ、クリムゾン」

 

 「ちょっと待ちなさい……やっぱりママのおさがりかしら……でも……」

 

 「クリムゾン。オレの意見を言ってもいいだろうか」

 

 「え? ええ。どうぞ」

 

 「マスクはいらないと思う」

 

 「えっ!? ルチャドーラに、マスクをつけずに試合に臨めというの!?」

 

 なんたる男か。ルチャの誇りを何だと思っているのか。

 

 憤慨する彼女。やはりこの男を選んだのは失敗だったかもしれない。でもいちおう話は聞いてあげよう。

 

 ぷんすか。いや失敗は言い過ぎた…… ごめんなさい。

 

 「君のコスチュームにマスクは似合わない」

 

 紅いミニのウェディングドレス。

 

 かわいいおよめさんになりたいという彼女の願望と、リングと自身を血に染めるという闘争心の象徴だ。

 

 「似合う似合わないの話じゃないわ!! 誇りの問題よ!!」

 

 「……それに」

 

 ぷんぷん。ルチャに詳しいくせにわかっていない男だ。

 

 「君のかわいい顔は、マスクで隠して欲しくない。オレが見たいんだ。本音を言うとな」

 

 「マスクとかクソよ♡♡♡」

 

 彼女はマスクをゴミ箱に叩き込んだ。

 

 愛するブリーダーの要望に勝るものはない。もっと見なさい。

 

 その後、リングに上がり、ミニウェディングをビリッビリにしながらも勝利。

 

 決め手はカンダート。相手のわん娘は、まだその時は育ち切っていない彼女の乳に顔面を圧迫され、マットに沈んだ。

 

 試合の後。

 

 「お疲れ様クリムゾン! やはりオレの目に狂いはなかった……! ルチャの勝利だ!」

 

 歓喜に駆け寄る彼。ともすれば彼女よりも喜ぶ姿。

 

 「……クリムよ」

 

 「えっ?」

 

 「クリムで良いわ。他人行儀なのはもういい。あなたがあたしのブリーダーよ。お試し期間は終わり」

 

 「いいのか? じゃあ……クリム」

 

 「はいっ♡♡♡クリムよ♡♡♡もっと呼んで♡♡♡もっともっと♡♡♡」

 

 じわぁ。何かが彼女の花嫁衣裳ににじむ。だがそんなことはどうでもいい。

 

 「クリム。クリムクリム。……クリム!」

 

 「あっ♡もっと♡もっと♡」

 

 感極まり彼の頭を抱え込む。むぎゅり。じたばた。じたばた……

 

 なんという喜びか。今決めた、彼だけの愛称。それを呼ばれるだけで。こんなにも胸が熱い。

 

 「むーっ……! むーっ……!」

 

 いや待て物理的に熱い。これは……

 

 『おーっと! アカネ選手、勝利の熱いハグだ! お熱いですねお二人さん! ……ちょい待ちガチで燃えてるやん!!!』

 

 めらめら。固有のわん娘スキル。彼女だけのチカラ。

 

 後に彼女の威厳ある姿と、その炎と毛並みの色から、『深紅の女王』と呼ばれるわん娘スキルが発現した瞬間である。

 

 試合中に目覚めろよ。

 

 『わん娘スキル……! おっとブリーダーさん、炎上しながら抱きしめられている! スピード火葬だァァァ!』

 

 二度と離さぬとばかりに固定され、焦げ臭い匂いを上げる彼。必死なタッブは今途切れた。

 

 いとおしさにさらに炎は天高く立ち昇った。

 

 

 

 

 

 

 ある日。デビューから1年が経った頃。深紅の女王。血染めの花嫁。

 

 そう呼ばれるようになった彼女は体重計に乗り、悲鳴を上げた。

 

 「ブリーダー! ブリーダー!」

 

 「どうしたクリム?」

 

 「体重が……! ちゃんと節制してたのに……!」

 

 「うん? ……ああ」

 

 「これじゃ中量級で戦えないわ! 次の試合は3か月後……! それまでに減量しないと!」

 

 「いや……クリム。減量はしなくていい。重量級にエントリーしよう。

 

 4か月後に試合がある。そこで戦ってくれ」

 

 「何言ってるのよ! 減量すれば、今まで通り中量級で……!」

 

 「いいかクリム。落ち着いて聞いてくれ」

 

 ガシッ、と肩を掴まれる。やだかっこいい。

 

 「……何よ」

 

 「成長期だ。このおっぱいで中量級は無理でしょ」

 

 「えっ?」

 

 自分の胸を見下ろす。乳で床が見えない。最近大きくなってきたと思ったら……! 

 

 気恥ずかしさに顔を赤く染める。大きくなったのはいい。自然の摂理だ。

 

 だが重要な問題はそこではない。

 

 「ね、ねぇブリーダー。ちなみに、ちなみになんだけど……おっぱいの大きいおんなのこは、嫌い?」

 

 短い期間でこんなに育ったのだ。たぶんまだ育つだろう。

 

 愛するブリーダーの顔の感触を思い出し、夜のトレーニングに活用していたのが悪かったのか。

 

 こんなはしたない乳を持ったわん娘、彼は受け入れてくれるだろうか。

 

 「大好きだ!!!!! むしろもっと育ってほしい!!! ……いやオレが育てたい!!!」

 

 グッとガッツポーズ。本音に正直な男である。

 

 自らの成長に戸惑う彼女に対し、あまりにデリカシーに欠ける姿。

 

 「あたし、もっと育つわ♡♡♡でもおさわりはまだNGよ♡♡♡」

 

 喜びにクソデカおっぱいを弾ませる彼女。まだということは将来的に触らせる気満々なのか。

 

 ツッコミはどこだ。

 

 「ああ……! 重量級のスペルエストレージャになろう!」

 

 「ブリーダー! ……今日から、あたしはあなたの愛犬よ!」

 

 感極まって叫ぶ。愛犬。それは特別な呼称。

 

 今まで、彼は彼女を他者に紹介する際、自身の担当するわん娘だと言っていた。

 

 だが、これからは自身の愛犬だと紹介しろということ。

 

 その呼称を許すということは、彼しか自身のブリーダーとして生涯認めないという宣言。

 

 彼に何かあり、もしブリーダーを出来なくなったとしたら、彼女は引退する。

 

 翼の折れた天使は飛べない。例えそれが片方であろうとも。その片翼になれということだ。

 

 二度と撤回できぬ宣誓である。愛犬という呼び名を許すのは、それほど重い意味を持つ。

 

 ふがふが。彼女の成長著しい乳に頭を抱え込まれながらも、絆を認められた喜びにガッツポーズをキメる彼。

 

 「あんっ♡暴れちゃだめよ……♡もう、そんなに喜ばなくても……♡」

 

 がくり。彼の手が下がる。ご臨終です。

 

 「ふふっ……♡あなたの愛犬をもっと育ててね、ブリーダー♡」

 

 呼吸が停止してから3~5分で脳に回復不能なダメージが残るという。

 

 彼女はそのあと10分ほども、喜びに彼の呼吸を停止させ続けたのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 3年間の終わり。

 

 彼女は、事務所で黄昏ていた。

 

 決断をしなければならない。ふつうのおんなのこに戻るか。プロリーグに歩を進めるか。

 

 「クリム、入るぞ。……心は決まったか?」

 

 全ての敵をそのクソデカおっぱいでマットに沈め、重量級の女王に輝いた彼女。

 

 ぶるん、と乳をダイナミックに弾ませ、彼に向き直る。

 

 「……ブリーダーはどうして欲しい?」

 

 「クリムの判断に従うよ。

 

 君はもう立派なスペルエストレージャだ。

 

 プロのリングに上がるのを待ち望むファンは多い。

 

 ……だけどなクリム。君のわん娘生だ。君の、君だけの命。

 

 誰かに判断を委ねる必要はない。

 

 オレの愛しい愛犬。君はなんにだってなれる。

 

 君がオレの手から羽ばたくことを選ぶなら、オレは笑顔で見送ろう。

 

 そして、新しいわん娘を栄光のリングに導こう。それが、ブリーダーというものだ。

 

 ただ、たまには顔を見せて欲しい。

 

 情けない男の、最後のお願いだ」

 

 握りしめた手から血を滲ませ、上を向いて涙が零れぬようにしながら彼は言う。

 

 立派な大人として。一人のブリーダーとして、尊敬されるべき男の姿。

 

 「さぁ、クリム。選択の時だ。君の答えを聞かせて欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 ……クリム?」

 

 振り返る彼。返事がない。どうしたのだろう。

 

 「ぶり”ーだぁ”ぁ”ぁ”ー!!! あ”た”ら”し”ぃ”あ”い”け”ん”な”ん”でぜっ”だい”い”や”あ”あ”あ”あ”!!! 捨て”な”い”でぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”!!!!」

 

 ギャン泣きしながら彼を押し倒し、涙ながらに縋りつく彼女。

 

 女王の威厳など欠片も存在しない、情けない泣き顔に彼の心が躍る。

 

 クッソかわいいなコイツ。絶対逃がさねぇぞ。一生オレの愛犬のままだ。

 

 もうクソデカおっぱいだけ揉みたいなんてちゃちなことは言わねぇ。全部しゃぶり尽くしてやる。

 

 そんな彼の思いに気づかず、彼女は半狂乱で彼にその全身を擦りつける。

 

 「ふ”ぇ”ぇ”……あたし、プロになる……」

 

 「それでいいのか? 君ならアイドルにだって……」

 

 キリっとした顔をしつつ続ける彼。

 

 もっと泣き顔が見たい。

 

 最悪の下心を隠しつつ言う。

 

 「うん……ブリーダーの愛犬はあたし……一生逃がしてなんて、あげないんだから……」

 

 「そうか……これからもよろしくな、クリム」

 

 「うん♡ねぇ、今日おうち行っていい?」

 

 「いいとも。今日はクリムが新しい夢に向かう記念日だ。

 

 豪勢な夕食にしよう。何が食べたい? ローストチキンか? 骨付き肉か?」

 

 「あたしが作るわ♡楽しみにしてて♡」

 

 「楽しみだな。クリムの料理はおいしいからな。期待してるよ」

 

 「うんっ♡」

 

 その夜彼女は料理に睡眠薬と自白剤を致死量を無視して瓶ごと盛った。

 

 愛しさを抑えきれなかったのと、将来のだんなさまの好みを知るため。

 

 そして、彼女以外のわん娘を育てるなどと言い出した、その言語道断な考えを改めさせるためだ。

 

 

 

 「ブリーダー」

 

 「ん……なんだいクリム……」

 

 「これから、正直にあたしの質問に答えること」

 

 「わかった……」

 

 よし。睡眠薬と自白剤の効き目は良好だ。

 

 ママ御用達なだけはある。

 

 なお、今は使っていないらしい。

 

 首輪付きとして、愛しいだんなさまに薬を盛るなど言語道断だからだ。

 

 「まず……あたしのこと好き?」

 

 「愛してる……」

 

 ぶんぶん。喜びにしっぽが揺れる。

 

 「おっぱいの大きいおんなのこは?」

 

  嘘をついていたとも思わないが、一応確認。

 

 「大好物……」

 

 ふにゅり。彼の手を自らの乳に導き揉ませる。

 

 褒美である。女王は自らのクソデカおっぱいを好物とする、臣下に対して寛容なのだ。

 

 「ん……♡よくってよ……♡そのまま揉みながら質問に答えることを許すわ♡」

 

 「やったぜ……」

 

 彼の鼻の下が伸びる。とても気持ちよい。

 

 やはり乳とは愛している者に揉まれてこそだろう。

 

 夜の孤独なトレーニングにはもう戻れぬ。

 

 毎晩の共同トレーニングの実施を心に決めながら続ける。

 

 「新しいわん娘を育てるつもりは?」

 

 「ない……オレにはクリムだけだ……さっきは泣き顔が見たくて……」

 

 なんという臣下だ。ぷんすか。

 

 女王の泣き顔を見たいなどとは不遜である。

 

 お仕置きに首筋に鼻を埋め、匂いくんくんの刑だ。ふんすふんす。

 

 「ならいいわ……じゃあ、次の質問よふんすふんす」

 

 そうしてインタビューは丑三つ時まで続いた。

 

 盛り上がった彼女は彼に跨がり、身体中を嗅ぎ回りながら乳を揉ませ、愛おしさに眼球を舐めた際にショワァして彼のパジャマの股間部分を盛大に濡らした。

 

 「ふう……マーキング完了ね……♡」

 

 達成感に身を任せつつ、証拠を隠滅。

 

 パジャマとショーツを履き替え、彼の腕枕で就寝の体勢に移行。

 

 夢の世界に落下していく。

 

 今日はいい夢が見れそうだ。

 

 

 

 

 翌朝、彼は濡れた股間の感触に顔を青ざめさせた。

 

 28歳でおねしょ。

 

 余人に知られれば、社会的に抹殺されかねぬ醜態である。

 

 己の腕枕で眠る愛犬を見る。

 

 おめめぱっちり。

 

 手を口に当て、あらあらと微笑ましい目でこちらを見ている。

 

 潔い土下座を見せ、口封じに成功するも、黙秘の条件として、彼の自宅は愛犬の小屋となることが決定し、彼のプライバシーという概念は消滅した。

 

 やったぜ。

 

 達成感にクソデカおっぱいを膨らませ、愛するブリーダーの頭をぐりぐりと踏みにじり、息を荒げるクリムちゃんなのであった……

 

 

 

 

 

 

 恋は順調ではなかったが、彼女の身体はとても順調に仕上がった。

 

 今では寝ている彼に弱点の乳を揉ませるだけで、乳イキし、ショワァしてしまうのだ。

 

 毎晩彼の寝床で匂いイキをキメていた弊害だろう。

 

 だんなさまの匂いはわん娘にとって麻薬なのだ。

 

 

 

 そう、自分から触るのはともかく、彼女が己の身体に触れられるのを嫌がるのはここに原因があった。

 

 ばかいぬなのだ。触られると、なでなで以外ではすぐに膀胱が緩むのだ。

 

 お花摘みに行った直後ならともかく、我慢しているときに限って、彼は彼女の身体に触りたがる。

 

 おまけに彼女は3年間愛情をもって育てられた自慢のムッチムチボディに一つだけ、コンプレックスがあった。

 

 これがついつい彼にツンデレムーヴをかましてしまう原因だ。

 

 

 

 

 

 

 

 そして視点は現在に戻る。

 

 最初から変態だったわ。

 

 そう思いつつ、彼の方を見る。

 

 

 (また、おっぱいガン見してる……♡)

 

 ワガママボディを包めていないマイクロビキニを纏い、ベッドに寝転んだ彼女はブリーダーの彼女の肢体に穴を開けんばかりのアツい視線に、胸を熱くする。ついでに尻尾もぶんぶんする。

 

 (さすがマイクロビキニ……! マイクロビキニは正義、唄葉先輩ありがとう……!)

 

 当初体操着で行われていた彼女の言うところのドキドキ♡イチャラブ♡マッサージ♡は、事務所の先輩の一人、ある淫乱ピンクの助言によりマイクロビキニに身を包んで行われるようになっていた。

 

 隣の個室に書類を届けた際、彼女はマッサージ待ちの淫乱ピンクと遭遇した。

 

 ロリコン歓喜のジュニアアイドルIVのようなマイクロビキニに身を包んだ淫乱ピンクに対し、動揺を隠せないアカネ・クリムゾン。

 

 その格好で大和撫子は無理でしょ。

 

 しかし淫乱ピンクは、見られてはいけない姿を晒して羞恥に頬を紅潮させながらも、誇りを胸に毅然と言い放ったのだ。

 

 「殿方の心を掴むためには小細工など無用……! 決意を固め、マイクロビキニにより勝利を掴むのです……!」

 

 何言ってんだこのデカケツ淫乱ピンク……

 

 そう思いつつ、彼女は近所のしま〇らに向かい、首尾良くマイクロビキニをゲット。

 

 「アカネ・クリムゾンを称える歌第108番(作詞作曲:ブリーダー)」を歌いながら個室に入ってきたブリーダーに感想を求めた所、彼は壊れたスプリンクラーのような鼻血による水芸を披露し、彼女は確かな「手ごたえ」を、昏倒した彼の匂いを嗅ぎながら噛み締めたのだった……

 

 

 

 

 

 

 ……話を現在に戻そう。

 

 「クリム、ほらいつものドリンク」

 

 彼が差し出してきたドリンクを一啜りした彼女は、違和感に気づく。

 

 (ペロッ……これはママ御用達の睡眠薬! 媚薬も添えて、栄養バランスもいい……!)

 

 正直なところ、象を昏倒させる程度の睡眠薬ではわん娘の薬物耐性を突破することは不可能である。

 

 しかし今の彼女の胸を占めるのは、彼の手で思うさま愛撫され、嬉ションでシーツをべっしょべしょにする危機感……ではなかった! 彼女には秘策があったのだ! 

 

 (こんなこともあろうかと……!)

 

 彼女の秘策とは……! 

 

 パルン〇アである。

 

 尿漏れに絶大な効果を齎す秘薬。

 

 常用すると逆に膀胱が緩みそうなため、いざという時にしか使えないが……

 

 先ほどバランス飲料を飲んだ時、隠し持っていたパルン〇アも一緒に服用したのだ! 

 

 これで安心である。いい機会だ。

 

 いつも寝ている彼の手で乳を揉ませてショワァしているが、今日は起きている彼に揉まれてみて、感触を確かめるのもいいだろう。

 

 というかぜひ触って欲しい。

 

 おもらしせずに彼から合法的に触られることのできる、またとないチャンスである。

 

 可能な限り自然に眠気を訴えると、彼女はマッサージ枕に顔を沈め、耳をぱたぱた、しっぽをブンブンさせる。

 

 寝たふりする気あんのかコイツ。

 

 しかしそこは彼女のブリーダーたる男。

 

 彼女が眠いと言えば、簡単に信じるのだ。もう少し疑うことを知った方がいい。

 

 彼女が起きていることにまったく気がつかず、呑気によし、寝てるな! 確認ヨシッ! などと言っている。

 

 (さすがあたし……! 演技は完璧ね……!)

 

 その自信はどこから来るのか。

 

 (さぁ……! どこ!? どこを触るつもり!? やっぱりおっぱい? それともおしり? それとも……膕!?)

 ※膕:ひざの裏側のくぼんでいる所。どこで性感を得るつもりだコイツ。

 

 しかし彼女の期待に反し、彼の手は彼女のクソでかおっぱいを揉みしだくことも、デカケツを淫乱ピンクさせることもなく、太もものあたりを重点的に揉んでいる。

 

 (まさかの太ももフェチ……!? しかもおしりは外すの……!? どんなプレイを望んでるの!? 太ももで挟めばいいの!? でも自白剤で吐かせた限りでは、太ももフェチでは無かったわ……!)

 

 混乱する彼女を尻目に、真面目にマッサージを続けるブリーダー。

 

 職業意識の塊というわけでも、太ももフェチというわけでもなく、ただ単に眠らせた後の事がまったくノープランだっただけの朴念仁である。

 

 (くぅ……! なんてこと……! これじゃあただの蛇の……あれっなんだっけ……蛇の……そう! 蛇を半殺しってヤツじゃないの……!)

 

 彼女の焦りを他所に、トレーナーは太もものマッサージを終えると大きく息を吐く。

 

 (まさかこれで終わりってわけじゃないでしょうね……睡眠薬を盛ってすることがこれ!? あたしだったらもっとこう……エロ同人誌みたいなことをするわ! 唄葉先輩みたいに! 唄葉先輩みたいに!)

 

 尊敬する淫乱ピンクに対する深刻な風評被害を脳内で撒き散らす後輩の鑑。

 

 

 そんな彼女の不意を見事に突き、ブリーダーはその変態性を詳らかにした。

 

 「すんすんっ……ふがふが……スゥゥゥゥゥゥゥwwwハァァァァァァァァァwwwww」

 全力の猫吸いならぬ、愛犬吸いである。

 

 「ひゃんっ!?」

 うなじを全力で吸引されるという未知の体験を前に、寝たふりをしていることも忘れて驚きの声を上げる彼女。

 

 (に……におい……! あたしの匂いが嗅がれちゃってるぅぅぅ!?)

 

 シャワーはマッサージ後に浴びる派の彼女にとって、汗をたっぷりとかいた後の匂いを嗅がれるというのは、予想外であり、甚だデリカシーに欠ける行為と言える。これにはさすがの彼女も怒りを……

 

 (わふん……♡もっと嗅いで……♡)

 

 むしろ喜んでいた。

 

 わん娘としての本能が告げている。

 

 つがいは匂いを嗅ぎ合うものだ。

 

 つまりこの雄は自らをつがいだと思っているのだろう。

 

 決して悪い気分ではない。

 

 むしろもっと嗅いで欲しい。

 

 「ひゃあああ……」

 心が変なところで通じた捻じ曲がった悦びと、うなじを嗅がれる快感で耳としっぽを全力で振りたくる彼女。

 

 さすがの朴念仁もこれにはさすがに疑問に思ったが……

 

 「ところでクリム起きてる?」

 

 「ひゅっ……すうすう……すやすや」

 

 彼女の天才的な演技で見事に誤魔化される、朴念仁なのであった。

 

 

 

 つづかない

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