※この作品はR-18です。

ツンデレわん娘の躾け方   作:デイジー亭

48 / 51
エロなしです。セリフはあるけど。
主人公が、ついにその愛を解き放つ時。


あとついった @Deijiedaiwa


第27話 受け継がれる力

~前回までのあらすじ~

 

 ばかいぬの、恥ずかしい秘密。

 

 あまり恥ずかしいと、本わん娘は思ってない感バリバリ。

 

 むしろ、お仕置きを希求しているだけ。

 

 ドスケベインタビューは、恥ずかしがってもらわねば。

 

 だが、それはそれで愛しい。

 

 まぁ、それはそれとして。

 

 さてさてついに、本題である。

 

 具体性を持って問いかけるが。

 

 このばかいぬ、お仕置きのことしか考えていない。

 

 クソマゾだからだ。

 

 そしてあなたは辛抱堪らず。

 

 深謀遠慮を投げ捨てて。

 

 ついに触れる、魅惑の苺。

 

 その秘密に。

 

 顔を蒼ざめさせる愛犬。

 

 あなたに愛されるために。

 

 彼女は収穫を拒むという。

 

 自分の未熟が原因かと。

 

 問いかけると、そうではなく。

 

 彼女の最大限の賛辞を受け。

 

 真のバトルスタイルが、開帳され。

 

 ルチャリブレは、いつの間にかどこかに去り。

 

 始まるは、ばかいぬ大相撲本場所。

 

 だが誤魔化されぬ。本当の理由を求め。

 

 あなたは、想いの丈を告げる。

 

 あまりのあなたの純粋な狂気。

 

 心打たれた、クソマゾの。

 

 スカルファックは、NGであり。

 

 開帳されるは、悲しき理由。

 

 幼き頃の、勘違い。

 

 コンプレックスとは。他人にはわからぬもの。

 

 受け入れられる、自信なく。

 

 あなたの言葉もむなしく響き。

 

 彼女が告げるは、あなたへの。

 

 信頼が足りぬという、悲しい事実。

 

 何かが壊れる音が響き。

 

 社長夫妻の、謎漫才。

 

 さぁ。ばかいぬの運命やいかに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──……ここは……? 

 

 

 

 あなたは目を開くと、あたりを見回す。

 

 ただただ、白い空間。

 

 あなたが愛犬を、催眠術に堕とし。

 

 ドスケベインタビューを、敢行していたのは。

 

 2人の愛の巣たる、社員寮であったはず。

 

 断じてこのような。愛犬の気配を全く感じぬ。

 

 無粋な空間では、ないはずだ。

 

 

 

 「起きたかね」

 

 

 

 戸惑うあなたに、深いバリトンの声がかけられる。

 

 

 

 ──覇道ブリーダー? 

 

 

 

 あなたは、尊敬すべきレジェンドの声に。

 

 首を傾げて、問うこととする。

 

 

 

 ──ここは、いったいどこであろうか。

 自分は、愛犬とともに。

 最高に、愛情溢れる行為。

 催眠ドスケベインタビューに、興じていたはず。

 

 

 

 「なるほど……いいセンスだ。

 褒美に、答えてやろうではないか。

 ここはな、『継承の間』だ」

 

 

 

 ──継承の間……? 

 

 

 

 聞きなれぬ言葉だ。

 

 あなたの困惑に、想定通りであるかのように。

 

 覇道ブリーダーは続ける。

 

 

 

 「わん娘は、元は3人のわん娘から産まれた。

 だがおかしいと思わないか? あまりにも、多様化しすぎている。

 事務所に所属するわん娘たち。彼女たちだけでも、5種。

 5通りの、それぞれ異なる犬種の因子を宿している。

 始原の3わん娘。彼女たちから、いくら離れようとも。

 犬種は、そこまで増えないはず。そうは思わないか?」

 

 

 

 ──確かに。あなたの言う通り。

 組み合わせにも、限界があるだろう。

 耳やしっぽのカタチ。この世界に存在する、全ての犬種の特徴。

 それと同じ数の特徴を、わん娘たちは。

 それぞれ、宿しているという。

 

 

 

 「そうだ。学者に言わせると、諸説あるが……

 真実はな。継承しているのだ。

 その血に流れる、根源たる血統を。

 そこに宿る、遥か遠き遠吠えを」

 

 

 

 ──始原の3わん娘たちは。

 全ての犬種の因子を宿していた? 

 

 

 

 「その通り。きっとその役割故だろうな。

 わん娘たちは、戦うために産まれたのだから。

 あらゆる戦況に、対応するため。

 彼女たちは、多様化を前提としてデザインされている」

 

 

 

 ──わん娘たちは、作られた存在だと? 

 

 

 

 「そうだ。だがそんなにおかしいことではない。

 我々、ヒト類も同じ。誰かによって作られた存在だ。

 そうでなくば、このように発展していない。

 そうは思わないか?」

 

 

 

 ──我々もまた、作られた存在だと? 

 

 

 

 「ナメクジが世界の覇権を握る。

 そのような未来もあったはず。

 猿から進化した? 本当に? 

 それは、どのぐらいの確率だ? 

 我々は、本当に奇跡の末に発展したのか?」

 

 

 

 ──あなたが何を言いたいのか。

 オレには、理解できない。

 

 

 

 「すまない。迂遠すぎたな。

 だが、必要な説明だった。言いたいことはな。

 神は存在するということだ」

 

 

 

 ──あなたは。リアリストだと思っていたが。

 

 

 

 「リアリストだとも。現実に存在するのだ。

 わん娘や、我らを作った存在が。

 そして、彼か彼女かはわからないが。

 その存在が作った場所。それがここだ」

 

 

 

 ──何故、あなたがそれを知っている? 

 

 

 

 「聞いたのさ。オレが君に話しているように。

 我らヒト類の中に、脈々と存在する。

 我らが想いを受け継ぐべき、彼らに」

 

 

 

 ──彼ら? 

 

 

 

 「その話は後だ。じきにわかる。

 重要なのはな、ここは力を得る場所ということだ」

 

 

 

 ──力? 

 

 

 

 「そうだ。力だ。君は思ったことはないか? 

 わん娘の力は、あまりにも強大過ぎる。

 ヒト類は、それに淘汰されるのではないか」

 

 

 

 ──くだらない。されるわけがない。

 彼女たちは、自ら増えることができぬ。

 そのようになっている。

 

 

 

 「そうだ。されない。それが問題なのだ。

 彼女たちは、増えることが出来ぬ。

 どんどんと、先細りしていくばかり。

 我ら、ヒトと交わることでしか。

 子孫を残せぬ、そのようにデザインされており。

 さらには、その出生数にも限界がある」

 

 

 

 ──それはオレも問題だと思っている。

 それゆえ、クリムには百人以上はこいぬを産ませる。

 

 

 

 「本音を言え」

 

 

 

 ──ただただ、オレの愛を伝えるため。

 彼女をドチャクソ孕ませたい。

 

 

 

 「正直でよろしい。だが、不可能だ。

 子宮言い聞かせ術については?」

 

 

 

 ──先ほど、クリムから聞いた。不可能ではないだろう? 

 

 

 

 「不可能なんだよ。このままでは。

 確かに、子宮言い聞かせ術により。

 彼女たちの、出生数のロックを破壊することはできる」

 

 

 

 ──ならば。不可能ではないのでは? 

 

 

 

 「我らのちんちんが持たぬ。

 我らの種付け力には、限界がある。

 絞り尽くされるのがオチだな。

 それは、一段階目の進化を果たした、君でも同じだ」

 

 

 

 ──この闘魂では、足りぬというのか。

 

 

 

 「足りない。足りないのだ。

 そもそも、処女膜を突破することすら、容易ではない。

 クッソ堅いぞ、あれ。ガチでちんちん折れる者もいるからな」

 

 

 

 ──これでも無理か。

 

 

 

 「うおっ。やたらでかい……! 

 君、もしかしたらそのままでもいけるかもしれんな。

 だが、まぁ話を聞くと良い。損はさせん」

 

 

 

 ──わかった。

 

 

 

 「ごほん。固有催眠術には開眼しているな?」

 

 

 

 ──ああ。ストリップ劇場式催眠術。

 素晴らしい力だ。

 

 

 

 「また面白い感じのアレに目覚めたな……

 話は変わるが、わん娘スキルについてはどう思う?」

 

 

 

 ──彼女たちが、闘争の中で目覚める。

 わん娘たちが、戦うための力。

 それ以外は、知らない。

 

 

 

 「そう。戦うための力だ。

 そして、同じ被造物同士。

 我らにも、同じような力が宿っている。

 そう考えた方が、自然ではないか?」

 

 

 

 ──まさか、それが……! 

 

 

 

 「そう。わん娘スキルと、固有催眠術。

 それは、同種の力なのだ。

 恋は戦争と言うだろう? 

 我々は、わん娘との恋に勝利するために。

 固有催眠術に覚醒するのだ」

 

 

 

 ──なるほど。道理だ。

 だが、催眠術ではちんちんは強化できないのでは? 

 

 

 

 「自己催眠でも、まだ足りぬ。それはその通り。

 君、クリムゾンの進化には気づいたか?」

 

 

 

 ──髪が、やたらぴかぴかして。

 むっちむち度が、向上していたが。

 それが、進化なのだろうか。

 

 

 

 「そう。わん娘の進化は、二度ある。

 一度目は、わん娘スキルへの覚醒。

 二度目は、存在位階そのものの進化。

 ならば、我らブリーダーにも。

 二度目の進化。それがあっても不思議ではない」

 

 

 

 ──オレたちには。まだ進化が残されている……? 

 

 

 

 「そう。ブリーダーの進化も二度。

 わん娘は、ブリーダーへの愛でわん娘スキルに目覚め。

 さらにその愛を深め、存在を進化させる。

 我ら、ブリーダーは。彼女たちの愛に共振し。

 一段階目の進化の後、愛により催眠術に目覚め。

 そして、ここで力を継承し! 二段階目の進化を遂げるのだ!」

 

 

 

 あなたは、深く納得した。

 

 彼女たちが、進化するならば。

 

 我らが進化するのも、道理というもの。

 

 常に、ブリーダーはわん娘を導かねばならぬ。

 

 そのためには、後塵を拝していてはならない。

 

 彼女たちの進化に伴い、ブリーダーも進化せねば。

 

 その愛を、十全に伝えられぬ……! 

 

 恋という名の戦いに、勝利すること叶わぬのだ! 

 

 

 

 「理解したようだな。ここまでで何か質問は?」

 

 

 

 ──わん娘と、我ら。力を与えるのは、何者か。

 

 

 

 「わん娘に力を与えているのは、天に昇りし始原の3わん娘。

 そう、言われている。彼女たちが、子孫を祝福しているのだとな。

 そして、我らに力を与えているのは。……恐らく。リョナNGおじさんだ」

 

 

 

 ──なるほど。リョナNGおじさんなら! 

 

 

 

 「ああ! リョナNGおじさんなら、始原の3わん娘と同じように! 

 天上へと至っていても、不思議ではない! 

 彼に捧げられる信仰! ともすれば始原の3わん娘に捧げられる、それよりも多い! 

 そして、それを補強する根拠がここにある! 

 見えるはずだ、今の君にならば!」

 

 

 

 告げる覇道ブリーダーは、あなたの眼前を指す。

 

 あなたが目を向けると、白い空間に様々な影が浮かび上がる。

 

 

 

 ──あれは……! 

 

 

 

 それは、わん娘を愛した男たちの残影。

 

 それは、わん娘に自らの人生と。

 

 その愛を、捧げ尽くした偉大なる先達。

 

 彼らは様々な衣装に身を包み。

 

 あなたを、穏やかな目で見つめている。

 

 

 

 ──愛犬種付けおじさん……! 

 

 

 

 そう、彼らはその衣装を押し上げる。

 

 その逞しき闘魂注入棒で以て。

 

 自らが、何者であるか示していた。

 

 我ら、わん娘を愛したブリーダー。

 

 我ら、わん娘を愛し続けた一人の男。

 

 我ら、愛犬を種付けして。かわいいこいぬをポンポン♡

 

 産ませちゃった、愛犬種付けおじさん……と! 

 

 

 

 「わかるかね。彼らこそ、世代を重ねるごとに数を減らす。

 悲しきわん娘の宿命に抗った男たち……

 愛犬種付けおじさんだ! 彼らが君に! 

 クリムゾンを愛するための! 

 『力』を、与えてくれるだろう! 

 さぁ、選ぶがいい! 好きな種付けおじさんを!」

 

 

 

 ──種付けおじさんは、別に好きではない。

 

 あなたはそう答えた。

 

 

 

 ──ううむ。

 

 

 

 あなたは悩んでいた。周囲を埋め尽くす愛犬種付けおじさん。

 

 その群れを眺めて、溜息をつく。

 

 

 

 『揉み尽くしてくれる……』

 

 手を怪しく蠢かせる、マッサージが得意そうな愛犬種付けおじさん。

 

 

 

 『オラッ♡催眠ッ♡』

 

 五円玉を情熱的に振るい、ストリングスパイダーベイビーを。

 

 華麗にキメる、催眠術が得意そうな愛犬種付けおじさん。

 

 

 

 『ククク……』

 

 ただの愛犬種付けおじさん。

 

 

 

 『ウワァオ!』

 

 アメリカンな愛犬種付けおじさん。

 

 

 

 『フフフ……』

 

 ただの愛犬種付けおじさん。

 

 

 

 『リョナはNGやから……』

 

 挙動不審な愛犬種付けおじさん。

 

 

 

 『俺も居るぜ!』

 

 テリー〇ン。

 

 

 

 ──ろくな愛犬種付けおじさんがいない……! 

 

 

 

 あなたは頭を抱えた。

 

 まるで外れ籤しか入っていない、縁日のくじのような様相である。

 

 ふと、抱えていた頭を上げると。

 

 一人の、愛犬種付けおじさんと目が合う。

 

 彼はあなたに。とびっきりのウィンクをキめた。

 

 

 

 ──ぬうぅ……! 

 

 

 

 あなたはさらに頭を抱えた。

 

 覇道ブリーダーに、聞いてみる。

 

 

 

 ──あなたは。どんな愛犬種付けおじさんから。

 『力』を継承したのか。

 

 

 

 「オレかね? オレが選んだのは。

 『催眠おじさん』と。

 『鬼ピストンおじさん』だ。

 言い忘れていたが、2人選べるぞ。

 多様性が、重要だからな」

 

 

 

 ──なるほど。催眠と、種付け重視と。

 

 

 

 「オレの固有催眠術:ちん〇ん亭式催眠術。

 催眠種付けおじさんにより、強化され。

 愛犬は、毎日激しいピストンに大喜びだ。

 だがな。他人を気にしてどうする。

 君は君だけの、愛犬を愛するための『力』。

 君に必要な、種付けおじさんを。

 自ら、選ばなければならない」

 

 

 

 ──種付けおじさんを、必要とせねばならないとは……

 

 

 

 あなたは、自分は何か前世において。

 

 凄まじい罪を犯したのでは、と考えていた。

 

 気を取り直し、もう一度周囲を見回す前に。

 

 自らの内面を、改めて見つめ直す。

 

 自分は、どのように愛犬たる彼女。

 

 アカネ・クリムゾンを愛したいのか。 

 

 

 

 ──クリム。

 

 

 

 あなたの心の中の、彼女の姿。

 

 

 

 『やったわブリーダー! またルチャの素晴らしさを布教できたわね!』

 

 リングの上を跳ね回り。クソデカおっぱいを揺らし。

 

 見事勝利を掴み取った愛犬。

 

 

 

 『はいっ♡あーん♡あんっ♡』

 

 あなたにクソ雑魚よわよわおっぱいを揉まれ。

 

 可愛らしく喘ぐ愛犬。

 

 

 

 『……おっきくなってるじゃない。やっぱり気持ちよかったんでしょう? もう♡

 こんなごんぶとおにくを、愛犬に入れようだなんて♡鬼畜なぶりーだーね♡』

 

 あなたのちんちんを、再起不能にしかけた愛犬。

 

 

 

 『えへへっ♡んぶっ♡だんなさま、喜んでくれてる……♡

 感じるわっ♡闘魂ンお”ッ♡くっさっ♡すんすんっ♡んぎゅッ♡♡♡』

 

 あなたの闘魂の猛りを鼻で慰め、無様に鼻ズリ絶頂をキメる愛犬。

 

 

 

 『はひっ♡図書館ッ♡リングッ♡おしゃれなカフェッ♡

 果ては国会議事堂でもッ♡いつでも♡どこでも♡何度でもッ♡

 愛犬のクソ雑魚よわよわおっぱいッ♡激しく握撃ッ♡

 奏で尽くす、愛のラプソディーッ♡およめさんオーケストラッ♡』

 

 その被虐嗜好故に。

 

 催眠に、自らドハマりしたクソマゾ。

 

 

 

 『だ、駄目ッ♡♡♡愛するヒトにっ♡

 愛犬レモンジュースッ♡直飲み大サービスぅぅぅぅぅぅッ♡』

 

 あなたの喉を潤すという。

 

 大役に、ようやく気付いたドリンクサーバー。

 

 

 

 『ごめんなさいッ♡土下座するブリーダーッ♡かわいすぎてドS心がだいまんぞくッ♡

 ふみふみしてる時、すっごく興奮したわッ♡きゃひんッ♡あひぃんッ♡』

 

 とんでもない地雷を、埋設していたばかいぬ。

 

 

 

 『ぶくぶくぶく……♡♡♡』

 

 カニ。

 

 

 

 『ンはぁっ♡気持ちいいの大好きッ♡わかったわッ♡

 あたし、睡眠薬とリポビ〇ンDを間違えてッ♡♡♡

 毎晩罪悪感でッ♡♡♡土下座絶頂その場でキメてッ♡♡♡

 思う存分、お仕置きしてもらうッ♡♡♡』

 

 リポビ〇ンD。

 

 

 

 そして……

 

 

 

 『ごめんなさい。もう少しだけ待って欲しいの。

 あたしが、この乳首を受け入れられる日まで。

 あなたに、愛されるあたしである、自信を得られるまで』

 

 自らのコンプレックスを隠し。

 

 あなたの愛を信じられぬと切り捨てた、彼女の姿。

 

 

 

 ──クリム……! 

 

 

 

 愛犬の全てを知りたい。

 

 愛犬に、この愛を分かって欲しい。

 

 

 

 ──そうか、オレは……! 

 

 

 

 愛犬との想い出の中で自らを見つめ直し。

 

 心を決めた、あなたは顔を上げた。

 

 覇道ブリーダーが、満足げに微笑む。

 

 

 

 「決まったようだな。さぁ行くがいい。

 愛犬を、愛して愛して愛し尽くし。

 この世界に、お前と愛犬の愛の鐘。

 力の限り、鳴り響かせろ。

 そしてかわいいこいぬを。

 ポンポン♡産ませちゃうがいい」

 

 

 

 ──ありがとうございました。

 

 

 

 あなたを導いた、偉大なる先達に頭を下げる。

 

 

 

 「何……礼を言う必要はない。

 次は、君だ。君の番だ。

 次なる愛犬種付けおじさん。

 それを導くのは、君だ。

 そういう決まりなのでな……

 さぁ! 好きな種付けおじさんを選んでね!」

 

 

 

 ──だから。種付けおじさんは別に好きではない。

 

 

 

 あなたは、ワードチョイスが壊滅的な。

 

 偉大なる先達に、若干腹を立てつつも。

 

 2人の愛犬種付けおじさんの手を取り、走り出す。

 

 頬を染め、あなたを挟んで走り出す。

 

 愛犬種付けおじさんズ。

 

 なんだかとっても泣きたくなった。

 

 

 

 ──クリム。今行くぞ……! 

 

 

 

 そして、次第に息を荒げ。

 

 限界を訴える、愛犬種付けおじさんズの。

 

 湿った手の感触に、げんなりとしながら……

 

 あなたは、もう一度光に包まれた。

 

 

 

 ──ここは……

 

 

 

 目を開ける。

 

 目の前には、あなたに土下座する愛犬の姿。

 

 あなたは帰ってきたのだ。

 

 穏やかな心と、溢れ出る力。

 

 世界の全てが、変わって見える。

 

 愛犬の、クソ雑魚よわよわおっぱい。

 

 愛らしい、輝く深紅のツインテール。

 

 ごんぶとな、しっぽ。

 

 ケツ毛も生えていない、とんでもないデカケツ。

 

 

 

 ──ああ。なんと愛しい。

 

 

 

 あなたの世界の全て。アカネ・クリムゾンの姿が。

 

 以前とは、まるで違って見える。

 

 愛したくてたまらない。この愛を伝えたい。

 

 彼女にこいぬを100匹以上、産ませてやりたい。

 

 あなたは、孵化したのだ。

 

 愛犬を愛する、ブリーダーから。

 

 愛犬をさらに愛する、愛犬種付けおじさんへと。

 

 

 

 愛犬に、優しく声をかける。

 

 

 

 ──クリム。

 

 

 

 「ぶ、ブリーダー? 怒ってる?」

 

 

 

 ──クリムに対して怒ってなどいない。何故そう思ったのか。

 

 「だって、あたしが愛するだんなさまに。

 乳首を見せることもできない、不出来なクソ雑魚よわよわおっぱい奴隷嫁だから。

 それでさっき、あたしが。だんなさまを怒らせたのかと……」

 

 

 

 ──違う。お前は勘違いしている。

 

 

 

 誤解を解かなければならない。

 

 彼女に顔を上げるように言い。

 

 あなたは床に、その身を横たえる。

 

 土下寝である。

 

 

 

 「ブリーダー!? 頭を上げて! だんなさまが! 

 クソ雑魚よわよわおっぱい奴隷嫁に! 

 頭を下げるなんて! してはいけないことだわ!」

 

 

 

 ──違う。違うのだ。自分が先程怒りを感じたのは。

 

 

 

 愛犬に対してでは、ない。

 

 己に対してである。

 

 愛犬に、自らの愛を伝えきることも出来ぬ。

 

 不出来な自分自身に。

 

 

 

 ──オレは、自分が情けない。

 

 

 

 愛犬が信頼して、自らの秘密を告げることも出来ぬ。

 

 どうしようもない、自分に。

 

 

 

 ──こんなオレは、クリムのブリーダー失格だ。

 

 

 

 「そ、そんな……違うわ! ブリーダ─は悪くない! 

 悪いのはあたし! あたしが、ブリーダーを信じ切れていなかったから……! 

 だんなさまに、頭を下げさせるなんて……! 

 こんなどうしようもないあたしを、愛してくれてる! 

 それだけで十分じゃない!」

 

 

 

 ──十分ではない。

 足りなかったのだ……! 愛犬に対する愛が……! 

 どうしようもなく、不足していたのだ……! 

 だからクリム。許可をくれ。

 もう一度だけ、チャンスを。自分に君を愛する許可を。

 

 

 

 「うんっ……! もちろんよブリーダー! 

 こんなどうしようもない、あたしで良ければ! 

 あたし、ブリーダーに愛してほしい……!」

 

 

 

 ──ありがとうクリム。愛(・)し(・)て(・)い(・)い(・)ん(・)だ(・)な(・)? 

 

 

 

 アカネ・クリムゾンは告げる。愛してほしいと。

 

 催眠術に堕していながら、否。

 

 催眠術に堕ちているからこそ。

 

 その剥き出しになった、心からの本音を。

 

 その愛を限界を超えて高め。

 

 孵化した、当代において2匹目の愛の獣。

 

 愛を叫び猛り狂う、愛以外の感情を失った、凶獣に。

 

 愛して欲しいと、告げてしまったのだ。

 

 

 

 ぴしり……ぴしり……がしゃん! 

 

 

 

 そして。罅が入った鎖が、壊れた。

 

 あなたの理性。

 

 愛犬を壊してしまわぬよう。

 

 あなたが無意識のうちに、必死で本能を押さえつけていた。

 

 最後の、セーフティが。

 

 音を立てて崩れ去る。

 

 あなたは立ち上がり、高らかに宣誓した。

 

 

 

 ──クリム。誓おう。

 オレは、二度と間違えない。

 君を、愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛し抜く。

 

 一人の男として……

 一人の愛犬種つけおじさんとして。

 君への愛を、高らかに叫ぼう。

 

 

 

 「はい……♡愛してください、あたしの、あたしだけのだんなさま……♡」

 

 

 

 うっとりと。

 

 愛される喜びに瞳を潤ませる。

 

 世界でただ一人の、いとしいいきもの。

 

 

 

 ──ああ。愛し尽くしてやるとも。

 

 

 

 そして、獣は世界に産声を上げた。

 

 獣の名は、愛犬種付けおじさん。

 

 

 

 継承するは、『エロステータス閲覧おじさん(全てを知る力)』と、『わからせおじさん(愛を伝える力)』である。

 

 

 

 

 

 

 つづかない

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